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Oracle Solaris Cluster 4.1 リリースノート Oracle Solaris Cluster 4.1 (日本語) |
ORCL.otd、otd - Oracle Traffic Director のリソースタイプ実装
ORCL.otd リソースタイプは、Oracle Solaris Cluster 構成内の Oracle Traffic Director アプリケーションを表します。
ORCL.otd リソースタイプは、マルチマスターリソースです。これは、2 つのうちのいずれかのモードで構成されるようにサポートされています。どちらのモードもサーバーインスタンスは複数のノードで同時に実行することができますが、違いはクライアントがサーバーインスタンスに接続する方法にあります。論理ホストが使用される 1 番目のモードでは、論理ホストリソースがオンラインであるノードによってリクエストが受信されます。共有アドレスを使用する 2 番目のモードでは、異なるインスタンスに受信クライアントリクエストを配布するために Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのロードバランシング機能が使用されます。複数の論理ホストを使用してサーバーインスタンスの使用率を向上させることができます。
ORCL.otd リソースタイプは、次の Oracle Traffic Director コマンドをそれらのコマンドを所有する userid として実行します。
$ORACLE_HOME/lib/parsexml
$INSTANCE_HOME/bin/startserv
$INSTANCE_HOME/bin/stopserv
Oracle Traffic Director インスタンスは同じ userid の下にあるリソースによって起動されます。これらのコマンドは、所有者が実行可能であり、所有者以外のユーザーは書き込み可能ではありません。
clresource(1CL) を使用して、次のプロパティーを ORCL.otd リソースで設定する必要があります。
すべてのスケーラブルリソースタイプに共通に適用される標準的なリソースプロパティーには、Scalable、Network_resources_used、Port_list、Load_balancing_policy、および Load_balancing_weights があります。共有アドレスロードバランシング機能の動作を制御するプロパティーには、 Scalable、Network_resources_used、Port_list 、Load_balancing_policy、および Load_balancing_weights がありますが、これらは共有アドレスを使用して ORCL.otd リソースタイプが構成されているときのみ該当します。
次のリソースプロパティーの詳細は、r_properties(5) のマニュアルページを参照してください。
オプション
文字列
Lb_weighted
作成時
オプション
文字列配列
NULL
すべての時間
条件付き/オプション
文字列配列
Null
作成時
オプション
Null
文字列配列
すべての時間
必須
文字列配列
80/tcp
無効時
条件付き
0
10
2
すべての時間
条件付き
0
3600
620
すべての時間
条件付き
0
3600
60
すべての時間
必須
文字列
--- 未設定 ---
無効時
このプロパティーは、Oracle Traffic Director インストールのホームディレクトリのパス名のノード単位の文字列です。リソース作成時に各ノードに対してこのプロパティーを指定する必要があります。
必須
文字列
--- 未設定 ---
無効時
このプロパティーは、Oracle Traffic Director インスタンスディレクトリのパス名のノード単位の文字列です。リソース作成時に各ノードに対してこのプロパティーを指定する必要があります。
必須
文字列
Null
すべての時間
デフォルトで、Oracle Traffic Director サーバーインスタンスは、localhost:port (論理ホストの使用時) または shared_address:port (共有アドレスの使用時) を介して検索されます。
このプロパティーでは、Oracle Traffic Director サーバーインスタンスをモニターする代替 URL を指定できます。障害モニターは、指定された URL に対して HTTP GET コマンドを定期的に実行し、HTTP リクエストが応答コード 500 "Internal Server Error" で HTTP リクエストを返す場合、または構成されたタイムアウト期間内にアプリケーションサーバーが応答しない場合は、アクションを実行します。
必須
整数
-1
4
すべての時間
障害モニターの再起動を制御します。このプロパティーは、障害モニターがプロセスモニター機能によって再起動される回数を示し、pmfadm(1M) コマンドに渡される -n オプションに対応します。再起動の回数は指定された時間枠内でカウントされます。詳細については、Monitor_retry_interval プロパティーを参照してください。このプロパティーは、Web サーバーではなく、障害モニター自身の再起動回数を表します。Web サーバーの再起動は、システム定義のプロパティー Thorough_probe_interval、Retry_interval、および Retry_count によって、それぞれの説明の指定に従い制御されます。詳細は、clresource(1CL) のマニュアルページを参照してください。このプロパティーの値は任意の時点で変更できます。
必須
整数
-1
2
すべての時間
障害モニターで問題がカウントされる時間 (分数) を表し、pmfadm(1M) コマンドに渡される -t オプションに対応します。障害モニターで問題が発見された回数が Monitor_retry_count の値を超過すると、プロセスモニター機能は障害モニターを再起動しません。このプロパティーの値は任意の時点で変更できます。
必須
整数
15
90
すべての時間
このプロパティーは、Oracle Traffic Director インスタンスを検証するために障害モニターで使用されるタイムアウト値 (秒) です。このプロパティーの値は任意の時点で変更できます。
必須
整数
1
2
すべての時間
このプロパティーは、障害モニターが Oracle Traffic Director サーバーインスタンス上でアクションを実行する前の検証中にタイムアウトできる回数を示します。このプロパティーの値は任意の時点で変更できます。
このセクションのすべての例では、次の前提があるものとします。
Oracle Traffic Director ソフトウェアは、クラスタ化ファイルシステムの /global/otd/otd-home ディレクトリで次のようにインストールされています。
クラスタ化ファイルシステムは、別のリソース otd-gfs-rs 内にあります。
リソースグループは、otd-hasp-rg です。
マウントポイントは、/global/otd です。
Oracle Traffic Director サーバーの Instance_home ディレクトリは、インストールと同じクラスタ化ファイルシステム上にありますが、各ノードには独自のサーバー Instance_home ディレクトリがあります。このセクションの例では、ノードとディレクトリは次のとおりです。
node1: /global/otd/otd-1/net-otd-a node2: /global/otd/otd-2/net-otd-a node3: /global/otd/otd-3/net-otd-a node4: /global/otd/otd-4/net-otd-a
