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マニュアルページセクション 1M: システム管理コマンド Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
- cfgadm の SCSI ハードウェア固有のコマンド
/usr/sbin/cfgadm [-f] [-y | -n] [-v] [-o hardware_option] -c function ap_id...
/usr/sbin/cfgadm [-f] [-y | -n] [-v] [-o hardware_option] -x hardware_function ap_id...
/usr/sbin/cfgadm [-v] [-a] [-s listing_option] [-o hardware_option] [-l [ap_id | ap_type ... ]]
/usr/sbin/cfgadm [-v] [-o hardware_option] -t ap_id...
/usr/sbin/cfgadm [-v] [-o hardware_option] -h [ap_id]...
SCSI ハードウェア固有ライブラリ /usr/lib/cfgadm/scsi.so.1 は、cfgadm(1M) コマンドによる SCSI ホットプラグ操作のための機能を提供します。cfgadm は、接続点で実行されます。接続点とは、ハードウェアリソースを動的に再構成できるシステム上の場所です。接続点については、cfgadm(1M) を参照してください。
SCSI ホットプラグ操作では、各 SCSI コントローラは、デバイスツリー上で接続点によって表されます。また、各 SCSI デバイスは、動的接続点によって表されます。接続点には、ap_id を通じて名前が付けられます。論理 ap_id と物理 ap_id の 2 種類の ap_id が定義されます。物理 ap_id が物理パス名に基づいているのに対し、論理 ap_id は、より短く、ユーザーにわかりやすい名前です。SCSI コントローラの場合、論理 ap_id は、通常は対応するディスクコントローラ番号です。たとえば、一般的な論理 ap_id は c0 となります。
SCSI デバイスには、コントローラの ap_id を基準として名前が付けられます。したがって、ディスクデバイスがコントローラ c0 に接続されている場合、その ap_id は次のようになります。
c0::dsk/c0t0d0
ここで、dsk/c0t0d0 は、特定のデバイスを識別します。一般的に、デバイスの識別子は、/dev 内のデバイスの対応する論理リンクから生成されます。たとえば、SCSI テープドライブの論理 ap_id は c0::rmt/0 となります。ここで、c0 は、SCSI コントローラの論理 ap_id であり、rmt/0 は、/dev/rmt 内のテープドライブの論理リンクから生成されます。識別子を /dev 内のリンクから生成できない場合は、一意の識別子が割り当てられます。たとえば、テープデバイスが /dev 内にリンクを持たない場合、c0::st3 形式の ap_id が割り当てられます。ここで、st3 は、内部で生成された一意の識別子です。
コントローラが Solaris I/O マルチパス機能 (旧名 MPxIO または the Sun StorEdge Traffic Manager [STMS]) をサポートしていて、その機能が有効になっている場合は、コントローラによって、scsi_vhci(7D) マルチパスデバイスへのパスが提供されます。このようなコントローラに接続されているデバイスが scsi_vhci(7D) によってサポートされている場合、その ap_id は次のようになります。
c0::0,0
ここで、0,0 は、ターゲットおよび論理ユニットの情報を一意に識別します。このような ap_id のパスの Type フィールドでは、そのパスが scsi_vhci(7D) マルチパスデバイスへのパスを表しているかどうかが、そのパスを通じて接続されているデバイスのタイプとともに示されます。
システム上の接続点の単純な一覧には、SCSI コントローラ上の接続点は含まれますが、SCSI デバイス上の接続点は含まれません。一覧表示オプション (-l) に -a フラグを使用すると、SCSI デバイスも一覧表示されます。例:
# cfgadm -l Ap_Id Type Receptacle Occupant Condition c0 scsi-bus connected configured unknown sysctrl0:slot0 cpu/mem connected configured ok sysctrl0:slot1 sbus-upa connected configured ok
SCSI コントローラに加えて SCSI デバイスも一覧表示するには、次のように指定します。
# cfgadm -al Ap_Id Type Receptacle Occupant Condition c0 scsi-bus connected configured unknown c0::dsk/c0t14d0 disk connected configured unknown c0::dsk/c0t11d0 disk connected configured unknown c0::dsk/c0t8d0 disk connected configured unknown c0::dsk/c0t0d0 disk connected configured unknown c0::rmt/0 tape connected configured unknown sysctrl0:slot0 cpu/mem connected configured ok sysctrl0:slot1 sbus-upa connected configured ok
コントローラ c0 で Solaris I/O マルチパス機能が有効になっていて、接続されているディスクデバイスおよびテープデバイスが Solaris I/O マルチパス機能でサポートされている場合、出力は次のようになります。
