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Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール     Oracle Solaris Cluster 4.1 (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle Solaris Cluster 構成の計画

2.  グローバルクラスタノードへのソフトウェアのインストール

3.  グローバルクラスタの確立

4.  Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアの構成

5.  クラスタファイルシステムの作成

6.  ゾーンクラスタの作成

ゾーンクラスタの作成および構成の概要

ゾーンクラスタの作成および構成

ゾーンクラスタの作成

Trusted Extensions をインストールおよび構成する方法

ゾーンクラスタを作成する方法

Trusted Extensions を使用するようにゾーンクラスタを構成する方法

ゾーンクラスタにファイルシステムを追加する

高可用性ローカルファイルシステムをゾーンクラスタに追加する方法

ゾーンクラスタに ZFS ストレージプールを追加する方法

クラスタファイルシステムをゾーンクラスタに追加する方法

特定のゾーンクラスタノードへのローカルファイルシステムの追加

ローカルファイルシステムを特定のゾーンクラスタノードに追加する方法

ローカル ZFS ストレージプールを特定のゾーンクラスタノードに追加する方法

ゾーンクラスタにストレージデバイスを追加する

グローバルストレージデバイスをゾーンクラスタに追加する方法

raw ディスクデバイスを特定のゾーンクラスタノードに追加する方法

7.  クラスタからのソフトウェアのアンインストール

索引

ゾーンクラスタの作成および構成

このセクションでは、ゾーンクラスタを作成および構成するための次の情報および手順について説明します。

ゾーンクラスタの作成

このセクションでは、clsetup ユーティリティーを使用して、ゾーンクラスタを作成したり、ネットワークアドレス、ファイルシステム、ZFS ストレージプール、およびストレージデバイスを新しいゾーンクラスタに追加したりする方法について説明します。

いずれかのノードが非クラスタモードであった場合でも、行なった変更は、そのノードがクラスタモードに復帰した際に伝播されます。そのため、一部のグローバルクラスタノードが非クラスタモードであった場合でも、ゾーンクラスタを作成できます。これらのノードがクラスタモードに復帰すると、それらのノード上でゾーンクラスタ作成手順が自動的に実行されます。

または、clzonecluster ユーティリティーを使用してクラスタを作成および構成することもできます。詳細については、clzonecluster(1CL) のマニュアルページを参照してください。

ここでは、次の手順について説明します。

Trusted Extensions をインストールおよび構成する方法

この手順では、ゾーンクラスタで Oracle Solaris の Trusted Extensions 機能を使用するようにグローバルクラスタを準備します。Trusted Extensions を有効にしない場合は、「ゾーンクラスタの作成」に進みます。

グローバルクラスタ内の各ノード上で次の手順を実行します。

始める前に

次のタスクを実行します。

  1. グローバルクラスタのノードで root 役割になります。
  2. Trusted Extensions ソフトウェアをインストールして構成します。

    『Trusted Extensions 構成と管理』の第 3 章「Oracle Solaris への Trusted Extensions 機能の追加 (タスク)」の手順に従います。

  3. Trusted Extensions の zoneshare および zoneunshare スクリプトを無効にします。

    Trusted Extensions の zoneshare および zoneunshare スクリプトは、システム上のホームディレクトリをエクスポートする機能をサポートします。Oracle Solaris Cluster 構成はこの機能をサポートしません。

    この機能を無効にするには、各スクリプトを /bin/true ユーティリティーへのシンボリックリンクに置き換えます。

    phys-schost# ln -s /usr/lib/zones/zoneshare /bin/true
    phys-schost# ln -s /usr/lib/zones/zoneunshare /bin/true
  4. ゾーンクラスタで使用されるすべての論理ホスト名および共有 IP アドレスを構成します。

    『Trusted Extensions 構成と管理』の「デフォルトの Trusted Extensions システムを作成する」を参照してください。

  5. (省略可能) LDAP サーバーからグローバルクラスタノードへのリモートログインを有効にします。
    1. /etc/default/login ファイルで、CONSOLE エントリをコメントアウトします。
    2. リモートログインを有効にします。
      phys-schost# svcadm enable rlogin
    3. /etc/pam.conf ファイルを変更します。

      次に示すように、Tab を追加し、allow_remote または allow_unlabeled をそれぞれ入力することで、アカウント管理エントリを変更します。

      other   account requisite       pam_roles.so.1        Tab  allow_remote
      other   account required        pam_unix_account.so.1 Tab  allow_unlabeled
  6. admin_low テンプレートを変更します。
    1. グローバルゾーンで使用される Trusted Extensions マシンに属していない各 IP アドレスに admin_low テンプレートを割り当てます。
      # tncfg -t admin_low
      tncfg:admin_low> add host=ip-address1
      tncfg:admin_low> add host=ip-address2
      …
      tncfg:admin_low> exit
    2. ワイルドカードアドレス 0.0.0.0/32tncfg テンプレートから削除します。
      # tncfg -t admin_low remove host=0.0.0.0
  7. グローバルゾーンで使用される Trusted Extensions マシンに属している各 IP アドレスに cipso テンプレートを割り当てます。
    # tncfg -t cipso
    tncfg:cipso> add host=ip-address1
    tncfg:cipso> add host=ip-address2
    …
    tncfg:cipso> exit
  8. グローバルクラスタの残りの各ノードで、手順 1 から手順 7 を繰り返します。

    すべてのグローバルクラスタノードですべての手順が完了したら、グローバルクラスタの各ノードでこの手順の残りのステップを実行します。

  9. 各グローバルクラスタノードで、Trusted Extensions 対応の LDAP サーバーの IP アドレスを /etc/inet/hosts ファイルに追加します。

    LDAP サーバーは、グローバルゾーン、およびゾーンクラスタのノードによって使用されます。

  10. (省略可能) グローバルクラスタノードを LDAP クライアントにします。

    『Trusted Extensions 構成と管理』の「Trusted Extensions で大域ゾーンを LDAP クライアントにする」を参照してください。

  11. Trusted Extensions ユーザーを追加します。

    『Trusted Extensions 構成と管理』の「Trusted Extensions での役割とユーザーの作成」を参照してください。

次の手順

ゾーンクラスタを作成します。「ゾーンクラスタの作成」に進みます。

ゾーンクラスタを作成する方法

この手順を実行して、ゾーンクラスタを作成します。

ゾーンクラスタをインストールしたあとで変更するには、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の「ゾーンクラスタ管理タスクの実行」および clzonecluster(1CL) のマニュアルページを参照してください。

始める前に


ヒント - clsetup ユーティリティー内で < キーを押すと前の画面に戻ることができます。


  1. グローバルクラスタのアクティブメンバーノードで root 役割になります。

    この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。

  2. グローバルクラスタのそのノードが、クラスタモードである必要があります。
    phys-schost# clnode status
    === Cluster Nodes ===
    
