ナビゲーションリンクをスキップ | |
印刷ビューの終了 | |
![]() |
Oracle Solaris の管理: デバイスとファイルシステム Oracle Solaris 10 1/13 Information Library (日本語) |
6. InfiniBand デバイスの使用 (概要/タスク)
12. Oracle Solaris iSCSI ターゲットの構成 (タスク)
Solaris iSCSI のソフトウェア要件およびハードウェア要件の識別
iSCSI ベースのストレージネットワークにおける認証の構成
他社製の RADIUS サーバーを使用して iSCSI 構成内の CHAP 管理を単純化する
Solaris iSCSI と RADIUS サーバーに関するエラーメッセージ
iSCSI イニシエータと iSCSI ターゲットのパラメータの変更
iSCSI イニシエータと iSCSI ターゲットのパラメータを変更する方法
iSCSI の接続に関する問題のトラブルシューティングを行う方法
ローカルシステム上で iSCSI デバイスまたは iSCSI ディスクが利用できない
iSCSI デバイスまたは iSCSI ディスクが利用できない問題のトラブルシューティングを行う方法
19. UFS ファイルシステムのバックアップと復元 (概要/タスク)
ここでは、Solaris iSCSI ターゲットデバイスの構成に関連する一般的なタスクのリストを示します。一部のタスクはネットワーク構成の必要に応じたオプションです。下の一部のリンクは、ネットワーク構成とイニシエータの構成について説明する個別のドキュメントに移動します。
iSCSI ターゲットおよびイニシエータを構成する前に、次の用語を確認してください。
|
デバイス発見を実行するために、動的デバイス発見方式のいずれかを構成するか、または静的 iSCSI イニシエータターゲットを使用するかを決定します。
動的デバイス発見 – ファイバチャネルブリッジへの iSCSI などのように、iSCSI ノードが多数のターゲットを公開している場合、その iSCSI ノードに IP アドレスとポートの組み合わせを提供すると、その iSCSI イニシエータは SendTargets 機能を使ってデバイス発見を実行できるようになります。
次の 2 つの動的デバイス発見方式を使用できます。
SendTargets - ファイバチャネルブリッジへの iSCSI などのように、iSCSI ノードが多数のターゲットを公開している場合、その iSCSI ノードに IP アドレスとポートの組み合わせを提供すると、その iSCSI イニシエータは SendTargets 機能を使ってデバイス発見を実行できるようになります。
iSNS - iSNS (Internet Storage Name Service) を使用すると、できる限り少ない構成情報で、iSCSI イニシエータがアクセス権を持つターゲットを発見できます。また、ストレージノードの動作状態が変更されたときに iSCSI イニシエータに通知する状態変更通知機能もあります。iSNS 発見方式を使用するために、iSNS サーバーのアドレスとポートの組み合わせを指定して、デバイス発見を実行するために指定した iSNS サーバーを iSCSI イニシエータで照会できるようにすることができます。iSNS サーバーのデフォルトポートは 3205 です。 iSNS の詳細については、RFC 4171 を参照してください。
http://www.ietf.org/rfc/rfc4171.txt
iSNS 発見サービスは、ネットワーク内のすべてのターゲットを発見するための管理モデルを提供します。
静的デバイス発見 – iSCSI ノードのターゲットが少数である場合や、イニシエータのアクセス対象となるターゲットを制限する場合には、次の静的ターゲットアドレス命名規則を使用して、target-name を静的に構成できます。
target,target-address[: port-number]
また、アレイの管理ツールから静的ターゲットアドレスを決定できます。
注 - 単一の iSCSI ターゲットが静的デバイス発見方式と動的デバイス発見方式の両方によって発見されるように構成しないでください。発見方式を重複して使用すると、イニシエータが iSCSI ターゲットデバイスと通信するときのパフォーマンスが低下する可能性があります。
iscsitadm コマンドを使って、Solaris iSCSI ターゲットデバイスを設定および管理できます。Solaris iSCSI ターゲットデバイスは、ディスクまたはテープデバイスです。iSCSI ターゲットとして選択したデバイスでは、iSCSI デーモン用のバッキングストアとして、同サイズの ZFS または UFS ファイルシステムを提供する必要があります。
ZFS を使用した Solaris iSCSI ターゲットデバイスの設定については、『Oracle Solaris ZFS 管理ガイド』の「ZFS ボリュームを Solaris iSCSI ターゲットとして使用する」を参照してください。
ターゲットデバイスの設定後に、iscsiadm コマンドを使って iSCSI ターゲットを識別します。これにより、iSCSI ターゲットデバイスが検出および使用されます。
