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Oracle VM Server for SPARC 3.0 管理ガイド Oracle VM Server for SPARC (日本語) |
パート I Oracle VM Server for SPARC 3.0 ソフトウェア
1. Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアの概要
必須の Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアコンポーネント
新しいシステムへの Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアのインストール
Logical Domains Manager のダウンロード
Logical Domains Manager ソフトウェアをダウンロードする方法 (Oracle Solaris 10)
Logical Domains Manager のインストール
(Oracle Solaris 10) Logical Domains Manager ソフトウェアの自動的なインストール
Logical Domains Manager ソフトウェアの手動によるインストール
Oracle VM Server for SPARC をすでに使用しているシステムのアップグレード
Logical Domains の制約データベースファイルの保存および復元
Oracle Solaris 10 Live Upgrade 機能を使用する場合の Logical Domains の制約データベースファイルの保持
Logical Domains Manager およびシステムファームウェアのアップグレード
プラットフォーム上で動作している制御ドメイン以外のすべてのドメインを停止する方法
Oracle VM Server for SPARC 3.0 ソフトウェアへのアップグレード
Oracle VM Server for SPARC 3.0 ソフトウェアにアップグレードする方法 (Oracle Solaris 10)
Oracle VM Server for SPARC 3.0 ソフトウェアにアップグレードする方法 (Oracle Solaris 11)
出荷時デフォルト構成と Logical Domains の無効化
Logical Domains Manager を無効にする方法
Logical Domains Manager を削除する方法
3. Oracle VM Server for SPARC のセキュリティー
パート II オプションの Oracle VM Server for SPARC ソフトウェア
13. Oracle VM Server for SPARC 物理から仮想への変換ツール
14. Oracle VM Server for SPARC Configuration Assistant (Oracle Solaris 10)
16. Oracle VM Server for SPARC 管理情報ベース (MIB) ソフトウェアの使用
17. Logical Domains Manager の検出
Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアをサポートする SPARC プラットフォームは、Oracle Solaris 10 OS または Oracle Solaris 11 OS がプリインストールされた状態で出荷されます。初期状態では、プラットフォームは 1 つのオペレーティングシステムのみをホストする単一のシステムとして示されます。Oracle Solaris OS、システムファームウェア、および Logical Domains Manager をインストールすると、Oracle Solaris OS の元のシステムおよびインスタンスが制御ドメインになります。プラットフォームのこの最初のドメインには、primary という名前が付けられます。この名前を変更したり、このドメインを削除したりすることはできません。このドメインから、Oracle Solaris OS のさまざまなインスタンスをホストする複数のドメインを持つようにプラットフォームを再構成できます。
注 - ゲストドメインで動作するバージョンの Oracle Solaris OS ソフトウェアは、primary ドメインで動作する Oracle Solaris OS バージョンから独立しています。そのため、primary ドメインで Oracle Solaris 10 OS を実行している場合でも、ゲストドメインのいずれかで Oracle Solaris 11 OS を実行できます。同様に、primary ドメインで Oracle Solaris 11 OS を実行している場合でも、ゲストドメインのいずれかで Oracle Solaris 10 OS を実行できます。
primary ドメインでどの Oracle Solaris OS バージョンを実行するかは、要件と、Oracle Solaris 10 と Oracle Solaris 11 の間の潜在的な機能の違いに基づいて決定してください。『Oracle Solaris 11.1 Release Notes 』および『Transitioning From Oracle Solaris 10 JumpStart to Oracle Solaris 11.1 Automated Installer 』を参照してください。
新しいシステムで独自のインストール方針に準拠させるには、出荷時にインストールされた OS の再インストールが必要な場合もあります。『Oracle VM Server for SPARC 3.0 リリースノート』の「必須および推奨される Oracle Solaris OS バージョン」を参照してください。Oracle Solaris OS の包括的なインストール手順については、Oracle Solaris 10 8/11 Information Library および Oracle Solaris 11.1 Information Library を参照してください。インストール内容は、使用するシステムの要件に合わせて調整できます。
ご利用のシステムに Oracle Solaris OS がインストールされている場合は、Oracle VM Server for SPARC 3.0 ソフトウェアに関連付けられた OS のバージョンにアップグレードする必要があります。『Oracle VM Server for SPARC 3.0 リリースノート』の「必須のソフトウェアとパッチ」を参照してください。Oracle Solaris OS の包括的なアップグレード手順については、Oracle Solaris 10 8/11 Information Library および Oracle Solaris 11.1 Information Library を参照してください。