    --- Node Status ---
    
    Node Name                                       Status
    ---------                                       ------
    phys-schost-2                                   Online
    phys-schost-1                                   Online
  3. clsetup ユーティリティーを起動します。
    phys-schost# clsetup

    メインメニューが表示されます。

  4. 「ゾーンクラスタ」メニュー項目を選択します。
  5. 「ゾーンクラスタの作成」メニュー項目を選択します。
  6. 追加するゾーンクラスタの名前を入力します。

    ゾーンクラスタ名には、ASCII 文字 (a-z および A-Z)、数字、ダッシュ、またはアンダースコアを含めることができます。名前の最大長は 20 文字です。

  7. 変更するプロパティーを選択します。

    次のプロパティーを設定できます。


    プロパティー
    説明
    zonepath= zone-cluster-node-path
    ゾーンクラスタノードへのパスを指定します。たとえば、 /zones/sczone です。
    brand= brand-type
    ゾーンクラスタで使用する solarissolaris10、または labeled ゾーンブランドを指定します。

    注 - Trusted Extensions を使用する場合、labeled ブランドのみを使用する必要があります。排他的 IP ゾーンクラスタを作成する場合は、solaris ブランドのみを使用する必要があります。


    ip-type= value
    ゾーンクラスタで使用されるネットワーク IP アドレスのタイプを指定します。有効な ip-type の値は shared および exclusive です。

    排他的 IP ゾーンクラスタの最大数は、初期クラスタインストール中に設定できる cluster プロパティー num_xip_zoneclusters によって制約されます。この値はデフォルトで 3 です。詳細は、cluster(1CL) のマニュアルページを参照してください。

    enable_priv_net= value
    true に設定されているとき、Oracle Solaris Cluster のプライベートネットワーク通信はゾーンクラスタのノード間で有効になります。Oracle Solaris Cluster のゾーンクラスタノードのプライベートホスト名および IP アドレスは、システムによって自動的に生成されます。値が false に設定されている場合、プライベートネットワーク通信は無効になります。デフォルト値は true です。

    enable_priv_net プロパティーが次のプロパティーとともに true に設定されている場合、プライベート通信が次のように発生します。

    • ip-type=shared – ゾーンクラスタノード間の通信は、グローバルクラスタのプライベートネットワークを使用します。

    • ip-type= exclusive ( solaris ブランドのみ) – ゾーンクラスタノード間の通信は、指定された privnet リソースを使用します。privnet リソースは、Ethernet タイプのプライベートネットワークアダプタの場合は仮想ネットワークインタフェース (VNIC)、IB タイプのプライベートネットワークアダプタの場合は InfiniBand (IB) パーティションです。VNIC または IB パーティションは、ウィザードによってグローバルクラスタのプライベートネットワークアダプタごとに自動的に作成され、ゾーンクラスタを構成するために使用されます。

    ウィザードが生成する VNIC または IB パーティションは、次の命名規則を使用します。

    Ethernet タイプの場合: private-network-interface-name_ zone-cluster-name_vnic0

    IB タイプの場合: private-network-interface-name_ zone-cluster-name_ibp0

    たとえば、グローバルクラスタのプライベートネットワークインタフェースは net2 および net3 であり、ゾーンクラスタ名は zone1 です。net2 および net3 が Ethernet タイプのネットワークインタフェースの場合、ゾーンクラスタに対して作成される 2 つの VNIC の名前は net2_zone1_vnic0 および net3_zone1_vnic0 になります。

    net2 および net3 が IB タイプのネットワークインタフェースの場合、ゾーンクラスタに対して作成される 2 つの IB パーティションの名前は net2_zone1_ibp0 および net3_zone1_ibp0 になります。

  8. solaris10 ブランドゾーンクラスタの場合、ゾーンの root パスワードを入力します。

    solaris10 ブランドゾーンの場合は、root アカウントのパスワードが必要です。

  9. (省略可能) 変更するゾーンシステムリソース制御プロパティーを選択します。

    次のプロパティーを設定できます。


    プロパティー
    説明
    max-lwps=value
    このゾーンクラスタで同時に使用できる軽量プロセス (LWP) の最大数を指定します。
    max-shm-memory=value
    このゾーンクラスタに対して許容される共有メモリーの最大量を G バイト単位で指定します。
    max-shm-ids=value
    このゾーンクラスタに対して許容される共有 ID の最大数を指定します。
    max-msg-ids=value
    このゾーンクラスタに対して許容されるメッセージキュー ID の最大数を指定します。
    max-sem-ids= value
    このゾーンクラスタに対して許容されるセマフォー ID の最大数を指定します。
    cpu-shares=value
    このゾーンクラスタに対して割り当てられる公平配分スケジューラ (FSS) 共有の数を指定します。
  10. (省略可能) 変更するゾーン CPU リソース制御プロパティーを選択します。

    次のプロパティーを設定できます。


    プロパティー
    説明
    scope= scope-type
    ゾーンクラスタで使用される ncpus プロパティーが dedicated-cpucapped-cpu のどちらであるのかを指定します。
    ncpus= value
    スコープタイプの制限を指定します。
    • scope プロパティーが dedicated-cpu に設定されている場合、ncpus プロパティーは、このゾーンの排他的な使用に割り当てられるはずの CPU 数に制限を設定します。ゾーンは、ブートするときにプールおよびプロセッサセットを作成します。リソースプールの詳細については、pooladm(1M) および poolcfg(1M) のマニュアルページを参照してください。

    • scope プロパティーが capped-cpu に設定されている場合、ncpus プロパティーは、ゾーンクラスタが使用できる CPU 時間の量に制限を設定します。使用される単位は、単一 CPU をゾーン内のすべてのユーザースレッドが使用できる割合に変換され、純小数 (例: .75) または帯小数 (整数と小数部、例: 1.25) で表されます。ncpus 値が 1 の場合、CPU が 100% であることを意味します。リソースプールの詳細については、pooladm(1M)pooladm(1M)、および poolcfg(1M) のマニュアルページを参照してください。

  11. (省略可能) 変更する capped-memory プロパティーを選択します。

    次のプロパティーを設定できます。


    プロパティー
    説明
    physical= value
    物理メモリーの G バイト制限を指定します。
    swap=value
    スワップメモリーの G バイト制限を指定します。
    locked= value
    ロックされたメモリーの G バイト制限を指定します。
  12. 使用可能な物理ホストの一覧から物理ホストを選択します。

