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Oracle Solaris Cluster システム管理 Oracle Solaris Cluster 3.3 3/13 (日本語) |
1. Oracle Solaris Cluster の管理の概要
2. Oracle Solaris Cluster と RBAC
5. グローバルデバイス、ディスクパス監視、およびクラスタファイルシステムの管理
7. クラスタインターコネクトとパブリックネットワークの管理
11. Oracle Solaris Cluster ソフトウェアおよびファームウェアのパッチ適用
ストレージベースのデータ複製は、ストレージデバイスにインストールされているソフトウェアを使用して、クラスタまたはキャンパスクラスタ内の複製を管理します。このようなソフトウェアは、特定のストレージデバイスに固有で、障害回復には使用されません。ストレージベースのデータ複製を構成する際には、ストレージデバイスに付属するドキュメントを参照してください。
使用するソフトウェアに応じて、ストレージベースのデータ複製を使用して自動と手動のいずれかのフェイルオーバーを使用できます。Oracle Solaris Cluster では、Hitachi TrueCopy、Hitachi Universal Replicator、および EMC SRDF ソフトウェアを使用した複製で手動と自動の両方のフェイルオーバーをサポートしています。
このセクションでは、キャンパスクラスタで使用されるストレージベースのデータ複製について説明します。図 4-1 に、2 つのストレージアレイ間でデータが複製される、2 ルーム構成の例を示します。この構成では、最初のルームにプライマリストレージアレイがあり、これが両方のルームのノードにデータを提供します。また、プライマリストレージアレイは、複製するデータをセカンダリストレージアレイに提供します。
図 4-1 ストレージベースのデータ複製を装備した 2 ルーム構成
Hitachi TrueCopy または Hitachi Universal Replicator を使用したストレージベースのデータ複製は、Oracle Solaris Cluster 環境では使用するアプリケーションの種類に応じて、同期または非同期で実行できます。キャンパスクラスタで自動フェイルオーバーを実行する場合は、TrueCopy を同期的に使用します。EMC SRDF を使用したストレージベースの同期複製は、Oracle Solaris Cluster でサポートされますが、非同期複製は EMC SRDF でサポートされません。
EMC SRDF のドミノモードまたは適応型コピーモードを使用しないでください。ドミノモードでは、ターゲットが使用可能でない場合に、ローカルおよびターゲット SRDF ボリュームをホストで使用できなくなります。適応型コピーモードは、一般的にデータ移行およびデータセンター移行に使用され、障害回復には推奨されません。
リモートストレージデバイスとの通信が失われた場合は、never または async の Fence_level を指定して、プライマリクラスタ上で実行されているアプリケーションがブロックされないようにしてください。data または status の Fence_level を指定すると、リモートストレージデバイスに更新がコピーできない場合に、プライマリストレージデバイスが更新を拒否します。
データの整合性を確保するためには、マルチパスと適切な RAID パッケージを使用してください。次のリストには、ストレージベースのデータ複製を使用するクラスタ構成を実装するための考慮事項が含まれています。
ノード間の距離は、Oracle Solaris Cluster Fibre Channel とインターコネクトインフラストラクチャーにより制限されます。現在の制限とサポートされる技術の詳細については、Oracle のサービスプロバイダにお問い合わせください。
複製されたボリュームを、定足数デバイスとして構成しないでください。共有の複製されていないボリュームにある定足数デバイスを見つけるか、定足数サーバーを使用します。
データのプライマリコピーのみがクラスタノードに認識されるようにします。それ以外の場合、ボリュームマネージャーはデータのプライマリコピーとセカンダリコピーの両方に同時にアクセスしようとする場合があります。データコピーの可視性の制御については、ストレージアレイに付属するドキュメントを参照してください。
EMC SRDF、Hitachi TrueCopy、および Hitachi Universal Replicator では、複製されるデバイスのグループを定義できます。各複製デバイスグループには、同じ名前の Oracle Solaris Cluster デバイスグループが必要です。
EMC SRDF を使用し、並列または直列接続された RDF デバイスを備える、3 つのサイトまたは 3 つのデータセンターがある構成の場合、参加するすべてのクラスタノードで、Solutions Enabler の SYMCLI オプションファイルに次のエントリを追加する必要があります。
