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Oracle VM Server for SPARC 3.0 管理ガイド Oracle VM Server for SPARC (日本語) |
パート I Oracle VM Server for SPARC 3.0 ソフトウェア
1. Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアの概要
3. Oracle VM Server for SPARC のセキュリティー
Oracle Solaris OS ネットワークインタフェース名を検索する方法
Logical Domains に割り当てられる MAC アドレスの範囲
Logical Domains でのネットワークアダプタの使用
ネットワークアダプタが GLDv3 準拠かどうかを判別する方法 (Oracle Solaris 10)
NAT およびルーティング用の仮想スイッチおよびサービスドメインの構成
Oracle Solaris 10 システムでの NAT の構成
ドメインが外部に接続できるように仮想スイッチを設定する方法 (Oracle Solaris 10)
Oracle Solaris 11 システムでの NAT の構成
ドメインが外部に接続できるように仮想スイッチを設定する方法 (Oracle Solaris 11)
ドメインの IPMP グループへの仮想ネットワークデバイスの構成
Logical Domains 仮想ネットワークでのリンクベースの IPMP の使用
Logical Domains 1.3 以前のリリースの IPMP の構成および使用
VLAN を仮想スイッチおよび仮想ネットワークデバイスに割り当てる方法
インストールサーバーが VLAN に存在する場合にゲストドメインをインストールする方法
ジャンボフレームを使用するように仮想ネットワークおよび仮想スイッチデバイスを構成する方法
ジャンボフレームに対応していない旧バージョンの vnet および vsw ドライバとの互換性 (Oracle Solaris 10)
Oracle Solaris 11 のネットワーク固有の機能の相違点
パート II オプションの Oracle VM Server for SPARC ソフトウェア
13. Oracle VM Server for SPARC 物理から仮想への変換ツール
14. Oracle VM Server for SPARC Configuration Assistant (Oracle Solaris 10)
16. Oracle VM Server for SPARC 管理情報ベース (MIB) ソフトウェアの使用
17. Logical Domains Manager の検出
Logical Domains の仮想スイッチ (vsw) および仮想ネットワーク (vnet) デバイスで、1500 バイトを超えるペイロードサイズの Ethernet フレームをサポートできるようになりました。この変更によって、これらのドライバのネットワークスループットが向上します。
ジャンボフレームを有効にするには、仮想スイッチデバイスの最大転送単位 (MTU) を指定します。このような場合、仮想スイッチデバイスとその仮想スイッチデバイスにバインドされているすべての仮想ネットワークデバイスで、指定した MTU 値が使用されます。
特定の状況では、仮想ネットワークデバイス上で MTU 値を直接指定できます。これは、仮想ネットワークデバイスで必要な MTU 値が仮想スイッチによってサポートされる MTU 値よりも小さい場合に行うことがあります。
注 - Oracle Solaris 10 5/09 OS では、物理デバイスの MTU は仮想スイッチの MTU と一致するように構成する必要があります。特定のドライバの構成については、Oracle Solaris リファレンスマニュアルのセクション 7D にある、そのドライバに対応するマニュアルページを参照してください。たとえば、Oracle Solaris 10 nxge ドライバの情報については、nxge(7D)のマニュアルページを参照してください。
Oracle Solaris 10 の場合は、『System Administration Guide: Security Services』の「Configuring RBAC (Task Map)」を参照してください。Oracle Solaris 11.1 の場合は、『Oracle Solaris 11.1 Administration: Security Services』のパート III「Roles, Rights Profiles, and Privileges」を参照してください。
1500 - 16000 バイトの MTU 値を指定できます。指定する MTU は、仮想スイッチに割り当てられた物理ネットワークデバイスの MTU と一致する必要があります。
次のいずれかの手順を実行します。
