ExaPasswdユーザーズ・ガイド
リリース1.0
E61476-03(原本部品番号:E53666-04)
2016年4月
このドキュメントでは、Exalogicラックの様々なハードウェアおよびソフトウェア・コンポーネントのパスワードの変更を自動化するツールであるExaPasswdをインストールおよび使用する方法を説明します。
このドキュメントの内容は、次のとおりです。
Exalogicラックは、それぞれに一意の資格証明を持つ様々なハードウェアおよびソフトウェア・コンポーネントで構成されます。各コンポーネントのパスワードの変更には、各コンポーネントに個別にログインして、Exalogic Controlを使用してパスワードを同期する必要があります。ExaPasswdは、この時間のかかるプロセスを自動化します。
注意: EECS 2.0.4.x.xからEECS 2.0.6.0.0にアップグレードしたExalogicラックに対してExaPasswdを実行する前に、ECUコンバータを実行して、ECU構成ファイルをマシンの現在の構成と同期する必要があります。ECUコンバータは、ExaPatchに含まれるツールです。ECUコンバータの詳細は、ExaPatchユーザーズ・ガイドを参照してください。 |
表1に、それらのコンポーネントに対するExalogicラックのデフォルト・ユーザーおよびExaPasswdサポートをリストします。
表1 デフォルトのExalogic資格証明
コンポーネント | ユーザー | ExaPasswdサポート |
---|---|---|
物理コンポーネント |
||
Linux計算ノード |
|
はい |
Solaris計算ノード |
|
いいえ |
Oracle VM Serverノード |
|
はい はい |
ストレージ・アプライアンス |
|
はい |
計算ノードILOM |
|
はい(2014年7月のPSU以降) |
ストレージ・アプライアンスILOM |
|
はい(2014年7月のPSU以降) |
インフィニバンド・スイッチ |
|
はい(2014年7月のPSU以降) はい(2014年7月のPSU以降) いいえ |
管理スイッチ |
|
はい |
配電ユニット |
|
いいえ |
Exalogic Control脚注1 |
||
Exalogic Control vServer |
|
はい |
Oracle Database |
|
はい はい はい いいえ はい はい はい |
プロキシ・コントローラvServer |
|
はい |
Oracle VM Manager |
|
はい はい |
脚注1 EECSリリース2.0.6.x.x以降で、Exalogic Controlスタックは、2つのプロキシ・コントローラvServerとエンタープライズ・コントローラ、Oracle VM ManagerおよびOracle Virtual Assembly Builderコンポーネントをホストする1つのExalogic Control vServerで構成されます。Exalogic Control vServerは、EM Ops CenterおよびOracle VM Managerで共有されるOracle Databaseインスタンスもホストします。
ExaPasswdにサポートされるEECSリリースのリストは、My Oracle SupportドキュメントID 1912063.1を参照してください。
ExaPasswdのインストール手順は、ExalogicMy Oracle SupportドキュメントID 1912063.1を参照してください。
My Oracle Supportドキュメントの手順に従った後、/exalogic-lctools/bin/
からExaPasswdを実行できます。
ExaPasswdコマンドの一般的な構文は次のとおりです。
# ./exapasswd options
ExaPasswdの使用可能なオプションは、Exalogic環境が物理的または仮想的であるかに応じて異なります。
この項の内容は次のとおりです。
物理環境で、ExaPasswdはコンポーネント・ターゲット・オプションのみサポートします。これらのオプションの末尾には-targets
が付けられ、パスワードを変更する各コンポーネントのアドレスを指定する必要があります。
例: --compute-nodes-targets
、--infiniband-switches-targets
パスワードなしのSSHが指定されたコンポーネントとExaPasswdを実行しているノード間で構成されている場合、ExaBRはパスワードを自動的に取得します。ExaBRユーザーズ・ガイドのExaBRに対するキーベースの認証の有効化に関する項で説明しているように、ExaBR init-ssh
コマンドを使用してキーベースの認証を有効化できます。パスワードなしのSSHが有効でない場合、ExaPasswdはパスワードを要求します。
表2に、物理環境のExaPasswdに適用できるすべてのオプションを示します。
表2 物理環境のExaPasswdオプション
コンポーネント | オプション | 説明 |
---|---|---|
計算ノード |
|
指定された計算ノードの 注意: ExaPasswdは、Solaris計算ノードのパスワードを変更できません。 |
計算ノードILOM |
|
指定された計算ノードILOMのパスワードを変更します。 |
ストレージ・ノード |
|
指定されたストレージ・ノードのパスワードを変更します。 注意: ストレージ・ノードの場合、ExaPasswdはアクティブなヘッドのパスワードを変更します。ストレージ・ノードはデフォルトでアクティブ-パッシブ・クラスタで構成されるため、アクティブなヘッドのパスワードはパッシブ・ヘッドと同期されます。 |