次のタスクでは、Integrated Lights Out Manager (ILOM) ソフトウェアを使用して、SPARC T シリーズシステム上のシステムファームウェアをアップグレードする方法を示します。次のリソースも参照してください。
ILOM ソフトウェアを使用したシステムファームウェアのアップグレードについては、『Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM) 3.0 CLI 手順ガイド』の「ファームウェアの更新」および「ILOM ファームウェアの更新」を参照してください。ILOM ソフトウェアの使用法については、使用しているプラットフォーム固有のドキュメント (http://www.oracle.com/technetwork/documentation/sparc-tseries-servers-252697.html) を参照してください。
使用しているプラットフォームのシステムファームウェアは、http://www.oracle.com/technetwork/systems/patches/firmware/index.html から入手できます。
サポートされるサーバーに必要なシステムファームウェアについては、『Oracle VM Server for SPARC 3.0 リリースノート』の「必須および推奨されるシステムファームウェアパッチ」を参照してください。
制御ドメインからシステムファームウェアをアップグレードする場合は、SPARC T-Series Servers Documentation で入手可能なシステムファームウェアのプロダクトノートを参照してください。
サポートされるサーバーのシステムファームウェアのインストールおよびアップグレードについては、そのサーバーの管理ガイドまたはプロダクトノートを参照してください。
ILOM Web インタフェースを使用してシステムファームウェアをアップグレードすることもできます。『Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM) 3.0 Web Interface 手順ガイド』の「ILOM ファームウェアの更新」を参照してください。
eXtended System Control Facility (XSCF) を使用して、Fujitsu M10 システム ファームウェアをアップグレードするには、次のリソースを参照してください。
Fujitsu M10 システム システム運用・管理ガイド
Fujitsu M10 システム XSCF リファレンスマニュアル
Oracle Solaris 10 OS および Oracle Solaris 11 OS の両方の最新パッケージを入手できます。Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアは、デフォルトでは Oracle Solaris 11 OS に同梱されていることに注意してください。
Oracle Solaris 10 OS。「My Oracle Support」から OVM_Server_SPARC-3_0.zip パッケージをダウンロードします。「Logical Domains Manager ソフトウェアをダウンロードする方法 (Oracle Solaris 10)」を参照してください。
Oracle Solaris 11 OS。Oracle Solaris 11 Support Repository から ldomsmanager パッケージを入手します。「Oracle VM Server for SPARC 3.0 ソフトウェアにアップグレードする方法 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。
ソフトウェアは、http://www.oracle.com/virtualization/index.html で入手できます。
$ unzip OVM_Server_SPARC-3_0.zip
ファイルの構造およびファイルの内容については、『Oracle VM Server for SPARC 3.0 リリースノート』の「Oracle VM Server for SPARC 3.0 ソフトウェアの場所」を参照してください。
次に、Logical Domains Manager ソフトウェアのインストール方法を示します。
Oracle Solaris 10 のみ。インストールスクリプトを使用してパッケージおよびパッチをインストールします。この方法では Logical Domains Manager ソフトウェアが自動的にインストールされます。「(Oracle Solaris 10) Logical Domains Manager ソフトウェアの自動的なインストール」を参照してください。
Oracle Solaris 10 のみ。Oracle Solaris JumpStart 機能を使用して、パッケージをネットワークインストールの一部としてインストールします。JumpStart サーバーの構成の詳細については、『Oracle Solaris 10 8/11 Installation Guide: Custom JumpStart and Advanced Installations 』を参照してください。この機能の使用法の詳細については、『JumpStart Technology: Effective Use in the Solaris Operating Environment』も参照してください。
Oracle Solaris 11 のみ。Oracle Solaris 11 Automated Installer 機能を使用して、パッケージをネットワークインストールの一部としてインストールします。『Installing Oracle Solaris 11.1 Systems』の「How to Use the Automated Installer」および『Transitioning From Oracle Solaris 10 JumpStart to Oracle Solaris 11.1 Automated Installer 』を参照してください。
パッケージを手動でインストールします。「Logical Domains Manager ソフトウェアの手動によるインストール」を参照してください。
注 - Oracle VM Server for SPARC パッケージをインストールしたあとで、Oracle VM Server for SPARC MIB ソフトウェアパッケージを手動でインストールする必要があります。これは、ほかのパッケージとともに自動的にはインストールされません。Oracle VM Server for SPARC MIB のインストールおよび使用については、第 16 章Oracle VM Server for SPARC 管理情報ベース (MIB) ソフトウェアの使用を参照してください。