MTU を mtu プロパティーの値として指定することで、サービスドメインの新しい仮想スイッチデバイスでジャンボフレームを有効にします。
# ldm add-vsw net-dev=device mtu=value vswitch-name ldom
このコマンドは、仮想スイッチの構成に加えて、この仮想スイッチにバインドされる各仮想ネットワークデバイスの MTU 値を更新します。
MTU を mtu プロパティーの値として指定することで、サービスドメインの既存の仮想スイッチデバイスでジャンボフレームを有効にします。
# ldm set-vsw net-dev=device mtu=value vswitch-name
このコマンドは、仮想スイッチの構成に加えて、この仮想スイッチにバインドされる各仮想ネットワークデバイスの MTU 値を更新します。
まれに、ldm add-vnet または ldm set-vnet コマンドを使用して、仮想スイッチの MTU 値と異なる MTU 値を仮想ネットワークデバイスに指定する必要がある場合があります。たとえば、VLAN を仮想ネットワークデバイス上で構成し、VLAN の MTU の最大値が仮想スイッチの MTU 値よりも小さい場合、仮想ネットワークデバイスの MTU 値を変更する場合があります。デフォルトの MTU 値のみが使用されているドメインでは、ジャンボフレームをサポートしている vnet ドライバは必要ない場合があります。ただし、ジャンボフレームを使用する仮想スイッチにバインドされた仮想ネットワークデバイスがドメインに存在する場合、vnet ドライバがジャンボフレームをサポートしていることを確認してください。
ldm set-vnet コマンドを使用して仮想ネットワークデバイスで mtu 値を指定する場合、あとで仮想スイッチデバイスの MTU 値が更新されても、仮想ネットワークデバイスには更新値は伝播されません。仮想ネットワークデバイスを再度有効にして仮想スイッチデバイスから MTU 値を取得するには、次のコマンドを実行します。
# ldm set-vnet mtu= vnet-name ldom
仮想ネットワークデバイスでジャンボフレームを有効にすると、その仮想ネットワークデバイスに割り当てられているハイブリッド I/O リソースでもジャンボフレームが自動的に有効になります。
制御ドメインでは、Logical Domains Manager が、ldm set-vsw および ldm set-vnet コ マンドによって設定された MTU 値を遅延再構成処理として更新します。制御ドメイン以外のドメインの MTU を更新するには、ドメインを停止してから ldm set-vsw または ldm set-vnet コマンドを実行して MTU 値を変更する必要があります。
例 8-2 仮想スイッチおよび仮想ネットワークデバイスでのジャンボフレームの構成
次の例に、MTU 値が 9000 の新しい仮想スイッチデバイスを追加する方法を示します。この MTU 値は、仮想スイッチデバイスからすべてのクライアントの仮想ネットワークデバイスに伝播されます。
まず、ldm add-vsw コマンドによって、仮想スイッチデバイス primary-vsw0 を MTU 値 9000 で作成します。ネットワークデバイス nxge 0 のインスタンス 0 は、net-dev プロパティーの値として指定されています。
# ldm add-vsw net-dev=nxge0 mtu=9000 primary-vsw0 primary
次に、ldm add-vnet コマンドによって、クライアントの仮想ネットワークデバイスをこの仮想スイッチ primary-vsw0 に追加します。仮想ネットワークデバイスの MTU は、バインドされている仮想スイッチから暗黙に割り当てられます。そのため、ldm add-vnet コマンドで mtu プロパティーの値を指定する必要はありません。
# ldm add-vnet vnet01 primary-vsw0 ldom1
実行している Oracle Solaris OS のバージョンに応じて、次を実行します。
Oracle Solaris 10 OS。ifconfig コマンドによって、サービスドメイン primary に仮想スイッチインタフェースが作成されます。ifconfig vsw0 コマンドの出力には、mtu プロパティーの値が 9000 であることが示されます。
# ifconfig vsw0 plumb # ifconfig vsw0 192.168.1.100/24 up # ifconfig vsw0 vsw0: flags=201000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4,CoS> mtu 9000 index 5 inet 192.168.1.100 netmask ffffff00 broadcast 192.168.1.255 ether 0:14:4f:fa:0:99
ifconfig コマンドによって、ゲストドメイン ldom1 に仮想ネットワークインタフェースが作成されます。ifconfig vnet0 コマンドの出力には、mtu プロパティーの値が 9000 であることが示されます。
