dladm コマンドによるその他の構成タスク - Oracle Solaris 11.1 での固定ネットワーク構成を使用したシステムの接続

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`dladm` コマンドによるその他の構成タスク

このセクションでは、プライマリインタフェースの切り替えや動的再構成 (DR) の実行など、dladm コマンドを使用することで単純化されたその他の構成手順について説明します。

システム上のプライマリインタフェースを切り替える方法

システムのプライマリインタフェースの変更は、データリンクの名前を変更するときに行います。次の手順は、次のシステム構成に基づいています。

システムに net0 と net1 という 2 つのデータリンクがあります。
ベースとなる NIC は、それぞれ e1000g0 と nge0 です。
net0 上に IP インタフェースが構成されています。この IP インタフェースには、常にベースとなるデータリンクの名前が付けられます。

システムのプライマリインタフェースは、そのインスタンス番号である 0 に基づいて net0 です。プライマリインタフェースは e1000g0 上に構成されています。次の手順では、nge0 上のデータリンク構成をプライマリインタフェースの構成にする方法を示します。

管理者になります。
詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。
システムのデータリンクの物理属性を表示します。
```
# dladm show-phys
```
プライマリ IP インタフェースを削除します。
```
# ipadm delete-ip interface
```
注 - ipadm コマンドの詳細は、第 4 章IP インタフェースの操作および ipadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
プライマリリンクの名前を、システム上のほかのデータリンクで使用されていない名前に置き換えます。
```
# dladm rename-link primary-link unused-name
```
プライマリリンク名を、プライマリデバイスになるように指定されたデータリンクに割り当てます。
```
# dladm rename-link new-link primary-link
```

例 3-1 プライマリインタフェースの切り替え

次の例は、システム上のプライマリインタフェースを変更する操作に含まれるすべての手順を組み合わせたものです。この例の最後では、e1000g0 上に構成されたプライマリインタフェースが nge0 上に構成されたインタフェースに置き換わっています。プライマリリンクを別の NIC に切り替えたあとは、新しい NIC のデータリンク上にインタフェースを構成できます。

# dladm show-phys
LINK   MEDIA      STATE   SPEED   DUPLEX   DEVICE
net0   Ethernet   up      100Mb    full     e1000g0
net1   Ethernet   up      100Mb    full     nge0

# ipadm delete-ip net0
# dladm rename-link net0 oldnet0
# dladm rename-link net1 net0

# ipadm create-ip net0
# ipadm create-addr -a 192.168.10.10/24 net0
ipadm: net0/v4

# dladm show-phys
LINK      MEDIA      STATE   SPEED   DUPLEX   DEVICE
oldnet0   Ethernet   up      1000    full     e1000g0
net0      Ethernet   up      1000    full     nge0

動的再構成を使用してネットワークインタフェースカードを交換する方法

この手順は、動的再構成 (DR) をサポートするシステムにのみ適用されます。特に、DR の完了後の構成手順を示します。Oracle Solaris 11 では、DR の完了後にネットワークリンクを構成し直す必要はなくなりました。代わりに、取り外した NIC のリンク構成を交換した NIC に移動するだけです。

この手順では、DR 自体の詳しい実行手順は示しません。これらの手順については、システムのドキュメントを参照してください。

DR の概要については、『Oracle Solaris 11.1 の管理: デバイスとファイルシステム』の第 4 章「デバイスの動的構成 (タスク)」を参照してください。

始める前に

DR の実行手順はシステムのタイプによって異なります。まず、次を必ず完了してください。

システムが DR をサポートしていることを確認します。
システムでの DR を説明した適切なマニュアルを参照します。

Oracle 製 Sun サーバーの DR に関する最新ドキュメントを見つけるには、http://www.oracle.com/technetwork/indexes/documentation/index.html で「動的再構成 (dynamic reconfiguration)」を検索します。

Oracle Solaris Cluster 環境での DR の実行については、『Oracle Solaris Cluster システム管理』を参照してください。

管理者になります。
詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。
(オプション) データリンクの物理属性や各データリンクのシステム上の場所に関する情報を表示します。
```
# dladm show-phys -L
```
dladm show-phys -L によって表示される情報のタイプの詳細については、dladm(1M) のマニュアルページを参照してください。
システムのドキュメントの説明に従って DR を実行します。
この手順を実行するには、システムの DR ドキュメントを参照してください。
交換用 NIC を取り付けたら、次の手順に進みます。
該当する状況に応じて、次のいずれかの手順を実行します。
- 古い NIC と同じスロットに交換用 NIC を挿入した場合は、手順 5 に進みます。
  
  古い NIC が以前に占有していたのと同じ場所を新しい NIC が使用しているため、新しい NIC が古い NIC のリンク名と構成を継承します。
- 交換用 NIC を別のスロットに挿入し、新しい NIC が取り外された NIC のデータリンク構成を継承する必要がある場合は、次を入力します。
```
# dladm rename-link new-datalink old-datalink
```
  new-datalink
  
  古い NIC が取り外された場所とは異なるスロットに挿入された交換用 NIC のデータリンクを示します。
  
  old-datalink
  
  取り外された古い NIC に関連付けられているデータリンク名を示します。
  
  注 - このシナリオでは、古い NIC が取り外されたスロットは空けておく必要があります。
  
  たとえば、スロット 1 の NIC が取り外され、スロット 2 に新しい NIC が挿入されています。スロット 1 には NIC が挿入されていません。スロット 1 上のデータリンクが net0 で、スロット 2 上のデータリンクが net1 であるとします。新しい NIC のデータリンクが古い NIC のデータリンク構成を継承するためには、次を入力します。
```
# dladm rename-link net1 net0
```
新しい NIC リソースが Oracle Solaris によって使用可能になるようにして、DR プロセスを完了します。
たとえば、cfgadm コマンドを使用して NIC を構成できます。詳細は、cfgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
(オプション) リンクの情報を表示します。
dladm show-phys または dladm show-link のいずれかを使用して、データリンクに関する情報を表示できます。

例 3-2 新しいネットワークカードを取り付けることによる動的再構成の実行

この例は、リンク名 net0 の bge カードを e1000g カードに交換する方法を示しています。e1000g がシステムに接続されると、net0 のリンク構成が bge から e1000g に転送されます。

# dladm show-phys -L
LINK     DEVICE     LOCATION
net0     bge0       MB
net1     ibp0       MB/RISER0/PCIE0/PORT1
net2     ibp1       MB/RISER0/PCIE0/PORT2
net3     eoib2      MB/RISER0/PCIE0/PORT1/cloud-nm2gw-2/1A-ETH-2

管理者は、cfgadm を使用して bge を取り外し、その代わりに e1000g を取り付けるなど、DR 固有の手順を実行します。カードを取り付けると、e1000g0 のデータリンクは自動的に名前 net0 を引き継ぎ、そのリンク構成を継承します。

# dladm show-phys -L
LINK     DEVICE     LOCATION
net0     e1000g0    MB
net1     ibp0       MB/RISER0/PCIE0/PORT1
net2     ibp1       MB/RISER0/PCIE0/PORT2
net3     eoib2      MB/RISER0/PCIE0/PORT1/cloud-nm2gw-2/1A-ETH-2

# dladm show-link
LINK     CLASS     MTU    STATE    OVER
net0     phys      9600   up       ---
net1     phys      1500   down     ---
net2     phys      1500   down     --
net3     phys      1500   down     ---

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