クライアントのインストール

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インストールを開始するには、クライアントをブートします。このセクションでは、SPARC または x86 クライアントをブートする方法について説明します。また、このセクションではインストールの進捗状況をリモートから監視する方法についても説明します。

Secure Shell を使用したリモートからのインストールの監視

ssh を使用することで、自動インストールクライアントへのネットワークアクセスを有効にできます。このアクセスを使用して、/system/volatile/install_log インストールログファイルの進捗状況を監視することにより、進行中のインストールをリモートから監視できます。

特定のインストールサービスのすべてのクライアントでリモートアクセスを有効にするには、インストール構成ファイルでオプション livessh を enable に設定します。このアクセスが有効になっている場合は、ユーザー名 jack とパスワード jack を使用して AI クライアントにログインできます。

個々のクライアントで、ブートコマンド行にこのオプションを設定することもできます。

x86 クライアントのインストールの監視

x86 システムの場合は、次の例に示すように、create-service サブコマンドで -b オプションを使用して、そのサービスを使用するすべてのクライアントのブートプロパティーを設定します。

$ pfexec installadm create-service -a i386 -b livessh=enable

次の抜粋は、このプロパティーが /etc/netboot/svcname/grub.cfg ファイルにどのように表示されるかを示しています。

$multiboot $kern /platform/i86pc/kernel/amd64/unix -B livessh=enable,...

1 つの x86 クライアントの ssh を有効にするには、ブートコマンド行に livessh を指定します。手順については、『Oracle Solaris 11.1 システムのブートおよびシャットダウン』の「ブート時に GRUB メニューを編集してカーネル引数を追加する」を参照してください。

SPARC クライアントのインストールの監視

SPARC システムの場合は、/etc/netboot ディレクトリ下にマウントされたサービスのネットイメージディレクトリ /etc/netboot/svcname/system.conf を介して system.conf ファイルにアクセスします。

system.conf ファイルでは、オプションは名前と値のペアとして定義されます。次の例では、livessh オプションは enable に設定されています。

$ cat /etc/netboot/solaris11_1-sparc/system.conf
...install_service=solaris11_1-sparc
install_svc_address=$serverIP:5555
livessh=enable
...

1 つの SPARC クライアントの ssh を有効にするには、ブートコマンド行に livessh を指定します。次の例は、この引数を指定する 2 種類の方法を示しています。

ok boot net:dhcp - livessh
ok boot net:dhcp - livessh=enable

ブートコマンド行での livessh の指定は、サービスの system.conf ファイルに指定されたすべての設定をオーバーライドします。たとえば、system.conf ファイルに livessh=enable が指定されている場合に、特定のクライアントで livessh を無効にするには、ブートコマンド行で livessh=disable を指定します。

ok boot net:dhcp - livessh=disable

SPARC クライアントのインストール

OBP プロンプトから SPARC クライアントをネットワーク経由でブートします。

DHCP を使用している場合は、次のネットワークブートコマンドを使用します。
```
ok boot net:dhcp - install
```
DHCP を使用していない場合は、次のコマンドを使用して OBP の network-boot-arguments 変数を設定します。この変数は、OBP に持続的に設定されます。
```
ok setenv network-boot-arguments host-ip=client-ip,
router-ip=router-ip,subnet-mask=subnet-mask,hostname=hostname,
file=wanboot-cgi-file
```
次に、次のコマンドを使用してクライアントをネットワーク経由でブートします。
```
ok boot net - install
```
注 - network-boot-arguments 変数を使用するときは、SPARC クライアントに DNS の構成情報がありません。このクライアントで使用されている AI マニフェストに、IPS パッケージリポジトリの場所やマニフェスト内のその他の URI として、ホスト名ではなく IP アドレスが指定されていることを確認してください。

