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Oracle Solaris 11.1 デスクトップ管理者ガイド     Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle Solaris デスクトップの管理

2.  GConf を使用したユーザー設定の管理

3.  メニューのカスタマイズ

4.  テーマのインストール

5.  フォントのカスタマイズ

フォントの概要

fontconfig ライブラリ

フォントの追加

すべてのユーザーに対してフォントを追加する方法

個々のユーザーに対してフォントを追加する方法

レガシー X11 フォントシステム

レガシー X11 フォントシステムを使用してビットマップフォントをインストールする方法

フォントの置換

6.  MIME タイプの使用

7.  スクリーンセーバーの管理

8.  セッションの管理

9.  Yelp ヘルプブラウザの概要

10.  Oracle Solaris デスクトップシステムのパフォーマンス向上

11.  Oracle Solaris デスクトップシステムでの機能の無効化

12.  X Window System の操作

A.  隠しディレクトリ

用語集

索引

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フォントの概要

このセクションでは、fontconfig ライブラリと、フォントをライブラリに追加する方法について説明します。また、レガシー X11 フォントシステムと、これを使用してビットマップフォントを追加する方法についても説明します。

fontconfig ライブラリ

Oracle Solaris デスクトップは、fontconfig 構成およびカスタマイズライブラリを使用します。fontconfig ライブラリは、PostScript Type 1 フォントや TrueType フォントを含むすべての種類のフォントを使用できます。

Oracle Solaris デスクトップの多くのアプリケーション (GNOME デスクトップ環境に含まれるアプリケーションを含む) は、フォントを検索するために fontconfig システムを使用します。fontconfig ライブラリは、Oracle Solaris デスクトップで使用できるすべてのフォントのリストを提供します。このリストを編集するため、fontconfig/etc/fonts/fonts.conf ファイルに一覧表示されたディレクトリを検索します。

fontconfig ライブラリによってアクセスされるようにフォントをインストールすることは簡単で、$HOME/.fonts サブディレクトリにフォントをコピーするだけです。このライブラリ経由でアクセスされるフォントは、DejaVu SansLiberation Mono のような単純な名前で処理されます。

fc-list コマンドは、このライブラリで認識されているすべてのフォントのリストを提供します。fonts.conf (4) のマニュアルページで説明されているパターンを使用すると、特定のサイズやスタイルを指定できます。たとえば、DejaVu Mono フォントの太字版の 12 ポイントサイズを使用して xterm を起動するには、次のコマンドを入力します。

$ xterm -fa "DejaVu Mono-12:style=Bold"

fontconfig ライブラリの詳細は、http://freedesktop.org/software/fontconfig を参照してください。

フォント構成の調整については、『Oracle Solaris 11.1 国際化対応言語環境の利用ガイド』の「フォント構成の調整」を参照してください。

フォントの追加

このセクションでは、すべてのユーザーまたは個々のユーザーに対してフォントを追加する方法について説明します。

すべてのユーザーに対してフォントを追加する方法

  1. フォントファイルを /etc/fonts/fonts.conf ファイル内のいずれかのディレクトリにコピーします。

    通常、フォントは /usr/share/fonts/ ディレクトリに格納されます。fontconfig ライブラリは、フォントのリストを自動的に更新します。

  2. フォントのリストが更新されない場合は、次のコマンドを入力します。
    # fc-cache directory-name

個々のユーザーに対してフォントを追加する方法

  1. フォントファイルをユーザーの $HOME/.fonts ディレクトリにコピーします。

    fontconfig ライブラリは、フォントのリストを自動的に更新します。

  2. フォントのリストが更新されない場合は、次のコマンドを入力します。
    # fc-cache directory-name

レガシー X11 フォントシステム

一部のアプリケーションでは、現在でも元の X Window System フォントメカニズムを使用しています。これらのスタイルの選択肢は少なく、フォントの名付けスキームは複雑で、アンチエイリアス処理や LCD 用のフォント平滑化は含まれていません。X11 フォント名付けスキームの詳細は、X Logical Font Description の仕様を参照してください。X11 フォントコマンドの一部には次が含まれます。