    使用可能な物理ノード (またはホスト) のうちいずれかまたはすべてを選択し、一度に 1 つのゾーンクラスタノードを構成できます。

    次のプロパティーを設定できます。


    プロパティー
    説明
    hostname= hostname
    ゾーンクラスタノードのホスト名を指定します。たとえば zc-host-1 です。
    address= public-network-address
    共有 IP タイプゾーンクラスタ上のゾーンクラスタノードのパブリックネットワークアドレスを指定します。たとえば 172.1.1.1 です。
    physical= physical-interface
    物理ノードで検出された使用可能なネットワークインタフェースから、パブリックネットワーク用のネットワーク物理インタフェースを指定します。たとえば、sc_ipmp0 または net0 です。
    defrouter= default-router
    ゾーンが別のサブネットで構成されている場合に、そのネットワークアドレス用のデフォルトルーターを指定します。異なる defrouter 設定を使用するゾーンまたはゾーンの組は、それぞれ異なるサブネット上にある必要があります (例: 192.168.0.1)。defrouter プロパティーの詳細については、zonecfg(1M) のマニュアルページを参照してください。
  13. ゾーンクラスタのネットワークアドレスを指定します。

    ネットワークアドレスは、ゾーンクラスタ内の論理ホスト名または共有 IP クラスタリソースを構成するために使用できます。ネットワークアドレスは、ゾーンクラスタのグローバルスコープ内にあります。

  14. 「構成の確認」画面で、Return キーを押して継続し、c と入力してゾーンクラスタを作成します。

    構成の変更の結果がたとえば次のように表示されます。

     >>> Result of the Creation for the Zone Cluster(sczone) <<<
    
        The zone cluster is being created with the following configuration
    
            /usr/cluster/bin/clzonecluster configure sczone
            create
            set brand=solaris
            set zonepath=/zones/sczone
            set ip-type=shared
            set enable_priv_net=true
            add capped-memory
            set physical=2G
            end
            add node
            set physical-host=phys-schost-1
            set hostname=zc-host-1
            add net
            set address=172.1.1.1
            set physical=net0
            end
            end
            add net
            set address=172.1.1.2
                  end
    
        Zone cluster, zc2 has been created and configured successfully.
    
        Continue to install the zone cluster(yes/no) ?
  15. yes と入力して継続します。

    clsetup ユーティリティーはゾーンクラスタの標準インストールを実行するため、オプションは指定できません。

  16. 完了後 clsetup ユーティリティーを終了します。
  17. ゾーンクラスタ構成を検証します。

    verify サブコマンドが、指定されたリソースが使用可能かどうかをチェックします。clzonecluster verify コマンドが成功した場合は、出力は一切表示されません。

    phys-schost-1# clzonecluster verify zone-cluster-name
    phys-schost-1# clzonecluster status zone-cluster-name
    === Zone Clusters ===
    
    --- Zone Cluster Status ---
    
    Name      Node Name   Zone HostName   Status    Zone Status
    ----      ---------   -------------   ------    -----------
    zone       basenode1     zone-1           Offline   Configured
              basenode2     zone-2           Offline   Configured
  18. Trusted Extensions の場合は、各ゾーンクラスタノードでパスワードファイルを書き込み可能にします。

    大域ゾーンから、txzonemgr GUI を起動します。

    phys-schost# txzonemgr

    大域ゾーンを選択し、項目を選択し、ゾーン単位のネームサービスを構成します。

  19. ゾーンクラスタをインストールします。
    phys-schost-1# clzonecluster install options zone-cluster-name
    Waiting for zone install commands to complete on all the nodes 
    of the zone cluster "zone-cluster-name"...
    • solaris または labeled ブランドゾーンクラスタの場合は、次のオプションが有効です。
      オプション
      説明
      -c config-profile.xml
      システム構成情報を取り込みます。-c config-profile.xml オプションは、ゾーンクラスタのすべての非大域ゾーンの構成プロファイルを提供します。このオプションを使用しても、ゾーンのホスト名が変更されるだけです。このホスト名は、ゾーンクラスタ内のゾーンごとに一意になります。すべてのプロファイルの拡張子は .xml である必要があります。
      -M manifest.xml
      すべてのゾーンクラスタノードに必要なパッケージをインストールするように構成したカスタム Automated Installer マニフェストを指定します。ゾーンクラスタのベースグローバルクラスタノードのすべてに同じ Oracle Solaris Cluster パッケージがインストールされているわけではないけれども、どのパッケージがベースノード上にあるかを変更したくない場合は、このオプションを使用します。clzonecluster install コマンドを -M オプションなしで実行した場合、発行元のベースノードにインストールされているパッケージが欠落しているベースノード上で、ゾーンクラスタのインストールが失敗します。
    • solaris10 ブランドゾーンクラスタの場合は、次のオプションが有効です。

      -a または -d オプションを使用して、ゾーンクラスタでサポートされる Geographic Edition ソフトウェア、コアパッケージ、およびエージェントをインストールします。


      注 - solaris10 ブランドゾーンクラスタで現在サポートされているエージェントのリストについては、Oracle Solaris Cluster 4 の互換性ガイドを参照してください。



      オプション
      説明
      必須 – Oracle Solaris Cluster のパッチ 145333-15 (SPARC の場合) および 145334–15 (x86 の場合)
      solaris10 ブランドゾーンクラスタをインストールする前に、最小でも Oracle Solaris Cluster 3.3 のパッチ 145333–15 (SPARC の場合) または 145334–15 (x86 の場合) をインストールする必要があります。My Oracle Support にログインしてパッチを入手します。次にグローバルゾーンから、-p オプションを使用してパッチをインストールします。
      # clzonecluster install-cluster \
      -p patchdir=patchdir[,patchlistfile=filename] \
      [-n phys-schost-1[,…]] \
      [-v] \
      zone-cluster-name

      パッチのインストールについての追加指示については、My Oracle Support にログインし、ID 1278636.1「How to Find and Download any Revision of a Solaris Patch」を検索してください。

      -a absolute_path_to_archive zone-cluster-name
      ソースイメージとして使用されるイメージアーカイブへの絶対パスを指定します。
      # clzonecluster install \
      [-n nodename] \
      -a absolute_path_to_archive \
      zone-cluster-name
      -d dvd-image zone-cluster-name
      インストールされている solaris10 非大域ゾーンのルートディレクトリへのフルディレクトリパスを指定します。クラスタソフトウェアの DVD ディレクトリは、コマンドを実行するノードの大域ゾーンからアクセスできるようにする必要があります。
      # clzonecluster install-cluster \
      -d dvd-image \
      zoneclustername

