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Solaris のシステム管理ガイド (印刷)     Oracle Solaris 10 1/13 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle Solaris オペレーティングシステムでの印刷の概要

2.  印刷の計画 (タスク)

3.  ネットワーク印刷サービスの設定 (タスク)

4.  Oracle Solaris 印刷マネージャーを使用したプリンタの設定および管理 (タスク)

5.  LP 印刷コマンドを使用したプリンタの設定 (タスク)

6.  LP 印刷コマンドを使用したプリンタの管理 (タスク)

7.  LP 印刷サービスとプリンタのカスタマイズ (タスク)

8.  LP 印刷スケジューラの管理および印刷要求の管理 (タスク)

9.  ネットワーク上のプリンタの管理 (タスク)

10.  文字セット、フィルタ、フォーム、およびフォントの管理 (タスク)

11.  PPD ファイル管理ユーティリティーを使用したプリンタの管理 (タスク)

12.  Oracle Solaris オペレーティングシステムでの印刷 (参照情報)

13.  Oracle Solaris OS での印刷に関する問題のトラブルシューティング (タスク)

プリンタ設定時のトラブルシューティングのヒント

パラレルおよび USB 接続の印刷デバイスに関する情報の検索

印刷時のトラブルシューティングのヒント

出力されない (印刷されない) 場合のトラブルシューティング

ハードウェアのチェック

ネットワークのチェック

LP 印刷サービスのチェック

印刷の問題のデバッグ

出力が正しくない場合のトラブルシューティング

プリンタタイプとファイル内容形式のチェック

stty 設定値のチェック

ボーレート設定値が正しくない場合

パリティー設定値が正しくない場合

タブ設定値が正しくない場合

Return 設定値が正しくない場合

lp コマンドがハングした場合のトラブルシューティング

プリンタがアイドル状態になった (ハングした) 場合のトラブルシューティング

印刷フィルタのチェック

プリンタ障害のチェック

ネットワーク上の問題のチェック

ローカル待ち行列で停止する印刷要求

リモート待ち行列で停止する印刷要求

矛盾したステータスメッセージのトラブルシューティング

印刷時のさまざまなトラブルシューティング

プリンタに出力されない場合のトラブルシューティング

プリンタハードウェアをチェックする方法

プリンタのネットワーク接続をチェックする方法

印刷に関する問題をデバッグする方法

LP 印刷サービスの基本機能をチェックする方法

印刷クライアントから印刷サーバーへの印刷をチェックする方法

出力が正しくない問題をトラブルシュートする方法

LP 印刷サービスのハングを解除する方法

アイドル状態になった (ハングした) プリンタのトラブルシューティング

プリンタの準備ができているかチェックする方法

印刷のフィルタリングのチェック

プリンタ障害の後に印刷を再開する方法

ローカル待ち行列で停止している印刷要求をリモートプリンタに送信する方法

印刷サーバーの待ち行列で停止している印刷クライアントからの印刷要求を使用可能にする方法

矛盾したプリンタステータスメッセージを解決する方法

A.  インターネット印刷プロトコルの使用

用語集

索引

印刷時のさまざまなトラブルシューティング

このセクションでは、次の手順について説明します。

プリンタに出力されない場合のトラブルシューティング

このタスクには、次のトラブルシューティングの手順が含まれています。印刷要求をプリンタに出したのに何も印刷されない場合は、これらの手順を試してください。

印刷クライアント/印刷サーバーのセクションに進む前に、上記のうち最初の 3 つの手順をリストの順に試してください。ただし、バナーページは印刷されてほかに何も印刷されない場合は、「出力が正しくない問題をトラブルシュートする方法」の説明に進んでください。

プリンタハードウェアをチェックする方法

  1. プリンタがコンセントに接続され、電源がオンになっているか確認します。
  2. ケーブルがプリンタのポートと、システムまたはサーバーのポートに接続されているか確認します。
  3. そのケーブルが正しいケーブルであり、欠陥がないことを確認します。

    製造業者のドキュメントを参照してください。プリンタがシリアルポートに接続されている場合は、そのケーブルでハードウェアフロー制御がサポートされることを確認してください。ヌルモデムアダプタでは、この機能がサポートされます。次の表は、ヌルモデムケーブル用のピン構成を示しています。


