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Oracle Solaris 11.1 システムのインストール Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
パート I Oracle Solaris 11.1 のインストールオプション
6. Oracle Solaris インスタンスの構成解除または再構成
インストールを開始しないでブートしたあとにインストールを開始する
このセクションでは、クライアントインストールに失敗した場合に実行するアクションに関する推奨事項を示します。
クライアントシステムへのインストールに失敗した場合は、ログを /system/volatile/install_log で見つけることができます。
このクライアントに使用された AI マニフェストは、/system/volatile/ai.xml 内にあります。このクライアントに使用されたシステム構成プロファイルは、/system/volatile/profile/* 内にあります。
空でない /etc/resolv.conf ファイルが存在することを検証することで、クライアントで DNS が構成されているかどうかを確認します。
/etc/resolv.conf が存在しないか、空である場合は、DHCP サーバーが DNS サーバー情報をクライアントに提供していることを確認します。
# /sbin/dhcpinfo DNSserv
このコマンドが何も返さない場合、DHCP サーバーは DNS サーバー情報をクライアントに提供するように設定されていません。DHCP 管理者に問い合わせてこの問題を修正してください。
/etc/resolv.conf ファイルが存在していて、正しく構成されている場合は、考えられる次の問題がないか確認して、システム管理者に解決方法を問い合わせてください。
DNS サーバーが IPS リポジトリのサーバー名を解決していない可能性があります。
DNS サーバーに到達するデフォルトルートが存在しません。
クライアントシステムのブート時に発生するエラーに関する次の詳細情報を確認してください。
このセクションでは、ネットワーク経由で SPARC クライアントをブートしたときに起こり得るエラーまたは問題と、考えられる原因について説明します。
DHCP サーバーが SPARC クライアントの要求に応答しない場合、次のメッセージが表示されます。
... OpenBoot 4.23.4, 8184 MB memory available, Serial #69329298. Ethernet address 0:14:4f:21:e1:92, Host ID: 8421e192. Rebooting with command: boot net:dhcp - install Boot device: /pci@7c0/pci@0/network@4:dhcp File and args: 1000 Mbps FDX Link up Timed out waiting for BOOTP/DHCP reply Timed out waiting for BOOTP/DHCP reply Timed out waiting for BOOTP/DHCP reply Timed out waiting for BOOTP/DHCP reply
タイムアウトのメッセージは、クライアントが DHCP リクエストを送信し、そのリクエストに対する応答がないことを示しています。このエラーは、DHCP 構成問題によって発生している可能性があります。DHCP サーバーでクライアントが正しく構成されているかどうかを確認してください。
AI クライアントが boot_archive のダウンロードを開始したあと、「Boot load failed」エラーが表示されてダウンロードに失敗した場合、クライアント DHCP 情報が正しく構成されていないことを示しています。
Rebooting with command: boot net:dhcp - install Boot device: /pci@7c0/pci@0/network@4:dhcp File and args: 1000 Mbps FDX Link up HTTP: Bad Response: 500 Internal Server Error Evaluating: Boot load failed
このエラーは、別の DHCP サーバーがクライアントに応答している場合に発生する可能性があります。このクライアントの DHCP 構成を確認してください。構成が正しいと思われる場合は、サブネットに別の DHCP サーバーがあるかどうかを確認してください。
AI クライアントが、ブートアーカイブのダウンロードを開始するための IP アドレスと始値を取得したあと、クライアントが boot_archive を検出またはダウンロードできない場合があります。
クライアントが boot_archive を検出できない場合は、次のエラーが表示されます。
Rebooting with command: boot net:dhcp - install Boot device: /pci@7c0/pci@0/network@4:dhcp File and args: 1000 Mbps FDX Link up <time unavailable> wanboot info: WAN boot messages->console <time unavailable> wanboot info: Starting DHCP configuration <time unavailable> wanboot info: DHCP configuration succeeded <time unavailable> wanboot progress: wanbootfs: Read 366 of 366 kB (100%) <time unavailable> wanboot info: wanbootfs: Download complete Tue Aug 5 20:46:43 wanboot alert: miniinfo: Request returned code 500 Tue Aug 5 20:46:44 wanboot alert: Internal Server Error \ (root filesystem image missing)
AI クライアントが boot_archive ファイルを検出しても、そのファイルにアクセスできない場合は、次のエラーが表示されます。
