ExaLogsユーザーズ・ガイド
リリース1.3
E61474-02(原本部品番号:E50008-03)
2015年10月
このドキュメントでは、Oracle Exalogic Elastic Cloudマシンからログ、診断および構成情報を収集するツールであるExaLogsを使用する方法を説明します。
このドキュメントの内容は、次のとおりです。
この項の内容は次のとおりです。
ExaLogsに精通していてすぐに使用する場合は、直接第1.4項「ExaLogsタスク・フローの概要」に移動してください。
ExaLogsは、Exalogic物理または仮想構成の次のコンポーネントからログ、診断、環境/構成情報および他の情報を収集するコマンド行ツールです。
計算ノード(仮想構成の場合はDom0)
次のサービスをホストするExalogic Control vServer(仮想構成のみに関連します):
Oracle Database
Oracle VM Manager
Enterprise Manager Ops Centerエンタープライズ・コントローラ
Enterprise Manager Ops Centerプロキシ・コントローラ
Oracle Virtual Assembly Builder (OVAB) Deployer
ZFSストレージ・アプライアンス
インフィニバンド・スイッチ
ゲストvServer(仮想構成のみに関連します)
ExaLogsを使用して、ラック全体または個別のコンポーネントからエビデンスを収集できます。
ExaLogsにサポートされるEECSリリースのリストは、My Oracle SupportドキュメントID 1912063.1を参照してください。
注意: EECS 2.0.6.0.0にアップグレードしたExalogicマシンに対してExaLogsを実行する前に、ECUコンバータを実行して、ECU構成ファイルをマシンの現在の構成と同期する必要があります。ECUコンバータは、ExaPatchに含まれるツールです。ECUコンバータの詳細は、ExaPatchユーザーズ・ガイドを参照してください。 |
ExaLogicライフサイクル(ELLC)・ツールキットをインストールすると、ExaLogsが自動的にインストールされます。ELLCのインストール手順は、My Oracle SupportドキュメントID 1912063.1を参照してください。
ExaLogsツールは、ELLCツールキットをインストールした計算ノードの/exalogic-lctools/bin
ディレクトリで取得できます。
この項では、ExaLogsを使用するために実行する必要があるタスクの高度なフローを説明します。ExaLogsがExalogicマシンのコンポーネントから診断データを収集する方法の詳細は、第1.5項「ExaLogsの仕組みの理解」を参照してください。
第2.2項「ExalogicコンポーネントにアクセスするためにExaLogsの資格証明を指定」で説明されているように、ExaLogsがExalogicマシンのコンポーネントに接続するために使用する必要があるアクセス資格証明を指定します。
ExaLogsの実行中に、Exalogicマシンの事前に検出したコンポーネント(ターゲット)に関して情報をExaLogsに提供する場合、第2.1項「Exalogicラックのコンポーネントの検出」で説明されている手順を実行します。
また、直接ExaLogsコマンドで個別にターゲットのIPアドレスを指定できます。
第3項「ExaLogsの使用」で説明されているように、ExaLogsを実行します。
次の場所からExaLogsを実行できます。
物理環境のExalogicラックの場合: Exalogicライフサイクル・ツールキットのインストール時にExaLogsを含むZFS共有がマウントされた計算ノード。
仮想環境のExalogicラックの場合: Exalogicライフサイクル・ツールキットのインストール時にExaLogsを含むZFS共有がマウントされた計算ノード(dom0)。
エンタープライズ・コントローラをホストするvServerのZFS共有(ExaLogsがインストールされている)をマウントして、そこからExaLogsを実行することもできます。
前にリストされている場所からExaLogsを実行する場合、次を実行します。
ローカル・ホスト(つまり、ExaLogsを起動するホスト)に診断バンドルを格納する十分な領域があるかどうかを確認します。
ローカル・ホストにディレクトリ構造を作成して、診断ファイルを格納します。
ターゲットExalogicコンポーネントごとに、次を実行します。
ユーザーが指定したIPアドレスまたは検出された IPアドレス(検出の詳細は、第2.1項「Exalogicラックのコンポーネントの検出」を参照)を使用して、コンポーネントのIPアドレスを確認します。
コンポーネントを実行しているかどうかを確認します。
コンポーネントにログインします。
ExaLogsがデータを収集するコンポーネントのステージング・ディレクトリ/tmp/exalogs-
date_stamp
-hosttype_
hostaddress
を作成します。
- date_stamp
