Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド 11g リリース2(11.1.2.3.0) B69399-02 |
|
![]() 前 |
![]() 次 |
この章では、ADFリージョンを使用してJSFページまたはページ・フラグメントにADFタスク・フローをレンダリングする方法を説明します。
この章の内容は次のとおりです。
ADFリージョンを使用して、JSFページまたはページ・フラグメント(.jsff
)にバインド・タスク・フローを実行できます。バインド・タスク・フローをADFリージョンとして実行する主な理由として、再利用があります。特定のアプリケーション機能をバインド・タスク・フローおよびADFリージョンに分離することで、アプリケーション全体で再利用できます。バインド・タスク・フロー内のアプリケーション機能を抽出、構成およびパッケージ化すると、ADFリージョンを使用して他のページに追加できます。ADFリージョンは、必要に応じてどこでも再利用できます(つまり、親ページに依存しません)。さらに、親ページの表示をADFリージョンから分離することも可能で、メニュー、ボタンおよびナビゲーション領域はADFリージョンの表示内容に影響されません。バインド・タスク・フローを変更すると、変更内容はそのタスク・フローを使用するすべてのADFリージョンに適用されます。
ADFリージョンは次で構成されます。
リージョンをレンダリングするページまたはページ・フラグメントに表示されるaf:region
タグ
次のパッケージのRegionModel
を実装するインスタンス・オブジェクト
oracle.adf.view.rich.model
RegionModel
の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle ADF Faces Java APIリファレンスを参照してください。
次のいずれかを実行します。
ADFリージョンで使用するバインド・タスク・フローを識別する、ページ定義内のタスク・フロー・バインディング(taskFlow
)
ADFリージョンで使用するバインド・タスク・フローのリストを識別する、ページ定義内の複数タスク・フロー・バインディング(multiTaskFlow
)
初めてレンダリングされるときのADFリージョンのコンテンツは、バインド・タスク・フロー内の最初のビュー・アクティビティのものです。バインド・タスク・フローで使用するビュー・アクティビティは、ページではなくページ・フラグメントに関連付ける必要があります。
タスク・フロー・バインディングの入力パラメータまたはコンテキスト・イベントを使用して、ADFリージョンに値を渡すことができます。また、タスク・フロー・バインディングのparametersMap
プロパティを構成すると、そのタスク・フロー・バインディングによってバインド・タスク・フローからADFリージョンへ渡される入力パラメータを指定できます。
ADFリージョンを構成して、リージョンのアクティブ化やリフレッシュのタイミングを指定できます。また、ADFリージョンおよびバインド・タスク・フローを構成することで、バインド・タスク・フロー内でナビゲーション・コントロールを停止させ、ADFリージョンを含むページに渡すこともできます。さらに、リージョンにレンダリングされるバインド・タスク・フローをタスク・フロー・バインディングが実行時に決定する動的リージョン(ADF動的リージョン)を作成し、動的リージョン・リンクを構成すると、実行時にADF動的リージョンにレンダリングされるバインド・タスク・フローをエンド・ユーザーが変更できるようになります。
図21-1は、ADFリージョンをホストするページのページ定義ファイルにあるタスク・フロー・バインディングを使用して、ADFリージョンによるバインド・タスク・フローの参照方法を示しています。
ページ・フラグメントとは、別のJSFページのコンテンツとしてレンダリングするJSFドキュメント(ファイル拡張子は.jsff
)です。ページ・フラグメントに複数のルート・コンポーネントを使用することはできません。ページ・フラグメントの表示パフォーマンスを最適化するために、複数のルート・コンポーネントを1つのルート・コンポーネントにラップすることをお薦めします。また、ページ・フラグメントに1つのビジュアル・ルート・コンポーネントおよび(起動するまでエンド・ユーザーに表示されない)popup
コンポーネントのみが含まれる場合も、これらのコンポーネントを1つのルート・コンポーネントにラップすることをお薦めします。たとえば、bottomHeight
属性を0
ピクセルに設定して、popup
コンポーネントをpanelStretchLayout
コンポーネントの一番下のファセットに配置します。
ページ・フラグメントに複数のルート・コンポーネントがある場合は、例21-1に示すとおり、Fusion Webアプリケーションによって実行時にメッセージが記録されます(ここで、r1
はページ・フラグメントをレンダリングするADFリージョンを識別します)。
例21-1 複数のルート・コンポーネントがあるページ・フラグメントに関するログ・メッセージ
<RegionRenderer> <encodeAll> The region component with id: r1 has detected a page fragment with multiple root components. Fragments with more than one root component may not display correctly in a region and may have a negative impact on performance. It is recommended that you restructure the page fragment to have a single root component.
ルート・コンポーネント要素を1つのみにすることとは別に、ページ・フラグメントには次のいずれのタグも含めることはできません。
<af:document>
<f:view>
<f:form>
<html>
<head>
<body>
これらのタグはドキュメント内で1回のみ使用可能で、JSFページでのネストはサポートされません。たとえば、ページに実装されたページ・フラグメントに<html>
タグを含められないのは、JSFページにすでに存在するからです。
例21-2には、単純なページ・フラグメントが含まれています。JSFページとは異なり、<f:view>
タグや<f:form>
タグは含まれていません。
例21-2 ページ・フラグメントのソース・コード
<?xml version='1.0' encoding='UTF-8'?> <jsp:root xmlns:jsp="http://java.sun.com/JSP/Page" version="2.1" xmlns:af="http://xmlns.oracle.com/adf/faces/rich"> <af:commandButton text="commandButton 1" id="cb1"/> </jsp:root>
別のJSFページに含めるページ・フラグメントは、リージョン(af:region
タグ)内でネストする必要があります。JSFページにリージョンとして追加されるバインド・タスク・フローはページをコールできないため、ページ・フラグメントをコールする必要があります。
ビュー・ポートは、他のビュー・ポートに関係なく移動できる表示領域です。ブラウザ・ウィンドウとADFリージョンはいずれもビュー・ポートの例です。ルート・ビュー・ポートには、ブラウザ・ウィンドウのメイン・ページが表示されます。ルート・ビュー・ポートには、子ビュー・ポート(ページ上のリージョンなど)を含めることができますが、親ビュー・ポートはありません。
oracle.adf.controller
パッケージのViewPortContext
インタフェースを実装するJavaクラスを使用すると、ビュー・ポートの詳細が表示されます。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle ADF Controller Java APIリファレンスを参照してください。
図21-2は、Fusion Order Demoアプリケーションの登録ページ(register.jspx
)を示しており、2つのADFリージョンがレンダリングされています。これらのリージョンの1つ(「登録のヘルプ」)は静的で、登録ページの他の場所でエンド・ユーザーが起動するアクションに関係なく表示されます。Fusion Order Demoアプリケーションのhelp-task-flow.xml
タスク・フローで定義されたビュー・アクティビティがレンダリングされ、エンド・ユーザー向けのヘルプ情報が表示されます。このタイプのリージョンの作成に関する詳細は、21.2項「ADFリージョンの作成」を参照してください。
register.jspx
にレンダリングされるもう1つのリージョンは、動的リージョン(ADF動的リージョン)です。レンダリングされるタスク・フローは、エンド・ユーザーのアクションによって異なります。エンド・ユーザーが登録ページの「顧客として登録」をクリックした場合は、ADF動的リージョンによって顧客登録タスク・フロー(customer-registration-task-flow.xml
)がレンダリングされます。一方、エンド・ユーザーが「従業員として登録」をクリックした場合は、ADF動的リージョンによって従業員登録タスク・フロー(employee-registration-task-flow.xml
)がレンダリングされます。このタイプのリージョンの作成に関する詳細は、21.8項「ADF動的リージョンの作成」を参照してください。
