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Solaris のシステム管理: セキュリティーサービス Oracle Solaris 10 1/13 Information Library (日本語) |
パート II システム、ファイル、およびデバイスのセキュリティー
13. Oracle Solaris の暗号化フレームワーク (概要)
14. Oracle Solaris の暗号化フレームワーク (タスク)
24. Kerberos エラーメッセージとトラブルシューティング
26. Kerberos アプリケーションの使用 (タスク)
30. Oracle Solaris 監査の管理 (タスク)
各監査トークンにはトークンの種類識別子と、そのあとにトークン固有のデータが続いています。各トークンの種類には固有の形式があります。次の表は、各トークンの名前と簡単な説明の一覧です。廃止されたトークンは、以前の Solaris リリースとの互換性のために維持されています。
表 31-4 Oracle Solaris 監査の 監査トークン
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監査レコードは常に header トークンで始まります。header トークンは、監査トレール内で監査レコードの始まりを示します。ユーザーの動作に起因するイベントの場合、subject と process トークンは、イベントを発生させたプロセスの値を参照します。ユーザーの動作に起因しないイベントの場合、process トークンはシステムを参照します。
acl トークンは、アクセス制御リスト (ACL) に関する情報を記録します。
acl トークンは、次の 4 つの固定長フィールドで構成されます。
acl トークンであることを特定するトークン ID
ACL タイプを指定するフィールド
ACL 値フィールド
ACL に関連付けるアクセス権を一覧するフィールド
praudit -x コマンドでは、acl トークンのフィールドは次のように表示されます。
<acl type="1" value="root" mode="6"/>
arbitrary トークンは、監査トレール用にデータをカプセル化します。4 つの固定長フィールドと 1 つのデータ配列からなっています。固定長フィールドは次のとおりです。
arbitrary トークンであることを特定するトークン ID
推奨される出力形式フィールド (16 進など)
後続の項目数を指定するカウントフィールド
トークンの残りの部分は、指定された形式の count からなっています。praudit コマンドでは、arbitrary トークンは次のように表示されます。
arbitrary,decimal,int,1 42
表 31-5 arbitrary トークンの出力形式フィールドの値
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次の表は、項目サイズフィールドに指定できる値を示します。
表 31-6 arbitrary トークンの項目サイズフィールドの値
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arg トークンには、システムコールの引数情報 (システムコールの引数番号、引数の値、およびオプションの説明) が含まれています。このトークンを使用すると、監査レコード内で 32 ビット整数のシステムコール引数を指定できます。
arg トークンには次の 5 つのフィールドがあります。
argトークンであることを特定するトークン ID
トークンが参照するシステムコールの引数の ID
引数の値
テキスト文字列の長さ
テキスト文字列
praudit -x コマンドでは、arg トークンのフィールドは次のように表示されます。
<argument arg-num="2" value="0x0" desc="new file uid"/>
attribute トークンには、ファイル vnode からの情報が含まれています。
attribute トークンには次の 7 つのフィールドがあります。
attribute トークンであることを特定するトークン ID
ファイルのアクセスモードと種類
所有者のユーザー ID
所有者のグループ ID
ファイルシステム ID
ノード ID
ファイルが示すデバイス ID
ファイルシステム ID とデバイス ID の詳細は、statvfs(2) のマニュアルページを参照してください。
attribute トークンには通常、path トークンが付いています。attribute トークンはパスの検索中に生成されます。パス検索エラーが発生すると、必要なファイル情報を取得するための v ノードが利用できません。このため、attribute トークンは監査レコードの一部として組み込まれません。praudit -x コマンドでは、attribute トークンのフィールドは次のように表示されます。
<attribute mode="100644" uid="adm" gid="adm" fsid="136" nodeid="2040" device="0"/>
cmd トークンは、コマンドに割り当てられた引数のリストおよび環境変数のリストを記録します。
cmd トークンには次のフィールドがあります。
cmd トークンであることを特定するトークン ID
コマンドの引数のカウント
引数の一覧
次のフィールドの長さ
引数の内容
環境変数のカウント
環境変数の一覧
次のフィールドの長さ
環境変数の内容
