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Oracle Solaris 11.1 でのサービスロケーションプロトコルサービスの管理 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
このセクションでは、SLP の基本的な処理を示し、SLP の管理で使用されるエージェントとプロセスについて説明します。
SLP は、次のサービスを自動的に行い、構成はほとんどあるいはまったく必要ありません。
クライアントアプリケーションがサービスへのアクセスに必要な情報を要求する
プリンタ、ファイルサーバー、ビデオカメラ、HTTP サーバーなどのネットワークのハードウェアデバイスやソフトウェアサーバーにサービスを通知する
プライマリサーバーの障害からの管理された回復
また、SLP の動作を管理および調整するために、必要に応じて次を実行できます。
サービスとユーザーを論理グループや機能グループから構成されるスコープに編成する
SLP のロギングを有効にして、ネットワーク上の SLP 動作の監視とトラブルシューティングを行う
SLP のタイミングパラメータを調整して、パフォーマンスの向上とスケーラビリティーの拡張を行う
SLP がマルチキャストルーティングに対応していないネットワークに配置されている場合、マルチキャストメッセージの送信や処理を行わないように SLP を構成する
SLP ライブラリは、サービスをネットワークで検出するための情報を、サービスを通知するネットワーク対応のエージェントに与えます。SLP エージェントは、サービスの種類と場所に関する最新情報を保持します。これらのエージェントはプロキシ登録を使用することで、SLP が直接使用できないサービスを通知することもできます。詳細は、第 4 章レガシーサービスの組み込みを参照してください。
クライアントアプリケーションは、SLP ライブラリに依頼して、サービスを通知するエージェントに直接要求を出してもらいます。
次の表では、SLP エージェントについて説明します。
表 1-1 SLP エージェント
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次の図は、SLP アーキテクチャーを実装する、基本的なエージェントおよびプロセスを示しています。図は、SLP のデフォルトの配置を表しています。特別な構成はまったく行われていません。UA と SA の 2 つのエージェントだけが 必要です。SLP フレームワークでは、UA がサービス要求を SA にマルチキャストすることを許可しています。SA は、UA に対して応答をユニキャストします。たとえば、UA がサービス要求メッセージを送信すると、SA はサービス応答メッセージを返します。サービス応答には、クライアントの要求と一致するサービスの場所が含まれています。属性やサービスタイプに関する要求や応答も可能です。詳細は、第 5 章SLP (リファレンス)を参照してください。
図 1-1 SLP の基本的なエージェントとプロセス
次の図は、フレームワークに DA が配置された場合の、SLP アーキテクチャーを実装する基本的なエージェントとプロセスを示しています。
図 1-2 DA を使って実装される SLP アーキテクチャーのエージェントとプロセス
DA を配置すると、ネットワークにはより少ないメッセージが送られるので、UA は情報をすばやく受け取ることができます。DA は、ネットワークのサイズが増大する場合やマルチキャストルーティングがサポートされていない場合に必要です。DA は登録されたサービス通知のキャッシュの役割を果たします。SA は DA に対して、通知するすべてのサービスを一覧表示した登録メッセージ (SrvReg) を送り、その応答として確認応答 (SrvAck) を受け取ります。サービス通知は DA によってリフレッシュされるか、通知に設定された有効期限に従って期限切れになります。UA が DA を検出すると、UA は要求を SA にマルチキャストするのではなく、DA にユニキャストします。
Oracle Solaris SLP メッセージの詳細は、第 5 章SLP (リファレンス)を参照してください。