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Oracle Solaris 11.1 での固定ネットワーク構成を使用したシステムの接続 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
5. Oracle Solaris を実行するノートパソコン上での無線ネットワークの構成
A. 比較マップ: ifconfig コマンドと ipadm コマンド
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始める前に
ノートパソコンを WiFi ネットワークに接続するには、次の手順を実行します。
詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。
# dladm show-phys LINK MEDIA STATE SPEED DUPLEX DEVICE net0 Ethernet up 1500 full ath0 net1 Ethernet up 1500 full e1000g0
この例の出力は、2 つのリンクが使用可能なことを示しています。デバイス ath0 上の net0 リンクは WiFi 通信をサポートします。e1000g0 リンクはシステムを有線ネットワークに接続する役目を果たします。
# ipadm create-ip net0
# ipadm show-if IFNAME CLASS STATE ACTIVE OVER lo0 loopback ok yes -- net0 ip ok yes --
# dladm scan-wifi LINK ESSID BSSID/IBSSID SEC STRENGTH MODE SPEED net0 ofc 00:0e:38:49:01:d0 none good g 54Mb net0 home 00:0e:38:49:02:f0 none very weak g 54Mb net0 linksys 00:0d:ed:a5:47:e0 none very good g 54Mb
scan-wifi コマンドのこの出力例では、現在の場所で使用可能な WiFi ネットワークに関する情報が表示されています。この出力には、次の情報が含まれています。
WiFi 接続で使用されるリンク名を示します。
拡張サービスセット識別子を示します。ESSID は WiFi ネットワークの名前であり、特定の無線ネットワークの管理者が任意に設定できます。
特定の ESSID の一意の識別子である基本サービスセット識別子を示します。BSSID は、ネットワークに特定の ESSID を提供する、隣接するアクセスポイントの 48 ビットの MAC アドレスです。
ネットワークにアクセスするために必要なセキュリティーのタイプを示します。この値は none または WEP です。WEP については、「セキュアな WiFi 通信」を参照してください。
現在の場所で使用可能な WiFi ネットワークからの無線信号の強度を示します。
ネットワークによって実行される 802.11 プロトコルのバージョンを示します。このモードは a、b、g か、またはこれらのモードの組み合わせです。
特定のネットワークの速度 (メガビット/秒) を示します。
信号強度のもっとも高い、セキュリティーで保護されていない WiFi ネットワークに接続します。
# dladm connect-wifi
ESSID を指定することによって、セキュリティーで保護されていないネットワークに接続します。
# dladm connect-wifi -e ESSID
dladm の connect-wifi サブコマンドには、WiFi ネットワークに接続するためのその他のオプションがいくつかあります。詳細は、dladm(1M) のマニュアルページを参照してください。
次のいずれかを行います。
DHCP サーバーから IP アドレスを取得します。
# ipadm create-addr -T dhcp interface
WiFi ネットワークで DHCP がサポートされていない場合は、次のメッセージが表示されます。
ipadm: interface: interface does not exist or cannot be managed using DHCP
静的 IP アドレスを構成します。
このオプションは、システムに専用の IP アドレスがある場合に使用します。
# ipadm create-addr -a address interface
# dladm show-wifi LINK STATUS ESSID SEC STRENGTH MODE SPEED net0 connected ofc none very good g 36Mb
この例の出力は、システムが現在 ofc ネットワークに接続されていることを示しています。前の手順 4 の scan-wifi の出力は、使用可能なネットワークの中で ofc の信号強度がもっとも高いことを示していました。別のネットワークを直接指定しないかぎり、dladm connect-wifi コマンドは、信号強度のもっとも高い WiFi ネットワークを自動的に選択します。
システムの接続先のネットワークに応じて、次のいずれかを行います。
アクセスポイントが無料のサービスを提供している場合は、今すぐ目的のブラウザまたはアプリケーションを実行できます。
アクセスポイントが料金を必要とする商用 WiFi ネットワーク内にある場合は、現在の場所で提供されている手順に従います。通常は、ブラウザを実行し、キーを指定して、ネットワークプロバイダにクレジットカード情報を提供します。
WiFi セッションを終了しますが、システムは実行中のままにします。
# dladm disconnect-wifi
現在、複数のセッションが実行されている場合は、特定の WiFi セッションを終了します。
# dladm disconnect-wifi link
ここで、link はセッションに使用されているインタフェースを表します。