praudit -x コマンドでは、cmd トークンのフィールドは次のように表示されます。次に示すのは、切り詰められた cmd トークンです。行は、表示の都合上、折り返して記載されています。
<cmd><arge>WINDOWID=6823679</arge> <arge>COLORTERM=gnome-terminal</arge> <arge>...LANG=C</arge>...<arge>HOST=machine1</arge> <arge>LPDEST=printer1</arge>...</cmd>
exec_args トークンは、exec() システムコールへの引数を記録します。exec_args トークンには次の 2 つの固定長フィールドがあります。
exec_args トークンであることを特定するトークン ID
exec() システムコールに渡す引数の数を表すカウント
このトークンの残りの部分は、count 文字列からなっています。praudit -x コマンドでは、exec_args トークンのフィールドは次のように表示されます。
<exec_args><arg>/usr/bin/sh</arg><arg>/usr/bin/hostname</arg></exec_args>
注 - exec_args トークンは、argv 監査ポリシーオプションが有効なときにだけ出力されます。
exec_env トークンは、exec() システムコールの現在の環境変数を記録します。exec_env トークンには次の 2 つの固定長フィールドがあります。
exec_env トークンであることを特定するトークン ID
exec() システムコールに渡す引数の数を表すカウント
このトークンの残りの部分は、count 文字列からなっています。praudit -x コマンドでは、exec_env トークンのフィールドは次のように表示されます。行は、表示の都合上、折り返して記載されています。
<exec_env><env>_=/usr/bin/hostname</env> <env>DTXSERVERLOCATION=local</env><env>SESSIONTYPE=altDt</env> <env>LANG=C</env><env>SDT_NO_TOOLTALK=1</env><env>SDT_ALT_HELLO=/bin/true</env> <env>PATH=/usr/bin:/usr/openwin/bin:/usr/ucb</env> <env>OPENWINHOME=/usr/openwin</env><env>LOGNAME=jdoe</env><env>USER=jdoe</env> <env>DISPLAY=:0</env><env>SHELL=/bin/csh</env><env>START_SPECKEYSD=no</env> <env>SDT_ALT_SESSION=/usr/dt/config/Xsession2.jds</env><env>HOME=/home/jdoe</env> <env>SDT_NO_DTDBCACHE=1</env><env>PWD=/home/jdoe</env><env>TZ=US/Pacific</env> </exec_env>
注 - exec_env トークンは、argv 監査ポリシーオプションが有効なときにだけ出力されます。
exit トークンは、プログラムの終了ステータスを記録します。exit トークンには次のフィールドがあります。
exit トークンであることを特定するトークン ID
exit() システムコールに渡されるプログラムの終了ステータス
終了ステータスを記述するか、システムエラー番号を示す戻り値
praudit コマンドでは、exit トークンは次のように表示されます。
exit,Error 0,0
file トークンは、auditd デーモンによって生成される特殊なトークンです。このトークンは、古い監査ファイルが終了した時点で、新しい監査ファイルの開始と古い監査ファイルの終了をマークします。最初の file トークンは、監査証跡の前のファイルを特定します。最後の file トークンは、監査証跡の次のファイルを特定します。auditd デーモンは、このトークンを含む特殊な監査レコードを構築して、連続する監査ファイルを 1 つの監査トレールに「リンク」します。
praudit -x コマンドでは、file トークンのフィールドは次のように表示されます。このトークンは、監査証跡の次のファイルを特定します。行は、表示の都合上、折り返して記載されています。
<file iso8601="2009-04-08 14:18:26.200 -07:00"> /var/audit/machine1/files/20090408211826.not_terminated.machine1</file>
このトークンは、groups トークンに置き換えられています。「groups トークン」を参照してください。
groups トークンは group トークンを置き換えます。groups トークンは、プロセスの資格からグループエントリを記録します。
group トークンには次の 2 つの固定長フィールドがあります。
groups トークンであることを特定するトークン ID
この監査レコードに含まれるグループ数を表すカウント
このトークンの残りの部分は、count グループエントリからなっています。
praudit -x コマンドでは、groups トークンのフィールドは次のように表示されます。
<group><gid>staff</gid><gid>other</gid></group>
header トークンは、監査レコードの開始を示すという意味で、特殊なトークンです。trailer トークンとの組み合わせでレコード内のほかのすべてのトークンを囲む特殊なトークンです。