ADFリージョンにレンダリングするタスク・フローは、単純なもの(ヘルプ・タスク・フローに、ヘルプ情報をレンダリングする1つのビュー・アクティビティを含めるなど)でも構わないほか、顧客登録タスク・フローのように、タスク完了までの一連の手順でエンド・ユーザーを導く、多くのステップを含めることもできます。
図21-3は、顧客登録タスク・フローの一部を示しています。エンド・ユーザーが入力した情報を確認できるようにするビュー・アクティビティ(たとえば、reviewCustomerInfo
)、エラー発生時にメッセージを表示する例外ハンドラ・アクティビティ(errorPage
)、およびエンド・ユーザーによる変更を取り消したりコミットするためのタスク・フロー・リターン・アクティビティが含まれています。これらのすべてのタスク・フロー・アクティビティをADFリージョン内にレンダリングできます。
1つの特例として、タスク・フロー・リターン・アクティビティがあります。バインド・タスク・フローの実行終了時に、(バインド・タスク・フローをホストするページまたはページ・フラグメントを除いて)制御の戻し先となるコール元がないために制御を戻せないことがよくあります。そのため、ADFリージョンにレンダリングするバインド・タスク・フローでは、制御フローを適切に設計してください。
ADFリージョンにレンダリングされるタスク・フローが他のタスク・フローおよびADF機能とどのように対話するかを理解しておくと役立ちます。次に、関連する他の機能へのリンクを示します。
ADFリージョンに表示されるバインド・タスク・フローおよび関連付けられているページ定義に対して、セキュリティを設定できます。表示する権限がないADFリージョンを含むページをエンド・ユーザーが表示すると、ADFリージョンのコンテンツは表示されません。認証メカニズムはトリガーされません。詳細は、第35章「Fusion WebアプリケーションでのADFセキュリティの有効化」を参照してください。
タスク・フローはマネージドBeanを起動します。マネージドBeanの詳細は、24.4項「Fusion WebアプリケーションでのマネージドBeanの使用」を参照してください。
コンテキスト・イベントを使用して、バインド・タスク・フローと情報を交換できます。詳細は、34項「コンテキスト・イベントの使用」を参照してください。
ADFリージョンを作成するには、ADFリージョンをレンダリングするページに対するビュー・アクティビティまたはタスク・フロー・コール・アクティビティが少なくとも1つ含まれているバインド・タスク・フローをドラッグ・アンド・ドロップします。これにより、作成されるADFリージョンには、実行時に表示されるコンテンツが必ず含まれます。
バインド・タスク・フローのビュー・アクティビティは、ページ・フラグメント(.jsff
)に関連付ける必要があります。ページ・フラグメントではなくページに関連付けられたバインド・タスク・フローをドラッグ・アンド・ドロップしようとした場合、ADFリージョンを作成するためのポップアップ・メニューは表示されません。ページを使用するバインド・タスク・フローを、ページ・フラグメントを使用するものに変換できます。詳細は、18.6.3項「バインド・タスク・フローの変換方法」を参照してください。
ADFリージョンの作成用にJDeveloperによって表示されるポップアップ・メニューには、非動的リージョンおよび動的リージョンを作成するためのオプションが表示されます。動的リージョン(ADF動的リージョン)では、レンダリングされるバインド・タスク・フローは実行時に決まります。ADF動的リージョンの作成に関する詳細は、21.8項「ADF動的リージョンの作成」を参照してください。非動的リージョン(ADFリージョン)に表示されるバインド・タスク・フローは、設計時に決まります。
ADFリージョンを作成する前に、次のことを行う必要があります。
ページ・フラグメントに関連付けられている1つ以上のビュー・アクティビティ、またはビュー・アクティビティを伴うタスク・フローに対する1つのタスク・フロー・コール・アクティビティを持つ、バインド・タスク・フローを作成します。
詳細は、18.2項「タスク・フローの作成」を参照してください。
ADFリージョンをホストするページを作成します。
「アプリケーション・ナビゲータ」からADFリージョンをレンダリングするページへ、バインド・タスク・フローをドラッグします。
作業を始める前に、次のようにします。
ADFリージョンで使用するバインド・タスク・フローの要件を理解しておくと役に立つ場合があります。詳細は、21.2項「ADFリージョンの作成」を参照してください。
他のタスク・フロー機能およびADFリージョン機能を使用して追加できる機能についても理解しておくと役立ちます。詳細は、21.1.4項「ADFリージョンにレンダリングされるタスク・フローの追加の機能」を参照してください。
ADFリージョンの作成手順:
「アプリケーション・ナビゲータ」で、バインド・タスク・フローをJSFページにドラッグして、ADFリージョンを配置する場所にドロップします。
表示されるポップアップ・メニューから「作成」→ 「リージョン」を選択します。
20.3項「バインド・タスク・フローへのパラメータ渡し」で説明しているように、JSFページにドロップしたバインド・タスク・フローに入力パラメータが定義されている場合は、「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログが表示されます。ADFリージョンのパラメータの指定の詳細は、21.3項「ADFリージョンのパラメータの指定」を参照してください。
構造ウィンドウで、追加したADFリージョンのノード(af:region)を右クリックし、「プロパティに移動」を選択します。
ADFリージョンのプロパティ・インスペクタのデフォルト値が自動的に移入される次のプロパティを、必要に応じて確認または変更します。
ID: ADFリージョンを参照するためにJSFページで使用されるID(たとえば、r1
)。
値: ADFリージョン・モデルへのEL参照(たとえば、#{bindings.region1.regionModel}
)。これはリージョンの動作を記述するリージョン・モデルです。
レンダリング: true
(デフォルト値)の場合、JSFページのレンダリング時にADFリージョンがレンダリングされます。
JSFページに関連付けられているビュー・アクティビティとADFリージョンの間でパラメータをマップする方法は、21.3項「ADFリージョンのパラメータの指定」を参照してください。
ADFリージョンを作成するためにバインド・タスク・フローをJSFページにドロップすると、ページにaf:region
タグが追加されます。af:region
タグは、RegionModel
を実装するオブジェクトを参照します。例21-3は、JDeveloperによってJSFページに追加されるメタデータのサンプルを示しています。
例21-3 ADFリージョンの作成用にJSFページに追加されるメタデータ
<af:region value="#{bindings.tf_register_employee1.regionModel}" id="r1"/>
さらに、ADFリージョンをホストするページのページ定義ファイルに、タスク・フロー・バインディングが追加されます。例21-4は、JDeveloperによって追加されるメタデータのサンプルを示しています。このタスク・フロー・バインディングにより、ADFリージョンとバインド・タスク・フローの間のブリッジが提供されます。これにより、ADFリージョンの特定のインスタンスが、関連付けられているバインド・タスク・フローにバインドされ、そのバインド・タスク・フローに固有のあらゆる情報が保持されます。taskFlowId
属性により、バインド・タスク・フローのソース・ファイルのディレクトリ・パスおよび名前が指定されます。
例21-4 タスク・フロー・バインディングの作成用にページ定義に追加されるメタデータ
<taskFlow id="tf_register_employee1" taskFlowId="/WEB-INF/tf_register_employee.xml#tf_register_employee" activation="deferred" xmlns="http://xmlns.oracle.com/adf/controller/binding"/>
バインド・タスク・フローをJSFページにドロップした際、すべてのデータバインディングは保持されます。実行時、ADFリージョンを含むJSFページに対するリクエストは、最初はJSFページに対するその他のリクエストと同様に処理されます。JSFページ定義が実行されると、JSFページにデータがロードされます。親JSFページのコンポーネント・ツリーで<af:region>
タグが検出されると、表示するコンテンツの最初のページ・フラグメントを特定するために、それが実行されます。コンテンツの最初のページ・フラグメントが特定されると、ページ・フラグメントから親JSFページのコンポーネント・ツリーへ、適切なUIコンポーネントが追加されます。
タスク・フロー・バインディングにより、そのタスク・フロー用に、現在のビュー・アクティビティを取得するための次のインタフェースを実装するオブジェクトが作成されます。
oracle.adf.controller.ViewPortContext
タスク・フロー・バインディングのtaskFlowId
属性を使用して、次のいずれかに評価されるEL式を参照することもできます。
java.lang.String
oracle.adf.controller.TaskFlowId
この機能は、ADF動的リージョンを作成する場合に使用します。詳細は、21.8項「ADF動的リージョンの作成」を参照してください。