    詳細は、clzonecluster(1CL) のマニュアルページを参照してください。

  20. ゾーンクラスタをインストールしたときに -c config-profile.xml オプションを使用しなかった場合は、sysid 構成を実行します。

    それ以外の場合は、手順 21 に進みます。


    注 - 次の手順では、非大域ゾーン zcnode および zone-cluster-name が同じ名前を共有します。


    • 排他的 IP の labeled ブランドゾーンクラスタの場合は、次の手順を実行します。

      ゾーンクラスタを一度に 1 つのみ構成します。

      1. 1 つのゾーンクラスタノードで非グローバルゾーンをブートします。
        phys-schost# zoneadm -z zcnode boot
      2. Oracle Solaris インスタンスを構成解除し、ゾーンをリブートします。
        phys-schost# zlogin zcnode
        zcnode# sysconfig unconfigure
        zcnode# reboot

        zlogin セッションはリブート中に終了します。

      3. zlogin コマンドを発行し、対話型画面で進行します。
        phys-schost# zlogin -C zcnode
      4. 完了したら、ゾーンコンソールを終了します。

        非大域ゾーンから終了する方法については、『Oracle Solaris 11.1 の管理: Oracle Solaris ゾーン、Oracle Solaris 10 ゾーン、およびリソース管理』の「非大域ゾーンから抜ける方法」を参照してください。

      5. 大域ゾーンから、ゾーンクラスタノードを停止します。
        phys-schost# zoneadm -z zcnode halt
      6. 残りのゾーンクラスタノードごとに、前述の手順を繰り返します。
    • 共有 IP の labeled ブランドゾーンクラスタの場合は、各ゾーンクラスタノードで次の手順を実行します。
      1. 1 つのグローバルクラスタノードから、ゾーンクラスタをブートします。
        phys-schost# clzonecluster boot zone-cluster-name
      2. Oracle Solaris インスタンスを構成解除し、ゾーンをリブートします。
        phys-schost# zlogin zcnode
        zcnode# sysconfig unconfigure
        zcnode# reboot

        zlogin セッションはリブート中に終了します。

      3. zlogin コマンドを発行し、対話型画面で進行します。
        phys-schost# zlogin -C zcnode
      4. 完了したら、ゾーンコンソールを終了します。

        非大域ゾーンから終了する方法については、『Oracle Solaris 11.1 の管理: Oracle Solaris ゾーン、Oracle Solaris 10 ゾーン、およびリソース管理』の「非大域ゾーンから抜ける方法」を参照してください。

      5. 残りのゾーンクラスタノードごとに、手順 b から手順 d を繰り返します。
    • solaris または solaris10 ブランドゾーンクラスタの場合は、各ゾーンクラスタノードで次の手順を実行します。
      1. 1 つのグローバルクラスタノードから、ゾーンクラスタをブートします。
        phys-schost# clzonecluster boot zone-cluster-name
      2. zlogin コマンドを発行し、対話型画面で進行します。
        phys-schost# zlogin -C zcnode
      3. 完了したら、ゾーンコンソールを終了します。

        非大域ゾーンから終了する方法については、『Oracle Solaris 11.1 の管理: Oracle Solaris ゾーン、Oracle Solaris 10 ゾーン、およびリソース管理』の「非大域ゾーンから抜ける方法」を参照してください。

      4. 残りのゾーンクラスタごとに、手順 b から手順 c を繰り返します。
  21. ゾーンクラスタをブートします

    ゾーンクラスタのインストールには数分かかる場合があります。

    phys-schost# clzonecluster boot zone-cluster-name
  22. (排他的 IP ゾーンクラスタ) IPMP グループを手動で構成します。

    clsetup ユーティリティーは、IPMP グループを排他的 IP ゾーンクラスタ用に自動的に構成しません。論理ホスト名または共有アドレスリソースを作成する前に、IPMP グループを手動で作成する必要があります。

    phys-schost# ipadm create-ipmp -i interface sc_ipmp0
    phys-schost# ipadm delete-addr interface/name
    phys-schost# ipadm create-addr -T static -a IPaddress/prefix sc_ipmp0/name

次の手順

solaris10 ブランドゾーンクラスタにインストールした Oracle Solaris Cluster 3.3 データサービスを構成するには、該当するデータサービスのマニュアルでゾーンクラスタに関する手順に従ってください。Oracle Solaris Cluster 3.3 のドキュメントを参照してください。

Trusted Extensions の構成を完了するには、「Trusted Extensions を使用するようにゾーンクラスタを構成する方法」に進みます。

それ以外の場合は、ファイルシステムまたはストレージデバイスをゾーンクラスタに追加します。次のセクションを参照してください。

Trusted Extensions を使用するようにゾーンクラスタを構成する方法

labeled ブランドゾーンクラスタを作成したあと、次の手順を実行して Trusted Extensions を使用するための構成を完了します。

  1. ゾーンクラスタの IP アドレスマッピングを完了します。

    ゾーンクラスタのノードごとに、この手順を実行します。

    1. グローバルクラスタのノードから、ノードの ID を表示します。
      phys-schost# cat /etc/cluster/nodeid
      N
    2. 同じグローバルクラスタノード上のゾーンクラスタノードにログインします。

      ログインする前に、SMF サービスがインポートされていて、すべてのサービスが起動していることを確認します。

    3. このゾーンクラスタノードによってプライベートインターコネクト用に使用されている IP アドレスを判定します。

      クラスタソフトウェアがゾーンクラスタを構成するときに、クラスタソフトウェアはこれらの IP アドレスを自動的に割り当てます。

      ifconfig -a の出力で、ゾーンクラスタに属している clprivnet0 論理インタフェースを探します。inet の値は、クラスタのプライベートインターコネクトの使用をこのゾーンクラスタでサポートするために割り当てられた IP アドレスです。

      zc1# ifconfig -a
      lo0:3: flags=20010008c9<UP,LOOPBACK,RUNNING,NOARP,MULTICAST,IPv4,VIRTUAL> mtu 8232 index 1
              zone zc1
              inet 127.0.0.1 netmask ff000000
      net0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2
              inet 10.11.166.105 netmask ffffff00 broadcast 10.11.166.255
              groupname sc_ipmp0
              ether 0:3:ba:19:fa:b7
      ce0: flags=9040843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,DEPRECATED,IPv4,NOFAILOVER> mtu 1500 index 4
              inet 10.11.166.109 netmask ffffff00 broadcast 10.11.166.255
              groupname sc_ipmp0
              ether 0:14:4f:24:74:d8
      ce0:3: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 4
              zone zc1
              inet 10.11.166.160 netmask ffffff00 broadcast 10.11.166.255
      clprivnet0: flags=1009843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,MULTI_BCAST,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 7
              inet 172.16.0.18 netmask fffffff8 broadcast 172.16.0.23
              ether 0:0:0:0:0:2
      clprivnet0:3: flags=1009843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,MULTI_BCAST,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 7
              zone zc1
              inet 172.16.0.22 netmask fffffffc broadcast 172.16.0.23
    4. ゾーンクラスタノードの /etc/inet/hosts ファイルに、ゾーンクラスタノードの次のアドレスを追加します。
      • プライベートインターコネクトのホスト名 clusternodeN-priv (N はグローバルクラスタノード ID)