X Logical Font Description (XLFD) 名のフィールドを使用して、特定のスタイルとサイズを指定できます。たとえば、DejaVu Mono フォントの太字版の 12 ポイントサイズを使用して xterm を起動するには、次のコマンドを入力します。

$ xterm -fn '-misc-dejavu sans mono-bold-r-normal--12-120-72-72-m-*-iso10646-1'

レガシー X11 フォントシステムを使用してフォントをインストールするには、mkfontdir または mkfontscale コマンドでメタデータファイルを作成し、xset コマンドでディレクトリを X サーバーフォントパスに追加する必要があります。xset コマンドで変更されたフォントパスは、新規セッションのたびにデフォルト設定にリセットされます。


注 - フォントパスは、フォントディレクトリへのリンクを /etc/X11/fontpath.d ファイルに追加することで、すべてのセッション用のデフォルトの X11 フォントパスに永続的に追加できます。詳細は、Xorg(1) のマニュアルページの FONTS および FONTPATH.D セクションを参照してください。

/etc/X11/fontpath.d ディレクトリは Oracle Solaris OS のデフォルトの fonts.conf ファイルに含まれているため、この方法で追加されるフォントは、fontconfig ライブラリを使用することでアプリケーションで自動的に使用できます。


レガシー X11 フォントシステムおよびビットマップフォントや拡大縮小可能なフォントのインストールについて詳細は、http://www.x.org/releases/X11R7.6/doc/xorg-docs/fonts/fonts.html を参照してください。

レガシー X11 フォントシステムを使用してビットマップフォントをインストールする方法

フォントをインストールするときは、最初に、すべての関連フォントファイルといくつかのインデックスファイルを含むフォントディレクトリを作成する必要があります。次に、この新しいディレクトリをフォントパスに含めることで、ディレクトリの存在を X サーバーに通知する必要があります。

  1. (省略可能) BDF 形式のフォントファイルを PCF 形式に変換します。

    ビットマップフォントは、通常は BDF 形式で配布されますが、バイナリの PCF 形式のほうがより効率的です。

    1. bftopcf コマンドを使用して、BDF 形式ファイルを変換します。

      たとえば、courier12.bdf ファイルを変換するには、次のように入力します。

      $ bdftopcf courier12.bdf
    2. 得られた PCF 形式ファイルを圧縮します。

      例:

      $ gzip courier12.pdf
  2. 使用可能にするすべてのフォントファイルをディレクトリにコピーします。

    たとえば、/usr/local/share/fonts/bitmap/ ディレクトリを使用するには:

    $ mkdir /usr/local/share/fonts/bitmap/
    $ cp *.pcf.gz /usr/local/share/fonts/bitmap/
  3. fonts.dir インデックスファイルを作成します。
    $ mkfontdir /usr/local/share/fonts/bitmap/
  4. フォントパスを設定して、X サーバーが新しいフォントディレクトリを認識できるようにします。
    • 現在のセッションのみにフォントパスを設定するには、fp オプションを使用します。

      オプションの前にプラス記号 (+) を付けると、ディレクトリがフォントパスの先頭に追加されます。オプションのあとに付けると、ディレクトリがフォントパスの末尾に追加されます。

      例:

      $ xset +fp /usr/local/fonts/Type1
      $ xset fp+ /usr/local/fonts/bitmap

      詳細は、xset のマニュアルページを参照してください。

    • フォントパスを永続的に設定するには、X サーバーの xorg.conf ファイルで指定します。

      パスは、ファイルの Files セクションの FontPath エントリで示されているすべてのディレクトリを出現順に追加して計算されます

      例:

      FontPath "/usr/local/fonts/Type1"
      ...
      FontPath "/usr/local/fonts/bitmap"

    詳細は、 xorg.conf のマニュアルページを参照してください。