    ホスト
    プリンタ
    Mini-Din-8
    25-Pin D-sub
    25-Pin D-sub
    -
    1(FG)
    1(FG)
    3(TD)
    2(TD)
    3(RD)
    5(RD)
    3(RD)
    2(TD)
    6(RTS)
    4(RTS)
    5(CTS)
    2(CTS)
    5(CTS)
    4(RTS)
    4(SG)
    7(SG)
    7(SG)
    7(DCD)
    6(DSR)、8(DCD)
    20(DTR)
    1(DTR)
    20(DTR)
    6(DSR)、8(DCD)
  4. ポート用のハードウェアスイッチが正しく設定されていることを確認します。

    正しい設定については、プリンタのドキュメントを参照してください。

  5. プリンタが動作するか確認します。

    プリンタにセルフテスト機能が付いている場合は、その機能を使用します。プリンタのセルフテストの詳細は、プリンタのドキュメントを参照してください。

  6. コンピュータとプリンタのボーレートの設定値が正しいか確認します。

    コンピュータとプリンタのボーレートの設定値が一致しなければ、何も印刷されないことがあり、さらに正しく出力されない場合もあります。詳しくは、「出力が正しくない問題をトラブルシュートする方法」を参照してください。

プリンタのネットワーク接続をチェックする方法

印刷に関する問題をデバッグする方法

  1. リモート印刷に関する問題をデバッグするシステムで、スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。
    # echo "lpr.debug /var/tmp/lpr.debug" >>/etc/syslog.conf

    注 - lpr.debug/var/tmp/lpr.debug の間の空白は、タブでなければなりません。


  3. lpr.debug ファイルを作成します。
    # touch /var/tmp/lpr.debug
  4. syslog サービスを再起動します。
    # svcadm restart system.log

LP 印刷サービスの基本機能をチェックする方法

この手順では、基本 LP 印刷サービス機能をチェックする例として、プリンタ luna を使用しています。

  1. 印刷サーバー上で、LP 印刷サービスが動作していることを確認します。
    1. 次のいずれかの方法で、LP スケジューラが動作しているかどうかを確認します。
      • lpstat コマンドを使用します。

        % lpstat -r
        scheduler is running

        LP スケジューラが動作しているかどうかを示すメッセージが表示されます。

      • svcs コマンドを使用します。

        % svcs application/print/server

        スケジューラが動作している場合は、次の出力が表示されます。

        STATE        STIME            FMRI
        online        Oct_24        svc:/application/print/server:default

        スケジューラが動作していない場合は、次の出力が表示されます。

        STATE            STIME            FMRI
        disabled        14:27:48        svc:/application/print/server:default
    2. スケジューラが動作していない場合は、スーパーユーザーまたは lp になるか、同等の役割になります。次のいずれかの方法で、スケジューラを起動します。
      • lpsched コマンドを使用します。

        # /usr/lib/lpsched
        Print services started.

        印刷サービスが起動されたことを示すメッセージが表示されます。

      • svcadm コマンドを使用します。

        # svcadm enable application/print/server

        svcadm コマンドを使用する場合は、印刷サービスが起動されたかどうかを示すメッセージは表示されません。印刷サービスがオンラインになっているかどうかを確認するには、svcs application/print/server コマンドを再び実行します。

      スケジューラを起動できない場合は、「LP 印刷サービスのハングを解除する方法」を参照してください。

  2. 印刷サーバー上と印刷クライアント上で、プリンタが要求を受け付けていることを確認します。
    1. プリンタが要求を受け付けていることを確認します。
      # lpstat -a
      mars accepting requests since Jan 12 14:23 2004
      luna not accepting requests since Jan 12 14:23 2004
      unknown reason

      このコマンドは、LP システムがシステム用に構成された各プリンタの要求を受け付けているか確認します。

    2. プリンタが要求を受け付けていない場合は、スーパーユーザーまたは lp になるか、同等の役割になり、プリンタが印刷要求を受け付けるようにします。
      # accept luna