        172.16.0.22    clusternodeN-priv 
      • net リソース (ゾーンクラスタを作成したときに clzonecluster コマンドに指定したもの)

    5. 残りのゾーンクラスタノードで繰り返します。
  2. ゾーンクラスタコンポーネントとの通信を承認します。

    ゾーンクラスタコンポーネントによって使用される IP アドレス用に新しいエントリを作成し、各エントリを CIPSO テンプレートに割り当てます。ゾーンクラスタノードの /etc/inet/hosts ファイル内に存在するこれらの IP アドレスは次のとおりです。

    • ゾーンクラスタノードの各プライベート IP アドレス

    • ゾーンクラスタ内のすべての cl_privnet IP アドレス

    • ゾーンクラスタの論理ホスト名の各パブリック IP アドレス

    • ゾーンクラスタの共有 IP アドレスの各パブリック IP アドレス

    phys-schost# tncfg -t cipso
    tncfg:cipso> add host=ipaddress1
    tncfg:cipso> add host=ipaddress2
    …
    tncfg:cipso> exit

    CIPSO テンプレートの詳細については、『Trusted Extensions 構成と管理』の「異なる解釈ドメインを構成する方法」を参照してください。

  3. IP 厳密宛先マルチホームを weak に設定します。

    ゾーンクラスタの各ノードで次のコマンドを実行します。

    phys-schost# ipadm set-prop -p hostmodel=weak ipv4
    phys-schost# ipadm set-prop -p hostmodel=weak ipv6

    hostmodel プロパティーの詳細については、『Oracle Solaris 11.1 カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル』の「hostmodel (ipv4 または ipv6)」を参照してください。

次の手順

ファイルシステムまたはストレージデバイスをゾーンクラスタに追加します。次のセクションを参照してください。

参照

ゾーンクラスタでソフトウェアを更新する場合は、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の第 11 章「ソフトウェアの更新」の手順に従ってください。次の手順では、必要に応じてゾーンクラスタに固有の手順も記載されています。

ゾーンクラスタにファイルシステムを追加する

ファイルシステムをゾーンクラスタに追加し、オンラインにしたら、ファイルシステムはそのゾーンクラスタ内からの使用を承認されます。使用するファイルシステムをマウントするには、SUNW.HAStoragePlus または SUNW.ScalMountPoint といったクラスタリソースを使用することでファイルシステムを構成します。


注 - 使用を単一のゾーンクラスタノードに制限するファイルシステムを追加するには、代わりに 「特定のゾーンクラスタノードへのローカルファイルシステムの追加」を参照してください。


このセクションでは、ゾーンクラスタで使用するファイルシステムを追加するための次の手順について説明します。

高可用性ローカルファイルシステムをゾーンクラスタに追加する方法

この手順を実行して、グローバルクラスタで高可用性ローカルファイルシステムをゾーンクラスタによって使用されるように構成します。ファイルシステムがゾーンクラスタに追加され、HAStoragePlus リソースを使用してローカルファイルシステムが高可用性になるように構成されます。

この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。

  1. そのゾーンクラスタをホストしているグローバルクラスタのノードで、root 役割になります。
  2. グローバルクラスタ上で、ゾーンクラスタで使用するファイルシステムを作成します。

    ファイルシステムが共有ディスクに作成されていることを確認します。

  3. clsetup ユーティリティーを起動します。
    phys-schost# clsetup

    メインメニューが表示されます。


    ヒント - 前の画面に戻るには、< キーを押して Return キーを押します。


  4. 「ゾーンクラスタ」メニュー項目を選択します。

    ゾーンクラスタタスクメニューが表示されます。

  5. 「ゾーンクラスタにファイルシステム/ストレージデバイスを追加」メニュー項目を選択します。

    「ゾーンクラスタの選択」メニューが表示されます。

  6. ファイルシステムを追加するゾーンクラスタを選択します。

    「ストレージの種類の選択」メニューが表示されます。

  7. 「ファイルシステム」メニュー項目を選択します。

    「ゾーンクラスタに対するファイルシステムの選択」メニューが表示されます。

  8. ゾーンクラスタに追加するファイルシステムを選択します。

    リストにあるファイルシステムは、共有ディスク上に構成されるファイルシステムであり、ゾーンクラスタが構成されているノードからアクセスできます。e を入力して、ファイルシステムのすべてのプロパティーを手動で指定することもできます。

    「マウントの種類の選択」メニューが表示されます。

  9. ループバックマウントタイプを選択します。

    「ゾーンクラスタに対するファイルシステムのプロパティー」メニューが表示されます。

  10. 追加しているファイルシステムで変更が許可されているプロパティーを変更します。

    注 - UFS ファイルシステムの場合は、ロギングを有効にします。


    完了したら、d と入力し、Return キーを押します。

  11. c と入力して構成の変更を保存します。

    構成の変更の結果が表示されます。

  12. 完了後 clsetup ユーティリティーを終了します。
  13. ファイルシステムが追加されたことを確認します。
    phys-schost# clzonecluster show -v zone-cluster-name

例 6-1 ゾーンクラスタへの高可用性ローカルファイルシステムの追加

この例では、sczone ゾーンクラスタで使用できるようにローカルのファイルシステム /global/oracle/d1 を追加します。

phys-schost-1# clzonecluster configure sczone
clzc:sczone> add fs
clzc:sczone:fs> set dir=/global/oracle/d1
clzc:sczone:fs> set special=/dev/md/oracle/dsk/d1
clzc:sczone:fs> set raw=/dev/md/oracle/rdsk/d1
clzc:sczone:fs> set type=ufs
clzc:sczone:fs> add options [logging]
clzc:sczone:fs> end
clzc:sczone> verify
clzc:sczone> commit
clzc:sczone> exit

phys-schost-1# clzonecluster show -v sczone
…
  Resource Name:                            fs
    dir:                                       /global/oracle/d1
    special:                                   /dev/md/oracle/dsk/d1
    raw:                                       /dev/md/oracle/rdsk/d1
    type:                                      ufs
    options:                                   [logging]
    cluster-control:                           [true]
…