Rebooting with command: boot net:dhcp - install Boot device: /pci@7c0/pci@0/network@4:dhcp File and args: 1000 Mbps FDX Link up <time unavailable> wanboot info: WAN boot messages->console <time unavailable> wanboot info: Starting DHCP configuration <time unavailable> wanboot info: DHCP configuration succeeded <time unavailable> wanboot progress: wanbootfs: Read 366 of 366 kB (100%) <time unavailable> wanboot info: wanbootfs: Download complete Tue Aug 5 20:53:02 wanboot alert: miniroot: Request returned code 403 Tue Aug 5 20:53:03 wanboot alert: Forbidden
これらの両方の問題を解決するには、このクライアント用に構成された boot_archive ファイルを修正します。boot_archive の パス名とアクセス権を、$IMAGE/boot/boot_archive で確認します。
「ERROR 403: Forbidden」および「ERROR 404: Not Found」メッセージは、AI クライアントが boot_archive を正常にダウンロードして Oracle Solaris カーネルをブートしたあと、イメージアーカイブの 1 つを取得できなかった場合に表示されます。エラーメッセージには、どのファイルが問題を引き起こしているのかが表示されます。たとえば、次の SPARC クライアントでの出力では、solaris.zlib ファイルが存在しないか、指定した場所でアクセスできません。
<time unavailable> wanboot info: Starting DHCP configuration <time unavailable> wanboot info: DHCP configuration succeeded <time unavailable> wanboot progress: wanbootfs: Read 368 of 368 kB (100%) <time unavailable> wanboot info: wanbootfs: Download complete Thu Jul 5 18:57:36 wanboot progress: miniroot: Read 235737 of 235737 kB (100%) Thu Jul 5 18:57:36 wanboot info: miniroot: Download complete SunOS Release 5.11 Version 11.1 64-bit Copyright (c) 1983, 2012, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. Remounting root read/write Probing for device nodes ... Preparing network image for use Downloading solaris.zlib --2012-07-05 18:52:30-- http://10.134.125.136:5555/export/auto_install/11_1_sparc/solaris.zlib Connecting to 10.134.125.136:5555... connected. HTTP request sent, awaiting response... 404 Not Found 2012-07-05 18:52:30 ERROR 404: Not Found. Could not obtain http://10.134.125.136:5555/export/auto_install/11_1_sparc/solaris.zlib from install server Please verify that the install server is correctly configured and reachable from the client
この問題は、次のいずれかの状態によって引き起こされる場合があります。
WAN ブートで構成されたイメージパスが正しくない。
イメージパスが存在しないか不完全である。
アクセス権の問題により、アクセスが拒否される。
DHCP の構成、または installadm create-service を実行したときに指定したネットイメージの内容を確認してください。WAN ブート構成を確認してください。
Oracle Solaris OS をクライアントシステムにインストールする場合は、インストールを開始するためにブートするときに install 引数を含める必要があります。
ok boot net:dhcp - install
install ブート引数なしでブートすると、SPARC クライアントで自動インストーラのブートイメージがブートされますが、インストールは開始されません。この時点から自動インストールを開始する方法の手順については、「インストールを開始しないでブートしたあとにインストールを開始する」を参照してください。
このセクションでは、ネットワーク経由で x86 クライアントをブートしたときに起こり得るエラーまたは問題と、考えられる原因について説明します。
DHCP サーバーが x86 クライアントの要求に対して応答しない場合、次のメッセージが表示されます。
Intel(R) Boot Agent PXE Base Code (PXE-2.1 build 0.86) Copyright(C) 1997-2007, Intel Corporation CLIENT MAC ADDR 00 14 4F 29 04 12 GUID FF2000008 FFFF FFFF FFFF 7BDA264F1400 DHCP......... No DHCP or ProxyDHCP offers were received PXE-MOF: Exiting Intel Boot Agent
タイムアウトメッセージは、クライアントが DHCP 要求を送信し、応答を受信していないことを示しています。この問題は、DHCP 構成のエラーが原因である場合があります。DHCP サーバーでクライアントが正しく構成されているかどうかを確認してください。
DHCP サーバーは 、最初のブートプログラムの IP アドレスと場所を DHCP 応答の一部として提供します。
ブートプログラムが存在しない場合は、AI クライアントのブートを続行できません。次のメッセージが表示されます。
Intel(R) Boot Agent PXE Base Code (PXE-2.1 build 0.86) Copyright(C) 1997-2007, Intel Corporation CLIENT MAC ADDR 00 14 4F 29 04 12 GUID FF2000008 FFFF FFFF FFFF 7BDA264F1400 CLIENT IP: 10.6.68.29 MASK: 255.255.255.0 DHCP IP: 10.6.68.49 GATEWAY: 10.6.68.1 TFTP. PXE-T02: Access Violation PXE-E3C: TFTP Error - Access violation PXE-MOF: Exiting Intel Boot Agent