ADFリージョンによって参照されるタスク・フロー・バインディングに追加することで、バインド・タスク・フロー用に定義した入力パラメータをADFリージョンで使用可能にすることができます。メモリー・スコープ、マネージドBeanまたはADFバインディング・レイヤーで使用可能な入力パラメータを参照するには、EL式を使用します。
入力パラメータの指定は、ADFリージョンに情報を提供する方法の1つです。別の方法として、コンテキスト・イベントの使用があります。ADFリージョンに提供する情報の種類によって、情報提供の方法が決まります。次に例を示します。
入力パラメータ: 必要な情報がタスク・フローの最初にあり、この情報の値を変更するとタスク・フローの再開が必要になる場合に使用します。
たとえば、従業員の表を含むページがあるとします。このページのADFリージョンには、選択した従業員を福利厚生プログラムに登録するためのタスク・フローが含まれています。従業員の選択を変更すると、新たに選択した従業員について最初から福利厚生の登録タスク・フローを再開する必要があります。このユースケースでは、タスク・フローの入力パラメータを使用することが正しい判断です。
入力パラメータは、参照渡しでも値渡しでもかまいません。参照渡しの場合、選択した従業員の情報(姓など)に関するメイン・ページでの更新は、タスク・フローを再開しなくてもADFリージョンで実行されるタスク・フローに自動的に反映されます。
コンテキスト・イベント: タスク・フローが開始されるまでは交換する情報を特定できず、情報を変更してもタスク・フローの再開が必要ない場合に使用します。たとえば、Fusion Order Demoアプリケーションでは、register.jspx
ページに顧客登録タスク・フローがレンダリングされる際に適切なヘルプ・トピックが表示されるように、コンテキスト・イベントが使用されています。コンテキスト・イベントの詳細は、第34章「コンテキスト・イベントの使用」を参照してください。
ADFリージョンの作成およびタスク・フロー・バインディングの追加の詳細は、21.2項「ADFリージョンの作成」を参照してください。バインド・タスク・フローの入力パラメータの定義方法の詳細は、20.3項「バインド・タスク・フローへのパラメータ渡し」を参照してください。
メモリー・スコープ、マネージドBeanまたはADFバインディング・レイヤーで使用可能なパラメータをADFリージョンの入力として指定するには、EL式を使用します。
作業を始める前に、次のようにします。
ADFリージョンのパラメータの指定に関する要件を理解しておくと役に立つ場合があります。詳細は、21.3項「ADFリージョンのパラメータの指定」を参照してください。
他のタスク・フロー機能およびADFリージョン機能を使用して追加できる機能についても理解しておくと役立ちます。詳細は、21.1.4項「ADFリージョンにレンダリングされるタスク・フローの追加の機能」を参照してください。
ADFリージョンの入力パラメータを指定する手順:
「アプリケーション・ナビゲータ」で、ADFリージョンが含まれているJSFページを右クリックし、「ページ定義に移動」を選択します。
ページ定義ファイルの概要エディタで、パラメータを指定するタスク・フロー・バインディングを選択します。
「編集」アイコンをクリックして、図21-5のように「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログを表示します。
20.3項「バインド・タスク・フローへのパラメータ渡し」で説明しているように、バインド・タスク・フローの入力パラメータを定義した場合は、「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログの「入力パラメータ」セクションにこれらのパラメータがリストされます。
注意: 「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログの「入力パラメータ・マップ」フィールドを使用して、マネージドBeanで指定された入力パラメータのリストを参照するEL式を記述できます。この機能の実装に関する詳細は、21.4項「パラメータ・マップを使用したADFリージョンのパラメータの指定」を参照してください。 |
ADFリージョン用に指定する各入力パラメータの値を取得するEL式を記述します。必須として定義したパラメータに対して、EL式を記述する必要があります。たとえば、次のようなEL式を記述します。
#{pageFlowScope.inputParameter1}
「OK」をクリックします。
例21-5のように、JSFページのページ定義に、taskFlow
要素の子要素であるエントリが書き込まれます。
例21-5 ADFリージョンの入力パラメータを指定するためのメタデータ・エントリ
<taskFlow id="tflow_tf11" taskFlowId="/WEB-INF/tflow_tf1.xml#tflow_tf1" activation="deferred" xmlns="http://xmlns.oracle.com/adf/controller/binding"> <parameters> <parameter id="inputParameter1" value="#{pageFlowScope.inputParameter1}"/> <parameter id="inputParameter2" value="#{pageFlowScope.inputParameter2}"/> </parameters> </taskFlow>
実行時に、EL式の値attribute
で指定された値がADFリージョンに渡されます。
21.3項「ADFリージョンのパラメータの指定」で説明している、タスク・フロー・バインディングにすべての入力パラメータを表示する方法に加えて(もしくはその代替方法として)、タスク・フロー・バインディングのparametersMap
プロパティを使用してマネージドBean上のパラメータ・マップ・オブジェクトを指定できます。参照するパラメータ・マップ・オブジェクトは、次のインタフェースを実装するタイプであることが必要です。
java.util.Map
参照するパラメータ・マップ・オブジェクトにより、ADFリージョンに入力する値にマップされるキーが指定されます。この方法を使用すると、そのページのページ定義内でタスク・フロー・バインディング(taskFlow
)要素または複数タスク・フロー・バインディング(multiTaskFlow
)の下に表示されるparameter
子要素の数が減ります。また、この方法ではADFリージョンに渡される入力パラメータをより柔軟に指定できます。特に、ここでは、ADF動的リージョンの各種タスク・フロー・バインディング間で、入力パラメータの個数としてADF動的リージョンにパラメータを渡す方法が異なる可能性が規定されています。詳細は、21.8項「ADF動的リージョンの作成」を参照してください。
ADFリージョンまたはADF動的リージョンのタスク・フロー・バインディングを構成して、パラメータ・マップを参照できます。また、複数タスク・フロー・バインディングを構成して、パラメータ・マップを参照できます。バインド・タスク・フローに対して定義する入力パラメータの名前と、パラメータ・マップ・オブジェクトで定義するキー名を、必ず一致させてください。
<parameter>
要素および<parametersMap>
要素にある同じid
属性を使用してパラメータを指定する場合は、<parametersMap>
要素が常に優先されます。これは、21.8項「ADF動的リージョンの作成」の説明に従ってADF動的リージョンを作成する場合に、<parametersMap>
要素によってパラメータの静的値の上書きが必要な場合もあるからです。
ADFリージョンに渡すキーと値のペアを定義するパラメータ・マップ・オブジェクトを参照するために、タスク・フロー・バインディングのparametersMap
プロパティを構成します。
作業を始める前に、次のようにします。
ADFリージョンへ入力パラメータを渡す際に使用できる構成オプションについて理解しておくと役に立つ場合があります。詳細は、21.4項「パラメータ・マップを使用したADFリージョンのパラメータの指定」を参照してください。
他のタスク・フロー機能およびADFリージョン機能を使用して追加できる機能についても理解しておくと役立ちます。詳細は、21.1.4項「ADFリージョンにレンダリングされるタスク・フローの追加の機能」を参照してください。
ADFリージョンの入力パラメータを指定するためのパラメータ・マップの作成手順:
マネージドBeanを作成するか、java.util.Map
インタフェースを実装するオブジェクトが戻されるように既存のマネージドBeanを編集します。
ADFリージョンに渡す値とともにキーと値のペアがオブジェクトによって戻されるように、マネージドBeanを構成します。マネージドBeanの詳細は、24.4項「Fusion WebアプリケーションでのマネージドBeanの使用」を参照してください。
「アプリケーション・ナビゲータ」で、ADFリージョンが含まれているJSFページを右クリックし、「ページ定義に移動」を選択します。
ページ定義ファイルの概要エディタで、パラメータ・マップを指定するタスク・フロー・バインディングまたは複数タスク・フロー・バインディングを選択します。
「編集」アイコンをクリックして、適切なダイアログを表示します(「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログまたは「複数タスク・フロー・バインディングの編集」)。
「入力パラメータ・マップ」ドロップダウン・メニューから「式ビルダー」を選択します。
パラメータ・マップを参照するEL式を記述または作成します。たとえば、次のようなEL式を記述します。
#{pageFlowScope.userInfoBean.parameterMap}