      これで、指定したプリンタは要求を受け付けます。

  3. 印刷サーバー上と印刷クライアント上で、プリンタが依頼された印刷要求の印刷で使用可能になっているか確認します。
    1. プリンタが使用可能になっていることを確認します。
      # lpstat -p luna
      printer luna disabled since Jan 12 14:25 2004.
      available.
      unknown reason

      このコマンドは、プリンタのステータスに関する情報を表示します。プリンタ名を省略すると、システム用に設定されたすべてのプリンタに関する情報を表示できます。次の例は、使用不可になっているプリンタを示しています。

    2. プリンタが使用不可になっている場合は、スーパーユーザーまたは lp になるか、同等の役割になり、プリンタを使用可能にします。
      # enable luna
      printer "luna" now enabled.

      指定したプリンタが、印刷要求の処理に使用可能になります。

  4. 印刷サーバー上で、プリンタが正しいシリアルポートに接続されていることを確認します。
    1. プリンタが正しいシリアルポートに接続されていることを確認します。
      # lpstat -t
      scheduler is running
      system default destination: luna
      device for luna: /dev/term/a

      device for printer-name」というメッセージは、ポートアドレスを示します。LP 印刷サービスの接続先のポートにケーブルが接続されているか確認します。ポートが正しければ、手順 5 に進みます。

    2. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
    3. ポートを表すデバイスファイルのファイル所有権を変更します。
      # chown lp device-filename

      このコマンドは、特殊なユーザー lp をデバイスファイルの所有者として割り当てます。このコマンドで、device-filename はデバイスファイル名です。

    4. プリンタポートのデバイスファイルのアクセス権を変更します。
      # chmod 600 device-filename

      このコマンドにより、スーパーユーザー、lp、または同等の役割のみがプリンタポートデバイスファイルにアクセスできるようになります。

  5. 印刷サーバー上と印刷クライアント上で、プリンタが正しく構成されていることを確認します。
    1. プリンタが適切に構成されていることを確認します。
      # lpstat -p luna -l
      printer luna is idle. enabled since Jan 12 14:24 2004. available
              Content types: postscript
              Printer types: PS

      上の例は、正しく構成された PostScript プリンタと、そのプリンタを印刷要求の処理に利用できることを示しています。プリンタタイプとファイル内容形式が正しい場合は、手順 6 に進みます。

    2. プリンタタイプまたはファイル内容形式が正しくない場合は、印刷クライアント上で、プリンタタイプを unknown に設定し、内容形式を any に設定してください。
      # lpadmin -p printer-name -T printer-type -I file-content-type
  6. 印刷サーバー上で、プリンタがプリンタ障害のために待機していないことを確認します。
    1. プリンタ障害のためにプリンタが待機していないことを確認します。
      # lpadmin -p printer-name -F continue 

      このコマンドは LP 印刷サービスに対して、障害のために待機していない場合は続行するように指示します。

    2. プリンタを再び使用可能にすることによって、すぐに再試行させます。
      # enable printer-name 
    3. (オプション) プリンタ障害をすぐに通知するように、LP 印刷サービスに指示します。
      # lpadmin -p printer-name -A 'write root'

      このコマンドは LP 印刷サービスに対して、プリンタが障害を起こした場合に、root に書き込むというデフォルトポリシーを設定し、root がログインした端末にプリンタ障害メッセージを送るように指示します。これにより、問題を修正するときに障害通知をすぐに受け取れます。

  7. プリンタがログイン端末として間違った設定になっていないか確認します。

    注 - ログイン端末としてプリンタを設定する作業では誤りをおかしやすいので、当てはまらないと思われる場合にも、必ず設定値を確認してください。


    1. ps -ef コマンドの出力で、プリンタポートのエントリを探します。
      # ps -ef
          root   169   167  0   Apr 04 ?        0:08 /usr/lib/saf/listen tcp
          root   939     1  0 19:30:47 ?        0:02 /usr/lib/lpsched
          root   859   858  0 19:18:54 term/a   0:01 /bin/sh -c \ /etc/lp
      /interfaces/luna
      luna-294 rocket!smith “passwd\n##
      #