ブートプログラムが存在してもプログラムが正しくない場合、AI クライアントはこのメッセージを表示したあとにハングアップします。
Intel(R) Boot Agent PXE Base Code (PXE-2.1 build 0.86) Copyright(C) 1997-2007, Intel Corporation CLIENT MAC ADDR 00 14 4F 29 04 12 GUID FF2000008 FFFF FFFF FFFF 7BDA264F1400 CLIENT IP: 10.6.68.29 MASK: 255.255.255.0 DHCP IP: 10.6.68.49 GATEWAY: 10.6.68.1
クライアントが最初のブートを実行できてもカーネルをブートできない場合、システムは、GRUB メニューからエントリを選択したあとにハングアップします。
インストールサーバーで、このクライアントの grub.cfg ファイルまたは menu.lst ファイルが有効なブートアーカイブを指しているかどうかを確認してください。サーバー上のイメージのブートディレクトリは、installadm list で表示されたイメージパスに対する df -k のこの抜粋例に示すように、/etc/netboot ディレクトリの下にループバックマウントされます。
Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on /export/auto_install/solaris11_1-i386 92052473 36629085 55423388 40% /etc/netboot/default-i386 /export/auto_install/solaris11_1-i386 92052473 36629085 55423388 40% /etc/netboot/solaris11_1-i386
インストールサーバー上で、/etc/netboot 下の grub.cfg ファイルまたは menu.lst ファイルで指定された場所にあるインストールプログラムのいずれかがアクセス不可能であるか、またはその場所に存在しない場合、クライアントはブートできますが、そのファイルをダウンロードできません。エラーメッセージには、どのファイルが問題を引き起こしているのかが表示されます。たとえば、次の x86 クライアント上の出力では、solaris.zlib ファイルが指定の場所に存在しません。
SunOS Release 5.11 Version 11.1 64-bit Copyright (c) 1983, 2012, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. Remounting root read/write Probing for device nodes ... Preparing network image for use Downloading solaris.zlib --2012-07-18 20:02:26-- http://10.134.125.136:5555/export/auto_install/solaris11_1-i386/solaris.zlib Connecting to 10.134.125.136:5555... connected. HTTP request sent, awaiting response... 404 Not Found 2012-07-18 20:02:26 ERROR 404: Not Found. Could not obtain http://10.134.125.136:5555/export/auto_install/solaris11_1-i386/solaris.zlib from install server Please verify that the install server is correctly configured and reachable from the client Requesting System Maintenance Mode (See /lib/svc/share/README for more information.) Console login service(s) cannot run
installadm create-service コマンドを実行したときに指定したターゲットディレクトリの内容を確認してください。
Oracle Solaris OS を x86 クライアントシステムにインストールするときに、ネットワーク経由でブートするインストールでは、GRUB ブートメニューの 2 番目のエントリを選択して自動インストールを開始する必要があります。通常、メニューのエントリは次のように表示されます。
Oracle Solaris 11.1 Text Installer and command line Oracle Solaris 11.1 Automated Install
最初の GRUB メニューエントリを選択した場合、またはプロンプトがタイムアウトした場合は、システムで自動インストールのブートイメージがブートされますが、インストールは開始されません。この時点から自動インストールを開始する方法の手順については、「インストールを開始しないでブートしたあとにインストールを開始する」を参照してください。
次のエラーは、SPARC と x86 の両方のインストールに共通しています。
インストール中に障害が発生した場合、次のメッセージが表示されます。
21:43:34 Automated Installation Failed. See install log at /system/volatile/install_log Automated Installation failed Please refer to the /system/volatile/install_log file for details Jul 6 21:43:34 solaris svc.startd[9]: application/auto-installer:default failed fatally: transitioned to maintenance (see 'svcs -xv' for details)
インストールクライアントは、Oracle Solaris OS をインストールするために、AI マニフェストで定義された IPS パッケージリポジトリに到達する必要があります。クライアントがそのパッケージリポジトリにアクセスできない場合は、インストールに失敗し、application/auto-installer サービスが保守に移行します。次の出力は、コンソールに表示される内容の例です。
