ディスク移動の問題からの回復

このセクションでは、Solaris Volume Manager 環境でディスクを移動させたあとで発生する予想外の問題から回復する方法について説明します。

ディスク移動とデバイス ID の概要

Solaris Volume Manager では、特定のディスクと対応づけられたデバイス ID を使用して、Solaris Volume Manager 構成で使用されているあらゆるディスクを追跡します。ディスクを別のコントローラに移した場合、または SCSI ターゲット番号が変更された場合、通常は Solaris Volume Manager が移動を正しく認識して、関連するすべての Solaris Volume Manager レコードを相応に更新します。システム管理者の介入は不要です。まれに、Solaris Volume Manager がレコードを完全に更新できず、ブート時にエラーが報告されることがあります。

名前のないデバイスに関するエラーメッセージの解決

新しいハードウェアを追加したり、ハードウェアを移動させると (あるコントローラから別のコントローラに一連のディスクを移動させた場合など)、Solaris Volume Manager が、移動されたディスクに対応するデバイス ID を調べ、内部 Solaris Volume Manager レコードの cnt ndn 名を適切に更新します。レコードを更新できなかった場合は、svc:/system/mdmonitor サービスによって生成されたブートプロセスがブート時にコンソールに対してエラーを報告します。

Unable to resolve unnamed devices for volume management.
Please refer to the Solaris Volume Manager documentation,
Troubleshooting section, at http://docs.sun.com or from
your local copy.

この問題によってデータが消失したわけでも、特に何かが起きるわけでもありません。このエラーメッセージは、Solaris Volume Manager の名前レコードが部分的にしか更新されなかったことを意味します。metastat コマンドの出力に、前に使用されていた cn tndn 名の一部が示されます。この出力には、移動後の状態が反映された cn tndn 名の一部も示されます。

この条件下で Solaris Volume Manager 構成の更新が必要になった場合は、meta* コマンドを実行する際に、必ず metastat コマンドで報告された c ntnd n 名を使用してください。

このエラー条件が発生した場合、次のいずれかを実行して条件を解消できます。

• すべてのディスクを元の場所に戻します。次に、再構成リブートを実行するか、(単一コマンドとして) 次のコマンドを実行します。

  /usr/sbin/devfsadm && /usr/sbin/metadevadm -r

  これらのコマンドが完了すると、エラー条件が解消されます。

• サポート担当者に連絡して指示を受けます。

  ---

  注 - このエラー条件はめったに発生しません。万一発生した場合は、高い確率で、ファイバチャネルに接続されたストレージが影響を受けます。

  ---