はyymmdd_hhmm.ss_UTC
形式です。
- hosttype
はExaLogsがデータを収集するホストのタイプです。
- hostaddress
はコンポーネントのホスト名またはIPアドレスです。
例: /tmp/exalogs-131210_1248.46_UTC-192.168.10.1
/tmp/exalogs-
date_stamp
-
platform_host
の下に診断ディレクトリを作成します。
コンポーネントのデータを収集する一連の操作を実行し、データを/tmp/exalogs-
date_stamp
-
hosttype_hostaddress
に格納します。
コンポーネントの/tmp/exalogs-
date_stamp
-
hosttype_hostaddress
のtarballを生成します。
tarballをローカル・ホストにダウンロードし、tarballを抽出し、一時的なtarballを削除します。
全体の診断バンドルを生成します。
各コンポーネント・タイプのミニ・バンドルを生成します。
リモート・モードのExaLogsの実行
リモート・ノードで、ExaLogsはexalogs.sh
スクリプトをExaLogicラックの各ターゲットにコピーし、exalogs.sh
スクリプトがコンポーネントのデータを収集するために各ターゲット・コンポーネント内で実行されます。
注意: リモート・モードは、オラクル社のフィールドおよびサポート担当者のみ使用します。 |
リモート・モードは次のシナリオで役立ちます。
1つ以上のラックに対して中央でExaLogsを実行する場合。
ExaLogsを実行している計算ノードがラックのすべてのコンポーネントにアクセスできない場合。
ExaLogsの実行後にExaLogs rawデータが残らないことを確認する場合。
リモート実行モードで、ExaLogsは次を実行します。
ローカルおよびリモート・ホストに診断バンドルを格納する十分な領域があるかどうかを確認します。
ローカル・ホスト(つまり、ExaLogsを起動する計算ノード)のディレクトリ構造を作成します。
リモート・ホストを実行しているかどうかを確認します。
リモート・ホストにディレクトリを作成し、exalogs.sh
をそのディレクトリにコピーします。
リモート・ホストがパスワードを要求する場合、ExaLogsは次を実行します。
パスワードが指定される場合(--rexecpw
password
オプションを使用)、ExaLogsは指定されたパスワードを使用してログインを試行します。
それ以外の場合、ExaLogsはデフォルト(工場出荷時)のパスワードを使用してログインを試行します。
前述のすべてが失敗した場合、ExaLogsはユーザーにパスワードを要求します。
すべての関連するコマンド行引数を使用してexalogs.sh
のリモート・コピーを実行します。
ローカル・モードで前に示したタスクを実行します。
リモート・ホストから診断バンドルをダウンロードします。
リモート・ホストから診断バンドルおよびexalogs.sh
スクリプトを削除します。
この項の内容は次のとおりです。
ExaLogsを実行する場合、エビデンスを収集するターゲットのIPアドレスを指定できます。また、実行するたびにExalogicラックのすべてのコンポーネントを検出し、検出されたデータ(XMLファイル内)をExaLogsに渡すことができます。検出は1回かぎりの操作なので注意してください。ハードウェア・アップグレード後、EECSリリース・アップグレード後および健全性チェックを除いて、検出の再実行は必要ありません。
注意: 以前のリリースのExaLogsから生成された検出XMLファイルを使用しないでください。現在のリリースのExaLogsを使用して、Exalogicマシンの検出ファイルを新しく生成します。 |
この項では、Exalogicマシンのコンポーネントの検出方法を説明します。この項の内容は次のとおりです。
ExaLogs検出ツールは、ELLCツールキットをインストールした計算ノードの/exalogic-lctools/bin
ディレクトリで取得できます。
ツールの一般的な構文は次のとおりです。
exalogs_discovery --access FILE|CRED[,...] --discover-from SOURCE[,...] --discover-save FILE --discover-query
--discover-from
オプションは、Exalogicマシンのコンポーネントを検出する必要があるソースを指定します。
Exalogicマシンの現在の構成を現在反映しているECU構成ファイルがある場合、--discover-from
ecu
を指定して検出ソースとしてそれらの構成ファイルを使用することをお薦めします。ツールは、--access
オプションで指定された計算ノードのECU構成ファイルを検索します。Exalogic物理環境で、ツールは/var/exalogic/one-command/config
ディレクトリを参照します。Exalogic仮想環境で、ツールは/var/tmp/exalogic/ecu
ディレクトリを参照します。