      このコマンドの出力で、プリンタポートのエントリを探します。上の例で、ポート /dev/term/a はログイン端末として間違って設定されています。この行の最後に "passwd\n## 情報が付いているのでわかります。ポートが正しく設定されている場合は、この手順の最後を飛ばしてください。

    2. 印刷要求を取り消します。
      # cancel request-id

      このコマンドで、request-id は取り消したい印刷要求の要求 ID 番号です。

    3. プリンタポートをログインデバイス以外のものとして設定します。
      # lpadmin -p printer-name -h
    4. ps -ef コマンドからの出力をチェックして、プリンタポートがログインデバイスではなくなったことを確認します。

      基本的な LP 印刷サービス機能に印刷時の問題の原因が見つからない場合は、次の中から該当するクライアント/サーバーの手順に進んでください。

印刷クライアントから印刷サーバーへの印刷をチェックする方法

  1. まだチェックしていなければ、印刷サーバー上で LP 印刷サービスの基本機能をチェックします。

    基本機能をチェックする手順については、「LP 印刷サービスの基本機能をチェックする方法」を参照してください。印刷クライアントから要求が出されたときに何も印刷されない原因を調べる前に、プリンタがローカルで動作していることを確認してください。

  2. まだチェックしていなければ、印刷クライアント上で LP 印刷サービスの基本機能をチェックします。

    印刷クライアントから印刷を要求する前に、そのプリンタを有効にして、その要求を受け付けるようにする必要があります。


    注 - 以降のほとんどの手順において、root または lp としてログインしている必要があります。


  3. 印刷サーバーがアクセス可能であることを確認します。
    1. 印刷クライアント上で、応答を求める要求を印刷サーバーに送信します。
      print-client# ping print-server

      print-server not available」というメッセージが表示される場合は、ネットワークに問題があります。

  4. 印刷サーバーが正常に動作しているか確認します。
    # lpstat -t luna 
    scheduler is running
    system default destination: luna
    device for luna: /dev/term/a
    luna accepting requests since Jan 12 14:26 2004
    printer luna now printing luna-314. enabled since Jan 12 14:26 2004. 
    available.
    luna-129            root               488   Jan 12 14:32
    #

    上記の例は、印刷サーバーが動作していることを示します。

  5. 印刷サーバーが正常に動作していない場合は、手順 1 に戻ります。

出力が正しくない問題をトラブルシュートする方法

  1. スーパーユーザーまたは lp としてログインするか、同等の役割になります。
  2. プリンタタイプが正しいことを確認します。

    プリンタタイプが正しくないと、正しく出力されないことがあります。たとえば、プリンタタイプ PS を指定してもページが意図した順序の逆に印刷される場合は、プリンタタイプ PSR を試してください(この 2 つのタイプ名は大文字で指定しなければなりません)。また、プリンタタイプが正しくないと、テキストの欠落、読みづらいテキスト、または間違ったフォントのテキストが出力されることがあります。プリンタタイプを判別するには、terminfo データベース内のエントリを調べます。terminfo データベースの構造については、「プリンタタイプ」を参照してください。

    1. 印刷サーバー上で、プリンタの特性を表示します。
      $ lpstat -p luna -l
      printer luna is idle. enabled since Thu Jul 12 15:02:32 ...
              Form mounted: 
              Content types: postscript
              Printer types: PS
              Description:
              Connection: direct
              Interface: /usr/lib/lp/model/standard
              After fault: continue
              Users allowed:
                      (all)
              Forms allowed:
                      (none)
              Banner not required
              Character sets:
      
              Default pitch:
              Default page size: 80 wide 66 long
              Default port settings:  
      $
    2. プリンタのドキュメントを参照して、プリンタのモデルを調べます。
    3. プリンタタイプが正しくない場合は、Oracle Solaris 印刷マネージャーの「プリンタのプロパティを変更」ウィンドウを使用して変更するか、次の lpadmin コマンドを使用します。
      # lpstat -p printer-name -T printer-type

      印刷クライアント上では、プリンタタイプを unknown にしてください。印刷サーバー上では、プリンタタイプは使用するプリンタのモデルをサポートするように定義された terminfo エントリと一致しなければなりません。使用するプリンタのタイプ用の terminfo エントリがない場合は、「サポートされていないプリンタの terminfo エントリを追加する方法」を参照してください。