ストレージ・ノードILOM |
|
指定されたストレージ・ノードILOMのパスワードを変更します。 |
インフィニバンド・スイッチ |
|
指定されたインフィニバンド・スイッチのパスワードを変更します。 |
管理スイッチ |
|
指定した管理スイッチのパスワードを変更します。ExaPasswdツールは、SSHおよびtelnetアクセスの両方をサポートします。デフォルトでは、ExaPasswdはSSHアクセスを使用し、 |
|
管理スイッチのユーザー名が |
仮想環境で、ExaPasswdには2つのタイプのオプションがあります。
Exalogic構成ユーティリティ(ECU)・ファイルが存在する場合、コンポーネント・オプションを使用します。コンポーネント・オプションが指定されたタイプのすべてのコンポーネントで実行され、ExaPasswdがECUファイルを使用してコンポーネントのアドレスを取得します。
例: --compute-nodes
、--infiniband-switches
ECUファイルが存在しない場合、コンポーネント・ターゲット・オプションを使用します。これらのオプションの末尾には-targets
が付けられ、パスワードを変更する各コンポーネントのアドレスを指定する必要があります。
注意: 仮想環境で、コンポーネント・ターゲット・オプションを使用する場合、--emoc オプションを使用してExalogic ControlのIPアドレスまたはホスト名を指定する必要があります。ExaPasswdはこのアドレスを使用してExalogic Controlに接続し、新しいパスワードを同期します。
仮想環境で、ECUファイルが存在しない場合にのみコンポーネント・ターゲット・オプションを使用することをお薦めします。 |
例: --compute-nodes-targets
、--infiniband-switches-targets
ExaPasswdは次のシナリオでパスワードを自動的に取得します。
ラックがECUで構成された工場出荷時のデフォルト・パスワードを使用しています。
パスワードなしのSSHが指定されたコンポーネントとExaPasswdを実行している計算ノード間で構成されています。ExaBRユーザーズ・ガイドのExaBRに対するキーベースの認証の有効化に関する項で説明しているように、ExaBR init-ssh
コマンドを使用してキーベースの認証を有効化できます。
他のすべてのシナリオで、ExaPasswdは各コンポーネントのパスワードを要求します。
表3に、仮想環境のExaPasswdのオプションを示します。
表3 仮想環境のExaPasswdオプション
コンポーネント | オプション | 説明 |
---|---|---|
すべてのコンポーネント |
|
仮想環境でコンポーネント・ターゲット・オプションを使用する場合、このオプションを指定する必要があります。このオプションを使用して、Exalogic ControlのIPアドレスまたはホスト名を指定します。 注意: 仮想環境で、 ECU構成ファイルが存在しない場合のみ、 |
計算ノード |
|
すべての計算ノードの |
|
指定された計算ノードの |
|
計算ノードILOM |
|
すべての計算ノードILOMのパスワードを変更します。 |
|
指定された計算ノードILOMのパスワードを変更します。ECUファイルが存在しない場合のみ、このオプションを使用することをお薦めします。 |
|
ストレージ・ノード |
|
すべてのストレージ・ノードのパスワードを変更します。 |
|
指定されたストレージ・ノードのパスワードを変更します。ECUファイルが存在しない場合のみ、このオプションを使用することをお薦めします。 注意: ストレージ・ノードの場合、ExaPasswdはアクティブなヘッドのパスワードを変更します。ストレージ・ノードはデフォルトでアクティブ-パッシブ・クラスタで構成されるため、アクティブなヘッドのパスワードはパッシブ・ヘッドと同期されます。 |
|
ストレージ・ノードILOM |
|
すべてのストレージ・ノードILOMのパスワードを変更します。 |
|
指定されたストレージ・ノードILOMのパスワードを変更します。ECUファイルが存在しない場合のみ、このオプションを使用することをお薦めします。 |
|
インフィニバンド・スイッチ |
|
すべてのインフィニバンド・スイッチのパスワードを変更します。 |
|
指定されたインフィニバンド・スイッチのパスワードを変更します。ECUファイルが存在しない場合のみ、このオプションを使用することをお薦めします。 |
|
管理スイッチ |
|
管理スイッチのパスワードを変更します。 ExaPasswdツールは、SSHおよびtelnetアクセスの両方をサポートします。デフォルトでは、ExaPasswdはSSHアクセスを使用し、 |
|
指定した管理スイッチのパスワードを変更します。ECUファイルが存在しない場合のみ、このオプションを使用することをお薦めします。 ExaPasswdツールは、SSHおよびtelnetアクセスの両方をサポートします。デフォルトでは、ExaPasswdはSSHアクセスを使用し、 |
|
|
このオプションを |
|
すべてのハードウェア・コンポーネント |
|
ラックのすべてのハードウェア・コンポーネントのパスワードを変更します |
Oracle VMエージェント |
|
Oracle VMエージェントのパスワードを変更します。 |
|