Exalogicマシンの現在の構成を現在反映しているECU構成ファイルがない場合、--discover-from
fabric
を指定できます。ただし、fabric
ソースを使用すると次のコンポーネントが検出されないので注意してください: Oracle VM Manager、エンタープライズ・コントローラ、プロキシ・コントローラおよびExalogic Controlのデータベース・コンポーネント、ゲートウェイ・スイッチ、Ciscoスイッチ、PDU、ストレージノードILOM。
注意: 使用される検出ソースに関係なく、検出されたデータを調査し、正しく完全であることを確認します。 |
--access
オプションは、--discover-from
オプションで指定されたソースにアクセスするために使用する必要がある資格証明を指定します。
プレーン・テキスト・ファイル(access.txt
など)に行ごとに1つの資格証明文字列でアクセス資格証明を格納し、次の例のように--access
オプションの値としてファイルの名前を指定できます。
--access access.txt
また、次の例のようにカンマ区切りリストでコマンド行から直接アクセス資格証明を指定できます。
--access root:CN1:elcn01.example.com:::,root:CN01:192.168.20.1:::,root:EC01:10.162.50.123:::
詳細は、第2.1.2項「ExaLogs検出のアクセス資格証明の指定」を参照してください。
--discover-save
オプションは、ExaLogs検出コマンドの出力を保存する必要があるXMLファイルのフル・パスおよび名前を指定します。
--access
オプションでは、資格証明文字列のカンマ区切りリストまたは資格証明文字列を含むプレーン・テキスト・ファイルのフル・パスおよび名前を指定できます。
各資格証明文字列は、次の形式である必要があります。
user:host_identifier:host:ip:password_file:private_key_file
表1に、資格証明文字列のフィールドを示します。資格証明文字列の無効な値は無視されるので注意してください。
表1 ExaLogs検出のアクセス資格証明文字列のフィールド
フィールド | 説明 |
---|---|
|
資格証明文字列で指定されたコンポーネントにアクセスするために使用する必要があるユーザーを指定します。 注意: STIGで強化されたExalogicラックの場合、次の例に示されているように、
# sh ./exalogs_discovery --access exalogic:CN1:COMPUTENODE::: --discover-from ecu --discover-query --discover-save myrack.xml
この例では、アクセス資格証明 |
|
コンポーネント・タイプを指定し、オプションで特定のホストを示す数値の索引で接尾辞を付けます。
例: 最初の計算ノードの場合、資格証明文字列のホスト識別子は |
|
コンポーネントのホスト名またはIPアドレスを指定します。 |
|
このフィールドは非推奨です。空のままにしてください。 |
|
コンポーネントのプレーンテキスト・パスワードおよびユーザー(オプション)を含むファイルのフル・パスおよび名前を指定します。ユーザーが指定されない場合、ExaLogsはパスワードが デフォルトでは、対話モードが有効です。パスワード・ファイルが検出中に見つからない場合、パスワード・プロンプトが表示されます。 |
|
ターゲット・コンポーネントに対するパスワードなしのSSHが有効である場合、SSH秘密鍵を含むファイルのフル・パスおよび名前を指定します。 注意: このフィールドは、ExaLogs検出コマンドにのみ関連します。ExaLogsツールで |
表1に示されているフィールドを使用して作成される資格証明文字列の例は次のとおりです。
資格証明文字列の例 | 説明 |
---|---|
root:CN1:elcn01.example.com::: |
デフォルト・パスワードを使用してroot ユーザーとして最初の計算ノード(ホスト名elcn01.example.com を使用)にアクセスします。 |
root:CN01:192.168.20.1::: |
デフォルト・パスワードを使用してroot ユーザーとして最初の計算ノード(IPアドレス192.168.20.1 を使用)にアクセスします。 |
root:EC01:10.162.50.123::: |
デフォルト・パスワードを使用してroot ユーザーとしてエンタープライズ・コントローラvServer(IPアドレス10.162.50.123 を使用)にアクセスします。 |
:COMPUTENODE:::/tmp/pwd.txt: |
/tmp/pwd.txt で指定されたパスワードを使用して、デフォルト・ユーザー(root )としてすべての計算ノードにアクセスします。 |
exalogic:COMPUTENODE::: |
exalogic ユーザーとしてすべての計算ノードにアクセスします。 |
exalogic:COMPUTENODE:::/tmp/pwd: |