WiFi セッションの実行中に、システムを正常にシャットダウンします。
# shutdown -g0 -i5
shutdown コマンドを使用してシステムの電源を落とす前に WiFi セッションを明示的に切り離す必要はありません。
例 5-1 特定の WiFi ネットワークへの接続
次の例は、Oracle Solaris ノートパソコンを無線ネットワークに接続するときに実行する複数の異なる手順を組み合わせたものです。この例は、OS で任意の無線ネットワークを選択する代わりに、希望する特定の無線ネットワークにシステムを強制的に接続する方法も示しています。この例は、ノートパソコン上に静的 IP アドレス 10.192.16.3/24 が構成されていることを前提にしています。この例では、最初に WiFi リンクの可用性を判定しています。
# dladm show-phys LINK MEDIA STATE SPEED DUPLEX DEVICE net0 Ethernet up 1500 full ath0 net1 Ethernet up 1500 full e1000g0 # ipadm create-ip net0 IFNAME CLASS STATE ACTIVE OVER lo0 loopback ok yes -- net0 ip ok yes -- # dladm scan-wifi LINK ESSID BSSID/IBSSID SEC STRENGTH MODE SPEED net0 wifi-a 00:0e:38:49:01:d0 none weak g 54Mb net0 wifi-b 00:0e:38:49:02:f0 none very weak g 54Mb net0 ofc-net 00:0d:ed:a5:47:e0 wep very good g 54Mb net0 citinet 00:40:96:2a:56:b5 none good b 11Mb # dladm connect-wifi -e citinet # ipadm create-addr -a 10.192.16.3/24 net0 ipadm: net0/v4 # ipadm show-addr net0 ADDROBJ TYPE STATE ADDR net0/v4 static ok 10.192.16.3/24 # dladm show-wifi LINK STATUS ESSID SEC STRENGTH MODE SPEED net0 connected citinet none good g 11Mb
ブラウザやその他のアプリケーションを実行して、WiFi ネットワーク経由で作業を開始します。
# firefox
Firefox ブラウザのホームページが表示されます。
セッションを終了しますが、ノートパソコンは実行中のままにします。
# dladm disconnect-wifi # dladm show-wifi LINK STATUS ESSID SEC STRENGTH MODE SPEED net0 disconnected -- -- -- -- --
show-wifi の出力によって、net0 リンクが WiFi ネットワークから切り離されたことを確認できます。
この手順では、標準のネットワークツールを使用して WiFi リンクのステータスを監視し、linkprop サブコマンドを使用して選択したリンクプロパティーを変更する方法について説明します。
詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。
構文は次のとおりです。
# dladm show-linkprop link
たとえば、net0 無線リンク上で確立された接続のステータスを表示するには、次の構文を使用します。
# dladm show-linkprop net0 ... PROPERTY VALUE DEFAULT POSSIBLE channel 5 -- -- powermode off off off,fast,max radio ? on on,off speed 36 -- 1,2,5.5,6,9,11,12,18,24,36,48,54 ...
注意 - Oracle Solaris では、WiFi 接続の最適な速度が自動的に選択されます。初期のリンク速度を変更すると、パフォーマンスが低下したり、特定の WiFi 接続の確立が妨げられたりすることがあります。 |
リンク速度を、show-linkprop の出力に表示される、速度に指定可能な値のいずれかに変更できます。
# dladm set-linkprop -p speed=value link
# netstat -I net0 -i 5 input net0 output input (Total) output packets errs packets errs colls packets errs packets errs colls 317 0 106 0 0 2905 0 571 0 0 14 0 0 0 0 20 0 0 0 0 7 0 0 0 0 16 0 1 0 0 5 0 0 0 0 9 0 0 0 0 304 0 10 0 0 631 0 316 0 0 338 0 9 0 0 722 0 381 0 0 294 0 7 0 0 670 0 371 0 0 306 0 5 0 0 649 0 338 0 0 289 0 5 0 0 597 0 301 0 0
例 5-2 リンクの速度の設定
この例は、WiFi ネットワークに接続したあとにリンクの速度を設定する方法を示しています。
# dladm show-linkprop -p speed net0 PROPERTY VALUE DEFAULT POSSIBLE speed 24 -- 1,2,5,6,9,11,12,18,24,36,48,54 # dladm set-linkprop -p speed=36 net0 # dladm show-linkprop -p speed net0 PROPERTY VALUE DEFAULT POSSIBLE speed 36 -- 1,2,5,6,9,11,12,18,24,36,48,54