# ifconfig vnet0 plumb # ifconfig vnet0 192.168.1.101/24 up # ifconfig vnet0 vnet0: flags=201000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4,CoS> mtu 9000 index 4 inet 192.168.1.101 netmask ffffff00 broadcast 192.168.1.255 ether 0:14:4f:f9:c4:13
Oracle Solaris 11 OS。プライマリインタフェースの mtu プロパティー値を表示するには、ipadm コマンドを使用します。
# ipadm show-ifprop -p mtu net0 IFNAME PROPERTY PROTO PERM CURRENT PERSISTENT DEFAULT POSSIBLE net0 mtu ipv4 rw 9000 -- 9000 68-9000
ipadm コマンドによって、ゲストドメイン ldom1 に仮想ネットワークインタフェースが作成されます。ipadm show-ifprop コマンドの出力には、mtu プロパティーの値が 9000 であることが示されます。
# ipadm create-ip net0 # ipadm create-addr -T static -a 192.168.1.101/24 net0/ipv4 # ipadm show-ifprop -p mtu net0 IFNAME PROPERTY PROTO PERM CURRENT PERSISTENT DEFAULT POSSIBLE net0 mtu ipv4 rw 9000 -- 9000 68-9000
次の例に、インタフェースの MTU を 4000 に変更する方法を示します。
インタフェースの MTU は、Logical Domains Manager によってデバイスに割り当て られた MTU よりも小さい値にのみ変更できます。この方法は、VLAN が構成されていて各 VLAN インタフェースに異なる MTU が必要なときに便利です。
Oracle Solaris 10 OS。ifconfig コマンドを使用します。
# ifconfig vnet0 mtu 4000 # ifconfig vnet0 vnet0: flags=1201000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4,CoS,FIXEDMTU> mtu 4000 index 4 inet 192.168.1.101 netmask ffffff00 broadcast 192.168.1.255 ether 0:14:4f:f9:c4:13
Oracle Solaris 11 OS。ipadm コマンドを使用します。
# ipadm set-ifprop -p mtu=4000 net0 # ipadm show-ifprop -p mtu net0 IFNAME PROPERTY PROTO PERM CURRENT PERSISTENT DEFAULT POSSIBLE net0 mtu ipv4 rw 4000 -- 9000 68-9000
注 - このセクションは Oracle Solaris 10 OS にのみ適用されます。
ジャンボフレームをサポートしているドライバとジャンボフレームをサポートしていないドライバを、同じシステム上で相互運用できます。この相互運用は、仮想スイッチを作成するときにジャンボフレームのサポートが有効になっていない場合にかぎり可能です。
注 - 仮想スイッチに関連付けられたゲストドメインまたはサービスドメインがジャンボフレームをサポートしている Logical Domains ドライバを使用していない場合、mtu プロパティーを設定しないでください。
ジャンボフレームを有効にするには、仮想スイッチの mtu プロパティーをデフォルト値の 1500 から変更します。この場合、旧バージョンのドライバは mtu 設定を無視し、デフォルト値を引き続き使用します。ldm list の出力には、デフォルト値ではなく、指定した MTU 値が示されます。デフォルトの MTU よりも大きいフレームはそれらのデバイスには送られず、新しいドライバによって破棄されます。この場合、旧ドライバを使用し続けているゲストがあると、一貫性のないネットワーク動作につながる場合があります。これは、クライアントゲストドメインおよびサービスドメインの両方に当てはまります。
そのため、ジャンボフレームが有効な場合は、Logical Domains ネットワークのすべての仮想デバイスをアップグレードし、ジャンボフレームをサポートしている新しいドライバが使用されるようにしてください。ジャンボフレームを構成するには、Logical Domains 1.2 以上を実行している必要があります。