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Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkモバイル開発者ガイド
11g リリース2 (11.1.2.3.0)
B70750-01
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C ADFモバイル・アプリケーションの使用方法

この付録には、ADFモバイルのユーザーの操作性に関する初歩的な情報が記載されています。

この付録では次の項について説明します。

C.1 ADFモバイル・アプリケーションの使用方法の概要

ADFモバイル・アプリケーションをインストールしたら(第C.2項「モバイル・デバイスへのADFモバイル・アプリケーションのインストール」を参照)、エンド・ユーザーは、モバイル・デバイスのホーム画面でアプリケーション・アイコンを選択して(図C-1を参照)、ADFモバイル・アプリケーションの使用を開始できます。アプリケーションの起動時、ホーム画面にはスプラッシュ画面が表示されます。起動が完了したら、エンド・ユーザーは、アプリケーション機能間を移動したり(第C.3項「エンド・ユーザーによるアプリケーション機能間のナビゲーション」を参照)、プリファレンスを設定したり(第C.4項「プリファレンスの設定」を参照)、他のすべてのタスクを実行することが可能になります。

図C-1 iPhone上のアプリケーション・アイコン

iPhone上のアプリケーション・アイコン

C.2 モバイル・デバイスへのADFモバイル・アプリケーションのインストール

エンド・ユーザーは、通常のアプリケーション・プロビジョニング・メカニズムを通じてADFモバイル・アプリケーションをダウンロードおよびインストールできます。

インストール時、アプリケーションのプリファレンスにはデフォルト設定が移入されます。デフォルトの変更方法については、第C.4項「プリファレンスの設定」および第C.2.2項「エンド・ユーザーがAndroidデバイスにADFモバイル・アプリケーションをインストールする方法」を参照してください。

モバイル・デバイスからADFモバイル・アプリケーションを削除することは、他のアプリケーションのアンインストールと変わりません(第C.2.3項「エンド・ユーザーがADFモバイル・アプリケーションをアンインストールする方法」を参照)。

C.2.1 エンド・ユーザーがiOSデバイスにADFモバイル・アプリケーションをインストールする方法

iOSデバイスのユーザーは、次の方法でADFモバイル・アプリケーションをダウンロードおよびインストールします。

  • エンタープライズ固有の配布メカニズムから

    • iTunesを使用

    • iPhone構成ユーティリティを通じてデプロイ

    • Webサーバー上でワイヤレスにホスティング

  • AppleのApp Storeから

C.2.2 エンド・ユーザーがAndroidデバイスにADFモバイル・アプリケーションをインストールする方法

アプリケーション・マーケットプレイスで利用可能なADFモバイル・アプリケーションをインストールすることに加えて、エンド・ユーザーは、アプリケーション・マーケットプレイスの外部で利用可能なアプリケーションをダウンロードできます。これを実行する方法については、Webで情報を検索することをお薦めします。

C.2.3 エンド・ユーザーがADFモバイル・アプリケーションをアンインストールする方法

ADFモバイル・アプリケーションは、他のアプリケーションと同様にモバイル・デバイスから削除されます。アンインストール・プロセスでは、アプリケーションとともにすべてのアプリケーション・データおよびすべての外部プリファレンスが削除されます。

C.3 エンド・ユーザーによるアプリケーション機能間のナビゲーション

各アプリケーション機能へのアクセスを提供するために、ADFモバイル・アプリケーションは、ナビゲーション・バーまたはSpringboardを使用して、有効なアプリケーション機能間のナビゲーションを可能にします。

アプリケーション開発時のナビゲーションの構成については、第5.4項「Springboardとナビゲーション・バーの動作の構成」を参照してください。

C.3.1 エンド・ユーザーがiOSデバイスでアプリケーション機能間を移動する方法

図C-2は、iPhone上に表示されるADFモバイルのUI要素を示しています。

図C-2 iPhone上のUI要素

iPhone上のユーザーの操作性

UIは、ナビゲーション・アイテム(アイコン)が移入されたナビゲーション・バーで構成されています。最初のナビゲーション・アイテムは強調表示されており、これが選択されていることを示しています。


注意:

アプリケーションに対してSpringboardが定義されている場合は、オーバーレイ形式で「ホーム」ナビゲーション・ボタンがナビゲーション・バーの上に表示されますが、このボタンはその一部ではありません。このボタンにより、エンド・ユーザーは、アプリケーション・コンテンツからSpringboardに戻ることができます。