/tmp/pwd.txt で指定されたパスワードを使用して、exalogic ユーザーとしてすべての計算ノードにアクセスします。 |
exalogic::192.168.20.1::/tmp/pwd: |
/tmp/pwd.txt で指定されたパスワードを使用して、exalogic ユーザーとしてIPアドレス192.168.20.1 を使用してターゲットにアクセスします。ExaLogsは、コンポーネントのタイプを自動的に決定します。 |
この項では、ExaLogsのラック検出ファイルを生成するいくつかの例を説明します。
ExaLogs検出ツールは、ELLCツールキットをインストールした計算ノードの/exalogic-lctools/bin
ディレクトリで取得できます。
次のすべての例で、検出されたデータがコンソールに表示され、ファイルmyrack.xml
に保存されます。
検出ソースを含むホストを指定しないコンポーネントの検出
# sh ./exalogs_discovery --access root:CN1:192.168.20.15::: --discover-from ecu --discover-query --discover-save myrack.xml
ツールは、--access
オプションで指定された計算ノードのECU構成ファイルを検索します。Exalogic物理環境で、ツールは/var/exalogic/one-command/config
ディレクトリを参照します。Exalogic仮想環境で、ツールは/var/tmp/exalogic/ecu
ディレクトリを参照します。ECUファイルを含まない計算ノードからこのコマンドを実行すると、パスワード・プロンプトが表示されます。
検出ソースとして特定のホストを指定したコンポーネントの検出
access.txt
ファイルに次のホスト識別子を定義していると仮定します: CN1
、CN2
、CN3
。次の例に示されているように、--discover-from
オプションにこれらのホストのいずれかを指定できます。
# sh ./exalogs_discovery --access access.txt --discover-save myrack.xml --discover-query --discover-from ecu:CN3
ECUファイルを含まない計算ノードからこのコマンドを実行すると、パスワード・プロンプトが表示されます。
検出ソースとして特定のホストの特定のECUディレクトリを指定したコンポーネントの検出
デフォルトで、Exalogic物理環境の場合にツールは/var/exalogic/one-command/config
ディレクトリを参照し、Exalogic仮想環境の場合にツールは/var/tmp/exalogic/ecu
ディレクトリを参照します。特定のホストに特定のディレクトリを指定できます。access.txt
ファイルにホストCN01
およびCN02
を定義していると仮定します。
次の例に示すように、--discovery-from
オプションにこれらのホストのいずれかのディレクトリを指定できます。
# sh ./exalogs_discovery --access access.txt --discover-save myrack.xml --discover-query --discover-from ecu:CN01:/tmp/ECU
ツールは、CN01
ホストの/tmp/ECU
ディレクトリのECU構成ファイルを検索します。
注意: 検出XMLファイルを生成した後、検出結果のデータを調査する必要があります。次の例に示されているように、--discovery-query-format shellvars オプションを使用してXMLデータを人およびスクリプトが判別しやすいシェル変数形式に変換できます。
# sh ./exalogs_discovery --discover-from myrack.xml --discover-query --discover-query-format shellvars 次に、このコマンドの出力例を示します。 rack_0_id=AK00055531 rack_0_name=el01 rack_0_size=Eighth rack_0_ib_switch_00=10.10.54.193 rack_0_ib_switch_00_Eth-admin=10.10.54.193 rack_0_ib_switch_01=10.10.54.192 rack_0_ib_switch_01_Eth-admin=10.10.54.192 ... 次のように出力をテキスト・ファイルにリダイレクトして後で使用するためにシェル変数形式で書式設定されたデータの保存を考慮してください。
# sh ./exalogs_discovery --discover-from myrack.xml --discover-query --discover-query-format shellvars |
Exalogicラックのコンポーネントにアクセスするには、ExaLogsはSSHキー(以前に設定している場合)またはデフォルトのパスワードを使用します。