次の手順

HAStoragePlus リソースを使用して、高可用性のファイルシステムを構成します。HAStoragePlus リソースは、ファイルシステムを使用するよう構成されているアプリケーションを現在ホストするゾーンクラスタノードへのファイルシステムのマウントを管理します。 『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』の「Enabling Highly Available Local File Systems」を参照してください。

ゾーンクラスタに ZFS ストレージプールを追加する方法

ゾーンクラスタに ZFS ストレージプールを追加するには、この手順を実行してください。プールは、単一のゾーンクラスタノードに対してローカルにすることも、HAStoragePlus を使用して高可用性に構成することもできます。

clsetup ユーティリティーは、選択されたゾーンクラスタが構成されているノードからアクセスできる共有ディスク上で構成されているすべての ZFS プールを検出して表示します。clsetup ユーティリティーを使用してクラスタスコープ内の ZFS ストレージプールを既存のゾーンクラスタに追加したら、clzonecluster コマンドを使用して、構成を変更したりノードスコープ内の ZFS ストレージプールを追加したりできます。

始める前に

ゾーンクラスタのすべてのノードに接続されている共有ディスク上で、この ZFS プールが接続されていることを確認します。ZFS プールを作成する手順については、『Oracle Solaris 11.1 の管理: ZFS ファイルシステム』を参照してください。

  1. そのゾーンクラスタをホストしているグローバルクラスタのノードで、root 役割になります。

    この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。

  2. clsetup ユーティリティーを起動します。
    phys-schost# clsetup

    メインメニューが表示されます。


    ヒント - 前の画面に戻るには、< キーを押して Return キーを押します。


  3. 「ゾーンクラスタ」メニュー項目を選択します。

    ゾーンクラスタタスクメニューが表示されます。

  4. 「ゾーンクラスタにファイルシステム/ストレージデバイスを追加」メニュー項目を選択します。

    「ゾーンクラスタの選択」メニューが表示されます。

  5. ZFS ストレージプールを追加するゾーンクラスタを選択します。

    「ストレージの種類の選択」メニューが表示されます。

  6. 「ZFS」メニュー項目を選択します。

    「ゾーンクラスタに対する ZFS プールの選択」メニューが表示されます。

  7. ゾーンクラスタに追加する ZFS プールを選択します。

    リストにある ZFS プールは、共有ディスク上に構成されているもので、ゾーンクラスタが構成されているノードからアクセスできます。e を入力して、ZFS プールのプロパティーを手動で指定することもできます。

    「ゾーンクラスタに対する ZFS プールデータセットのプロパティー」メニューが表示されます。選択された ZFS プールは、name プロパティーに割り当てられます。

  8. d と入力し、Return キーを押します。

    「ゾーンクラスタに対するファイルシステム/ストレージデバイスの確認」メニューが表示されます。

  9. c と入力して構成の変更を保存します。

    構成の変更の結果が表示されます。例:

     >>> Result of Configuration Change to the Zone Cluster(sczone) <<<
    
        Adding file systems or storage devices to sczone zone cluster...
    
        The zone cluster is being created with the following configuration
    
            /usr/cluster/bin/clzonecluster configure sczone
            add dataset
            set name=myzpool5
            end
    
        Configuration change to sczone zone cluster succeeded.
  10. 完了後 clsetup ユーティリティーを終了します。
  11. ファイルシステムが追加されたことを確認します。
    phys-schost# clzonecluster show -v zoneclustername
  12. ZFS ストレージプールを高可用性にするには、HAStoragePlus リソースを使用してプールを構成します。

    HAStoragePlus リソースは、ファイルシステムを使用するよう構成されているアプリケーションを現在ホストするゾーンクラスタノードへのプール内のファイルシステムのマウントを管理します。『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』の「Enabling Highly Available Local File Systems」を参照してください。

クラスタファイルシステムをゾーンクラスタに追加する方法

clsetup ユーティリティーは、選択されたゾーンクラスタが構成されているクラスタノードで構成されている使用可能なファイルシステムを検出して表示します。clsetup ユーティリティーを使用してファイルシステムを追加するときは、ファイルシステムはクラスタスコープで追加されます。

ゾーンクラスタに追加できるクラスタファイルシステムのタイプは次のとおりです。

始める前に

ゾーンクラスタに追加するクラスタファイルシステムが構成されていることを確認します。「クラスタファイルシステムの計画」 および第 5 章クラスタファイルシステムの作成を参照してください。

  1. そのゾーンクラスタをホストしているグローバルクラスタのノードで、root 役割になります。

    この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。

  2. ゾーンクラスタノードをホストするグローバルクラスタの各ノード上で、ゾーンクラスタにマウントするファイルシステムの /etc/vfstab ファイルにエントリを追加してください。
    phys-schost# vi /etc/vfstab
    • UFS エントリの場合は、次の例のように global マウントオプションを含めます。
      /dev/md/datadg/dsk/d0 /dev/md/datadg/rdsk/d0 /global/fs ufs 2 no global, logging
  3. グローバルクラスタで、clsetup ユーティリティーを起動します。
    phys-schost# clsetup

    メインメニューが表示されます。


    ヒント - 前の画面に戻るには、< キーを押して Return キーを押します。


  4. 「ゾーンクラスタ」メニュー項目を選択します。

    ゾーンクラスタタスクメニューが表示されます。

  5. 「ゾーンクラスタにファイルシステム/ストレージデバイスを追加」メニュー項目を選択します。

    「ゾーンクラスタの選択」メニューが表示されます。

  6. ファイルシステムを追加するゾーンクラスタを選択します。

    「ストレージの種類の選択」メニューが表示されます。

  7. 「ファイルシステム」メニュー項目を選択します。

    「ゾーンクラスタに対するファイルシステムの選択」メニューが表示されます。

  8. リストからファイルシステムを選択します。

    e を入力して、ファイルシステムのすべてのプロパティーを手動で指定することもできます。

    「マウントの種類の選択」メニューが表示されます。

  9. ゾーンクラスタにループバックファイルシステムマウントタイプを選択します。

    ループバックファイルシステムの作成については、『Oracle Solaris 11.1 Administration: Devices and File Systems』の「How to Create and Mount an LOFS File System」を参照してください。

    「ゾーンクラスタに対するファイルシステムのプロパティー」メニューが表示されます。

  10. マウントポイントのディレクトリを指定します。

    dir プロパティーに番号を入力し、Return キーを押します。次に、LOFS のマウントポイントのディレクトリ名を「新しい値」フィールドに入力し、Return キーを押します。

    完了したら、d と入力し、Return キーを押します。「ゾーンクラスタに対するファイルシステム/ストレージデバイスの確認」メニューが表示されます。

  11. c と入力して構成の変更を保存します。

    構成の変更の結果が表示されます。例:

      >>> Result of Configuration Change to the Zone Cluster(sczone) <<<
    
        Adding file systems or storage devices to sczone zone cluster...
    