# cfgadm -al Ap_Id Type Receptacle Occupant Condition c0 scsi-bus connected configured unknown c0::11,0 disk-path connected configured unknown c0::14,0 disk-path connected configured unknown c0::8,0 disk-path connected configured unknown c0::0,0 disk-path connected configured unknown c0::a.0 tape-path connected configured unknown sysctrl0:slot0 cpu/mem connected configured ok sysctrl0:slot1 sbus-upa connected configured ok
接続点の一覧表示については、cfgadm(1M) を参照してください。SCSI コントローラ上の接続ポイントの受容体と占有装置の状態は、次の意味を持ちます。
該当しません
バスは休止しています (バスでの I/O 処理が停止しています)
バスはアクティブです
バス上に 1 つ以上のデバイスが構成されています
バス上にデバイスは構成されていません
個々の SCSI デバイスの対応する状態は次のとおりです。
該当しません
デバイスが接続されているバスは休止しています
デバイスが接続されているバスはアクティブです
デバイス、またはマルチパス SCSI デバイスへのパスが構成されています
デバイス、またはマルチパス SCSI デバイスへのパスは構成されていません
cfgadm では、一覧表示 (-l) のほかに数種類の操作が定義されています。これらの操作には、テスト (-t)、構成状態の変更の開始 (-c)、ハードウェア固有の機能の実行 (-x)、および構成管理のヘルプ情報の表示 (-h) が含まれます。
SCSI ハードウェア固有ライブラリでは、次の汎用コマンドが定義されています。
SCSI コントローラの接続点では、次の構成状態の変更操作がサポートされています。
SCSI バスを休止解除します。
バスを休止します (バスでの I/O 処理を停止します)。
このコマンドの使用法を誤ると、システムがハングアップする場合があります。「注意事項」 を参照してください。
SCSI バス上に新しいデバイスを構成します。
バスに接続されているすべてのデバイスを構成解除します。
SCSI デバイスおよびマルチパス SCSI デバイスへのパスでは、次の汎用コマンドが定義されています。
特定のデバイス、またはマルチパス SCSI デバイスへの特定のパスを構成します。
特定のデバイス、またはマルチパス SCSI デバイスへの特定のパスを構成解除します。
disconnect とともに使用すると、ハードウェアでサポートされている場合に、SCSI バスの休止が強制されます。
このコマンドの使用法を誤ると、システムがハングアップする場合があります。「注意事項」 を参照してください。
ヘルプオプションと任意の SCSI 接続点を組み合わせて使用して、SCSI 固有のヘルプを表示できます。
現在定義されているハードウェア固有のオプションはありません。
select サブオプションを使用すると、クラス scsi の接続点を一覧表示できます。詳細は、cfgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
現時点では、使用できるテストコマンドはありません。
次のコマンドには、SCSI コントローラでのみ使用できるコマンドと、SCSI デバイスでのみ使用できるコマンドがあります。
次の controller_ap_id は、c0 などの SCSI コントローラの ap_id を指します。device_ap_id は、 c0::dsk/c0dt3d0 などの SCSI デバイスの ap_id を指します。
次のハードウェア固有の機能が定義されています。
SCSI コントローラ controller_ap_id に新しいデバイスを追加します。
このコマンドは、対話形式でのみ使用するように設計されています。
デバイス device_ap_id を削除します。
このコマンドは、対話形式でのみ使用するように設計されています。
デバイス device_ap_id を削除し、同じタイプの別のデバイスと交換します。
このコマンドは、対話形式でのみ使用するように設計されています。
device_ap_id をリセットします。
バス controller_ap_id をリセットします。ただし、そのバスに接続されているデバイスはリセットしません。
バス controller_ap_id と、そのバス上のすべてのデバイスをリセットします。
プラットフォームによって提供されている場合に、ハードディスクロケータ LED を設定または取得します。[on|off] サブオプションが設定されていない場合、ハードディスクロケータの状態が出力されます。
サブ引数が設定されていない場合、この機能によって、現在の LED 設定の一覧が出力されます。サブ引数が設定されている場合、この機能によって、スロットの特定の LED のモードが設定されます。
例 1 ディスクの構成
次のコマンドは、コントローラ c0 に接続されているディスクを構成します。
# cfgadm -c configure c0::dsk/c0t3d0
例 2 ディスクの構成解除
次のコマンドは、コントローラ c0 に接続されているディスクを構成解除します。
# cfgadm -c unconfigure c0::dsk/c0t3d0
例 3 新しいデバイスの追加
次のコマンドは、コントローラ c0 に新しいデバイスを追加します。
# cfgadm -x insert_device c0
システムは次のように応答します。
Adding device to SCSI HBA: /devices/sbus@1f,0/SUNW,fas@e,8800000 This operation will suspend activity on SCSI bus c0 Continue (yes/no)?