header トークンには次の 8 つのフィールドがあります。
header トークンであることを特定するトークン ID
この監査レコード全体の長さのバイト数。header トークンと trailer トークンを含みます
この監査レコード構造体のバージョンを特定するバージョン番号
このレコードが表す監査イベントを特定する監査イベント ID
監査イベントの特殊な特性を特定するイベント修飾子
fe は、失敗した監査イベントを示します
fp は、特権使用の失敗を示します
naは、ユーザーに起因しないイベントを示します
rd は、データがオブジェクトから読み取られたことを示します
sp は、特権使用の成功を示します
wr は、データがオブジェクトに書き込まれたことを示します
0x4000 PAD_NOTATTR nonattributable event 0x8000 PAD_FAILURE failed audit event
アドレスの種類。IPv4 または IPv6
マシンのアドレス
レコードの作成日時
64 ビットシステムでは、header トークンは、32 ビットタイムスタンプではなく 64 ビットタイムスタンプで表示されます。
praudit コマンドでは、header トークンは次のように表示されます。
header,69,2,su,,machine1,2009-04-08 13:11:58.209 -07:00
praudit -x コマンドでは、header トークンのフィールドは監査レコードの先頭に表示されます。行は、表示の都合上、折り返して記載されています。
<record version="2" event="su" host="machine1" iso8601="2009-04-08 13:11:58.209 -07:00">
ip_addr トークンには、インターネットプロトコルアドレスが含まれます。Solaris 8 リリースから、IPv4 形式、IPv6 形式のいずれかでインターネットアドレスを表示できるようになりました。IPv4 アドレスは 4 バイトを使用します。IPv6 アドレスは、1 バイトを使って種類を記述し、さらに 16 バイトを使ってアドレスを記述します。
in_addr トークンには次の 3 つのフィールドがあります。
in_addr トークンであることを特定するトークン ID
IP アドレスの種類。IPv4 または IPv6
IP アドレス
praudit -x コマンドでは、ip_addr トークンの内容は次のように表示されます。
<ip_address>machine1</ip_address>
ip トークンには、インターネットプロトコルのヘッダーのコピーが含まれます。ip トークンには次の 2 つのフィールドがあります。
ip トークンであることを特定するトークン ID
IP ヘッダーのコピー (全部で 20 バイト)
praudit コマンドでは、ip トークンは次のように表示されます。
ip address,0.0.0.0
IP ヘッダー構造は、/usr/include/netinet/ip.h ファイル内で定義されています。
ipc トークンには、呼び出し元が特定の IPC オブジェクトを識別するために使用する System V IPC メッセージハンドル、セマフォーハンドル、または共有メモリーハンドルが含まれています。
ipc トークンには次の 3 つのフィールドがあります。
ipc トークンであることを特定するトークン ID
IPC オブジェクトの形式を指定する形式フィールド
IPC オブジェクトを識別するハンドル
注 - IPC オブジェクト識別子は、コンテキストに依存しない Oracle Solaris 監査トークンの性質に準拠していません。IPC オブジェクトを一意に識別するグローバルな「名前」はありません。代わりに、IPC オブジェクトはハンドルで識別されます。これらのハンドルは、IPC オブジェクトの動作中にのみアクティブです。しかし IPC オブジェクトの識別は問題となりません。System V の IPC メカニズムはあまり使用されず、すべてのメカニズムが同じ監査クラスを共有するからです。
次の表は、IPC オブジェクトの形式フィールドに指定できる値の一覧です。値は /usr/include/bsm/audit.h ファイル内で定義されます。
表 31-7 IPC オブジェクトの形式フィールドの値
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praudit -x コマンドでは、ipc トークンのフィールドは次のように表示されます。
<IPC ipc-type="shm" ipc-id="15"/>
ipc_perm トークンには、System V IPC アクセス権のコピーが含まれています。このトークンは、IPC 共有メモリーイベント、IPC セマフォーイベント、および IPC メッセージイベントによって生成される監査レコードに追加されます。
ipc_perm トークンには次の 8 つのフィールドがあります。
ipc_perm トークンであることを特定するトークン ID
IPC 所有者のユーザー ID
IPC 所有者のグループ ID
IPC 作成者のユーザー ID
IPC 作成者のグループ ID
IPC のアクセスモード
IPC のシーケンス番号
IPC 鍵の値
praudit -x コマンドでは、ipc_perm トークンのフィールドは次のように表示されます。行は、表示の都合上、折り返して記載されています。