「OK」をクリックします。
実行時に、タスク・フロー・バインディングまたは複数タスク・フロー・バインディングによって、そのparametersMap
プロパティに指定したEL式が評価されます。ADFリージョンでレンダリングするバインド・タスク・フローに対して定義された入力パラメータの名前と一致するキーのマネージドBeanからADFリージョンに値が返されます。
例21-6は、2つの値(isLoggedIn
およびprincipalName
)をparameterMap
という名前のパラメータ・マップに書き込む、マネージドBeanのコード・スニペットを示しています。
例21-6 パラメータ・マップを定義するマネージドBean
import java.util.HashMap; import java.util.Map; public class UserInfoBean { private Map<String, Object> parameterMap = new HashMap<String, Object>(); public Map getParameterMap() { parameterMap.put("isLoggedIn", getSecurity().isAuthenticated()); parameterMap.put("principalName", getSecurity().getPrincipalName()); return parameterMap; } }
図21-6は、例21-6に示したパラメータ・マップ・オブジェクト(parameterMap
)を指定して、「式ビルダー」ダイアログを閉じた後の「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログを示しています。「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログの「入力パラメータ」フィールドには、このADFリージョン(checkout-flow
)に関連付けらているバインド・タスク・フロー用に定義された入力パラメータが表示されています。タスク・フロー・バインディングにより、例21-6に示したマネージドBeanから、これらのパラメータの値が取得されます。
例21-7は、ADFリージョンをレンダリングするページのページ定義ファイルにあるタスク・フロー・バインディングで表示されるメタデータを示しています。タスク・フロー・バインディングのメタデータは、バインド・タスク・フロー(taskFlowId
属性)およびマネージドBean(parametersMap
)の両方を参照します。
例21-7 パラメータ・マップを指定するタスク・フロー・バインディング
<taskFlow id="checkoutflow1" taskFlowId="/WEB-INF/checkout-flow.xml#checkout-flow" activation="deferred" xmlns="http://xmlns.oracle.com/adf/controller/binding" parametersMap="#{pageFlowScope.userInfoBean.parameterMap}"/>
<parameterMap>
要素は、ページ定義に指定します。
注意:
|
ADFリージョンをリフレッシュするタイミングとタスク・フローを起動するかどうかを構成できます。ADFリージョンによってタスク・フローを起動できるのは、ADFリージョンがアクティブな状態のときのみです。非アクティブ状態のADFリージョンでは、タスク・フローを起動できず、参照先タスク・フローのIDのNULL値が親ページに戻されます。
ADFリージョンを非アクティブからアクティブの状態へ切り替えるタイミングを決定し、ADFリージョンをリフレッシュするタイミングを決定するには、ADFリージョンに関連付けられているタスク・フローのタスク・フロー・バインディングの値を設定します。
作業を始める前に、次のようにします。
ADFリージョンで使用するバインド・タスク・フローの要件を理解しておくと役に立つ場合があります。詳細は、21.5項「ADFリージョンのリフレッシュ」を参照してください。
他のタスク・フロー機能およびADFリージョン機能を使用して追加できる機能についても理解しておくと役立ちます。詳細は、21.1.4項「ADFリージョンにレンダリングされるタスク・フローの追加の機能」を参照してください。
ADFリージョンのリフレッシュの構成手順:
「アプリケーション・ナビゲータ」で、ADFリージョンが含まれているページを選択し、「ページ定義に移動」を右クリックして選択します。
ページ定義ファイルで、図21-7に示すように、「実行可能ファイル」セクションのタスク・フロー・バインディングまたは複数タスク・フロー・バインディングを選択します。
「プロパティ・インスペクタ」で、次にリストする説明に従って、「リフレッシュ」ドロップダウン・メニューから値を選択します。
「リフレッシュ」プロパティの値として「デフォルト」を選択した場合は、RefreshConditionドロップダウン・メニューから「編集」を選択して、実行時にブール値を返すEL式を記述します。EL式がtrue
を返した場合は、ADFリージョンがリフレッシュされます。
「プロパティ・インスペクタ」で、次にリストする説明に従って、「アクティブ化」ドロップダウン・メニューから値を選択します。
conditional: タスク・フロー・バインディングのactive
プロパティの値として設定されたEL式によってtrue
が戻された場合に、ADFリージョンがアクティブ化されます。
deferred: アプリケーションのビュー・レイヤーでFacelets XHTMLページを使用し、Facelets XHTMLページによってviewID
が初めてリクエストされたときにADFリージョンをアクティブ化する場合は、このオプションを選択します。アプリケーションのビュー・レイヤーでJSPテクノロジが使用されている場合にこのオプションを選択すると、immediate(ADFリージョンがただちにアクティブになる)を選択した場合と同じ結果になりますが、これは、ADFリージョンの親コンポーネントがpopup
またはpanelTabbed
コンポーネントでそのchildCreation
属性がdeferred
に設定されている場合を除きます。後者のシナリオが発生した場合は、親コンポーネント(popup
またはpanelTabbed
)によって動作が決まります。
アプリケーションでFacelets XHTMLページが使用される場合は、このオプションをお薦めします。ADF FacesでのFaceletsの使用の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Webユーザー・インタフェース開発者ガイド』の「ADF FacesとJDeveloperの概要」を参照してください。
immediate: ADFリージョンがただちにアクティブになります。これがデフォルト値になります。
ドロップダウン・メニューで選択した値により、ADFリージョンが非アクティブからアクティブの状態に切り替わるタイミングが決まります。ADFリージョンがタスク・フローを起動するには、アクティブ状態であることが必要です。
activationプロパティの値としてconditionalを選択した場合は、「アクティブ」ドロップダウン・メニューから「編集」を選択して、「式ビルダー」を起動し、実行時にブール値を返すEL式を記述します。EL式によってtrue
が戻されると、ADFリージョンはタスク・フローを起動します。
ADFリージョンが最初にリフレッシュされるのは、リージョンが配置されている親JSFページが最初に表示されるときです。最初のリフレッシュでは、ADFリージョンのタスク・フロー・バインディングのパラメータ値がすべて親ページから渡されます。パラメータ値は、ADFリージョン内で初期ページ・フラグメントを表示するために使用されます。バインド・タスク・フローがページの初回作成時に使用できない入力パラメータ値に依存している場合は、NullPointerException
オブジェクトなどを使用して、入力パラメータ値がNULLのときにタスク・フローが正しく動作することを確認します。もしくは(または追加的に)、タスク・フロー・バインディングのactive
プロパティを構成して、入力パラメータが使用可能になるまでタスク・フローがアクティブ化されないようにしてください。
ADFリージョンのタスク・フロー・バインディングは、次のタスク・フロー・バインディング属性のいずれかに基づいて再度リフレッシュできます。
Refresh
属性とRefreshCondition
属性の両方が未指定(デフォルト)
タスク・フロー・バインディング属性のRefresh
またはRefreshCondition
のどちらも指定していない場合は、タスク・フロー・バインディングのactive
プロパティの値を構成しないかぎり、ADFリージョンのリフレッシュは親ページの初回表示時に1回のみ行われます。
RefreshCondition="#{EL.expression}"
RefreshCondition
がtrueと評価される場合、ADFリージョンは1回のみリフレッシュされます。RefreshCondition
はブール値で評価される必要があります。
RefreshCondition
の評価時にEL式でbindings
変数が使用されていると、ADFリージョン内に表示されるページ・フラグメントではなく、親ページのバインディング・コンテナが参照されます。
RefreshCondition
は、バインディング・パラメータの値の変更とは無関係です。タスク・フロー・バインディングのパラメータに変更がなければ、ADFリージョン内では何も変化しません。
Refresh="ifNeeded"