詳細は、iscsitadm(1M) および iscsiadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
基本的な操作を次に示します。
バッキングストアディレクトリの識別 – iSCSI デーモンは、作成されたターゲットおよび論理ユニットごとに情報を格納する必要があります。デフォルトでは、このデバイス用のバッキングストアはベースディレクトリ内にも配置されます。このため、ホストシステムが使用する ZFS プールが大規模なものである場合、もっとも簡単な方法は、その場所にあるすべてをデーモンで格納できるように許可することです。バッキングストアを分散する必要がある場合は、各論理ユニットを作成するときにバッキングストアの場所を指定できます。
iSCSI ターゲットの作成 – CLI はデフォルトで、要求されたデバイスの種類が論理ユニット 0 の LBA であるとみなします。文字型デバイスのためにパススルーモードが必要な場合には、-raw オプションを使用する必要があります。最初の LUN を作成したあとで、-lun number を指定して、同じ iSCSI ターゲットのほかの LUN を作成できます。
デーモンによりバックグラウンドタスクが開始され、LUN がゼロに初期化されます。初期化中に基盤となるファイルシステムの使用率が 100 パーセントになった場合、デーモンによりターゲットが削除されます。この初期化中、LUN はオフラインとしてマーク付けされるため、イニシエータから使用することはできません。ただしこのとき、イニシエータからこの LUN を発見することはできます。 待機中の Solaris イニシエータは、Inventory Change 通知を受信するとデバイスを自動的にオンラインにします。
この手順では、iSCSI ターゲットのあるローカルシステムにユーザーがログインしているものとします。
target# zpool create sanpool mirror c1t2d0 c1t3d0 target# zfs create sanpool/vol1
例:
target# iscsitadm modify admin -d /sanpool/vol1
例:
target# iscsitadm create target --size 2g sanpool
例:
target# iscsitadm list target -v sanpool
詳細は、「iSCSI ターゲット発見を構成する方法」を参照してください。
この手順では、ユーザーが現在ログインしているローカルシステムから iSCSI ターゲットデバイスへのアクセスを構成するものとします。
デバイスが動的に発見されるように構成します (SendTargets)。
例:
initiator# iscsiadm add discovery-address 10.0.0.1:3260
デバイスが動的に発見されるように構成します (iSNS)。
例:
initiator# iscsiadm add iSNS-server 10.0.0.1:3205
例:
initiator# iscsiadm add static-config eui.5000ABCD78945E2B,10.0.0.1
発見方式が有効化されるまで iSCSI 接続は起動されません。次の手順を参照してください。
動的に発見される (SendTargets) デバイスを構成した場合は、 SendTargets 発見方式を有効にします。
initiator# iscsiadm modify discovery --sendtargets enable
動的に発見される (iSNS) デバイスを構成した場合は、 iSNS 発見方式を有効にします。
initiator# iscsiadm modify discovery --iSNS enable
静的ターゲットを構成した場合は、静的ターゲット発見方式を有効にします。
initiator# iscsiadm modify discovery --static enable
initiator# devfsadm -i iscsi
ネットワークに他社製の iSNS サーバーまたは Sun iSNS サーバーが含まれている場合は、Solaris iSCSI ターゲットの iSNS 発見を設定できます。
この手順では、ユーザーが現在ログインしているローカルシステムから構成済みの iSCSI ターゲットデバイスにアクセスするものとします。
例:
initiator# iscsitadm modify admin --isns-server ip-address or hostname[:port]
ネットワーク内の iSNS サーバーの ip-address を特定します。
この手順により、iSNS サーバーの情報がすべての Solaris iSCSI ターゲットに追加されます。
例:
initiator# iscsitadm modify admin --isns-access enable
この手順により、すべての Solaris iSCSI ターゲットで iSNS 発見が有効になります。
リブート時に iSCSI ディスクにアクセスするには、ディスク上にファイルシステムを作成し、SCSI デバイス上の UFS ファイルシステムの場合と同じ方法で、/etc/vfstab エントリを追加します。次に、iSCSI イニシエータサービスに依存する、iSCSI ディスクをマウントするための新しい SMF サービスを作成します。詳細は、「リブート時に iSCSI ディスクにアクセスする方法」を参照してください。