15:54:46 Creating IPS image 15:54:46 Error occurred during execution of 'generated-transfer-1341-1' checkpoint. 15:54:47 Failed Checkpoints: 15:54:47 15:54:47 generated-transfer-1341-1 15:54:47 15:54:47 Checkpoint execution error: 15:54:47 15:54:47 Framework error: code: 6 reason: Couldn't resolve host 'pkg.example.com' 15:54:47 URL: 'http://pkg.example.com/solaris/release/versions/0/'. 15:54:47 15:54:47 Automated Installation Failed. See install log at /system/volatile/install_log Automated Installation failed Please refer to the /system/volatile/install_log file for details Aug 31 15:54:47 line2-v445 svc.startd[8]: application/auto-installer:default failed fatally: transitioned to maintenance (see 'svcs -xv' for details) ... SUNW-MSG-ID: SMF-8000-YX, TYPE: defect, VER: 1, SEVERITY: major EVENT-TIME: Wed Aug 31 15:54:47 UTC 2011 PLATFORM: SUNW,Sun-Fire-V445, CSN: -, HOSTNAME: line2-v445 SOURCE: software-diagnosis, REV: 0.1 EVENT-ID: c8a5b809-ece4-4399-9646-d8c64d78aac7 DESC: A service failed - a start, stop or refresh method failed. AUTO-RESPONSE: The service has been placed into the maintenance state. IMPACT: svc:/application/auto-installer:default is unavailable. REC-ACTION: Run 'svcs -xv svc:/application/auto-installer:default' to determine the generic reason why the service failed, the location of any logfiles, and a list of other services impacted. Please refer to the associated reference document at http://support.oracle.com/msg/SMF-8000-YX for the latest service procedures and policies regarding this diagnosis.
/system/volatile/install_log ファイルで次のようなメッセージを確認してください。
TransportFailures: Framework error: code: 6 reason: Couldn't resolve host 'pkg.example.com' URL: 'http://pkg.example.com/solaris/versions/0/'
TransportFailures: Framework error: code: 7 reason: Failed connect to pkg.example.com:80; Connection refused URL: 'http://pkg.example.com/solaris/versions/0/'
TransportFailures: http protocol error: code: 404 reason: Not Found URL: 'http://pkg.oracle.com/mysolaris/versions/0/'
表示されるメッセージに応じて、次の考えられる対処法を試してください。
ping を使用するなどして、失敗したクライアントシステムからパッケージサーバーへの接続を試みます。
DNS を使用している場合は、DNS が AI クライアント上で正しく構成されているかどうかを確認します。「DNS の確認」を参照してください。
ローカルリポジトリを使用している場合は、すべてのクライアントがそのリポジトリにアクセスできるようにしてあるかどうかを確認します。『Oracle Solaris 11.1 パッケージリポジトリのコピーおよび作成』の第 3 章「リポジトリへのアクセスの提供」を参照してください。
AI マニフェスト内の URI に誤字がないことを確認します。
次のようなコマンドを使用して、パッケージリポジトリが有効かどうかを確認します。
$ pkg list -g http://pkg.example.com/solaris/ entire
カタログをリフレッシュしたり、索引を再作成したりすることが必要な場合もあります。
AI マニフェストで指定されたパッケージのいずれかが、IPS リポジトリで見つからない場合、ディスクにパッケージをインストールする前にインストーラが失敗します。次の例では、インストーラがパッケージ mypkg を IPS リポジトリで見つけることができませんでした。次の出力は、コンソールに表示される内容の例です。
14:04:02 Failed Checkpoints: 14:04:02 14:04:02 generated-transfer-1230-1 14:04:02 14:04:02 Checkpoint execution error: 14:04:02 14:04:02 The following pattern(s) did not match any allowable packages. Try 14:04:02 using a different matching pattern, or refreshing publisher information: 14:04:02 14:04:02 pkg:/mypkg 14:04:02 14:04:02 Automated Installation Failed. See install log at /system/volatile/install_log
次の出力は、/system/volatile/install_log ログファイルの一部分の例です。
PlanCreationException: The following pattern(s) did not match any allowable packages. Try using a different matching pattern, or refreshing publisher information: pkg:/mypkg
問題のパッケージが有効なパッケージかどうかを確認してください。別の IPS リポジトリからこのパッケージを入手できる場合は、source 要素に publisher 要素をもう 1 つ追加して、その IPS リポジトリを AI マニフェストに追加します。