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Oracle Solaris 11.1 カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル     Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle Solaris システムのチューニングの概要

Oracle Solaris システムチューニングの新機能

Oracle Solaris システムのチューニング

チューニング可能パラメータの説明形式

Oracle Solaris カーネルのチューニング

/etc/system ファイル

例 - /etc/system でのパラメータの設定

適正でない値からの復元

kmdb コマンド

mdb コマンド

例 - mdb を使用した情報の表示

Oracle Solaris の特殊な tune および var 構造体

Oracle Solaris システム構成情報の表示

sysdef コマンド

kstat ユーティリティー

2.  Oracle Solaris カーネルチューニング可能パラメータ

3.  Oracle Solaris ZFS チューニング可能パラメータ

4.  NFS チューニング可能パラメータ

5.  インターネットプロトコル群のチューニング可能パラメータ

6.  システム機能のパラメータ

A.  チューニング可能パラメータの変更履歴

B.  このマニュアルの改訂履歴

索引

Oracle Solaris カーネルのチューニング

次の表では、パラメータに適用可能なチューニングの方法を示します。

チューニング可能パラメータの適用方法
参照先
/etc/system ファイルの変更
カーネルデバッガ (kmdb) の使用
モジューラデバッガ (mdb) の使用
ipadm コマンドによる TCP/IP パラメータの設定
/etc/default 下のファイルの変更

/etc/system ファイル

/etc/system ファイルは、カーネルパラメータの値を静的に調整するメカニズムを提供します。このファイルに指定された値は、ブート時に読み込まれ適用されます。このファイルに対する変更は、システムがリブートされるまでオペレーティングシステムに適用されません。

構成パラメータが計算される前に、すべての値を設定するために 1 回のパスが行われます。

例 - /etc/system でのパラメータの設定

次の /etc/system エントリでは、ZFS ARC の最大値 (zfs_arc_max) を 30G バイトに設定します。

set zfs:zfs_arc_max = 0x780000000

適正でない値からの復元

値を変更する前に /etc/system ファイルのコピーを作成しておけば、不正な値を簡単に元の値に戻せます。例:

# cp /etc/system /etc/system.good

/etc/system ファイルに指定した値が原因でシステムがブートできない状態になった場合は、次のコマンドでブートします。

ok boot -a

このコマンドを実行すると、ブートプロセスで使用する各ファイルの名前をシステムから要求されます。/etc/system ファイルの名前が要求されるまで Return キーを押して、デフォルトの値を適用します。Name of system file [/etc/system]: というプロンプトが表示されたら、正しい /etc/system ファイルの名前かまたは /dev/null を入力します。

Name of system file [/etc/system]: /etc/system.good

/dev/null を指定した場合は、このパスによってシステムは /dev/null から構成情報を読み取ろうとします。このファイルは空なので、システムはデフォルト値を使用することになります。システムがブートした後、/etc/system ファイルを修正できます。

システムの回復の詳細は、『Oracle Solaris の管理: 一般的なタスク』を参照してください。

kmdb コマンド

kmdb は対話式カーネルデバッガであり、その一般的な構文は mdb と同じです。対話式カーネルデバッガの利点は、ブレークポイントを設定できることです。ブレークポイントに達すると、データを検証し、カーネルコードの手順を 1 つずつ実行できます。

kmdb は必要に応じてロードしたりロード解除したりできます。対話的にカーネルをデバッグするためにシステムをリブートする必要はありません。kadb は必要でした。

詳細は、kmdb(1) のマニュアルページを参照してください。

mdb コマンド

モジュラーデバッガ mdb は、簡単に拡張できるため、Solaris デバッガの中では珍しいものです。このデバッガのプログラミング API を使用して、モジュールをコンパイルすることによって、デバッガのコンテキスト内で希望するタスクを実行することができます。

さらに、mdb には、コマンド行での編集、コマンド履歴、組み込み出力ページャ、構文チェック、コマンドパイプラインなどの、いくつかの便利な機能があります。カーネルに対する事後検査用のデバッガとしては、mdb をお勧めします。

詳細は、mdb(1) のマニュアルページを参照してください。

例 – mdb を使用した情報の表示

システムのメモリー使用量の概要を表すビューを表示します。例:

# mdb -k
Loading modules: [ unix genunix specfs dtrace mac cpu.generic cpu_ms.AuthenticAMD.15 
uppc pcplusmp scsi_vhci zfs mpt sd ip hook neti arp usba sockfs kssl qlc fctl stmf stmf_
sbd md lofs random idm fcp crypto cpc smbsrv nfs fcip sppp ufs logindmux ptm nsmb scu 
mpt_sas pmcs emlxs ]
> ::memstat
Page Summary                Pages                MB  %Tot
------------     ----------------  ----------------  ----
Kernel                     160876               628   16%
ZFS File Data              303401              1185   30%
Anon                        25335                98    2%
Exec and libs                1459                 5    0%
Page cache                   5083                19    1%
Free (cachelist)             6616                25    1%
Free (freelist)            510870              1995   50%

Total                     1013640              3959
Physical                  1013639              3959
> $q

モジュラーデバッガの使用についての詳細は、『Oracle Solaris Modular Debugger Guide』を参照してください。

kmdb デバッガまたは mdb デバッガを使用する場合、モジュール名の接頭辞は不要です。モジュールのロード後、そのシンボルはコアカーネルのシンボルやすでにロードされている他のモジュールのシンボルとともに共通の名前空間を形成するからです。