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Oracle Solaris 11.1 での固定ネットワーク構成を使用したシステムの接続     Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  固定ネットワーク構成の概要

2.  ネットワーク用のシステムの構成

3.  データリンクの操作

4.  IP インタフェースの操作

5.  Oracle Solaris を実行するノートパソコン上での無線ネットワークの構成

WiFi 通信のタスクマップ

WiFi ネットワークに接続する方法

WiFi リンクを監視する方法

セキュアな WiFi 通信

暗号化された WiFi ネットワーク接続を設定する方法

A.  比較マップ: ifconfig コマンドと ipadm コマンド

B.  比較マップ: ndd コマンドと ipadm コマンド

索引

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WiFi 通信のタスクマップ

タスク
説明
参照先
WiFi ネットワークに接続します。
ローカルの WiFi ネットワークとの通信を設定して確立します。
WiFi リンク上の通信を監視します。
標準の Oracle Solaris ネットワークツールを使用して WiFi リンクの状態を確認します。
セキュアな WiFi 通信を確立します。
WEP (Wired Equivalent Privacy) キーを作成し、それを使用してセキュアな WiFi ネットワークとの接続を確立します

WiFi ネットワークに接続する方法

始める前に

ノートパソコンを WiFi ネットワークに接続するには、次の手順を実行します。

  1. 管理者になります。

    詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。

  2. データリンクの物理属性を表示します。
    # dladm show-phys
    LINK            MEDIA                STATE    SPEED  DUPLEX    DEVICE
    net0            Ethernet             up       1500   full      ath0
    net1            Ethernet             up       1500   full      e1000g0

    この例の出力は、2 つのリンクが使用可能なことを示しています。デバイス ath0 上の net0 リンクは WiFi 通信をサポートします。e1000g0 リンクはシステムを有線ネットワークに接続する役目を果たします。

  3. WiFi インタフェースを構成します。

    次の手順を使用してインタフェースを構成します。

    1. WiFi をサポートするインタフェースを作成します。
      # ipadm create-ip net0
    2. リンクが plumb されていることを確認します。
      # ipadm show-if
      IFNAME      CLASS        STATE     ACTIVE     OVER
      lo0         loopback     ok        yes        --
      net0        ip           ok        yes        --
  4. 使用可能なネットワークを確認します。
    # dladm scan-wifi
     LINK       ESSID        BSSID/IBSSID       SEC     STRENGTH   MODE   SPEED
     net0       ofc          00:0e:38:49:01:d0  none     good       g      54Mb
     net0       home         00:0e:38:49:02:f0  none     very weak  g      54Mb
     net0       linksys      00:0d:ed:a5:47:e0  none     very good  g      54Mb
     

    scan-wifi コマンドのこの出力例では、現在の場所で使用可能な WiFi ネットワークに関する情報が表示されています。この出力には、次の情報が含まれています。

    LINK

    WiFi 接続で使用されるリンク名を示します。

    ESSID

    拡張サービスセット識別子を示します。ESSID は WiFi ネットワークの名前であり、特定の無線ネットワークの管理者が任意に設定できます。

    BSSID/IBSSID

    特定の ESSID の一意の識別子である基本サービスセット識別子を示します。BSSID は、ネットワークに特定の ESSID を提供する、隣接するアクセスポイントの 48 ビットの MAC アドレスです。

    SEC

    ネットワークにアクセスするために必要なセキュリティーのタイプを示します。この値は none または WEP です。WEP については、「セキュアな WiFi 通信」を参照してください。

    STRENGTH

    現在の場所で使用可能な WiFi ネットワークからの無線信号の強度を示します。

    MODE

    ネットワークによって実行される 802.11 プロトコルのバージョンを示します。このモードは a、b、g か、またはこれらのモードの組み合わせです。

    SPEED

    特定のネットワークの速度 (メガビット/秒) を示します。

  5. WiFi ネットワークに接続します。

    次のいずれかを行います。

    • 信号強度のもっとも高い、セキュリティーで保護されていない WiFi ネットワークに接続します。

      # dladm connect-wifi
    • ESSID を指定することによって、セキュリティーで保護されていないネットワークに接続します。

      # dladm connect-wifi -e ESSID

      dladmconnect-wifi サブコマンドには、WiFi ネットワークに接続するためのその他のオプションがいくつかあります。詳細は、dladm(1M) のマニュアルページを参照してください。

  6. インタフェースの IP アドレスを構成します。

    次のいずれかを行います。

    • DHCP サーバーから IP アドレスを取得します。

      # ipadm create-addr -T dhcp interface

      WiFi ネットワークで DHCP がサポートされていない場合は、次のメッセージが表示されます。

      ipadm: interface: interface does not exist or cannot be managed using DHCP
    • 静的 IP アドレスを構成します。

      このオプションは、システムに専用の IP アドレスがある場合に使用します。

      # ipadm create-addr -a address interface
  7. システムの接続先の WiFi ネットワークのステータスを確認します。
    # dladm show-wifi
    LINK       STATUS        ESSID       SEC     STRENGTH   MODE   SPEED
    net0       connected     ofc         none    very good   g      36Mb

    この例の出力は、システムが現在 ofc ネットワークに接続されていることを示しています。前の手順 4 の scan-wifi の出力は、使用可能なネットワークの中で ofc の信号強度がもっとも高いことを示していました。別のネットワークを直接指定しないかぎり、dladm connect-wifi コマンドは、信号強度のもっとも高い WiFi ネットワークを自動的に選択します。

  8. WiFi ネットワーク経由でインターネットにアクセスします。

    システムの接続先のネットワークに応じて、次のいずれかを行います。

    • アクセスポイントが無料のサービスを提供している場合は、今すぐ目的のブラウザまたはアプリケーションを実行できます。

    • アクセスポイントが料金を必要とする商用 WiFi ネットワーク内にある場合は、現在の場所で提供されている手順に従います。通常は、ブラウザを実行し、キーを指定して、ネットワークプロバイダにクレジットカード情報を提供します。