SPARC クライアントの AI ブート中に、次のイベントが発生します。

クライアントがブートし、そのネットワーク構成と wanboot-cgi ファイルの場所を DHCP サーバーまたはその OBP に設定された network-boot-arguments 変数から取得します。
wanboot-cgi プログラムが wanboot.conf を読み取り、WAN ブートバイナリの場所をクライアントに送信します。
WAN ブートバイナリが HTTP を使用してダウンロードされ、クライアントが WAN ブートプログラムをブートします。
WAN ブートが boot_archive ファイルを取得し、Oracle Solaris OS がブートされます。
イメージのアーカイブである solaris.zlib と solarismisc.zlib が、HTTP を使用してダウンロードされます。
AI マニフェストとシステム構成プロファイルが、mDNS 検索または system.conf ファイルのどちらかで指定された AI インストールサービスからダウンロードされます。
AI インストールプログラムが AI マニフェストを使用して呼び出され、クライアントへの Oracle Solaris OS のインストールを実行します。

x86 クライアントのインストール

次のいずれかの方法を使用してネットワークからブートすることによって、x86 クライアントのインストールを開始します。

適切なファンクションキーを押します。たとえば、一部のシステムでは、ネットワークからブートするために F12 キーを使用します。
BIOS 内のブート順序を変更します。

クライアントがブートしたら、ブートするネットワークデバイスを選択します。

x86 クライアントの AI ブート中に、次のイベントが発生します。

クライアントがブートして IP アドレスを取得し、ブートファイルが DHCP サーバーによって提供された場所からダウンロードされます。
ブートファイルが読み込まれ、GRUB メニューファイルを読み取ります。
ユーザーが GRUB メニューから 2 番目のオプションである「Oracle Solaris 11.1 Automated Install」を選択します。
ブートファイルがブートアーカイブファイルを取得し、Oracle Solaris OS が TFTP を使用してブートされます。
GRUB メニューによって提供される HTTP を使用して、ネットイメージのアーカイブ solaris.zlib および solarismisc.zlib がダウンロードされます。
AI マニフェストとシステム構成プロファイルが、mDNS 検索またはブートされた GRUB メニューエントリで指定された AI インストールサービスからダウンロードされます。
AI マニフェストで AI インストールプログラムが呼び出され、インストールが実行されます。

システムの PXE ブートが正常に行われると、次のメッセージが少しの間表示されてから、GRUB メニューが表示されます。

Intel(R) Boot Agent PXE Base Code (PXE-2.1 build 0.86)
Copyright(C) 1997-2007, Intel Corporation

CLIENT MAC ADDR 00 14 4F 29 04 12 GUID FF2000008 FFFF FFFF FFFF 7BDA264F1400
CLIENT IP: 10.6.68.29   MASK: 255.255.255.0    DHCP IP:  10.6.68.49
GATEWAY: 10.6.68.1

GRUB メニューに 2 つのメニューエントリが表示されます。自動インストールを開始するには、2 番目のエントリを選択します。

Oracle Solaris 11.1 Text Installer and command line
Oracle Solaris 11.1 Automated Install

デフォルトの GRUB メニューエントリ「テキストインストーラおよびコマンド行」では、イメージはブートされますが、手入力なしの自動インストールは開始されません。自動インストールを開始するには、GRUB メニュー内の 2 番目のエントリ「自動インストール」を選択します。1 番目のメニューエントリを選択した場合は、クライアントがブートされると、「インストールを開始しないでブートしたあとにインストールを開始する」に示すように、メニューが表示されます。このメニューを使用して、システムを確認するかインストールします。

クライアントインストールのメッセージ

次のメッセージは、SPARC と x86 の両方のインストールに共通しています。

自動インストールの開始メッセージ

クライアントがブートに成功し、インストールファイルをダウンロードできる場合は、次のメッセージが表示されます。

Automated Installation started
The progress of the Automated Installation will be output to the console
Detailed logging is in the logfile at /system/volatile/install_log
Press RETURN to get a login prompt at any time.

パスワード solaris を使用して root としてログインし、/system/volatile/install_log 内のインストールメッセージを監視できます。

自動インストールの成功メッセージ

次のメッセージが表示された場合は、インストールが成功しました。

Automated Installation finished successfully
The system can be rebooted now
Please refer to the /system/volatile/install_log file for details
After reboot it will be located at /var/log/install/install_log

AI マニフェストで自動リブートを設定している場合は、この時点でシステムがリブートします。インストールが正常に完了したあとの自動リブートを指定するには、<ai_instance> タグの auto_reboot 属性を true に設定します。デフォルト値は false です。インストールが正常に完了したあと、クライアントは自動的にはリブートしません。

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