install-ldm インストールスクリプトを使用する場合、スクリプトの実行方法を指定する選択肢がいくつかあります。それぞれの選択肢について、次の手順で説明します。
オプションを指定せずに install-ldm スクリプトを使用すると、自動的に次の処理を行います。
Oracle Solaris OS リリースが Oracle Solaris 10 OS であることを確認します
パッケージのサブディレクトリである SUNWldm/ および SUNWldmp2v/ が存在することを確認します。
前提条件となる Logical Domains ドライバパッケージの SUNWldomr および SUNWldomu が存在することを確認します。
SUNWldm および SUNWldmp2v パッケージがインストールされていないことを確認します。
Oracle VM Server for SPARC 3.0 ソフトウェアをインストールします。
すべてのパッケージがインストールされていることを確認します。
SST (SUNWjass) がすでにインストールされている場合は、制御ドメインの Oracle Solaris OS の強化を求めるプロンプトが表示されます。
Oracle VM Server for SPARC Configuration Assistant (ldmconfig) を使用してインストールを実行するかどうかを判断します。
-c オプションを指定して install-ldm スクリプトを使用すると、ソフトウェアのインストール後に自動的に Oracle VM Server for SPARC Configuration Assistant が実行されます。
-s オプションを指定して install-ldm スクリプトを使用すると、Oracle VM Server for SPARC Configuration Assistant の実行はスキップされます。
SST ソフトウェアとともに install-ldm スクリプトおよび次のオプションを使用すると、次の操作を実行できます。
install-ldm -d。-secure.driver で終わるドライバ以外の SST ドライバを指定できます。このオプションは、前述の選択肢で示したすべての機能を自動的に実行し、指定した SST のカスタマイズドライバ (たとえば server-secure-myname.driver) で制御ドメインの Oracle Solaris OS を強化します。
install-ldm -d none。SST を使用して制御ドメインで実行している Oracle Solaris OS を強化しないことを指定します。このオプションは、前述の選択肢で示した強化以外のすべての機能を自動的に実行します。SST の使用を省略することはお勧めしません。別の処理を使用して制御ドメインを強化する場合にかぎり、この使用を省略するようにしてください。
install-ldm -p。インストール後の処理 (Logical Domains Manager デーモン (ldmd) の有効化および SST の実行) のみを実行することを指定します。たとえば、SUNWldm および SUNWjass パッケージがサーバーにプリインストールされている場合に、このオプションを使用します。
次に、Oracle Solaris 10 OS 上に Oracle VM Server for SPARC 3.0 ソフトウェアを手動でインストールする手順を説明します。
Oracle Solaris 11 OS をインストールすると、デフォルトで Oracle VM Server for SPARC 2.1 ソフトウェアがインストールされます。Oracle VM Server for SPARC 3.0 ソフトウェアをインストールする場合は、「Oracle VM Server for SPARC 3.0 ソフトウェアにアップグレードする方法 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。
始める前に
Oracle VM Server for SPARC 3.0 ソフトウェア (SUNWldm および SUNWldmp2v パッケージ) をダウンロードします。詳細は、「Logical Domains Manager ソフトウェアをダウンロードする方法 (Oracle Solaris 10)」を参照してください。
この手順は、旧バージョンの Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアをすでに実行している場合のみ実行してください。
primary# ldm add-config config-name
# pkgadd -Gd . SUNWldm.v SUNWldmp2v
対話型プロンプトのすべての質問に対して、y (はい) と答えます。
-G オプションはパッケージを大域ゾーンのみにインストールします。-d オプションは、SUNWldm.v および SUNWldmp2v パッケージが含まれるディレクトリのパスを指定します。
pkgadd コマンドの詳細は、pkgadd(1M) マニュアルページを参照してください。
リビジョン (REV) 情報の例を次に示します。
# pkginfo -l SUNWldm | grep VERSION VERSION=3.0,REV=2012.11.01.10.20
pkginfo コマンドの詳細は、pkginfo(1) マニュアルページを参照してください。
install-ldm インストールスクリプトを使用すると、Logical Domains Manager デーモン (ldmd) が自動的に有効になります。Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアパッケージをインストールした場合も、ldmd デーモンは自動的に有効になります。このデーモンが有効になると、論理ドメインを作成、変更、および制御できます。
ldmd デーモンが無効になっている場合、次の手順に従ってこのデーモンを有効にします。
svcadm コマンドの詳細は、svcadm(1M) マニュアルページを参照してください。
# svcadm enable ldmd
ldm list コマンドを実行すると、システム上で現在定義されているすべてのドメインが一覧表示されます。特に、primary ドメインが表示され、状態が active になっているはずです。次のサンプル出力は、システム上に primary ドメインのみが定義されていることを示します。
# /opt/SUNWldm/bin/ldm list NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active ---c- SP 64 3264M 0.3% 19d 9m