次の表にリストされている環境変数を使用して、デフォルトのパスワードをオーバーライドできます。
注意: また、ExaLogs検出のように、第2.1.2項「ExaLogs検出のアクセス資格証明の指定」で説明されているように、--access オプションを使用してパスワード・ファイルをExaLogsに提供できます。 |
環境変数 | コンポーネントのパスワードの指定 | ユーザーのパスワードの指定 |
---|---|---|
ELCTRL_PASSWORD * |
Oracle Virtual Assembly Deployer、EM Ops Centeエンタープライズ・コントローラ、Oracle VM ManagerおよびExalogic ControlスタックのOracle DatabaseコンポーネントをホストするvServer
(2.0.6.x.xのみに関連します) |
root |
OVAB_PASSWORD * |
Oracle Virtual Assembly DeployerをホストするvServer
(v2.0.4.x.xおよび以前のリリースのみに関連します) |
root |
EMOCEC_PASSWORD * |
EM Ops Centerエンタープライズ・コントローラをホストするvServer
(v2.0.4.x.xおよび以前のリリースのみに関連します) |
root |
EMOCPC_PASSWORD * |
EM Ops Centerプロキシ・コントローラをホストするvServer | root |
OVMM_PASSWORD * |
Oracle VM ManagerをホストするvServer
(v2.0.4.x.xおよび以前のリリースのみに関連します) |
root |
OVMM_SERVICE_PASSWORD * |
Oracle VM Manager | admin |
CTRLDB_PASSWORD * |
Oracle DatabaseインスタンスをホストするvServer
(v2.0.4.x.xおよび以前のリリースのみに関連します) |
root |
ZFSSA_PASSWORD |
ZFSストレージ・アプライアンス・ヘッド | root |
IBSWITCH_PASSWORD |
NM2-GWスイッチ | root |
OVS_PASSWORD * |
Oracle VM Serverを実行する計算ノード | root |
LINUX_PASSWORD |
Oracle Enterprise Linuxを実行する計算ノード | root |
SOLARIS_PASSWORD |
Oracle Solarisを実行する計算ノード | root |
注意: アスタリスク(*)を使用してマークされた環境変数は、仮想構成のExalogicラックにのみ関連します。 |
環境変数をExaLogsに渡す詳細は、使用するシェルのUNIXドキュメントを参照してください。たとえば、Bashシェルの場合、次の方法を使用できます。
# export ELCTRL_PASSWORD=password # sh ./exalogs options
または
# env ELCTRL_PASSWORD=password ./exalogs options
注意: スクリプトまたはコマンド行のプレーン・テキスト・パスワードの指定は、セキュアな方法ではありません。かわりに、エビデンスを収集するすべてのターゲットに対してExaLogsを実行しているホストからキーベース(パスワードなし)のアクセスを設定して、秘密鍵を保護します。キーベース・アクセスの設定の詳細は、標準UNIXドキュメントを参照してください。ストレージ・アプライアンスのSSHキーベース・アクセスの設定の詳細は、 |
この項の内容は次のとおりです。
ExaLogsツールは、ELLCツールキットをインストールした計算ノードの/exalogic-lctools/bin
ディレクトリで取得できます。
ExaLogs CLIコマンドの一般的な構文は次のとおりです。
exalogs option(s) [target(s)]
注意: STIG要件に準拠するために強化されたゲストvServerまたはLinux計算ノードでは、STIGで強化されたホストの/etc/sudoers ファイルのNOPASSWD ディレクティブを使用したsudo 権限が付与された権限のないユーザーとしてExaLogsを実行する必要があります。また、/exalogic-lctools/bin ディレクトリに移動した後またはコマンドへのフル・パス(つまり、/exalogic-lctools/bin/exalogs )を指定して、exalogs コマンドを実行する必要があります。 |
指定できるオプションの詳細は、第3.2項「ExaLogsオプション」を参照してください。
サポートされるターゲットの詳細は、第3.3項「ExaLogsターゲット」を参照してください。
次の表は、ExaLogsで使用できるCLIオプションをリストし、説明しています。
オプション | 用途 |
---|---|
--help
|
ExaLogsコマンドの使用ヘルプを表示します。
例:
exalogs -h
|
--access FILE | CRED [,...]