次のコマンドを使用して Oracle Traffic Director リソースタイプを登録します。
# clresourcetype register ORCL.otd
例 A-1 論理ホストで使用する Oracle Traffic Director リソースの作成
この例では、Oracle Traffic Director リソース otd-rs をリソースグループ otd-rg に作成します。4 ノードクラスタの 4 つのノードすべてで同時実行するように構成されます。
論理ホストが使用されているエージェント構成で、Oracle Traffic Director サーバーインスタンスはすべてのアドレス INADDR_ANY で待機するように構成される必要があります。これにより、障害モニターはデフォルトの Port_List, 80/tcp を使用して各ノードの localhost アドレスに接続できます。クライアントは、論理ホストリソース lh-rs (リソースグループ lh-rg に含まれる) で構成された IP アドレスを使用します。ホスト名 otd-a-lh は、クラスタによって使用されるネームサービス内、およびサーバーインスタンスにアクセスするクライアント内で構成されます。
この例の論理ホストを作成するには:
# clresourcegroup create -p Nodelist="node1,node2,node3,node4" -p Failback=True lh-rg \ # clreslogicalhostname create -g lh-rg -h otd-a-lh lh-rs \ # clresourcegroup online -eM lh-rg
論理ホストから Oracle Traffic Director の実行中インスタンスがあるノードへの自動フェイルオーバーを容易にするには:
論理ホストリソースグループは、Oracle Traffic Director リソースグループへのフェイルオーバー委託付きの強い肯定的なアフィニティーを持っている必要があります。
論理ホストリソースは、ローカルノードスコープの Oracle Traffic Director リソース上でオフライン再起動依存関係も持っている必要があります。
Oracle Traffic Director リソースグループおよびリソースを作成するには、次の手順を実行します。
# clresourcegroup create -S otd-rg \ # clresourcetype register ORCL.otd \ # clresource create -g otd-rg -t ORCL.otd \ -p ORACLE_HOME=/global/otd/otd-home \ -p INSTANCE_HOME{node1}=/global/otd/otd-1/net-otd-a \ -p INSTANCE_HOME{node2}=/global/otd/otd-2/net-otd-a \ -p INSTANCE_HOME{node3}=/global/otd/otd-3/net-otd-a \ -p INSTANCE_HOME{node4}=/global/otd/otd-4/net-otd-a \ -p Resource_dependencies_offline_restart=otd-gfs-rs \ -p Port_List=80/tcp otd-rs \ # clresourcegroup set -p RG_affinities+=+++otd-rg lh-rg \ # clresource set -p Resource_dependencies_offline_restart+=otd-rs{local_node} lh-rs
例 A-2 共有アドレスで使用する Oracle Traffic Director リソースの作成
この例では、otd-rg という名前の Oracle Traffic Director otd-rs リソースを、4 ノードクラスタの 4 つのノードすべてで同時実行するように構成されたリソースグループ web-rg に作成します。
Oracle Traffic Director サーバーインスタンスは、ポート 80 で待機するように構成され、 SharedAddress リソース sa-rs (リソースグループ sa-rg に含まれる) で構成された IP アドレスを使用します。ホスト名 otd-a-sa は、クラスタによって使用されるネームサービス内、およびサーバーインスタンスにアクセスするクライアント内で構成されます。
この例の共有アドレスリソースグループおよびリソースを作成するには、次の手順を実行します。
# clresourcegroup create sa-rg \ # clressharedaddress create -g sa-rg -h otd-a-sa sa-rs \ # clresourcegroup online -eM sa-rg
Oracle Traffic Director リソースグループおよびリソースを作成するには、次の手順を実行します。
# clresourcegroup create -S otd-rg \ # clresourcetype register ORCL.otd \ # clresource create -g otd-rg -t ORCL.otd \ -p ORACLE_HOME=/global/otd/otd-home \ -p INSTANCE_HOME{node1}=/global/otd/otd-1/net-otd-a \ -p INSTANCE_HOME{node2}=/global/otd/otd-2/net-otd-a \ -p INSTANCE_HOME{node3}=/global/otd/otd-3/net-otd-a \ -p INSTANCE_HOME{node4}=/global/otd/otd-4/net-otd-a \ -p Resource_dependencies_offline_restart=otd-gfs-rs \ -p Resource_dependencies=sa-rs \ -p Port_List=80/tcp \ -p Scalable=True \ otd-rs
例 A-3 代替モニタリング Server_URL の設定
特定の URL を検証するようにエージェント障害モニターを構成するには、Server_URL 拡張プロパティーでプローブする URL を指定します。
次の例では、Server_URL 拡張プロパティーの設定方法を示します。この場合の Oracle Traffic Director サーバーインスタンスは、統計モニタリングが有効で http://localhost:80/stats-xml URL に設定されるように構成されます。
# clresource set -p server_url="http://localhost:80/stats-xml" \ otd-rs
次の属性の説明は、attributes(5) を参照してください。
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clresource(1CL)、clressharedaddress(1CL)、clreslogicalhostname(1CL)、 clresourcetype(1CL)、clresourcegroup(1CL)、pmfadm(1M)、 attributes(5)、r_properties(5)、scalable_service(5)
『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』