  3. バナーページは印刷されるが文書の本文が印刷されない場合は、ファイル内容形式を確認します。

    プリンタに指定したファイル内容形式は、プリンタがフィルタなしで直接印刷できるファイル形式を示します。ファイル内容形式が正しくなければ、必要なときにフィルタリングがバイパスされることがあります。

    1. 前の手順の lpstat コマンドで表示されたファイル内容形式に関する情報をメモします。

      印刷クライアント上では、1 つ以上の明示的な内容形式を指定する理由がない限り、ファイル内容形式を any にしてください。クライアント上で内容を指定すると、印刷サーバー上ではなく印刷クライアント上でフィルタリングが実行されます。また、クライアント上の内容形式は、印刷サーバー上で指定した内容形式と一致しなければならず、印刷サーバー上の内容形式はプリンタの機能を反映していなければなりません。

    2. プリンタのドキュメントを参照し、プリンタで直接印刷できるファイルのタイプを判別します。

      これらのファイル形式を参照するために使用する名前は、プリンタメーカーが使用している名前と一致しなくてもかまいません。ただし、使用する名前は LP 印刷サービスに認識されるフィルタで使用する名前と一致しなければなりません。

    3. ファイル内容形式が正しくない場合は、Oracle Solaris 印刷マネージャーの「プリンタのプロパティを変更」ウィンドウを使用して変更するか、次の lpadmin コマンドを使用します。
      # lpadmin -p printer-name -I file-content-type(s)

      必要に応じて、このコマンドを印刷クライアント上、印刷サーバー上、またはその両方で実行します。印刷クライアント上で -I any を試し、印刷サーバー上で -I "" を試してください。-I "" は、NULL のファイル内容形式リストを指定します。これは、プリンタはそのプリンタタイプと正確に一致するファイルしか直接印刷できないので、すべてのファイルをフィルタにかけることを意味します。

      ファイルが印刷されないときは、まずこの組み合わせを選択してみるとよいでしょう。それで成功したら、印刷サーバー上で明示的な内容形式を指定し、不要なフィルタリングを減らすことができます。ローカルの PostScript プリンタでは、プリンタでサポートされている場合は、postscript または postscript,simple を使用することをお勧めします。PSPSR はファイル内容形式ではなく、プリンタタイプなので注意してください。

      -I を省略すると、ファイル内容のリストはデフォルトの simple になります。-I オプションを使用し、simple 以外にもファイル内容形式を指定する場合は、リストに simple を含める必要があります。

      複数のファイル内容形式を指定するときは、名前をコンマで区切ります。また、名前をスペースで区切り、リストを引用符で囲むこともできます。ファイル内容形式として any を指定すると、フィルタリングは行われないので、プリンタで直接印刷できるファイルタイプのみを送信する必要があります。

  4. フォントのダウンロードに必要なフィルタリングを、印刷要求がバイパスしていないかどうかをチェックします。

    ユーザーが lp -T PS コマンドを使用して印刷要求を PostScript プリンタに送ると、フィルタリングは実行されません。フィルタリングを強制するために lp -T postscript を使用して要求を送ってみます。この際、文書に必要な非常駐フォントがダウンロードされることがあります。

  5. プリンタポートの stty 設定値が正しいことを確認します。
    1. プリンタのドキュメントを参照して、プリンタポートに合った stty 設定値を判別します。

      注 - プリンタがパラレルポートまたは USB ポートで接続されている場合、ボーレートの設定値は無関係です。


    2. 現在の設定値を調べるには、stty コマンドを使用します。
      # stty -a < /dev/term/a
      speed 9600 baud;
      rows = 0; columns = 0; ypixels = 0; xpixels = 0;
      eucw 1:0:0:0, scrw 1:0:0:0
      intr = ^c; quit = ^|; erase = ^?; kill = ^u;
      eof = ^d; eol = <undef>; eol2 = <undef>; swtch = <undef>;
      start = ^q; stop = ^s; susp = ^z; dsusp = ^y;
      rprnt = ^r; flush = ^o; werase = ^w; lnext = ^v;
      parenb -parodd cs7 -cstopb -hupcl cread -clocal -loblk -parext
      -ignbrk brkint -ignpar -parmrk -inpck istrip -inlcr -igncr icrnl -iuclc
      ixon -ixany -ixoff imaxbel
      isig icanon -xcase echo echoe echok -echonl -noflsh
      -tostop echoctl -echoprt echoke -defecho -flusho -pendin iexten
      opost -olcuc onlcr -ocrnl -onocr -onlret -ofill -ofdel tab3
      #