タスク・フロー・バインディングのパラメータ値が変更されると、ADFリージョンはリフレッシュされます。
ADFリージョンのタスク・フロー・バインディングにパラメータがない場合、Refresh="ifNeeded"
はRefresh
属性を指定していないのと同じことになります。
Refresh
をifNeeded
に設定する場合、RefreshCondition
属性は指定しないでください。
動的パラメータ・マップを使用してタスク・フロー・バインディングにパラメータを渡す場合、Refresh="ifNeeded"
はサポートされません。その場合、RefreshCondition="#{EL.Expression}"
を使用する必要があります。
パラメータ・マップを使用したパラメータ値の指定に関する詳細は、21.4項「パラメータ・マップを使用したADFリージョンのパラメータの指定」を参照してください。
RefreshCondition
およびRefresh
プロパティは相互に排他的です。Refresh="ifNeeded"
プロパティはRefreshCondition
プロパティよりも優先されます。RefreshCondition
の評価時にEL式でバインディング変数が使用されていると、ADFリージョン内に表示されるページ・フラグメントではなく、親ページのバインディング・コンテナが参照されます。ADFページ・ライフサイクルのPrepareRender
フェーズ中に式は評価されます。詳細は、第25章「Fusionページ・ライフサイクル」を参照してください。
例21-8に、ADFリージョンが追加されているページのページ定義にあるタスク・フロー・バインディングのサンプルを示します。
例21-8 ADFリージョンのバインディングに指定されたRefreshオプション
<taskFlow id="Department1" taskFlowId="/WEB-INF/Department#Department" Refresh="ifNeeded" xmlns="http://xmlns.oracle.com/adf/controller/binding"> <parameters> <parameter id="DepartmentId" value="#{bindings.DepartmentId.inputValue}" xmlns="http://xmlns.oracle.com/adfm/uimodel"/> </parameters> </taskFlow>
ADFリージョン内のデータ・コントロールをリフレッシュするために、ADFリージョンをリフレッシュする必要はありません。ADFのライフサイクルにおいて、更新対象のイテレータを通知するリフレッシュ・イベントは、ADFリージョンの現在のページのバインディング・コンテナに伝播されます。
ADFリージョンをアクティブ化するタイミングを構成できます。これは、ADFリージョンに含まれるタスク・フローをアクティブ化するタイミングの決定に影響を及ぼします。ADFリージョンのアクティブ化を構成することで、Fusion Webアプリケーションのページのパフォーマンスを最適化できます。たとえば、5つのADFリージョンを含むページが5つのタスク・フローを参照するとします。Fusion Webアプリケーション・ページのロード時に5つのタスク・フローが同時に実行されないようにするには、activation
プロパティを構成してタスク・フロー実行のタイミングを指定します。
ADFリージョンに関連付けられているタスク・フロー・バインディングのactivation
プロパティを構成して、ADFリージョンをアクティブ化するタイミングを指定します。
作業を始める前に、次のようにします。
ADFリージョンのアクティブ化に関する構成オプションを理解しておくと役に立つ場合があります。詳細は、21.6項「ADFリージョンのアクティブ化の構成」を参照してください。
他のタスク・フロー機能およびADFリージョン機能を使用して追加できる機能についても理解しておくと役立ちます。詳細は、21.1.4項「ADFリージョンにレンダリングされるタスク・フローの追加の機能」を参照してください。
ADFリージョンのアクティブ化の構成手順:
「アプリケーション・ナビゲータ」で、ADFリージョンが含まれているページを選択し、右クリックして「ページ定義に移動」を選択します。
ページ定義ファイルで、図21-8に示すように、「実行可能ファイル」セクションのタスク・フロー・バインディングまたは複数タスク・フロー・バインディングを選択します。
「プロパティ・インスペクタ」で、次にリストする説明に従って、「アクティブ化」ドロップダウン・メニューから値を選択します。
conditional: タスク・フロー・バインディングのactive
プロパティの値として設定されたEL式によってtrue
が戻された場合に、ADFリージョンがアクティブ化されます。
deferred: アプリケーションのビュー・レイヤーでFacelets XHTMLページを使用し、Facelets XHTMLページによってviewID
が初めてリクエストされたときにADFリージョンをアクティブ化する場合は、このオプションを選択します。アプリケーションのビュー・レイヤーでJSPテクノロジが使用されている場合にこのオプションを選択すると、immediate(ADFリージョンがただちにアクティブになる)を選択した場合と同じ結果になります。
アプリケーションでFacelets XHTMLページが使用される場合は、このオプションをお薦めします。ADF FacesでのFaceletsの使用の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Webユーザー・インタフェース開発者ガイド』の「ADF FacesとJDeveloperの概要」を参照してください。
immediate: ADFリージョンがただちにアクティブになります。これがデフォルト値になります。
ドロップダウン・メニューで選択した値により、ADFリージョンが非アクティブからアクティブの状態に切り替わるタイミングが決まります。ADFリージョンがタスク・フローを起動するには、アクティブ状態であることが必要です。
activation
プロパティの値としてconditionalを選択した場合は、「アクティブ」ドロップダウン・メニューから「編集」を選択して、「式ビルダー」を起動し、実行時にブール値を返すEL式を記述します。EL式によってtrue
が戻されると、ADFリージョンはタスク・フローを起動します。EL式によってfalse
が戻された場合、ADFリージョンはADFリージョン内でアクティブだったタスク・フローを非アクティブ化します。
ADFリージョンの実行時の動作は、activation
プロパティ用に設定したオプションによって異なります。
図21-9は、ページにADFリージョン(タブ#1、タブ#2、タブ#3)がロードされるとADFリージョン内のすべてのタスク・フローが実行される、デフォルトの動作を示しています。
図21-10は、activationプロパティがdeferred
に設定されており、アプリケーションでFaceletsが使用される場合の例を示しています。タブ#1およびタブ#2のリージョンがアクティブ状態にあるのは、エンド・ユーザーがこれらのリージョンに移動したためです。タブ#3のリージョンは非アクティブです。
図21-11は、activation
プロパティがconditional
に設定されており、active
プロパティが実行時にboolean
値を戻すEL式に設定されている場合の例を示しています。タブ#1のリージョンがアクティブ状態にあるのは、active
プロパティ用に指定されたEL式によってtrue
が戻されるためです。タブ#2およびタブ#3のリージョンが非アクティブ状態にあるのは、active
プロパティ用に指定されたEL式によってfalse
が戻されるためです。
リージョンによってタスク・フローが非アクティブ化される(active
プロパティによって戻される値がtrue
からfalse
に変わる)と、次のイベントが発生します。
アクティブなトランザクションを含むタスク・フローによって、そのトランザクションがロールバックされます。
タスク・フローのトランザクション・オプションの詳細は、22.3項「タスク・フローでのトランザクションの管理」を参照してください。
data-control-scope
の値がisolated
に設定されているデータ・コントロール・フレームがタスク・フローに含まれている場合は、そのデータ・コントロール・フレームおよびデータ・コントロール・フレーム内のすべてのデータ・コントロールが解放されます。
データ・コントロールの詳細は、22.2項「タスク・フロー間のデータ・コントロールの共有」および22.3.3項「データ・コントロールの共有およびトランザクションの管理について」を参照してください。
ADF Controllerにより、リージョンのビュー・ポート・データ構造(pageFlowスコープおよびビュー・スコープを含む)が解放されます。
ビュー・ポートの詳細は、21.1.2項「ビュー・ポートおよびADFリージョンについて」を参照してください。メモリー・スコープの詳細は、18.2.4項「タスク・フロー用のメモリー・スコープについて」を参照してください。
ADFリージョンで実行されるバインド・タスク・フローでは、その親ビュー・アクティビティのナビゲーションのトリガー、またはそのアプリケーションのルート・ページへの移動が必要な場合があります。そのどちらかのユースケースを実装する場合に構成するプロパティ(parent-outcome
およびroot-outcome
)は、親アクション・アクティビティによって公開されます。
たとえば、従業員情報、および従業員の登録ボタンを含むADFリージョンを表示するページがある場合は、parent-outcome