|
指定されたアクセス資格証明を使用して、Exalogicラックのターゲットにアクセスします。
例:
exalogs -a access.txt --discover myrack.xml --all
詳細は、第2.1.2項「ExaLogs検出のアクセス資格証明の指定」を参照してください。 |
--clean
|
ローカル診断ディレクトリを削除します。バンドルのみ保持します。
例:
exalogs --discover myrack.xml --all -c
|
--debug
|
デバッグ出力を有効化します。
例:
exalogs --discover myrack.xml --all -d
|
--debug2
|
詳細なデバッグ出力を有効化します。
例:
exalogs --discover myrack.xml --all -dd
|
--diagspath path
|
デフォルトでは、ExaLogsを実行すると、現在の作業ディレクトリに診断バンドルを格納します。--diagspath オプションを使用してディレクトリを変更できます。
例:
exalogs --discover myrack.xml --all -p /test/exalogs/
注意: ExaLogsは診断バンドルを管理しません。ExaLogsが数回実行された後、ファイル・システムが診断バンドルでいっぱいになる場合があります。不要なバンドルを手動で削除する必要があります。リモート・モード( |
--discover file |
ExaLogsがホストを識別するために使用する必要があるXMLまたはシェル変数形式の検出ファイルへのパス。
検出ファイルの生成の詳細は、第2.1項「Exalogicラックのコンポーネントの検出」を参照してください。 例:
exalogs --discover myrack.xml --all
|
--emoc-db-snapshot |
EM Ops Centerデータ・モデル・スナップショット
このオプションを使用して、EM Ops Centerデータ・モデルのスナップショットを取得できます。 |
--insane
|
詳細な診断を収集します。このオプションは数GBのデータを含む診断バンドルになる場合があることに注意してください
例:
exalogs --discover myrack.xml --all -i
|
--logs [true|false] |
ExaLogsがログ・ファイルからデータを収集するかどうかを指定します(デフォルト: true )。
例:
exalogs --discover myrack.xml --all --logs false
|
--noremoteclean |
ローカル・ホストに転送された後にリモート・ホストのデータを削除しないでください(デバッグに役立ちます)。
例:
exalogs --discover myrack.xml --all --noremoteclean
|
--parallel |
並行してターゲット・コンポーネントからエビデンスを収集します。これはデフォルトの動作です。--serial オプションと比較するとパフォーマンスが向上します。詳細ログがuser.log ファイルにのみ保存されます。
例:
exalogs --discover myrack.xml --all --parallel
|
--prefer-network network
|
--discover xml_file オプションを指定する場合、デフォルトでExaLogsは、検出ファイルからホストを識別するために同じ順序で次のネットワークを使用します。
強制的にExaLogsが指定された検出ファイルからホストを識別するために特定のネットワークを使用するには、 次のネットワークのいずれかを指定できます。
例:
exalogs --discover myrack.xml --all -n ipoib-admin
|
--remotecleanolder |
以前のExaLogs実行およびエビデンスを収集した各ホストを含むすべての一時的なExaLogsファイルを削除します。
例:
exalogs --discover myrack.xml --all --remotecleanolder
|
--rexec user @ip [:path ]
|
path の指定されたリモートIPアドレス(またはホスト名)の指定されたuser としてExaLogsを実行します。path がオプションであることに注意してください。デフォルト・パスは/tmp/exalogs です。
注意: オプションは、オラクル社のフィールドおよびサポート担当者によってのみ使用されます。リモート実行の詳細は、「リモート・モードのExaLogsの実行」を参照してください。 |
--rexecpw password_file |
ExaLogsが--rexec を使用してリモートに実行される場合に使用されるパスワードを指定します。
注意: リモート・モードは、オラクル社のフィールドおよびサポート担当者によってのみ使用されます。リモート実行の詳細は、「リモート・モードのExaLogsの実行」を参照してください。 |
--serial |
ターゲット・コンポーネントからエビデンスを逐次収集します。これにより、コンソールの出力が詳細になりますが、プロセスが--parallel を指定する場合より遅くなります。
例:
exalogs --discover myrack.xml --all --serial
|
--version
|
ExaLogsのバージョンを表示します。
例: exalogs -v |
追加の例は、第3.5項「ExaLogs使用例」を参照してください。
注意: My Oracle SupportドキュメントID 1912063.1にリストされている既知の問題を確認します。問題ごとに、現象および原因の説明(および可能な場合は解決方法)が説明されています。 |