指定されたOracle VMエージェントのパスワードを変更します。Oracle VM Manager vServerのIPアドレスまたはホスト名を指定する必要があります。ECUファイルが存在しない場合のみ、このオプションを使用することをお薦めします。 |
|
Oracle VM Manager |
|
Oracle VM Manager |
|
指定されたOracle VM Manager |
|
Oracle VM Managerデータベース |
|
|
|
|
|
Exalogic Controlデータベース |
|
|
|
|
|
Exalogic Control vServer |
|
すべてのExalogic Control vServerのパスワードを変更します。 |
|
指定されたExalogic Control vServerのパスワードを変更します。ECUファイルが存在しない場合のみ、このオプションを使用することをお薦めします。 |
|
すべての仮想コンポーネント |
|
ラックのすべてのソフトウェア・コンポーネントのパスワードを変更します。 |
すべての物理および仮想コンポーネント |
|
ラックの物理およびソフトウェア・コンポーネントのパスワードを変更します |
次のようにExaPasswdを実行します。
注意: ExaPasswdを使用してパスワードを更新する場合、ツールはこれらの新しいパスワードを使用してECUファイルを更新しません。ただし、ExaPasswdは引き続きECUファイルを使用して様々なコンポーネントのアドレスを取得できます。 |
第3項「ExaPasswdのインストール」で説明されているように、Exalogicライフサイクル・ツールキットをインストールした計算ノードにログインします。
注意: 仮想環境で、ECU構成ファイルを含む計算ノードからExaPasswdを実行する必要があります。 |
ExaPasswdを含むディレクトリに移動します。
cd /exalogic-lctools/bin/
次のいずれかの方法でExaPasswdを実行します。
物理環境で特定のターゲットのExaPasswdを実行するには、次のようにExaPasswdを実行します。
./exapasswd --target_name target1,[target2,...]
様々なターゲットのリストは、第4.1項「物理環境のExaPasswdオプション」を参照してください。
例:
./exapasswd --infiniband-switches-targets ib01.example.com,ib02.example.com --cisco-switch-targets mgmt.example.com --cisco-user admin
ECUファイルが存在する仮想環境のコンポーネントのタイプでExaPasswdを実行するには、次のようにExaPasswdを実行します。
./exapasswd --component-type
様々なコンポーネント・タイプのリストは、第4.2項「仮想環境のExaPasswdオプション」を参照してください。
例:
./exapasswd --all ./exapasswd --control-vms --emoc-database
ECUファイルが存在しない仮想環境の特定のターゲットでExaPasswdを実行するには、次のようにExaPasswdを実行します。
./exapasswd --emoc address_of_exalogic_control --target_name target1,[target2,...]
様々なターゲットのリストは、第4.2項「仮想環境のExaPasswdオプション」を参照してください。
例:
./exapasswd --emoc elcont.example.com--infiniband-switches-targets
ib01.example.com
ExaPasswdはパスワードを変更するコンポーネントの数を表示します。
コンポーネントの数が正しいかどうかを確認し、「y」を押して続行します。
ExaPasswdはターゲットのリストを表示します。
プロンプトが表示されたら、新しいパスワードを入力します。
ExaPasswdは、形式exapasswd-
YYMMDD
-
HHMMSS
.log
で、ExaPasswdを実行する計算ノードの/var/log/
ディレクトリにログ・ファイルを格納します。
既知の問題は、Exalogicライフサイクル・ツールキットMy Oracle SupportドキュメントID 1912063.1を参照してください。
Oracleのアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility ProgramのWeb サイトhttp://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=docacc
を参照してください。
Oracleサポートへのアクセス
サポート契約がある場合には、My Oracle Supportを通して電子支援をご利用いただけます。詳細情報はhttp://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=info
か、聴覚に障害のあるお客様はhttp://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=trs
を参照してください。
Oracle® Exalogic Elastic Cloud ExaPasswdユーザーズ・ガイド, リリース1.0
E61476-03
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