SYMAPI_2SITE_CLUSTER_DG=device-group:rdf-group-number
このエントリにより、クラスタソフトウェアで、2 つの SRDF 同期サイト間でのアプリケーションの移動を自動化できます。エントリ内の rdf-group-number は、ホストのローカル Symmetrix を 2 番目のサイトの Symmetrix に接続する RDF グループを表します。
3 つのデータセンター構成の詳細については、『Oracle Solaris Cluster Geographic Edition Overview』の「Three-Data-Center (3DC) Topologies」を参照してください。
特定のアプリケーション固有のデータは、非同期データ複製には適さない場合があります。アプリケーションの動作に関する知識を使って、ストレージデバイス間でアプリケーション固有のデータを複製する最善の方法を決定します。
クラスタを自動フェイルオーバー用に構成する場合は、同期複製を使用します。
複製されたボリュームの自動フェイルオーバー用にクラスタを構成する手順については、「ストレージベースの複製されたデバイスの管理」を参照してください。
Oracle Real Application Clusters (RAC) は、クラスタ内で複製を行う場合、SRDF、Hitachi TrueCopy、および Hitachi Universal Replicator をサポートしません。現在プライマリ複製ではない複製に接続されたノードには、書き込みアクセス権はありません。クラスタのすべてのノードからの直接書き込みアクセス権が必要なスケーラブルアプリケーションは、複製されるデバイスでサポートできません。
Oracle Solaris Cluster ソフトウェア用の複数所有者 Solaris Volume Manager はサポートされていません。
EMC SRDF でドミノモードまたは適応型コピーモードを使用しないでください。詳細は、「クラスタ内でのストレージベースのデータ複製の使用」を参照してください。
Hitachi TrueCopy または Hitachi Universal Replicator では、データモードまたはステータスモードを使用しないでください。詳細は、「クラスタ内でのストレージベースのデータ複製の使用」を参照してください。
すべてのキャンパスクラスタと同じように、ストレージベースのデータ複製を使用するクラスタでは、通常、1 つの障害が発生した場合は介入の必要はありません。ただし、手動フェイルオーバーを使用していて、プライマリストレージデバイスを保持するルームが失われた場合 (図 4-1 を参照)、2 ノードクラスタでは問題が発生します。残ったノードは定足数デバイスを予約できず、またクラスタメンバーとしてブートできません。このような状況では、クラスタで次の手動介入が必要になります。
クラスタメンバーとしてブートするよう、Oracle のサービスプロバイダが残りのノードを再構成する必要があります。
ユーザーまたは Oracle のサービスプロバイダが、セカンダリストレージデバイスの複製されてないボリュームを定足数デバイスとして構成する必要があります。
セカンダリストレージデバイスをプライマリストレージとして使用できるよう、ユーザーまたは Oracle のサービスプロバイダが残りのノードを構成する必要があります。このような再構成には、ボリュームマネージャーボリュームの再構築、データの復元、ストレージボリュームとアプリケーションの関連付けの変更が含まれます。
ストレージベースのデータ複製のために、Hitachi TrueCopy または Hitachi Universal Replicator ソフトウェアを使用するデバイスグループを設定するときは、次のベストプラクティスに従ってください。
プライマリサイトで障害が発生した場合のデータ損失の可能性を回避するため、同期複製を使用します。
Oracle Solaris Cluster のグローバルデバイスグループと、horcm 構成ファイルで定義される TrueCopy 複製グループとの間に、1 対 1 の関係が存在するようにしてください。これにより、両方のグループが 1 つの単位でノード間を移動できます。
グローバルファイルシステムのボリュームとフェイルオーバーファイルシステムのボリュームは、制御方法が異なるため、同一の複製されたデバイスグループ内に混在させることはできません。グローバルファイルシステムは DCS (Device Configuration System) によって制御されますが、フェイルオーバーファイルシステムのボリュームは HAS+ によって制御されます。それぞれのプライマリは異なるノードである可能性があり、どちらのノードが複製のプライマリであるかについて競合が発生します。
すべての RAID マネージャーインスタンスが常に稼働中である必要があります。
EMC SRDF ソフトウェアをストレージベースのデータ複製のために使用する場合は、静的デバイスではなく動的デバイスを使用してください。静的デバイスでは複製プライマリを変更するのに数分かかり、フェイルオーバー時間に影響を与えることがあります。