次を入力します。
y
システムは次のように応答します。
SCSI bus quiesced successfully. It is now safe to proceed with hotplug operation. Enter y if operation is complete or n to abort (yes/no)?
次を入力します。
y
例 4 デバイスの交換
次のコマンドは、コントローラ c0 に接続されているデバイスを交換します。
# cfgadm -x replace_device c0::dsk/c0t3d0
システムは次のように応答します。
Replacing SCSI device: /devices/sbus@1f,0/SUNW,fas@e,8800000/sd@3,0 This operation will suspend activity on SCSI bus: c0 Continue (yes/no)?
次を入力します。
y
システムは次のように応答します。
SCSI bus quiesced successfully. It is now safe to proceed with hotplug operation. Enter y if operation is complete or n to abort (yes/no)?
次を入力します。
y
例 5 マウントされたファイルシステムがディスクの構成解除中に検出された場合
次のコマンドは、マウントされたファイルシステムがディスクの構成解除中に検出された場合を示しています。
# cfgadm -c unconfigure c1::dsk/c1t0d0
システムは次のように応答します。
cfgadm: Component system is busy, try again: failed to offline: /devices/pci@1f,4000/scsi@3,1/sd@1,0 Resource Information ------------------ -------------------------- /dev/dsk/c1t0d0s0 mounted filesystem "/mnt"
例 6 ディスクのロケータの値の表示
次のコマンドは、ディスクのロケータの値を表示します。この例は、SPARC Enterprise Server ファミリ固有のものです。
# cfgadm -x locator c0::dsk/c0t6d0
システムは次のように応答します。
Disk Led c0t6d0 locator=on
例 7 ディスクのロケータの値の設定
次のコマンドは、ディスクのロケータの値を設定します。この例は、SPARC Enterprise Server ファミリ固有のものです。
# cfgadm -x locator=off c0::dsk/c0t6d0
システムからは何も出力されません。
例 8 マルチパス SCSI ディスクへのパスの構成
次のコマンドは、コントローラ c0 を通じて接続されているパスを構成します。
# cfgadm -c configure c0::2,0
例 9 マルチパス SCSI ディスクへのパスの構成解除
次のコマンドは、コントローラ c0 を通じて接続されているパスを構成解除します。
# cfgadm -c unconfigure c0::2,0
汎用的な SCSI ホットプラグ操作のためのハードウェア固有ライブラリ
汎用的な SCSI ホットプラグ操作のためのプラットフォーム固有ライブラリ
属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。
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cfgadm(1M), luxadm(1M), config_admin(3CFGADM), libcfgadm(3LIB), attributes(5), scsi_vhci(7D)
disconnect (休止) 操作は、root (/)、/usr、swap、/var などの重要なパーティションが含まれるディスクを制御するコントローラではサポートされていません。このようなコントローラでは、disconnect 操作を実行しないでください。使用法を誤ると、システムがハングアップし、リブートが必要になる場合があります。
コントローラが disconnected (休止) 状態の場合、システムでデッドロックが発生する可能性があります。disconnect 操作を使用するときは、注意するようにしてください。コントローラを disconnected 状態にするのは、DR 操作を実行するために必要な最低限の期間にすることをお勧めします。disconnect コマンドは、システムの実行中に SCSI ケーブルを交換できるようにするためだけに提供されています。このコマンドをほかの目的で使用しないでください。デッドロックが発生した場合の唯一の解決方法は、システムをリブートすることです。
ホットプラグ操作は、すべての SCSI コントローラでサポートされているわけではありません。
一部の SCSI デバイスのコネクタは、SCSI ホットプラグの仕様に準拠していません。このようなデバイスでホットプラグ操作を実行すると、SCSI バス上のハードウェアに障害を与える場合があります。詳細は、ハードウェアのマニュアルを参照してください。