ExaLogsを実行するには、エビデンスを収集するターゲットを指定する必要があります。次のターゲットの少なくとも1つを指定する必要があります。
注意: STIG要件に準拠するために強化されたゲストvServerまたはLinux計算ノードのエビデンスを収集する場合、--access オプションで指定されるユーザーは、STIGで強化されたホストの/etc/sudoers ファイルのbash シェルを実行するためにNOPASSWD ディレクティブを使用したsudo 権限を付与された権限のないユーザーである必要があります。 |
ターゲット | 説明 |
---|---|
--all |
すべての既知のコンポーネント
|
--ctrldb [ ip_or_host ] |
Oracle Database |
--elctrl [ ip_or_host [,...]] |
指定されたホスト名またはIPアドレスで検出されたすべてのExalogic Controlサービス
注意: ExaLogsは、重複する |
--emocec [ ip_or_host ] |
EM Ops Centerエンタープライズ・コントローラ |
--emocpc [ ip_or_host [, ip_or_host ]] |
EM Ops Centerプロキシ・コントローラのいずれかまたは両方 |
--ibswitch [ ip_or_host [,...]] |
1つ以上のIBスイッチ |
--linux [ ip_or_host [,...]] |
Oracle Enterprise Linuxを実行している1つ以上の計算ノード
または 1つ以上のゲストvServer |
--ovmm [ ip_or_host ] |
Oracle VM Manager |
--ovab [ ip_or_host ] |
Oracle Virtual Assembly Builder |
--ovs [ ip_or_host [,...]] |
Oracle VM Serverを実行している1つ以上の計算ノード(Dom0) |
--solaris [ ip_or_host [,...]] |
Oracle Solarisを実行している1つ以上の計算ノード |
--targets ip_or_host [,...] |
Exalogicマシンの任意のコンポーネントの1つ以上のIPアドレスまたはホスト名
ExaLogsは、指定されたIPアドレスおよびホスト名ごとにターゲット・タイプ(IBスイッチ、ストレージ・ヘッド、Linux計算ノードなど)の検出を試行します。ExaLogsが指定されたIPアドレスまたはホスト名のターゲット・タイプを決定できない場合、ExaLogsはそのようなターゲットのデータを収集しません。 |
--zfssa [ ip_or_host [, ip_or_host ]] |
ストレージ・アプライアンス・ヘッドのいずれかまたは両方 |
--all
以外のターゲットの場合、--discover
xml_file
オプションまたは個別のターゲットのホスト名(またはIPアドレス)あるいはその両方を指定できます。
--discover
xml_file
オプションのみを指定する場合、ExaLogsは、指定されたターゲットと一致するホストの検出ファイルをスキャンします。また、--elctrl
ターゲットの場合、ExaLogsはホストで実行されている制御スタック・サービスに対して検出されたホストを調査します。
--discover
xml_file
オプションおよびターゲットのIPアドレス(またはホスト名)を指定する場合、ExaLogsは優先ネットワークを使用します: eth-admin
、EoIB-external-mgmt
、IPoIB-admin
の順序。
注意: My Oracle SupportドキュメントID 1912063.1にリストされている既知の問題を確認します。問題ごとに、現象および原因の説明(および可能な場合は解決方法)が説明されています。 |
仮想構成のExalogicマシンのExaLogs診断バンドルのディレクトリ構造
exalogs-yymmdd_hhmm.ss_UTC STORAGE head1_ip_adress zfssa config logs head2_ip_address/... ... COMPUTENODE node1_ip_address ovs (subdirectories: config, state, test, and logs) sosreport.tar.bz2 (see Note at the end of this section) os (subdirectories: config, state, test, and logs) network (subdirectories: config, state, test, and logs) node2_ip_address/... ... ... CTRLSTACK ELCTRL_ip_address (the VM hosting the EC, OVMM, DB, and OVAB components) db (subdirectories: config, state, test, and logs) opscenter (subdirectories: config, state, test, and logs) os (subdirectories: config, state, test, and logs) ovab (subdirectories: config, state, test, and logs) ovmm (subdirectories: config, state, test, and