6.1 サーバー・プールの概要

サーバー・プールは、1つ以上のOracle VM Serverで構成され、仮想マシンが存在する記憶域の論理ビューを表します。

サーバー・プールはスケーラブルです。仮想マシンを実行できる十分なリソース(CPU、メモリーなど)がサーバー・プールにない場合は、Oracle VM Serverを追加することによってサーバー・プールを拡張できます。詳細は、6.9.2項「サーバー・プールへのOracle VM Serverの追加」を参照してください。

Oracle VMのデプロイメント・アーキテクチャでは、サーバー・プール内のOracle VM Server間で記憶域へのアクセスが共有されてサーバー・プールが使用されます。仮想マシンは、サーバー・プールのワークロードを均等に分散するために共有記憶域に格納され、いずれかのOracle VM Serverに配置されます。

仮想マシンはサーバー・プール内の特定のOracle VM Serverにはバインドされていないため、個々のOracle VM Serverが偶然メンテナンスのために停止していたり、そのときに使用できない状態になっていることが原因で仮想マシンの起動が妨げられることはありません。また、サーバー・プール内の仮想マシンに起動ポリシーを指定するためのオプションが提供されています。起動ポリシーは、最大のリソースを使用できるOracle VM Serverでのみ仮想マシンが起動されるようにするロード・バランシング・アルゴリズムを実装できます。ロード・バランシングは、動的電源管理(DPM)と分散リソース・スケジューラ(DRS)に使用される同じアルゴリズムを使用して実現されます。また、ロード・バランシングは、サーバー・プールの集約パフォーマンスを最大限に引き出すのにも役立っています。