「ホーム」アイコン

アプリケーションに対してSpringboardが指定されていない場合、「ホーム」アイコンは表示されません。

詳細は、第5.4項「Springboardとナビゲーション・バーの動作の構成」を参照してください。


図C-2で示されている例のナビゲーション・バーには、6つのナビゲーション・アイテムが含まれていますが、iPhone上のスペースが限られているため、すべてのナビゲーション・アイテムを同時に表示することはできません。そのため、5つ目のアイコンは、「次へ」機能になっています。「次へ」機能がアクティブ化されると、ナビゲーション・バーが展開され、残りのナビゲーション・アイテムが表示されます。iPad上では、すべてのナビゲーション・アイテムが表示されます。ナビゲーション・バーの上のコンテンツ領域には、この特定のソリューションに固有のコンテンツが表示されます。前述の例では、アプリケーションにバンドルされている発注の承認ツールです。


注意:

ナビゲーション・バーに少なくとも1つのアプリケーション機能のアイコンが表示されている場合、エンド・ユーザーに対して、「非表示」ボタン(ナビゲーション・バーが表示されている場合にそれを非表示にするボタン)と「表示」ボタン(ナビゲーション・バーが非表示の場合にそれを表示するボタン)が表示されます。

ナビゲーション・バーの非表示と表示

アプリケーションXMLファイル(adfmf-application.xml)で1つのアプリケーション機能のみが定義されている場合、または制約(または条件)で1つのアプリケーション機能のみの表示が許可されている場合、ナビゲーション・バーは非表示になります。

adfmf-application.xmlファイルで、ナビゲーション・バーに表示されるアプリケーション機能が参照されていない場合、「非表示」と「表示」のボタンがエンド・ユーザーに表示されず、ナビゲーション・バーが最初は非表示になっている可能性があります。この場合、Springboardが定義されているときは、それがアプリケーションに対する唯一のナビゲーション・ツールになります。

詳細は、第C.3.1.2項「単一機能アプリケーションについて」を参照してください。


図C-3は、「次へ」アイコンがアクティブ化され、残りのナビゲーション・アイテムがリストとして表示された後のiPhone UIを示しています。

図C-3 iPhone上のすべてのナビゲーション・アイテムの表示

iPhone上の編集モード

アプリケーションの起動時にナビゲーション・バーに表示されるナビゲーション・アイテムを変更するには、図C-4に示すとおり、「編集」を選択して「構成」モードにします。

図C-4 iPhone上の「構成」モード

iPhone上の「構成」モード

「構成」モードでは、コンテンツ領域からアイコンをドラッグし、それをナビゲーション・バーにドロップできます。この例では、図C-5に示すとおり、ナビゲーション・バーで「送信」ナビゲーション・アイテムがGleナビゲーション・アイテムに置き換えられ、「送信」は「次へ」アイテムの下にリストされています。構成モードを終了するには、「終了」を選択して「次へ」画面に戻ります。

図C-5 iPhone上のナビゲーション・バー表示の変更

iPhoneのナビゲーション・バーの変更

エンド・ユーザーがナビゲーション・バーで新たに再配置されたGleナビゲーション・アイテムを選択すると、図C-6に示すとおり、コンテンツ領域にGleページが表示されます。

図C-6 iPhone上の再配置されたナビゲーション・アイテムのアクティブ化

iPhone上のWebページ表示

C.3.1.1 Springboardを使用したナビゲーションについて

ADFモバイルでは、デフォルトでSpringboardナビゲーションは無効になっています。これは、開発時にadfmf-application.xmlファイルを構成することで有効化されます(第5.4項「Springboardとナビゲーション・バーの動作の構成」を参照)。

Springboardを使用したナビゲーションに対してADFモバイル・アプリケーションが有効である場合、アプリケーションの起動時、エンド・ユーザーに、図C-7に示すような画面が表示されます。

図C-7 Springboard画面

デフォルトのSpringboard画面

上の図では、ADFモバイルで提供されているデフォルトのSpringboardがデフォルトの縦レイアウトでiPhone上に表示されています(開発時にカスタムのSpringboardを作成する方法については、第5.4項「Springboardとナビゲーション・バーの動作の構成」を参照してください)。エンド・ユーザーが利用可能なアプリケーション・コンテンツ機能が3ページあり、画面の下部に3つのドットで示されています。エンド・ユーザーは、3つのページの最初のページを表示しています。最初のドットが明るく示されており、ユーザーが最初のページを表示していることがわかります。

機能の2番目のページを開く(図C-8を参照)には、iPhoneの画面を右から左にスワイプします。すると、最初のページが左に移動し、右から2番目のページが現れます。最初のページが左に移動してフェードアウトし、2番目のページが現れてフェードインします。

図C-8 Springboard: 2番目のページ

Springboard: 2番目のページ

上の図では、エンド・ユーザーは3つのページの2番目のページを表示しています。2番目のドットが明るく示されていることで、それがわかります。

エンド・ユーザーがモバイル・デバイスを横方向に回転すると、それに応じてSpringboardアイコンの位置が変わります(図C-9を参照)。

図C-9 横表示のSpringboard画面

横表示のSpringboard画面

表示の方向が変わってもページは変わらず、ページ2が表示されていることに注意してください。

横方向の表示になっている間に機能の最初のページに戻る(図C-10を参照)には、iPhoneの画面を左から右にスワイプします。すると、2番目のページが右に移動し、左から最初のページが現れます。

