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Oracle Solaris 11.1 でのシステム情報、プロセス、およびパフォーマンスの管理 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
プロセスクラスに関する基本情報を表示する方法 (priocntl)
タイムシェアリングプロセスのスケジューリングパラメータを変更する方法 (priocntl)
このセクションでは、システムプロセスを管理するためのさまざまなタスクについて説明します。
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次の表では、プロセス情報を管理するために使用されるコマンドについて説明します。
表 2-1 プロセスを管理するためのコマンド
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ps コマンドを使用すると、システム上で活動中のプロセスのステータスをチェックできます。また、プロセスについての技術的な情報も表示できます。このデータは、プロセスの優先順位の設定方法を決定するときなど、各種の管理タスクに利用できます。
使用するオプションに応じて、ps コマンドは以下の情報を報告します。
プロセスの現在のステータス
プロセス ID
親プロセス ID
ユーザー ID
スケジューリングクラス
優先順位
プロセスのアドレス
使用したメモリー
使用した CPU 時間
次の表では、ps コマンドを使用して報告されるいくつかのフィールドについて説明します。どのフィールドが表示されるかは、選択するオプションによって異なります。使用可能なすべてのオプションについては、ps(1) のマニュアルページを参照してください。
表 2-2 ps により出力されるフィールドのサマリー
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プロセスコマンドを使用すると、/proc ディレクトリにあるプロセスに関する詳細情報を表示できます。次の表に、/proc プロセスコマンドを示します。/proc ディレクトリは プロセスファイルシステム (PROCFS) とも呼ばれます。アクティブなプロセスのイメージは、そのプロセス ID 番号を使って /proc に格納されます。
表 2-3 プロセスコマンド (/proc)
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詳細については、proc(1) を参照してください。
プロセスツールは ps コマンドの一部のオプションに似ていますが、このツールから提供される出力の方が詳細です。
プロセスコマンドには次の機能があります。
一部のプロセスコマンドを使用して、プロセスに関する詳細な技術情報を表示したり、アクティブなプロセスを制御したりできます。表 2-3 に一部の /proc コマンドを示しています。
プロセスが無限ループに陥った場合や、実行時間が長すぎる場合は、プロセスを終了 (kill) できます。kill コマンドまたは pkill コマンドを使用してプロセスを終了する方法については、第 2 章システムプロセスの管理 (タスク)を参照してください。
/proc ファイルシステムは、状態情報と制御機能のためのサブディレクトリを含むディレクトリ階層です。
/proc ファイルシステムは、xwatchpoint 機能も提供します。この機能は、プロセスのアドレス空間の個々のページの読み取り権または書き込み権を再マップするために使用されます。この機能は制限がなく、MT-safe です。
デバッグ用ツールは、/proc の xwatchpoint 機能を使用するように変更されています。つまり、xwatchpoint プロセス全体がより高速になっています。
dbx デバッグ用ツールを使用して xwatchpoint を設定する際の、次の制限はなくなりました。
SPARC レジスタウィンドウのため、スタック上のローカル変数に xwatchpoint を設定する。
マルチスレッド化されたプロセスに xwatchpoint を設定する。
詳細については、proc(4) およびmdb(1) のマニュアルページを参照してください。
$ ps [-efc]
ログインセッションに関連するプロセスのみを表示する
システム上で実行中のすべてのプロセスに関する詳細情報を表示する
プロセススケジューラ情報を表示する
例 2-1 プロセスを表示する
次の例は、オプションを指定しないときの ps コマンドからの出力を示します。
$ ps PID TTY TIME COMD 1664 pts/4 0:06 csh 2081 pts/4 0:00 ps
次の例は、ps -ef コマンドの出力を示します。この出力例は、システムのブート時に最初に実行されたプロセスが sched (スワッパ) であり、それに続いて init プロセス、pageout の順に実行されたことを示しています。