の値を指定できます。登録ページが完了してADFリージョンに戻ると、従業員情報ページは次の従業員でリフレッシュされます。
注意: ADFリージョンから移動した場合、リージョンの状態は維持されません。 |
ADFリージョンで実行されるバインド・タスクに親アクション・アクティビティを追加して、親のビュー・アクティビティへ移動するように構成します。
作業を始める前に、次のようにします。
ADFリージョンのアクティブ化に関する構成オプションを理解しておくと役に立つ場合があります。詳細は、21.6項「ADFリージョンのアクティブ化の構成」を参照してください。
他のタスク・フロー機能およびADFリージョン機能を使用して追加できる機能についても理解しておくと役立ちます。詳細は、21.1.4項「ADFリージョンにレンダリングされるタスク・フローの追加の機能」を参照してください。
ADFリージョンのタスク・フロー外へのナビゲーションをトリガーする手順:
「アプリケーション・ナビゲータ」で、ADFリージョンで実行されるバインド・タスク・フローのXMLファイルをダブルクリックします。
「コンポーネント・パレット」の「ADFタスク・フロー」ページで、「コンポーネント」パネルからダイアグラムへ「親アクション」をドラッグ・アンド・ドロップします。
バインド・タスク・フローのダイアグラムで、親アクション・アクティビティを選択します。
プロパティ・インスペクタで適切なオプションを選択します。
親結果: 親アクション・アクティビティが親ビュー・アクティビティへ移動するように、リテラル値を入力するか結果を戻すEL式を記述します。生成された結果は、ADFリージョンのバインド・タスク・フローではなく、親ビュー・アクティビティのタスク・フローに移動するために使用されます。
親ビュー・アクティビティのタスク・フローには、parent-outcome
に対して指定した値を受け入れる制御フロー・ケースまたはワイルドカード制御フロー・ルールを含める必要があります。
ルート結果: 親アクション・アクティビティがアプリケーションのルート・ページへ移動するように、リテラル値を入力するか結果を戻すEL式を記述します。
たとえば、ADFリージョンからFusion Order Demoアプリケーションのホーム・ページに移動するには、図21-12の説明のように、「ルート結果」の値としてglobalHome
を指定します。
注意: 「親結果」および「ルート結果」は相互に排他的です。 |
(オプション) 親アクション・アクティビティがparent-outcome
またはroot-outcome
を適切なキューに追加した後のADFリージョン内のコントロール・フローの結果を指定するリテラル値を、「結果」フィールドに入力します。
outcome
要素の指定が役立つのは、親アクション・アクティビティによって送られるparent-outcome
またはroot-outcome
の結果として親ビュー・アクティビティまたはルート・ページが移動しない場合です。さらに、ADFリージョンにそのまま同じビューが表示されないようにする場合です。outcome
の値を指定しない場合、ADFリージョンのviewId
は変更されません。
実行時に、親アクション・アクティビティ用に設定したプロパティ値に基づいて、バインド・タスク・フローのソース・ファイルにエントリが書き込まれます。例21-9は、親アクション・アクティビティの「親結果」および「結果」プロパティのリテラル値を記述すると生成されるサンプル・エントリを示しています。
例21-9 親結果を使用した親アクション・アクティビティのメタデータ
<parent-action id="parentAction1"> <parent-outcome>parent_outcome</parent-outcome> <outcome id="__2">outcome</outcome> </parent-action>
例21-10は、親アクション・アクティビティの「ルート結果」および「結果」プロパティのリテラル値を記述すると生成されるサンプル・エントリを示しています。
例21-10 ルート結果を使用した親アクション・アクティビティのメタデータ
<parent-action id="parentAction1"> <root-outcome>root_outcome</root-outcome> <outcome id="__2">outcome</outcome> </parent-action>
実行時、親アクション・アクティビティ用に構成したプロパティに応じて、バインド・タスク・フローは親ビュー・アクティビティまたはFusion Webアプリケーションのルート・ページへ移動します。
ページに含まれるADFリージョンの1つで現在使用できる機能の特定をページで行うことが必要な場合もあります。たとえば、queueActionEventInRegion()
メソッドを使用して、現在の状態に基づいてページがADFリージョン内のコントロール・フローを初期化する必要がある場合です。親ページはリージョン機能を使用して、そのページの1つのリージョンについて、現在の状態に基づいて現在の結果を識別します。親ページに対して、リージョン内に結果の可能性があるかどうかが示されます。
次のシナリオに、アプリケーションでの一般的なリージョン機能の使用方法を示します。
ページ内のADFリージョンに、関連付けられているページ・フラグメントが表示されます。
ユーザーが、ADFリージョン内でボタンを選択したり、他のアクションを実行します。
親ページにより、ADFリージョンの結果(リージョン機能)が識別されます。
ADFリージョンの機能に基づいて、親ページのボタンが更新されます。
ADFリージョンの機能を決定するEL式の構文は次のとおりです。
#{bindings.[regionId].regionModel.capabilities['outcome']}
regionId
はページ上のADFリージョン・コンポーネントのIDで、outcome
はADFリージョン内で検証される、可能性がある結果です。
リージョン機能では、EL式を介して、指定されたADFリージョンのregionModel
を使用できることが求められます。EL式では、現在のバインディング・コンテナ以外のバインディング・コンテナにあるバインディングには、アクセスしないでください。リージョン機能は、使用できない場合があります。ADFリージョンがネストされており、現在のバインディング・コンテナ内でregionModel
に到達できない場合などです。これは、ネストされたリージョンのネストされたバインディング・コンテナがまだ存在しないか、すでに解放されている可能性があるためです。
ADF動的リージョンは、実行時に、タスク・フロー・バインディングによってtaskFlowId
属性の値が動的に決定されるADFリージョンです。これにより、Fusion Webアプリケーションは、タスク・フロー・バインディングのtaskFlowId
属性の評価結果に基づいて、ADF動的リージョン内で実行するタスク・フローを決定できます。
図21-13は、エンド・ユーザーがクリックするコマンド・コンポーネント・ボタンに応答してregister.jspx
ページの中央ファセットに異なる登録タスク・フローがレンダリングされる、Fusion Order Demoアプリケーションの実行時の例を示しています。たとえば、エンド・ユーザーが従業員として登録するをクリックした場合は、Fusion Order DemoアプリケーションでADF動的リージョンにemployee-registration-task-flow
がレンダリングされます。
実行時、ADF動的リージョンは、レンダリング準備ライフサイクル・フェーズでレンダリングされるタスク・フローを切り替えます。前のタスク・フローのコンポーネントがライフサイクル・フェーズにスムーズに追加されるように、JSFのアプリケーションの起動ライフサイクル・フェーズまではregionModel
から移動しないでください。したがって、コンテキスト・イベントに応答して動的リージョン内のタスク・フローを移動しないことをお薦めします。ライフサイクル・フェーズの詳細は、第25章「Fusionページ・ライフサイクル」を参照し、コンテキスト・イベントの詳細は、第34章「コンテキスト・イベントの使用」を参照してください。
ADF動的リージョンを作成するには、ADF動的リージョンをレンダリングするページへ、バインド・タスク・フローをドラッグ・アンド・ドロップします。バインド・タスク・フローのビュー・アクティビティは、ページ・フラグメント(.jsff
)に関連付ける必要があります。
ページ・フラグメントではなくページに関連付けられたバインド・タスク・フローをドラッグ・アンド・ドロップしようとした場合、ADF動的リージョンを作成するためのポップアップ・メニューは表示されません。ページを使用するバインド・タスク・フローを、ページ・フラグメントを使用するものに変換できます。詳細は、18.6.3項「バインド・タスク・フローの変換方法」を参照してください。
21.9項「ADF動的リージョンへのタスク・フローの追加」で説明するように、ADF動的リージョンの作成後は、ADF動的リージョン・リンクを作成して動的リージョンにバインド・タスク・フローを追加できます。
ADF動的リージョンをレンダリングするページへ、バインド・タスク・フローをドラッグ・アンド・ドロップします。
作業を始める前に、次のようにします。
ADF動的リージョンを作成する際に使用できる構成オプションについて理解しておくと役に立つ場合があります。詳細は、21.8項「ADF動的リージョンの作成」を参照してください。
他のタスク・フロー機能およびADFリージョン機能を使用して追加できる他の機能についても理解しておくと役立ちます。詳細は、21.1.4項「ADFリージョンにレンダリングされるタスク・フローの追加の機能」を参照してください。
ADF動的リージョンの作成手順:
「アプリケーション・ナビゲータ」で、ADF動的リージョンを作成するJSFページを選択して開きます。
最初のバインド・タスク・フローをJSFページにドラッグ・アンド・ドロップします。
表示されるポップアップ・メニューから「作成」→ 「動的リージョン」を選択します。
表示される「動的リージョンのマネージドBeanの選択」ダイアログで、適切なオプションを選択します。
既存のマネージドBeanにバインド・タスク・フローのIDを格納するには、「マネージドBean」ドロップダウン・リストから既存のマネージドBeanを選択します。
マネージドBeanからADF動的リージョンのタスク・フロー・バインディングへ、バインド・タスク・フローのID値が渡されます。選択するマネージドBeanが別のADF動的リージョンで使用されていないことを確認します。
ページにマネージドBeanがない場合は、「マネージドBean」ドロップダウン・リストの横にある「追加」アイコンをクリックして、新たに作成します。次の手順で、表示されるダイアログに値を入力します。
Bean名: 新しいマネージドBeanの名前を入力します。たとえば、DynamicRegionBean
と入力します。
クラス名: 新しいマネージドBeanクラスの名前を入力します。
パッケージ: マネージドBeanを含むパッケージの名前を入力するか、参照して特定します。
拡張対象: マネージドBeanで拡張するJavaクラスの名前を入力します。デフォルト値はjava.lang.Object
です。
スコープ: このフィールドは読取り専用であり、値はbackingBean
に設定されています。マネージドBeanのメモリー・スコープの詳細は、18.2.4項「タスク・フロー用のメモリー・スコープについて」を参照してください。
「OK」をクリックして、マネージドBeanを構成するダイアログを閉じます。
表示される「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログで適切なオプションを選択します。
ADF動的リージョンの入力パラメータまたは入力パラメータ・マップを指定しない場合は、「OK」をクリックします。
ADF動的リージョンの入力パラメータを指定します。
詳細は、21.3項「ADFリージョンのパラメータの指定」を参照してください。
図21-14は、マネージドBeanの構成後に表示される「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログを示しています。
注意: 「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログの「入力パラメータ・マップ」フィールドを使用して、マネージドBeanで指定された入力パラメータのリストを参照するEL式を記述できます。この機能の実装に関する詳細は、21.4項「パラメータ・マップを使用したADFリージョンのパラメータの指定」を参照してください。 |
「OK」をクリックします。
ADF動的リージョンを作成するためにバインド・タスク・フローをJSFページにドロップすると、ページにaf:region
タグが追加されます。af:region
タグにはタスク・フロー・バインディングへの参照が含まれています。例21-11は、JDeveloperによってJSFページに追加されるメタデータのサンプルを示しています。
例21-11 ADF動的リージョンの作成用にJSFページに追加されるメタデータ
<af:region value="#{bindings.dynamicRegion1.regionModel}" id="r1"/>
さらに、ADF動的リージョンをホストするページのページ定義ファイルに、タスク・フロー・バインディングが追加されます。例21-12は、JDeveloperによって追加されるメタデータのサンプルを示しています。このタスク・フロー・バインディングにより、ADF動的リージョンとバインド・タスク・フローの間のブリッジが提供されます。ADF動的リージョンがバインド・タスク・フローにバインドされ、そのバインド・タスク・フローに固有のあらゆる情報が保持されます。
例21-12 タスク・フロー・バインディングの作成用にページ定義に追加されるメタデータ
<taskFlow id="dynamicRegion1" taskFlowId="${backingBeanScope.ManagedBeanName.dynamicTaskFlowId}" activation="deferred" xmlns="http://xmlns.oracle.com/adf/controller/binding"/>
タスク・フロー・バインディング・メタデータのtaskFlowId
属性により、ADF動的リージョンに関連付けられるバインド・タスク・フローを実行時に決定するマネージドBeanが指定されます。JDeveloperにより、このマネージドBeanが作成されるか、このデータを格納するために既存のマネージドBeanが変更されます。例21-13は、JDeveloperによってマネージドBeanに書き込まれるコードの抜粋を示しています。
例21-13 ADF動的リージョンのバインド・タスク・フローを取得するためのマネージドBeanエントリ
import oracle.adf.controller.TaskFlowId; ... private String taskFlowId = "/directoryPath/toTaskFlow"; ... public TaskFlowId getDynamicTaskFlowId() { return TaskFlowId.parse(taskFlowId); } ...
実行時には、ADF動的リージョン内に表示されるバインド・タスク・フローのID(taskFlowId
)が、マネージドBeanに格納されます。マネージドBeanは、様々なバインド・タスク・フローをADF動的リージョンのタスク・フロー・バインディングに切り替えます。
ADF動的リージョンが再初期化される場合、Fusion WebアプリケーションではADF動的リージョンに関連付けられているタスク・フロー・バインディングを再初期化する必要があります。その際、ADF動的リージョンに渡す新しい入力パラメータや入力パラメータ値があるかどうかが評価されます。
ADF動的リージョン・リンクは、ADF動的リージョン内でバインド・タスク・フローを別のバインド・タスク・フローに切り替えます。エンド・ユーザーは、コマンド・コンポーネント(ボタンやリンクなど)をクリックして、ADF動的リージョンを新しいバインド・タスク・フローで更新します。
たとえば、ADF動的リージョンのバインド・タスク・フローにより、従業員に関する一般情報(IDや写真など)が表示されるとします。エンド・ユーザーが「詳細」というコマンド・コンポーネントをクリックすると、その従業員の詳細情報を含む別のバインド・タスク・フローの表で、ADF動的リージョンが更新されます。エンド・ユーザーのアクション(リンクのクリック)により、ADF動的リージョンのマネージドBean上のメソッドが起動します。新しいバインド・タスク・フローの値がメソッドに渡され、ADF動的リージョンは新しいバインド・タスク・フローでリフレッシュされます。その後、新しいバインド・タスク・フローがADF動的リージョン内に表示されます。
デフォルトでは、ADF動的リージョン・リンクは、バインド・タスク・フローを別のものに切り替えますが、再び元のバインド・タスク・フローに切り替えることはできません。元のバインド・タスク・フローに戻すには、クリック時に現在のタスク・フローを元のタスク・フローに切り替える2つ目のADF動的リージョン・リンクをページに追加します。
すでに1つ以上のADF動的リージョンがページにあり、同じページに新しいバインド・タスク・フローをADF動的リージョンとして追加する場合は、ADF動的リージョン・リンクを追加できます。図21-15のように、ページにバインド・タスク・フローをドロップして、ADF動的リージョン・リンクの作成を選択すると、現在ページ上にある動的リージョンがすべてメニューに表示されます。
ドキュメント内の既存の動的リージョンにオプションとして追加するバインド・タスクをドラッグ・アンド・ドロップするとメニューが表示され、そこから「動的リージョン・リンク」を選択すると、ドキュメントに含まれる現在の動的リージョンのリストが図21-15のように表示されます。
このメニューを使用して、バインド・タスク・フローの内容を表示するADF動的リージョンを選択します。
ヒント: 動的リージョン・リンクの値は他のUIコンポーネント内で使用できます。たとえば、リスト内の各項目が別のバインド・タスク・フローにリンクしている選択リストを作成できます。リンクされているバインド・タスク・フローはすべて同じ動的リージョンに表示されます。リンクにより、表示するバインド・タスク・フローを切り替えるために作成したマネージドBeanの背後で、クラス内のメソッドが実行されます。 |
ADF動的リージョンがすでに含まれているページにバインド・タスク・フローをドラッグ・アンド・ドロップし、表示されるポップ・アップ・メニューで「動的リージョン・リンク」を選択して、リンクを作成できるADF動的リージョンのリストを表示します。
作業を始める前に、次のようにします。
ADF動的リージョン・リンクを作成する前に必要な構成ついて理解しておくと役に立つ場合があります。詳細は、21.9項「ADF動的リージョンへのタスク・フローの追加」を参照してください。
他のタスク・フロー機能およびADFリージョン機能を使用して追加できる機能についても理解しておくと役立ちます。詳細は、21.1.4項「ADFリージョンにレンダリングされるタスク・フローの追加の機能」を参照してください。
ADF動的リージョン・リンクの作成手順:
「アプリケーション・ナビゲータ」で、ADF動的リージョン・リンクを作成するJSFページを選択して開きます。
