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Oracle Solaris 11 ネットワークサービスの紹介     Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  ネットワークサービス (概要)

2.  Web キャッシュサーバーの管理

NCA (ネットワークキャッシュとアクセラレータ) (概要)

Web キャッシュサーバーの管理 (タスクマップ)

NCA の利用を計画する

NCA を使用するためのシステム要件

NCA ロギング

ライブラリ置き換えによる door サーバーデーモンのサポート

複数インスタンスのサポート

Web ページのキャッシュ管理 (タスク)

Web ページのキャッシングを有効にする方法

Web ページのキャッシングを無効にする方法

NCA ロギングを有効または無効にする方法

NCA 用のソケットユーティリティーライブラリを読み込む方法

NCA サービスに新しいポートを追加する方法

Web ページのキャッシング (リファレンス)

NCA ファイル

NCA アーキテクチャー

NCA から httpd への要求フロー

3.  時間関連サービス

索引

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Web ページのキャッシング (リファレンス)

このセクションでは、NCA を使用するために必要なファイルとコンポーネントについて説明します。また、NCA が Web サーバーと通信する方法についても説明します。

NCA ファイル

NCA 機能をサポートするには、いくつかのファイルが必要です。ほとんどのファイルは ASCII 形式ですが、バイナリ形式のファイルもあります。次の表に必要なファイルの一覧を示します。

表 2-1 NCA ファイル

ファイル名
機能
/dev/nca
NCA デバイスのパス名。
/etc/hostname. *
サーバー上で構成されているすべての物理インタフェースについてホスト名が記述されているファイル。
/etc/hosts
サーバーに対応付けられるすべてのホスト名が記述されているファイル。NCA が機能するには、このファイルの各エントリが、対応する /etc/hostname. * ファイル内のエントリと一致していなければなりません。
/etc/init.d/ncakmod
NCA サーバーを起動するスクリプト。このスクリプトは、サーバーのブート時に実行されます。
/etc/init.d/ncalogd
NCA ロギングを開始するスクリプト。このスクリプトは、サーバーのブート時に実行されます。
/etc/nca/nca.if
NCA が実行されるすべてのインタフェースが記述されているファイル。詳細は、nca.if(4) のマニュアルページを参照してください。
/etc/nca/ncakmod.conf
NCA 用のすべての構成パラメータが記述されているファイル。詳細は、ncakmod.conf(4) のマニュアルページを参照してください。
/etc/nca/ncalogd.conf
NCA ロギング用のすべての構成パラメータが記述されているファイル。詳細は、ncalogd.conf(4) のマニュアルページを参照してください。
/etc/nca/ncaport.conf
NCA で使用する IP アドレスとポートが記述されているファイル。詳細は、ncaport.conf(4) のマニュアルページを参照してください。
/system/volatile/nca_httpd_1.door
ドアパス名。
/usr/bin/ncab2clf
ログファイル内のデータを共通ログ形式に変換するために使用されるコマンド。詳細は、ncab2clf(1) のマニュアルページを参照してください。
/usr/lib/net/ncaconfd
ブート時に複数のインタフェース上で NCA が実行されるように構成するために使用されるコマンド。詳細は、ncaconfd(1M) のマニュアルページを参照してください。
/usr/lib/nca_addr.so
AF_INET ソケットの代わりに AF_NCA ソケットを使用するライブラリ。このライブラリは AF_INET ソケットを使用する Web サーバー上で使用します。詳細は、ncad_addr(4) のマニュアルページを参照してください。
/var/nca/log
ログファイルのデータを保持するファイル。バイナリ形式のファイルなので編集できません。

NCA アーキテクチャー

NCA が機能するためには、次のコンポーネントが必要です。

カーネルモジュール ncakmod は、Web ページのキャッシュをシステムメモリー内に保持します。このモジュールは、ソケットインタフェースを介して Web サーバー httpd と通信します。プロトコルファミリータイプは PF_NCA です。

また、カーネルモジュールは、すべての HTTP キャッシュヒットを記録するログ機能も備えています。NCA ロギングは、HTTP データをバイナリ形式でディスクに書き込みます。NCA には、バイナリログファイルを共通ログ形式 (CLF) に変換するユーティリティーが用意されています。

次の図に、通常のデータフローと、NCA が有効になっている場合のデータフローを示します。

図 2-1 NCA サービスのデータフロー

image:このフロー図は、カーネル内の NCA 層を介して行われるクライアント要求のデータフローを示しています。

NCA から httpd への要求フロー

次に、クライアントと Web サーバー間の要求フローを示します。

  1. クライアントから Web サーバーに対して HTTP 要求が発行されます。

  2. ページがキャッシュ内にある場合は、カーネル内キャッシュの Web ページが返されます。

  3. ページがキャッシュ内にない場合は、Web サーバーに要求が送信され、ページが取得または更新されます。

  4. ページがキャッシュされているかどうかは、HTTP 応答で使用される HTTP プロトコルのセマンティクスによって異なります。そのあと、ページがクライアントに返されます。HTTP 要求ヘッダーに Pragma:No-cache が含まれている場合、ページはキャッシュされません。