      このコマンドでは、プリンタポートの現在の stty 設定値が表示されます。

      LP 印刷サービスの標準プリンタインタフェースプログラムで使用されるデフォルトの stty オプションを次の表に示します。


      オプション
      意味
      -9600
      ボーレートを 9600 に設定
      -cs8
      8 ビットバイトを設定
      -cstopb
      1 バイト当たり 1 ストップビットを送信
      -parity
      パリティーを生成しない
      -ixon
      XON/XOFF (START/STOP または DC1/DC3 ともいう) を使用可能にする
      -opost
      以下にリストされた設定値をすべて使用して「処理後出力」を実行する
      -olcuc
      小文字を大文字に割り当てない
      -onlcr
      改行をキャリッジリターン/改行に変更する
      -ocrnl
      キャリッジリターンを改行に変更しない
      -onocr
      カラム 0 でもキャリッジリターンを出力する
      -n10
      改行後の遅延なし
      -cr0
      キャリッジターン後の遅延なし
      -tab0
      タブ後の遅延なし
      -bs0
      バックスペース後の遅延なし
      -vt0
      垂直タブ後の遅延なし
      -ff0
      用紙送り後の遅延なし
    3. stty 設定値を変更します。
      # lpadmin -p printer-name -o "stty= options" 

      次の表を使用して、印刷出力に影響するさまざまな問題を解決する stty オプションを選択します。


      stty
      結果
      間違った設定から起こり得る問題
      110, 300, 600, 1200, 1800, 2400, 4800, 9600, 19200, 38400
      ボーレートを指定した値に設定する (ボーレートを 1 つだけ入力する)
      ランダム文字と特殊文字が印刷され、間隔がバラバラになることがある
      oddp

      evenp

      -parity

      奇数パリティーを設定する

      偶数パリティーを設定する

      パリティーを設定しない

      文字が欠落または間違った文字がランダムに表示される
      -tabs
      タブを設定しない
      テキストが右マージンにくっついてしまう
      tabs
      8 スペースごとにタブを設定する
      テキストに左マージンがなく、つながってしまうか、くっついてしまう
      -onlcr
      行頭でキャリッジリターンを設定しない
      間違ったダブルスペース
      onlcr
      行頭でキャリッジリターンを設定する
      ジグザグに印刷される

      オプションをスペースで区切り、オプションリストを単一引用符で囲むと、複数のオプションの設定を変更できます。たとえば、奇数パリティーを使用可能にし、7 ビットの文字サイズを設定する必要のあるプリンタを仮定します。そのためには、次の例のようなコマンドを入力します。

      # lpadmin -p neptune -o "stty='parenb parodd cs7'"

      stty オプション parenb でパリティーチェックまたはパリティー生成を使用可能にし、parodd で奇数パリティーの生成を設定し、cs7 で文字サイズを 7 ビットに設定します。

  6. 文書が正しく印刷されることを確認します。
    # lp -d printer-name filename

LP 印刷サービスのハングを解除する方法

  1. スーパーユーザーまたは lp としてログインするか、同等の役割になります。
  2. LP 印刷サービスを停止します。
    # svcadm disable /application/print/server
  3. LP 印刷サービスを再起動します。
    # svcadm enable /application/print/server

    LP 印刷サービスが再起動されます。スケジューラが再起動されない場合は、「印刷スケジューラを再起動する方法」を参照してください。

アイドル状態になった (ハングした) プリンタのトラブルシューティング

このタスクには、プリンタがアイドル状態であってはならないのにアイドル状態になるときに使用する多数の手順が含まれています。通常は各手順を順番に試しますが、順番どおりでなくてもかまいません。