この手順は、対象となるJSFページに少なくとも1つのADF動的リージョンがすで追加されていることを前提とします。JSFページへのADF動的リージョンの追加に関する詳細は、21.8項「ADF動的リージョンの作成」を参照してください。
バインド・タスク・フローをドラッグしてページ上の任意の場所にドロップします。
バインド・タスク・フローのビュー・アクティビティは、ページ・フラグメントに関連付ける必要があります。ページを使用するバインド・タスク・フローを、ページ・フラグメントを使用するものに変換できます。詳細は、18.6.3項「バインド・タスク・フローの変換方法」を参照してください。
表示されるポップアップ・メニューから「動的リージョン・リンク」を選択します。
すでにページに追加されているすべてのADF動的リージョンのリストがメニューに表示されます。
バインド・タスク・フローの内容を表示するADF動的リージョンの名前を選択します。
「OK」をクリックします。
例21-14に示すように、ページへのコマンド・リンクが追加されます。また、ADF動的リージョンのマネージドBeanが更新され、対応するタスク・フロー・バインディングが新しいパラメータで更新されます。
実行時にページにレンダリングされたリージョンの個数がわからない場合は、設計時にページを構成できます。たとえば、panelTabbed
コンポーネントを使用してリージョンをタブに追加するかタブから削除することが必要な場合があります。追加または削除を行うタブでは、それぞれにバインド・タスク・フローを参照するリージョンがレンダリングされます。
この機能を実装するには、JSFページ定義ファイルのmultiTaskFlow
要素を構成して、次のタイプのマネージドBeanに含まれるタスク・フローのリストを参照します。
oracle.adf.controller.binding.TaskFlowBindingAttributes
例21-15は、2つのタスク・フローを含むリストを返すMultiBean
と呼ばれるマネージドBeanクラスのコードを示しています。
例21-15 タスク・フロー・バインディングのリストを返すマネージドBean
package view; import java.util.ArrayList; import java.util.List; import oracle.adf.controller.TaskFlowId; import oracle.adf.controller.binding.TaskFlowBindingAttributes; public class MultiBean { private List<TaskFlowBindingAttributes> mTaskFlowBindingAttrs = new ArrayList<TaskFlowBindingAttributes>(5); public MultiBean() { TaskFlowBindingAttributes tfAttr = new TaskFlowBindingAttributes(); tfAttr.setId("region1"); tfAttr.setTaskFlowId(new TaskFlowId("/WEB-INF/r1.xml", "r1")); mTaskFlowBindingAttrs.add(tfAttr); tfAttr = new TaskFlowBindingAttributes(); tfAttr.setId("region2"); tfAttr.setTaskFlowId(new TaskFlowId("/WEB-INF/r2.xml", "r2")); mTaskFlowBindingAttrs.add(tfAttr); } public List<TaskFlowBindingAttributes> getTaskFlowList() { return mTaskFlowBindingAttrs; } }
TaskFlowBindingAttributes
クラスの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle ADF Controller Java APIリファレンスを参照してください。
実行時に、multiTaskFlow
バインディングでは、公開するコマンド・コンポーネントを使用して、エンド・ユーザーがページに追加またはページから削除できる1つまたは複数のタスク・フローのリストが参照されます。図21-16は、このユース・ケースを作成した各種パート間の関係を示しています。
注意: バインド・タスク・フローでレンダリングされるページ・フラグメントではFaceletsドキュメント・タイプを使用する必要があります。 |
JSFページ定義ファイルのmultiTaskFlow
要素を構成して、バインド・タスク・フローのリストを参照します。TaskFlowBindingAttributes
タイプの要素を追加または削除することで、実行時にこのリストを変更できます。
作業を始める前に、次のようにします。
複数の不明なADFリージョンをレンダリングするページの構成時に利用可能な構成オプションついて理解しておくと役に立つ場合があります。詳細は、21.10項「複数の不明なリージョンをレンダリングするページの構成」を参照してください。
他のタスク・フロー機能およびADFリージョン機能を使用して追加できる他の機能についても理解しておくと役立ちます。詳細は、21.1.3項「タスク・フローおよびADFリージョンのユース・ケースと例」を参照してください。
複数の不明なリージョンをレンダリングするページの構成手順:
pageFlowスコープでマネージドBeanを作成します。作成したマネージドBeanは、TaskFlowBindingAttributes
タイプのリストを返します。例21-15は、次のリストを返すマネージドBeanクラスのコードを示します。
マネージドBeanの作成方法の詳細は、24.4.1項「マネージドBeanを使用した情報の格納方法」を参照してください。
「アプリケーション・ナビゲータ」で、実行時にADFリージョンを追加または削除するJSFページを右クリックし、コンテキスト・メニューから「ページ定義に移動」を選択します。
確認ダイアログが表示された場合は、「はい」をクリックします。
ページ定義ファイルの概要エディタで、「実行可能ファイル」セクションの「追加」アイコンをクリックして、「アイテムの挿入」ダイアログを表示します。
ドロップダウン・リストから「ADFタスク・フロー・バインディング」を選択して、作成するアイテムとしてmultiTaskFlowを選択し、「OK」をクリックします。
「multiTaskFlowの挿入」ダイアログで、次の値を入力します。
ID *: 複数タスク・フロー・バインディングの一意のIDを入力します。
taskFlowList *: 実行時にTaskFlowBindingAttributes
のリストを返すEL式を入力します。たとえば、例21-15のリストを返すには、次のEL式を入力します。
#{pageFlowScope.multiBean.taskFlowList}
「アプリケーション・ナビゲータ」で、実行時にエンド・ユーザー側でADFリージョンを追加または削除するよう要求するJSFページを選択し、開きます。
「コンポーネント・パレット」の「ADF Faces」ページで、「操作」パネルから「各」コンポーネントをドラッグし、「各」コンポーネントの包含が必要な「構造」ウィンドウのコンポーネント上にドロップします。
「各」コンポーネントの「プロパティ・インスペクタ」で、次のフィールドに値を入力します。
アイテム: 複数タスク・フロー・バインディングの実行時オブジェクトからタスク・フロー・バインディングのリストを返すメソッドを参照するEL式を入力します。
たとえば、次のようにEL式を入力します。
#{bindings.multiRegion1.taskFlowBindingList}
Var: タスク・フロー・バインディングのリストを識別する値を入力します。
「各」コンポーネントを含むJSFページで、例21-16で示すように、EL式を使用して「リージョン」コンポーネントのリージョン・モデルを参照する「各」コンポーネント内にある「リージョン」コンポーネントを挿入します。
複数タスク・フロー・バインディングのJSFページ定義ファイルに、例21-17で示されたものと類似するメタデータが表示されます。
例21-17 複数タスク・フロー・バインディングの作成用にページ定義に追加されるメタデータ
<multiTaskFlow id="multiRegion1" taskFlowList="${pageFlowScope.multiBean.taskFlowList}" activation="deferred" xmlns="http://xmlns.oracle.com/adf/controller/binding"/>
複数タスク・フロー・バインディングのメタデータのtaskFlowList
属性ではマネージドBeanが指定されます。マネージドBeanでは、実行時にページに追加可能なタスク・フローを記載するオブジェクトのリストが格納されています。
ページに作成するADFリージョンの個数を10までに制限することをお薦めします。
各タスク・フロー・バインディングは、TaskFlowBindingAttributes
によって公開されたメソッドを使用して動作をオーバーライドしないかぎり、複数タスク・フロー・バインディングに定義された属性を継承します。
21.4項「パラメータ・マップを使用したADFリージョンのパラメータの指定」の説明のとおり、各タスク・フロー・バインディングは、複数タスク・フロー・バインディングで定義されたパラメータとともに、parametersMap
プロパティを使用して定義されたパラメータも継承します。