図C-10 横表示のSpringboard: 最初のページ

横表示のSpringboard: 最初のページ

1ページ目にある特定の機能(「コンタクト先」など)を表示するには、「コンタクト先」アイコンまたは該当するテキストをタッチします。

iOSデバイスでは、エンド・ユーザーは、デバイス・シェイク・ジェスチャーによって、どのアプリケーション機能からもSpringboardに戻ることができます。

Androidデバイスでは、エンド・ユーザーは、メニュー項目を使用していつでもSpringboardに戻ることができます。

C.3.1.2 単一機能アプリケーションについて

アプリケーションには、単一の機能しか持たないものもあります。その機能は、Springboardまたはナビゲーション・バーに表示されるようには構成されません。この場合、その単一の機能のみがエンド・ユーザーに表示され、ナビゲーション・バーの表示を制御したり、Springboardに戻ったりするための特殊なボタンは表示されません。

C.3.2 Androidデバイス上での移動方法

Androidデバイスでの機能のナビゲーションは、「次へ」機能を除いて、iOSデバイスでのナビゲーションとほぼ同じです(第C.3.1項「エンド・ユーザーがiOSデバイスでアプリケーション機能間を移動する方法」を参照)。Androidデバイスでは、「次へ」機能がアクティブ化されると、残りのナビゲーション・アイテムのリストが表示されます。ナビゲーション・バーの外観は変わりません。

C.4 プリファレンスの設定

エンド・ユーザーは、モバイル・プラットフォームによって規定されている方法でアプリケーションのプリファレンスを構成できます。

アプリケーション開発時のプリファレンスの構成については、第13章「ユーザー・プリファレンスの有効化」を参照してください。

C.4.1 iOSデバイスでのプリファレンスの設定方法

エンド・ユーザーは、iOSデバイスで「設定」アプリケーションを開き、ADFモバイル・アプリケーションの「設定」アイコンを選択して、そのアプリケーションで使用可能なすべての設定にアクセスできます。変更された設定は、「設定」アプリケーションを終了すると有効になります。これは、iOSデバイス上のすべてのアプリケーションの通常の動作です。

起動時、プリファレンスにはデフォルト値が移入されています。それらの値は、adf-feature.xmlファイルで定義されています。プリファレンスの値を設定するための標準的な方法に加えて、次の方法で値を定義できます。

  • 値のリストから選択する。

  • 読取り不可の値として(パスワードなどを入力する場合)。

  • バイナリ値として。

プリファレンスは、カスケード・ページに表示されます。変更可能なプリファレンスと変更できないプリファレンスは、容易に区別できます。

プリファレンスを使用して、ユーザーの資格証明をグローバルに設定できます(第17章「ADFモバイル・アプリケーションのセキュリティ」を参照)。

C.4.2 Androidデバイスでのプリファレンスの設定方法

Androidデバイスでのプリファレンスの設定は、iOSデバイスでのプリファレンスの設定と同じです(第C.4.1項「iOSデバイスでのプリファレンスの設定方法」を参照)。プリファレンスには、「プリファレンス」メニュー項目からアクセスできます。


注意:

そのアプリケーションに対して定義されているプリファレンスが存在しない場合は、メニューに「プリファレンス」メニュー項目が表示されることはありません。


C.5 アプリケーションの使用方法の制限

一般的なADFモバイル・アプリケーションの様々なモジュールの使用方法には、多くの制限があります。

C.5.1 リスト・ビュー・コンポーネントの制限

ADFモバイルAMXリスト・ビュー・コンポーネントを使用する際に(第8.2.7項「リスト・ビューおよびリスト・アイテム・コンポーネントの使用方法」を参照)エンド・ユーザーが留意する必要がある制限は、次のとおりです。

  1. リスト・ビュー・コンポーネントが編集モードの場合、エンド・ユーザーが実行可能なのは、(リスト・アイテム・コンポーネントによって表示されている)行の並替えのみであり、行を選択またはハイライトすることはできません。

  2. リスト・ビュー・コンポーネントが編集モードの場合、そのコンポーネントで区切りが有効になっていても、エンド・ユーザーは、それらを使用できません。区切りを使用すると、予期しない結果を招くおそれがあります。

C.5.2 データ視覚化コンポーネントの制限

地理マップ(第8.5.14項「地理マップ・コンポーネントの使用方法」を参照)を除いて、ADFモバイルAMXデータ視覚化コンポーネントは、Android 2.nプラットフォームで相互作用をサポートしていません。

C.5.3 Androidプラットフォームでのデバイスの「戻る」ボタンの制限

Android 4.0.3では、ADFモバイル・アプリケーションの実行時、デバイスの「戻る」ボタンは無効になります。