Solaris iSCSI イニシエータによってデバイスが発見されると、ログインネゴシエーションが自動的に発生します。Solaris iSCSI ドライバは、利用可能な LUN の個数を判断し、デバイスノードを作成します。この時点で、iSCSI デバイスをほかのすべての SCSI デバイスと同様に扱えます。
ローカルシステム上で iSCSI ディスクを表示するには、format ユーティリティーを使用します。
次の format の出力で、ディスク 2 および 3 は MPxIO の制御下にない iSCSI LUN です。ディスク 21 および 22 は MPxIO の制御下にある iSCSI LUN です。
initiator# format AVAILABLE DISK SELECTIONS: 0. c0t1d0 <SUN72G cyl 14087 alt 2 hd 24 sec 424> /pci@8,600000/SUNW,qlc@4/fp@0,0/ssd@w500000e010685cf1,0 1. c0t2d0 <SUN72G cyl 14087 alt 2 hd 24 sec 424> /pci@8,600000/SUNW,qlc@4/fp@0,0/ssd@w500000e0106e3ba1,0 2. c3t0d0 <ABCSTORAGE-100E-00-2.2 cyl 20813 alt 2 hd 16 sec 63> /iscsi/disk@0000iqn.2001-05.com.abcstorage%3A6-8a0900-477d70401- b0fff044352423a2-hostname-020000,0 3. c3t1d0 <ABCSTORAGE-100E-00-2.2 cyl 20813 alt 2 hd 16 sec 63> /iscsi/disk@0000iqn.2001-05.com.abcstorage%3A6-8a0900-3fcd70401 -085ff04434f423a2-hostname-010000,0 . . . 21. c4t60A98000686F694B2F59775733426B77d0 <ABCSTORAGE-LUN-0.2 cyl 4606 alt 2 hd 16 sec 256> /scsi_vhci/ssd@g60a98000686f694b2f59775733426b77 22. c4t60A98000686F694B2F59775733434C41d0 <ABCSTORAGE-LUN-0.2 cyl 4606 alt 2 hd 16 sec 256> /scsi_vhci/ssd@g60a98000686f694b2f59775733434c41
システムのリブート後に iSCSI ディスクにアクセスするには、次の手順に従います。
initiator# vi /etc/vfstab #device device mount FS fsck mount mount #to mount to fsck point type pass at boot options # /dev/dsk/c3t600144F04B555F370000093D00495B00d0s0 - /mnt ufs - no -
発見アドレス、iSNS サーバー、または静的構成を削除するか、あるいは発見方式を無効にしたあとで、関連付けられたターゲットがログアウトします。たとえば、これらの関連付けられたターゲットが引き続き使用され、ファイルシステムがマウントされている場合は、これらのデバイスのログアウトが失敗し、アクティブターゲットリスト上に残ります。
この省略可能な手順では、ユーザーが現在ログインしているローカルシステム上で、iSCSI ターゲットデバイスへのアクセスがすでに構成されているものとします。
iSCSI SendTargets 発見エントリを削除します。
例:
initiator# iscsiadm remove discovery-address 10.0.0.1:3260
iSCSI iSNS 発見エントリを削除します。
例:
# iscsiadm remove isns-server 10.0.0.1:3205
例:
initiator# iscsiadm remove static-config eui.5000ABCD78945E2B,10.0.0.1
注 - 使用中の論理ユニットが関連付けられた発見エントリを無効化または削除しようとすると、次のメッセージが表示され、無効化または削除が失敗します。
logical unit in use
このエラーが発生した場合は、論理ユニット上の関連付けられたすべての入出力を停止し、ファイルシステムのマウント解除などを行います。そのあとで無効化または削除の操作を再び実行します。
論理ユニット番号 (LUN) を指定して、ターゲットを削除します。ターゲットの作成時に LUN を指定しなかった場合、値 0 が使用されます。ターゲットに複数の LUN が関連付けられている場合は、LUN 0 を最後に削除する必要があります。
例:
initiator# iscsitadm delete target --lun 0 sandbox