logs) network (config, state, test, and logs) ELCTRL_PC1_ip_address opscenter (subdirectories: config, state, test, and logs) os (subdirectories: config, state, test, and logs) network (subdirectories: config, state, test, and logs) ELCTRL_PC2_ip_address/ ... IBSWITCHES switch1_ip_adress nm2 (subdirectories: config, state, test, and logs) os (subdirectories: config, state, test, and logs) network (config, state, test, and logs) switch2_ip_address/... ...
物理構成のExalogicマシンのExaLogs診断バンドルのディレクトリ構造
exalogs-yymmdd_hhmm.ss_UTC STORAGE head1_ip_adress zfssa config logs head2_ip_address/... ... LINUX (SOLARIS in the case of an Exalogic machine running Oracle Solaris) node1_ip_address os (subdirectories: config, state, test, and logs) network (subdirectories: config, state, test, and logs) node2_ip_address/... ... ... IBSWITCHES switch1_ip_adress nm2 (subdirectories: config, state, test, and logs) os (subdirectories: config, state, test, and logs) network (config, state, test, and logs) switch2_ip_address/... ...
ゲストvServerのExaLogs診断バンドルのディレクトリ構造
exalogs-yymmdd_hhmm.ss_UTC LINUX vserver1_ip_address os (subdirectories: config, state, test, and logs) network (subdirectories: config, state, test, and logs) vserver2_ip_address/... ... ...
注意:
|
この項では、ExaLogsのいくつかの使用例を説明します。
次の例では、ExaLogsは、Exalogic制御スタックのエンタープライズ・コントローラ・コンポーネントをホストするvServerから実行され、パラレル・モードですべての計算ノードの診断データを収集します。
[root@rack-elcontrol bin]# sh ./exalogs --discover myrack.xml --ovs
詳細は、シリアル・モードの表示と同様に、ログ・ファイル(exalogs.sh.user.log
)を参照してください。ExaLogsの実行時間の詳細はパラレル・モードで記録されないので注意してください。
次の例では、ExaLogsは、Exalogic制御スタックのエンタープライズ・コントローラ・コンポーネントをホストするvServerから実行され、シリアル・モードでラックのすべてのコンポーネントの診断データを収集します。
[root@rack-elcontrol bin]# sh ./exalogs --discover myrack.xml --all --serial
次の例では、ExaLogsは計算ノードから実行され、エンタープライズ・コントローラvServerの診断データを収集します。
[root@el01cn01 bin]# sh ./exalogs --discover myrack.xml --emocec
注意: My Oracle SupportドキュメントID 1912063.1にリストされている既知の問題を確認します。問題ごとに、現象および原因の説明および解決方法(可能な場合)が説明されています。 |
My Oracle SupportドキュメントID 1912063.1を参照してください。
Oracleのアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility ProgramのWeb サイトhttp://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=docacc
を参照してください。
Oracleサポートへのアクセス
サポート契約がある場合には、My Oracle Supportを通して電子支援をご利用いただけます。詳細情報はhttp://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=info
か、聴覚に障害のあるお客様はhttp://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=trs
を参照してください。
Oracle Exalogic Elastic Cloud ExaLogsユーザーズ・ガイド, リリース1.3
E61474-02
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