        The zone cluster is being created with the following configuration
    
            /usr/cluster/bin/clzonecluster configure sczone
            add fs
            set dir=/dev/md/ddg/dsk/d9
            set special=/dev/md/ddg/dsk/d10
            set raw=/dev/md/ddg/rdsk/d10
            set type=lofs
            end
    
        Configuration change to sczone zone cluster succeeded.
  12. 完了後 clsetup ユーティリティーを終了します。
  13. LOFS ファイルシステムが追加されたことを確認します。
    phys-schost# clzonecluster show -v zone-cluster-name

次の手順

(オプション) HAStoragePlus リソースによって管理されるようにクラスタファイルシステムを構成します。HAStoragePlus リソースは、グローバルクラスタ内でのファイルシステムのマウントを管理し、あとで、そのファイルシステムを使用するように構成されたアプリケーションを現在ホストしているゾーンクラスタノードに対してループバックマウントを実行します。詳細は、『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』の「Configuring an HAStoragePlus Resource for Cluster File Systems」を参照してください。

特定のゾーンクラスタノードへのローカルファイルシステムの追加

このセクションでは、単一のゾーンクラスタノードに専用のファイルシステムを追加する方法について説明します。代わりにゾーンクラスタ全体で使用するようにファイルシステムを構成する場合は、「ゾーンクラスタにファイルシステムを追加する」に進みます。

ここでは、次の手順について説明します。

ローカルファイルシステムを特定のゾーンクラスタノードに追加する方法

この手順を実行して、ローカルファイルシステムを特定のゾーンクラスタの特定の単一ゾーンクラスタノードに追加します。ファイルシステムは、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアによって管理されませんが、代わりに配下の Oracle Solaris ゾーンに渡されます。


注 - 高可用性ローカルファイルシステムをゾーンクラスタに追加するには、「高可用性ローカルファイルシステムをゾーンクラスタに追加する方法」の手順を実行します。


  1. そのゾーンクラスタをホストしているグローバルクラスタのノードで、root 役割になります。

    注 - グローバルクラスタのノードから、次の手順のステップをすべて実行します。


  2. 構成するローカルファイルシステムを特定のゾーンクラスタノードへ作成します。

    目的のゾーンクラスタノードをホストするグローバルクラスタノードのローカルディスクを使用します。

  3. ファイルシステムをノードスコープのゾーンクラスタ構成に追加します。
    phys-schost# clzonecluster configure zoneclustername
    clzc:zoneclustername> select node physical-host=baseclusternode
    clzc:zoneclustername:node> add fs
    clzc:zoneclustername:node:fs> set dir=mountpoint
    clzc:zoneclustername:node:fs> set special=disk-device-name
    clzc:zoneclustername:node:fs> set raw=raw-disk-device-name
    clzc:zoneclustername:node:fs> set type=FS-type
    clzc:zoneclustername:node:fs> end
    clzc:zoneclustername:node> end
    clzc:zoneclustername> verify
    clzc:zoneclustername> commit
    clzc:zoneclustername> exit
    dir=mountpoint

    ファイルシステムのマウントポイントを指定します

    special=disk-device-name

    ディスクデバイスの名前を指定する

    raw=raw-disk-device-name

    raw ディスクデバイスの名前を指定します

    type=FS-type

    ファイルシステムの種類を指定する


    注 - UFS ファイルシステムのロギングを有効にします。


  4. ファイルシステムが追加されたことを確認します。
    phys-schost# clzonecluster show -v zoneclustername

例 6-2 ローカルのファイルシステムをゾーンクラスタノードに追加する

この例では、sczone ゾーンクラスタのノードで使用するローカル UFS ファイルシステム /local/data を追加します。このゾーンクラスタノードは、グローバルクラスタノード phys-schost-1 でホストされています。

phys-schost-1# clzonecluster configure sczone
clzc:sczone> select node physical-host=phys-schost-1
clzc:sczone:node> add fs
clzc:sczone:node:fs> set dir=/local/data
clzc:sczone:node:fs> set special=/dev/md/localdg/dsk/d1
clzc:sczone:node:fs> set raw=/dev/md/localdg/rdsk/d1
clzc:sczone:node:fs> set type=ufs
clzc:sczone:node:fs> add options [logging]
clzc:sczone:node:fs> end
clzc:sczone:node> end
clzc:sczone> verify
clzc:sczone> commit
clzc:sczone> exit

phys-schost-1# clzonecluster show -v sczone
…
     --- Solaris Resources for phys-schost-1 --- 
…
   Resource Name:                                fs
     dir:                                           /local/data
     special:                                       /dev/md/localdg/dsk/d1
     raw:                                           /dev/md/localdg/rdsk/d1
     type:                                          ufs
     options:                                       [logging]
     cluster-control:                               false ...

ローカル ZFS ストレージプールを特定のゾーンクラスタノードに追加する方法

この手順を実行して、ローカル ZFS ストレージプールを特定のゾーンクラスタノードに追加します。ローカル ZFS プールは、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアによって管理されませんが、代わりに配下の Oracle Solaris ゾーンに渡されます。


注 - 高可用性ローカル ZFS プールをゾーンクラスタに追加する場合は、「高可用性ローカルファイルシステムをゾーンクラスタに追加する方法」を参照してください。


この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。

  1. そのゾーンクラスタをホストしているグローバルクラスタのノードで、root 役割になります。
  2. 構成するローカル ZFS プールを特定のゾーンクラスタノードへ作成します。

    目的のゾーンクラスタノードをホストするグローバルクラスタノードのローカルディスクを使用します。

  3. プールをノードスコープのゾーンクラスタ構成に追加します。
    phys-schost# clzonecluster configure zoneclustername
    clzc:zoneclustername> select node physical-host=baseclusternode
    clzc:zoneclustername:node> add dataset
    clzc:zoneclustername:node:dataset> set name=localZFSpoolname
    clzc:zoneclustername:node:dataset> end
    clzc:zoneclustername:node> end
    clzc:zoneclustername> verify
    clzc:zoneclustername> commit
    clzc:zoneclustername> exit
    set name=localZFSpoolname

    ローカル ZFS プールの名前を指定します。

  4. ZFS プールが追加されたことを確認します。
    phys-schost# clzonecluster show -v zoneclustername

例 6-3 ローカルの ZFS プールをゾーンクラスタノードに追加する

この例では、sczone ゾーンクラスタのノードで使用するローカル ZFS プール local_pool を追加します。このゾーンクラスタノードは、グローバルクラスタノード phys-schost-1 でホストされています。

phys-schost-1# clzonecluster configure sczone
clzc:sczone> select node physical-host=phys-schost-1
clzc:sczone:node> add dataset
clzc:sczone:node:dataset> set name=local_pool
clzc:sczone:node:dataset> end
clzc:sczone:node> end
clzc:sczone> verify
clzc:sczone> commit
clzc:sczone> exit

phys-schost-1# clzonecluster show -v sczone
…
     --- Solaris Resources for phys-schost-1 --- 
…
   Resource Name:                                dataset
     name:                                          local_pool