<IPC_perm uid="jdoe" gid="staff" creator-uid="jdoe" creator-gid="staff" mode="100600" seq="0" key="0x0"/>
値は、IPC オブジェクトに関連付けられた ipc_perm 構造から取り出されます。
iport トークンには、TCP または UDP ポートアドレスが含まれています。
iport トークンには次の 2 つのフィールドがあります。
iport トークンであることを特定するトークン ID
TCP または UDP ポートのアドレス
praudit コマンドでは、iport トークンは次のように表示されます。
ip port,0xf6d6
opaque トークンには、フォーマットされていないデータが一連のバイトとして含まれています。opaque トークンには次の 3 つのフィールドがあります。
opaque トークンであることを特定するトークン ID
このデータのバイト数
バイトデータ配列
praudit コマンドでは、opaque トークンは次のように表示されます。
opaque,12,0x4f5041515545204441544100
path トークンには、オブジェクトのアクセスパス情報が含まれています。
path トークンには次のフィールドがあります。
path トークンであることを特定するトークン ID
パスの長さ
システムの実ルートを基点としたオブジェクトへの絶対パス
praudit コマンドでは、path トークンは 2 番目のフィールドなしで、次のように表示されます。
path,/etc/security/audit_user
praudit -x コマンドでは、path トークンの内容は次のように表示されます。
<path>/etc/security/prof_attr</path>
次の図に path トークンの形式を示します。
図 31-4 path トークンの形式
path_attr トークンには、オブジェクトのアクセスパス情報が含まれています。アクセスパスは、path トークンオブジェクトの下の属性ファイルオブジェクトのシーケンスを指定します。openat() などのシステムコールは、属性ファイルにアクセスします。属性ファイルオブジェクトの詳細については、fsattr(5) のマニュアルページを参照してください。
path_attr トークンには次のフィールドがあります。
path_attr トークンであることを特定するトークン ID
属性ファイルパスのセクション数を表すカウント
count NULL で終わっている文字列
praudit コマンドでは、path_attr トークンは次のように表示されます。
path_attr,1,attr_file_name
privilege トークンは、プロセス上での特権の使用を記録します。privilege トークンは、基本セットの特権に対して記録されません。特権が管理者の処理により基本セットから削除された場合、その特権の使用は記録されます。特権の詳細は、「特権 (概要)」を参照してください。
privilege トークンには次のフィールドがあります。
privilege トークンであることを特定するトークン ID
次のフィールドの長さ
特権セットの名前
次のフィールドの長さ
特権の一覧
praudit -x コマンドでは、privilege トークンのフィールドは次のように表示されます。行は、表示の都合上、折り返して記載されています。
<privilege set-type="Effective">file_chown,file_dac_read, file_dac_write,net_privaddr,proc_exec,proc_fork,proc_setid</privilege>
process トークンには、シグナルの受信者など、プロセスに関連付けられたユーザーに関する情報が含まれています。
process トークンには次の 9 つのフィールドがあります。
process トークンであることを特定するトークン ID
監査 ID
実効ユーザー ID
実効グループ ID
実ユーザー ID
実グループ ID
プロセス ID
監査セッション ID
デバイス ID とマシンアドレスで構成される端末 ID
監査 ID、ユーザー ID、グループ ID、プロセス ID、セッション ID は、短い形式ではなく長い形式です。
注 - セッション ID、実ユーザー ID、または実グループ ID の processトークンのフィールドを使用できないことがあります。その場合、値は -1 に設定されます。
端末 ID を含むトークンには、いくつかの種類があります。praudit コマンドは、これらの違いを吸収します。このため、端末 ID を含むすべてのトークンで、端末 ID は同じ方法で処理されます。端末 ID は、IP アドレスとポート番号の組み合わせか、デバイス ID です。モデムに接続されたシリアルポートなどのデバイス ID は、0 である可能性があります。端末 ID には、次の書式があります。
デバイス番号の場合、端末 ID は次のようになります。
「32 ビットアプリケーション」 – 4 バイトのデバイス番号、4 バイトは未使用
「64 ビットアプリケーション」 – 8 バイトのデバイス番号、4 バイトは未使用
Solaris 8 よりも前のリリースのポート番号の場合、端末 ID は次のようになります。
「32 ビットアプリケーション」 – 4 バイトのポート番号、4 バイトの IP アドレス
「64 ビットアプリケーション」 – 8 バイトのポート番号、4 バイトの IP アドレス
Solaris 8 以降のリリースのポート番号の場合、端末 ID は次のようになります。