$ ps -ef UID PID PPID C STIME TTY TIME CMD root 0 0 0 18:04:04 ? 0:15 sched root 5 0 0 18:04:03 ? 0:05 zpool-rpool root 1 0 0 18:04:05 ? 0:00 /sbin/init root 2 0 0 18:04:05 ? 0:00 pageout root 3 0 0 18:04:05 ? 2:52 fsflush root 6 0 0 18:04:05 ? 0:02 vmtasks daemon 739 1 0 19:03:58 ? 0:00 /usr/lib/nfs/nfs4cbd root 9 1 0 18:04:06 ? 0:14 /lib/svc/bin/svc.startd root 11 1 0 18:04:06 ? 0:45 /lib/svc/bin/svc.configd daemon 559 1 0 18:04:49 ? 0:00 /usr/sbin/rpcbind netcfg 47 1 0 18:04:19 ? 0:01 /lib/inet/netcfgd dladm 44 1 0 18:04:17 ? 0:00 /sbin/dlmgmtd netadm 51 1 0 18:04:22 ? 0:01 /lib/inet/ipmgmtd root 372 338 0 18:04:43 ? 0:00 /usr/lib/hal/hald-addon-cpufreq root 67 1 0 18:04:30 ? 0:02 /lib/inet/in.mpathd root 141 1 0 18:04:38 ? 0:00 /usr/lib/pfexecd netadm 89 1 0 18:04:31 ? 0:03 /lib/inet/nwamd root 602 1 0 18:04:50 ? 0:02 /usr/lib/inet/inetd start root 131 1 0 18:04:35 ? 0:01 /sbin/dhcpagent daemon 119 1 0 18:04:33 ? 0:00 /lib/crypto/kcfd root 333 1 0 18:04:41 ? 0:07 /usr/lib/hal/hald --daemon=yes root 370 338 0 18:04:43 ? 0:00 /usr/lib/hal/hald-addon-network-discovery root 159 1 0 18:04:39 ? 0:00 /usr/lib/sysevent/syseventd root 236 1 0 18:04:40 ? 0:00 /usr/lib/ldoms/drd root 535 1 0 18:04:46 ? 0:09 /usr/sbin/nscd root 305 1 0 18:04:40 ? 0:00 /usr/lib/zones/zonestatd root 326 1 0 18:04:41 ? 0:03 /usr/lib/devfsadm/devfsadmd root 314 1 0 18:04:40 ? 0:00 /usr/lib/dbus-daemon --system . . .
# pgrep process
process は、詳細を表示したいプロセスの名前です。
プロセス ID は、出力の第 1 列目に表示されます。
# /usr/bin/pcommand pid
実行したい (/proc) コマンド。表 2-3 にこれらのコマンドを示して説明しています。
プロセス ID
例 2-2 プロセスに関する情報を表示する
次の例は、プロセスコマンドを使用して cron プロセスに関する詳細情報を表示する方法を示しています。
# pgrep cron 1 4780 # pwdx 4780 2 4780: /var/spool/cron/atjobs # ptree 4780 3 4780 /usr/sbin/cron # pfiles 4780 4 4780: /usr/sbin/cron Current rlimit: 256 file descriptors 0: S_IFCHR mode:0666 dev:290,0 ino:6815752 uid:0 gid:3 rdev:13,2 O_RDONLY|O_LARGEFILE /devices/pseudo/mm@0:null 1: S_IFREG mode:0600 dev:32,128 ino:42054 uid:0 gid:0 size:9771 O_WRONLY|O_APPEND|O_CREAT|O_LARGEFILE /var/cron/log 2: S_IFREG mode:0600 dev:32,128 ino:42054 uid:0 gid:0 size:9771 O_WRONLY|O_APPEND|O_CREAT|O_LARGEFILE /var/cron/log 3: S_IFIFO mode:0600 dev:32,128 ino:42049 uid:0 gid:0 size:0 O_RDWR|O_LARGEFILE /etc/cron.d/FIFO 4: S_IFIFO mode:0000 dev:293,0 ino:4630 uid:0 gid:0 size:0 O_RDWR|O_NONBLOCK 5: S_IFIFO mode:0000 dev:293,0 ino:4630 uid:0 gid:0 size:0 O_RDWR
cron プロセスのプロセス ID を表示する。
cron プロセスの現在の作業ディレクトリを表示する
cron プロセスを含むプロセスツリーを表示する
fstat と fcntl の情報を表示する
# pgrep process
process は、制御するプロセスの名前です。
プロセス ID は、出力の第 1 列目に表示されます。
# /usr/bin/pcommand pid
実行したいプロセス (/proc) コマンド。表 2-3 にこれらのコマンドを示して説明しています。
プロセス ID