ゾーンクラスタにストレージデバイスを追加する

このセクションでは、ゾーンクラスタによるグローバルストレージデバイスの直接使用を追加する方法、または単一のゾーンクラスタノードに専用のストレージデバイスを追加する方法について説明します。グローバルデバイスは、クラスタ内の複数のノードが、一度に 1 つずつ、または同時にアクセスできるデバイスです。

デバイスをゾーンクラスタに追加すると、そのデバイスはそのゾーンクラスタの内部からのみ見えるようになります。

ここでは、次の手順について説明します。

グローバルストレージデバイスをゾーンクラスタに追加する方法

この手順を実行して、クラスタスコープで次のいずれかのタイプのストレージデバイスを追加します。


注 - raw ディスクデバイスを特定のゾーンクラスタノードに追加するには、代わりに 「raw ディスクデバイスを特定のゾーンクラスタノードに追加する方法」 に進みます。


clsetup ユーティリティーは、選択されたゾーンクラスタが構成されているクラスタノードで構成されている使用可能なストレージデバイスを検出して表示します。clsetup ユーティリティーを使用してストレージデバイスを既存のゾーンクラスタに追加したら、clzonecluster コマンドを使用して、構成を変更します。clzonecluster コマンドを使用してストレージデバイスをゾーンクラスタから削除する手順については、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の「ゾーンクラスタからストレージデバイスを削除する」を参照してください。

  1. そのゾーンクラスタをホストしているグローバルクラスタのノードで、root 役割になります。

    この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。

  2. ゾーンクラスタに追加するデバイスを識別し、それがオンラインかどうかを判定します。
    phys-schost# cldevicegroup status
  3. 追加するデバイスがオンラインでない場合は、オンラインにします。
    phys-schost# cldevicegroup online device
  4. clsetup ユーティリティーを起動します。
    phys-schost# clsetup

    メインメニューが表示されます。


    ヒント - 前の画面に戻るには、< キーを押して Return キーを押します。


  5. 「ゾーンクラスタ」メニュー項目を選択します。

    ゾーンクラスタタスクメニューが表示されます。

  6. 「ゾーンクラスタにファイルシステム/ストレージデバイスを追加」メニュー項目を選択します。

    「ゾーンクラスタの選択」メニューが表示されます。

  7. ストレージデバイスを追加するゾーンクラスタを選択します。

    「ストレージの種類の選択」メニューが表示されます。

  8. 「デバイス」メニュー項目を選択します。

    使用可能なデバイスのリストが表示されます。

  9. リストからストレージデバイスを選択します。

    e を入力して、ストレージデバイスのすべてのプロパティーを手動で指定することもできます。

    「ゾーンクラスタに対するストレージデバイスのプロパティー」メニューが表示されます。

  10. 追加しているストレージデバイスのプロパティーを追加または変更します。

    注 - パス名には、ワイルドカード文字としてアスタリスク (*) を使用します。


    完了したら、d と入力し、Return キーを押します。「ゾーンクラスタに対するファイルシステム/ストレージデバイスの確認」メニューが表示されます。

  11. c と入力して構成の変更を保存します。

    構成の変更の結果が表示されます。例:

     >>> Result of Configuration Change to the Zone Cluster(sczone) <<<
    
        Adding file systems or storage devices to sczone zone cluster...
    
        The zone cluster is being created with the following configuration
    
            /usr/cluster/bin/clzonecluster configure sczone
            add device
            set match=/dev/md/ddg/*dsk/*
            end
            add device
            set match=/dev/md/shared/1/*dsk/*
            end
    
        Configuration change to sczone zone cluster succeeded.
        The change will become effective after the zone cluster reboots.
  12. 完了後 clsetup ユーティリティーを終了します。
  13. デバイスが追加されたことを確認します。
    phys-schost# clzonecluster show -v zoneclustername

raw ディスクデバイスを特定のゾーンクラスタノードに追加する方法

この手順を実行して、raw ディスクデバイスを特定のゾーンクラスタノードに追加します。このデバイスは、Oracle Solaris Cluster による制御下にありません。この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。


注 - ゾーンクラスタ全体で使用する raw ディスクデバイスを追加するには、代わりに 「グローバルストレージデバイスをゾーンクラスタに追加する方法」に進みます。


  1. そのゾーンクラスタをホストしているグローバルクラスタのノードで、root 役割になります。

    この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。

  2. ゾーンクラスタに追加するデバイス (cNt XdYsZ) を識別し、オンラインであるかどうかを判定します。
  3. デバイスをノードスコープのゾーンクラスタ構成に追加します。

    注 - パス名には、ワイルドカード文字としてアスタリスク (*) を使用します。


    phys-schost# clzonecluster configure zone-cluster-name
    clzc:zone-cluster-name> select node physical-host=baseclusternode
    clzc:zone-cluster-name:node> add device
    clzc:zone-cluster-name:node:device> set match=/dev/*dsk/cNtXdYs*
    clzc:zone-cluster-name:node:device> end
    clzc:zone-cluster-name:node> end
    clzc:zone-cluster-name> verify
    clzc:zone-cluster-name> commit
    clzc:zone-cluster-name> exit
    match=/dev/*dsk/cNt XdYs*

    raw ディスクデバイスのフルデバイスパスを指定する

  4. デバイスが追加されたことを確認します。
    phys-schost# clzonecluster show -v zoneclustername

例 6-4 特定のゾーンクラスタノードへの raw ディスクデバイスの追加

次の例では、sczone ゾーンクラスタのノードで使用する raw ディスクデバイス c1t1d0s0 を追加します。このゾーンクラスタノードは、グローバルクラスタノード phys-schost-1 でホストされています。

phys-schost-1# clzonecluster configure sczone
clzc:sczone> select node physical-host=phys-schost-1
clzc:sczone:node> add device
clzc:sczone:node:device> set match=/dev/*dsk/c1t1d0s0
clzc:sczone:node:device> end
clzc:sczone:node> end
clzc:sczone> verify
clzc:sczone> commit
clzc:sczone> exit

phys-schost-1# clzonecluster show -v sczone
…
     --- Solaris Resources for phys-schost-1 --- 
…
   Resource Name:                                device
     name:                                          /dev/*dsk/c1t1d0s0