プリンタの準備ができているかチェックする方法

  1. プリンタステータス情報を表示します。
    # lpstat -p printer-name 

    表示される情報は、プリンタがアイドル状態かアクティブ状態か、使用可能か使用不可か、または印刷要求を利用できるか受け付けていないかを示します。すべて正常と思われる場合は、このセクションの他の手順に進んでください。lpstat コマンドを実行できない場合は、「LP 印刷サービスのハングを解除する方法」を参照してください。

  2. プリンタが利用できない (要求を受け付けていない) 場合は、プリンタが要求を受け付けるようにします
    # accept printer-name 

    プリンタは、その印刷待ち行列に要求を受け付け始めます。

  3. プリンタが使用不可になっている場合は、再び使用可能にします。
    # enable printer-name 

    このコマンドでは、待ち行列にある要求を処理するように、プリンタを再び使用可能にします。

印刷のフィルタリングのチェック

lpstat -o コマンドを使用して、印刷のフィルタリングをチェックします。

$ lpstat -o luna
luna-10           fred         1261   Mar 12 17:34 being filtered
luna-11           iggy         1261   Mar 12 17:36 on terra
luna-12           jack         1261   Mar 12 17:39 on terra
$

待機している最初の要求がフィルタリングされているかどうかを調べます。上の例のような出力になる場合は、ファイルがフィルタリングされています。プリンタはハングせず、要求の処理に少し時間がかかっているだけです。

プリンタ障害の後に印刷を再開する方法

  1. プリンタ障害に関するメッセージがある場合は、その障害を解決してください。

    プリンタ障害の警告がどのように指定されているかに応じて、メッセージを電子メールで root に送らせるか、root がログインした端末に書き出すことができます。

  2. プリンタを再び使用可能にします。
    # enable printer-name 

    プリンタ障害によって要求がブロックされた場合は、このコマンドで強制的に再試行します。このコマンドが動作しない場合は、このセクションの他の手順を続行します。

ローカル待ち行列で停止している印刷要求をリモートプリンタに送信する方法

  1. 印刷クライアント上で、印刷サーバーへの印刷要求を、それ以上待ち行列に入れないようにします。
    # reject printer-name 
  2. 印刷クライアント上で、応答を求める要求を印刷サーバーに送信します。
    print-client# ping print-server
    print-server is alive

    print-server not available」というメッセージが表示される場合は、ネットワークに問題があります。

  3. 問題を解決したら、新しい印刷要求を待ち行列に入れられるようにします。
    # accept printer-name 
  4. 必要であれば、印刷サーバー上で再びプリンタを使用可能にします。
    # enable printer-name 

印刷サーバーの待ち行列で停止している印刷クライアントからの印刷要求を使用可能にする方法

  1. 印刷サーバー上で、印刷クライアントから印刷サーバーへの印刷要求を、それ以上待ち行列に入れないようにします。
    # reject printer-name 
  2. lpsched ログファイルを表示します。
    # more /var/lp/logs/lpsched

    表示される情報を参考にして、印刷クライアントから印刷サーバーへの印刷要求が印刷されない原因を正確に把握できます。

  3. 問題を解決したら、新しい印刷要求を待ち行列に入れられるようにします。
    # accept printer-name
  4. 必要であれば、印刷サーバー上で再びプリンタを使用可能にします。
    # enable printer-name

矛盾したプリンタステータスメッセージを解決する方法

  1. 印刷サーバー上でプリンタが使用可能になっており、要求を受け付けているかどうかを確認します。
    # lpstat -p printer-name

    印刷クライアントが要求を受け付けているのに、印刷サーバーが要求を拒否しているときは、矛盾したステータスメッセージが表示されます。

  2. 印刷サーバー上で、印刷クライアント上のプリンタの定義が、印刷サーバー上のプリンタの定義と一致するかどうかを確認します。
    # lpstat -p -l printer-name

    印刷フィルタ、文字セット、印字ホイール、フォームなど、印刷ジョブコンポーネントの定義を調べて、印刷クライアントとサーバー上で一致し、ローカルユーザーが印刷サーバーシステムのプリンタにアクセスできることを確認します。