# ps -ef | grep pid
プロセスを強制的に終了 (kill) しなければならない場合があります。プロセスが無限ループに入る場合があります。大きいジョブを開始したが完了する前に停止したい場合があります。所有しているプロセスであれば、どれでも終了できます。また、スーパーユーザーはプロセス ID が 0、1、2、3、および 4 のものを除き、システム上のどんなプロセスでも終了できます。プロセス ID が 0、1、2、3、4 のプロセスを終了させると、システムがクラッシュする可能性があります。
詳細については、pgrep(1)、pkill(1)、およびkill(1) のマニュアルページを参照してください。
$ pgrep process
process は、終了したいプロセスの名前です。
例:
$ pgrep netscape 587 566
プロセス ID が出力に表示されます。
注 - Sun Ray に関するプロセス情報を取得するには、次のコマンドを使用します。
# ps -fu user
このコマンドは、このユーザーのすべてのプロセスを表示します。
# ps -fu user | grep process
このコマンドは、ユーザーの特定のプロセスを検索します。
$ pkill [signal] process
pkill コマンド行構文にシグナルが何も含まれない場合は、使用されるデフォルトシグナルは -15 (SIGKILL)。-9 シグナル (SIGTERM) を pkill コマンドで使用すると、プロセスをただちに終了できる。ただし -9 シグナルは、データベースプロセスや LDAP サーバープロセスなどのプロセスを終了するために使用してはならない。データが失われる可能性がある
停止するプロセスの名前
ヒント - pkill コマンドを使用してプロセスを終了する場合は、まず、シグナルオプションを使用せずにコマンドだけで試行してみます。数分待ってプロセスが終了しなければ、pkill コマンドに -9 シグナルを付けて使用します。
$ pgrep process
終了したプロセスは、pgrep コマンドの出力に表示されないはずです。
# ps -fu user
user は、プロセスを表示したいユーザーです。
プロセス ID は、出力の第 1 列目に表示されます。
# kill [signal-number] pid
pkill コマンド行構文にシグナルが何も含まれない場合は、使用されるデフォルトシグナルは -15 (SIGKILL)。-9 シグナル (SIGTERM) を pkill コマンドで使用すると、プロセスをただちに終了できる。ただし -9 シグナルは、データベースプロセスや LDAP サーバープロセスなどのプロセスを終了するために使用してはならない。データが失われる可能性がある
終了したいプロセスのプロセス ID
ヒント - kill コマンドを使用してプロセスを終了する場合は、まず、シグナルオプションを使用せずにコマンドだけで試行してみます。数分待ってプロセスが終了しなければ、kill コマンドに -9 シグナルを付けて使用します。
$ pgrep pid
終了したプロセスは、pgrep コマンドの出力に表示されないはずです。
pargs コマンドと preap コマンドは、プロセスのデバッグを改善します。pargs コマンドを使用すると、動作中のプロセスまたはコアファイルに関連付けられた引数と環境変数を表示できます。preap コマンドを使用すると、終了した (ゾンビ) プロセスを削除できます。ゾンビプロセスとは、その終了ステータスがまだ親に回収されていないプロセスをいいます。これらのプロセスは概して無害ですが、数が多ければシステムリソースを消費します。pargs コマンドと preap コマンドを使用して、ユーザーの検査権限に含まれるすべてのプロセスを検査できます。スーパーユーザーは、すべてのプロセスを検査できます。
preap コマンドの使用方法については、preap(1) のマニュアルページを参照してください。pargs コマンドの使用方法については、pargs(1) のマニュアルページを参照してください。また、proc(1) のマニュアルページも参照してください。
例 2-3 プロセスをデバッグする (pargs)
pargs コマンドによって、プロセスに渡された引数を ps コマンドで一部しか表示できないという問題がようやく解決されました。次の例は、pargsコマンドを pgrep コマンドと併用して、プロセスに渡された引数を表示する方法を示します。
# pargs `pgrep ttymon` 579: /usr/lib/saf/ttymon -g -h -p system-name console login: -T sun -d /dev/console -l argv[0]: /usr/lib/saf/ttymon argv[1]: -g argv[2]: -h argv[3]: -p argv[4]: system-name console login: argv[5]: -T argv[6]: sun argv[7]: -d argv[8]: /dev/console argv[9]: -l argv[10]: console argv[11]: -m argv[12]: ldterm,ttcompat 548: /usr/lib/saf/ttymon argv[0]: /usr/lib/saf/ttymon
次の例は、pargs -e コマンドを使用して、プロセスに関連付けられた環境変数を表示する方法を示します。
$ pargs -e 6763 6763: tcsh envp[0]: DISPLAY=:0.0