「32 ビット IPv4」 – 4 バイトのポート番号、4 バイトの IP タイプ、4 バイトの IP アドレス
「32 ビット IPv6」 – 4 バイトのポート番号、4 バイトの IP タイプ、16 バイトの IP アドレス
「64 ビット IPv4」 – 8 バイトのポート番号、4 バイトの IP タイプ、4 バイトの IP アドレス
「64 ビット IPv6」 – 8 バイトのポート番号、4 バイトの IP タイプ、16 バイトの IP アドレス
praudit -x コマンドでは、process トークンのフィールドは次のように表示されます。行は、表示の都合上、折り返して記載されています。
<process audit-uid="-2" uid="root" gid="root" ruid="root" rgid="root" pid="9" sid="0" tid="0 0 0.0.0.0"/>
次の図に process トークンの形式を示します。
図 31-5 process トークンの形式
return トークンには、システムコールの戻りステータス (u_error) とプロセスの戻り値 (u_rval1) が含まれています。
return トークンには次の 3 つのフィールドがあります。
return トークンであることを特定するトークン ID
システムコールのエラーステータス
システムコールの戻り値
return トークンは、必ずシステムコールに関してカーネルによって生成される監査レコードの一部として返されます。アプリケーションの監査中、このトークンは終了ステータスとその他の戻り値を返します。
praudit では、システムコールの return トークンは次のように表示されます。
return,failure: Operation now in progress,-1
praudit -x コマンドでは、return トークンのフィールドは次のように表示されます。
<return errval="failure: Operation now in progress" retval="-1/">
sequence トークンには、シーケンス番号が含まれています。シーケンス番号は、監査レコードが監査トレールに組み込まれるたびに 1 ずつ増分します。このトークンはデバッグに使用されます。
sequence トークンには次の 2 つのフィールドがあります。
sequence トークンであることを特定するトークン ID
シーケンス番号が含まれる 32 ビットの符号なし長形式フィールド
praudit コマンドでは、sequence トークンのフィールドは次のように表示されます。
sequence,1292
praudit -x コマンドでは、sequence トークンの内容は次のように表示されます。
<sequence seq-num="1292"/>
注 - sequence トークンは、seq 監査ポリシーがアクティブなときにだけ出力されます。
socket トークンには、インターネットソケットを記述する情報が含まれています。いくつかのインスタンスで、トークンには次の 4 つのフィールドがあります。
socket トークンであることを特定するトークン ID
参照するソケットの型 (TCP、UDP、UNIX) を示すソケット形式フィールド
ローカルポート
ローカル IP アドレス
praudit コマンドでは、socket トークンのインスタンスは次のように表示されます。
socket,0x0002,0x83b1,localhost
ほとんどのインスタンスで、トークンには次の 8 つのフィールドがあります。
socket トークンであることを特定するトークン ID
ソケットドメイン
参照するソケットの型 (TCP、UDP、UNIX) を示すソケット形式フィールド
ローカルポート
アドレスの種類。IPv4 または IPv6
ローカル IP アドレス
リモートポート
リモート IP アドレス
Solaris 8 リリースから、IPv4 形式、IPv6 形式のいずれかでインターネットアドレスを表示できるようになりました。IPv4 アドレスは 4 バイトを使用します。IPv6 アドレスは、1 バイトを使って種類を記述し、さらに 16 バイトを使ってアドレスを記述します。
praudit コマンドでは、socket トークンは次のように表示されます。
socket,0x0002,0x0002,0x83cf,example1,0x2383,server1.Subdomain.Domain.COM
praudit -x コマンドでは、socket トークンのフィールドは次のように表示されます。行は、表示の都合上、折り返して記載されています。
<socket sock_domain="0x0002" sock_type="0x0002" lport="0x83cf" laddr="example1" fport="0x2383" faddr="server1.Subdomain.Domain.COM"/>
subject トークンは、ある操作を実行するユーザーまたは実行を試みるユーザーを記述します。形式は process トークンと同じです。
subject トークンには次の 9 つのフィールドがあります。
subject トークンであることを特定するトークン ID
監査 ID
実効ユーザー ID
実効グループ ID
実ユーザー ID
実グループ ID
プロセス ID
監査セッション ID
デバイス ID とマシンの IP アドレスで構成される端末 ID
監査 ID、ユーザー ID、グループ ID、プロセス ID、セッション ID は、短い形式ではなく長い形式です。