  9. セッションを完了します。

    次のいずれかを行います。

    • WiFi セッションを終了しますが、システムは実行中のままにします。

      # dladm disconnect-wifi 
    • 現在、複数のセッションが実行されている場合は、特定の WiFi セッションを終了します。

      # dladm disconnect-wifi link

      ここで、link はセッションに使用されているインタフェースを表します。

    • WiFi セッションの実行中に、システムを正常にシャットダウンします。

      # shutdown -g0 -i5

      shutdown コマンドを使用してシステムの電源を落とす前に WiFi セッションを明示的に切り離す必要はありません。

例 5-1 特定の WiFi ネットワークへの接続

次の例は、Oracle Solaris ノートパソコンを無線ネットワークに接続するときに実行する複数の異なる手順を組み合わせたものです。この例は、OS で任意の無線ネットワークを選択する代わりに、希望する特定の無線ネットワークにシステムを強制的に接続する方法も示しています。この例は、ノートパソコン上に静的 IP アドレス 10.192.16.3/24 が構成されていることを前提にしています。この例では、最初に WiFi リンクの可用性を判定しています。

# dladm show-phys
LINK            MEDIA                STATE    SPEED  DUPLEX    DEVICE
net0            Ethernet             up       1500   full      ath0
net1            Ethernet             up       1500   full      e1000g0

# ipadm create-ip net0
IFNAME      CLASS        STATE     ACTIVE     OVER
lo0         loopback     ok        yes        --
net0        ip           ok        yes        --

# dladm scan-wifi
 LINK       ESSID        BSSID/IBSSID       SEC     STRENGTH   MODE   SPEED
 net0       wifi-a       00:0e:38:49:01:d0  none     weak       g      54Mb
 net0       wifi-b       00:0e:38:49:02:f0  none     very weak  g      54Mb
 net0       ofc-net      00:0d:ed:a5:47:e0  wep      very good  g      54Mb
 net0       citinet      00:40:96:2a:56:b5  none     good       b      11Mb

# dladm connect-wifi -e citinet

# ipadm create-addr -a 10.192.16.3/24 net0
ipadm: net0/v4
# ipadm show-addr net0
ADDROBJ           TYPE     STATE        ADDR
net0/v4           static   ok           10.192.16.3/24

# dladm show-wifi
LINK       STATUS        ESSID         SEC     STRENGTH   MODE   SPEED
net0       connected     citinet       none    good       g      11Mb

ブラウザやその他のアプリケーションを実行して、WiFi ネットワーク経由で作業を開始します。

# firefox

Firefox ブラウザのホームページが表示されます。

セッションを終了しますが、ノートパソコンは実行中のままにします。

# dladm disconnect-wifi
# dladm show-wifi
LINK       STATUS        ESSID         SEC     STRENGTH   MODE   SPEED
net0       disconnected   --            --       --       --       --

show-wifi の出力によって、net0 リンクが WiFi ネットワークから切り離されたことを確認できます。

WiFi リンクを監視する方法

この手順では、標準のネットワークツールを使用して WiFi リンクのステータスを監視し、linkprop サブコマンドを使用して選択したリンクプロパティーを変更する方法について説明します。

  1. 管理者になります。

    詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。

  2. 「WiFi ネットワークに接続する方法」の説明に従って、WiFi ネットワークに接続します。
  3. リンクのプロパティーを表示します。

    構文は次のとおりです。

    # dladm show-linkprop link

    たとえば、net0 無線リンク上で確立された接続のステータスを表示するには、次の構文を使用します。

    # dladm show-linkprop net0
    ...
    PROPERTY        VALUE           DEFAULT         POSSIBLE
    channel         5               --              -- 
    powermode       off             off             off,fast,max
    radio           ?               on              on,off 
    speed           36               --              1,2,5.5,6,9,11,12,18,24,36,48,54
    ...
  4. リンクの固定された速度を設定します。

    注意

    注意 - Oracle Solaris では、WiFi 接続の最適な速度が自動的に選択されます。初期のリンク速度を変更すると、パフォーマンスが低下したり、特定の WiFi 接続の確立が妨げられたりすることがあります。


    リンク速度を、show-linkprop の出力に表示される、速度に指定可能な値のいずれかに変更できます。

    # dladm set-linkprop -p speed=value link
  5. リンク上のパケットフローを確認します。
    # netstat -I net0 -i 5
       input   net0      output       input  (Total)    output
    packets errs  packets errs  colls  packets errs  packets errs  colls
    317     0     106     0     0      2905    0     571     0     0
    14      0     0       0     0      20      0     0       0     0
    7       0     0       0     0      16      0     1       0     0
    5       0     0       0     0      9       0     0       0     0
    304     0     10      0     0      631     0     316     0     0
    338     0     9       0     0      722     0     381     0     0
    294     0     7       0     0      670     0     371     0     0
    306     0     5       0     0      649     0     338     0     0
    289     0     5       0     0      597     0     301     0     0

例 5-2 リンクの速度の設定

この例は、WiFi ネットワークに接続したあとにリンクの速度を設定する方法を示しています。

# dladm show-linkprop -p speed net0
PROPERTY        VALUE           DEFAULT         POSSIBLE
speed           24               --              1,2,5,6,9,11,12,18,24,36,48,54
# dladm set-linkprop -p speed=36 net0

# dladm show-linkprop -p speed net0
PROPERTY        VALUE           DEFAULT         POSSIBLE
speed           36               --              1,2,5,6,9,11,12,18,24,36,48,54