注 - セッション ID、実ユーザー ID、または実グループ ID の subject トークンのフィールドを使用できないことがあります。その場合、値は -1 に設定されます。
端末 ID を含むトークンには、いくつかの種類があります。praudit コマンドは、これらの違いを吸収します。このため、端末 ID を含むすべてのトークンで、端末 ID は同じ方法で処理されます。端末 ID は、IP アドレスとポート番号の組み合わせか、デバイス ID です。モデムに接続されたシリアルポートなどのデバイス ID は、0 である可能性があります。端末 ID には、次の書式があります。
デバイス番号の場合、端末 ID は次のようになります。
「32 ビットアプリケーション」 – 4 バイトのデバイス番号、4 バイトは未使用
「64 ビットアプリケーション」 – 8 バイトのデバイス番号、4 バイトは未使用
Solaris 8 よりも前のリリースのポート番号の場合、端末 ID は次のようになります。
「32 ビットアプリケーション」 – 4 バイトのポート番号、4 バイトの IP アドレス
「64 ビットアプリケーション」 – 8 バイトのポート番号、4 バイトの IP アドレス
Solaris 8 以降のリリースのポート番号の場合、端末 ID は次のようになります。
「32 ビット IPv4」 – 4 バイトのポート番号、4 バイトの IP タイプ、4 バイトの IP アドレス
「32 ビット IPv6」 – 4 バイトのポート番号、4 バイトの IP タイプ、16 バイトの IP アドレス
「64 ビット IPv4」 – 8 バイトのポート番号、4 バイトの IP タイプ、4 バイトの IP アドレス
「64 ビット IPv6」 – 8 バイトのポート番号、4 バイトの IP タイプ、16 バイトの IP アドレス
subjectトークンは、必ずシステムコールに関してカーネルによって生成される監査レコードの一部として返されます。praudit コマンドでは、subject トークンは次のように表示されます。
subject,jdoe,root,root,root,root,1631,1421584480,8243 65558 machine1
praudit -x コマンドでは、subject トークンのフィールドは次のように表示されます。行は、表示の都合上、折り返して記載されています。
<subject audit-uid="jdoe" uid="root" gid="root" ruid="root" rgid="root" pid="1631" sid="1421584480" tid="8243 65558 machine1"/>
次の図に subject トークンの形式を示します。
図 31-6 subject トークンの形式
text トークンには、テキスト文字列が含まれています。
text トークンには次の 3 つのフィールドがあります。
text トークンであることを特定するトークン ID
テキスト文字列の長さ
テキスト文字列
praudit -x コマンドでは、text トークンの内容は次のように表示されます。
<text>booting kernel</text>
header と trailer の2 つのトークンは、監査レコードの終端を区別し、ほかのすべてのトークンを囲むという意味で、特殊なトークンです。header トークンは監査レコードを開始します。trailer トークンは監査レコードを終了します。trailer トークンはオプションです。trailer トークンは、trail 監査ポリシーオプションが設定されているときにだけ、各レコードの最後のトークンとして追加されます。
trailer トークンを含む監査レコードが生成された場合、 auditreduce コマンドは、 trailer がレコードの header を正しくポイントしているかどうかを検証します。また、trailer トークンを使用すると監査トレールを逆方向に検索できます。
trailer トークンには次の 3 つのフィールドがあります。
trailer トークンであることを特定するトークン ID
レコードの終了を示すパッド番号
header トークンと trailerトークンを含む監査レコードの合計文字数
praudit コマンドでは、trailer トークンが次のように表示されます。
trailer,136
uauth トークンは、コマンドまたはアクションでの承認の使用を記録します。
uauth トークンには次のフィールドがあります。
uauth トークンであることを特定するトークン ID
次のフィールドのテキストの長さ
承認の一覧
praudit コマンドでは、uauth トークンは次のように表示されます。
use of authorization,solaris.admin.printer.delete
upriv トークンは、コマンドまたはアクションでの特権の使用を記録します。
praudit -x コマンドでは、upriv トークンのフィールドは次のように表示されます。
<use_of_privilege result="successful use of priv">proc_setid</use_of_privilege>
zonename トークンは、監査イベントが発生したゾーンを記録します。文字列「global」は、大域ゾーンで発生した監査イベントを示します。
zonename トークンには次のフィールドがあります。
zonename トークンであることを特定するトークン ID
次のフィールドのテキストの長さ
ゾーンの名前
praudit -x コマンドでは、zonename トークンの内容は次のように表示されます。
<zone name="graphzone"/>