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Oracle® Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド
11g リリース2(11.1.2)
B70751-01
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19.4 配布XMLファイルの要素

配布XMLファイルの要素は、次のとおりです。

このうちほとんどの要素には、その要素の動作を定義する属性があります。次の各項では、配布XMLファイル要素とその関連属性について説明します。第19.5項「配布XMLファイルの例」では、一般的なシナリオにおける配布XMLファイルの要素と属性の使用例を示します。

19.4.1 destinations

<destinations>
  one or more distribution specifications
</destinations>

必須/オプション

必須です。配布XMLファイルには、1つのdestinations要素を指定する必要があります。

説明

destinations要素は、配布XMLファイルのコンテンツ領域を開始および終了します。配布XMLファイルのタグ階層で見ると、destinations要素にそれ以外のすべての要素が従属しています。

19.4.2 foreach

<foreach>
  <mail id="a1" to="my_addressee@mycompany.com" subject="Fourth Quarter Results">
    <attach format="pdf" name="dept_&amp;&lt;department_ID&gt;.pdf' 
        srcType="report" instance="this">
      <include src="mainSection"/>
    </attach>
  </mail>
</foreach>

または

<mail id="a4" to="recipient@mycompany.com" subject="Regional Results">
  <foreach>
    <attach format="pdf" name="report.pdf" srcType="report" instance="all">
      <include src="mainSection"/>
    </attach>
  </foreach>
</mail>

必須/オプション

オプションです。foreach要素は、必要な数だけ指定できます。

説明

foreach要素は、繰返しグループに対して配布を一括処理するために使用します。foreachを使用できるのは、関連するレポート定義ファイル(RDF、JSP、XMLのいずれか)において、一括処理されるセクションに対する繰返しプロパティが、該当するグループに設定されている場合にかぎられます。foreach要素は、開始と終了タグの間に定義されている配布を、各繰返しグループに対して実行するように指定します。

「繰返し」プロパティは、レポート・セクション(ヘッダー、メイン、トレーラ)でデータ・モデルのブレーク・グループをセクションに関連付けるために設定できます。セクションに「繰返し」プロパティを設定すると、セクションの複数インスタンス(繰返しセクション)を生成できます。

レポートで一括処理および配布を実装する場合は、セクションの「繰返し」プロパティをデータ・モデルのブレーク・グループに設定すると、セクション・レベルの配布を生成することができます。これにより、そのブレーク・グループの列レコードごとにセクションのインスタンスが生成されます。その後、セクションの各インスタンスを適宜配布できます(たとえば、MANAGERグループ内の個々のマネージャへの配布)。

「繰返し」プロパティを複数のレポート・セクション(ヘッダー、メインおよびトレーラ)に対して設定する場合は、「繰返し」プロパティの値は同じデータ・モデルのブレーク・グループに設定する必要があります。ヘッダー、メインおよびトレーラ・セクションのいずれかで「繰返し」プロパティを異なるデータ・モデルのブレーク・グループに設定した場合、Oracle Reportsでは次のメッセージが表示されます。

REP-177: Error while running in remote server
REP-34320: Report sections used in destination '<destination id>' do not repeat on the same group

foreach要素をmail要素のサブ要素としても使用できます。これは、この項の始めで2番目の例に示されているとおりです (この例では、mainSectionG_DEPARTMENT_IDで繰り返されることを前提として、レポートのmainSectionのすべてのインスタンスを含んだ1つの添付ファイルが1つのファイルに作成されます)。

foreach要素の動作には、attach要素およびfile要素のinstance属性が密接に関係しています。foreachでレコード・グループに従って配布を実行するように指定し、instanceで、一括処理されるグループを1つのファイルで配布するか(instance="all")、または別々のファイルとして、つまりグループ・インスタンスごとに1つのファイルを配布するか(instance="this")を指定します。

mail要素とともに使用した場合、foreachの意味は、mail要素に対するその位置によって変わります。

  • foreachmail要素およびinstance="this"の前にある場合は、各グループ・インスタンスが別々のメールとして送信されます。例:

    <foreach>
      <mail id="a1" to="managers@mycompany.com" subject="results">
        <attach name="department_&amp;&lt;department_id&gt;.pdf" instance="this">
          <include src="mainSection" />
        </attach>
      </mail>
    </foreach>
    

    レポートがdepartment_idに従ってグループ化され、かつ4つの部門が存在する場合は、グループ・インスタンスの数が4つになります。つまり、受信者ごとに4通の電子メールが作成され、各電子メールにその独自のグループ・インスタンスが添付されます。たとえば、ある電子メールに部門10のレポート、別の電子メールに部門20のレポートが添付され、残りの電子メールにもそれぞれ違う部門のレポートが添付されます。各受信者が、4通の電子メールすべてを受け取ります。

  • foreachがmail要素およびinstance="this"の後にある場合は、各グループ・インスタンスが1通の電子メールに添付され、それが各受信者に送信されます。例:

    <mail id="a1" to="managers@mycompany.com" subject="results">
      <foreach>
        <attach name="department_&amp;&lt;department_id&gt;.pdf" instance="this">
          <include src="mainSection" />
        </attach>
      </foreach>
    </mail>
    

19.4.3 mail

<mail id="a1" to="jsmith@foo.com" subject="Results">
  <body srcType="text">
    Attached are quarterly results.
  </body>
  <attach srcType="report">
    <include src="headerSection"/>
    <include src="mainSection"/>
  </attach>
</mail>

または

<mail id="a4" to="recipient@mycompany.com" subject="Regional Results">
  <foreach>
    <attach format="pdf" name="report.pdf" srcType="report" instance="this">
      <include src="mainSection"/>
    </attach>
  </foreach>
</mail>

必須/オプション

オプションです。mail要素は、必要な数だけ指定できます。

説明

mail要素は、SMTPベースの発信メール・サーバーを介した配布を指定するために使用します。この要素を使用して、電子メールの受信者、件名および優先度を指定します。

mail要素の開始と終了タグの間には、bodyサブ要素を1つだけ指定できます。また、任意数のattachサブ要素とforeachサブ要素を任意の場所に指定できます。

mail要素には、関連する属性もあります。これらの属性は、mailタグ内に記述されます。たとえば、idtosubjectの3つの属性が記述されます。

<mail id="a1" to="jsmith@foo.com" subject="Recent Hires">

表19-2では、mail要素の属性を説明します。

表19-2 mail要素の属性

属性 有効値 説明

id

文字列

必須です。特定のmail要素を識別する、配布XMLファイル内で一意のキーワードです。テキスト文字列と1つ以上の数値を組み合せた値を指定できます(id="a1"など)。id値は、必ず英字で始まる必要があります。

to

文字列

必須です。変数値を指定できます。電子メールの受信者を指定します。完全で正式な電子メール・アドレスを含みます。例:

to="jsmith@foo.com"など)。

複数の受信者は、カンマで区切ります。

関連レポートで使用されている列を参照する変数値を指定することもできます。詳細は、第19.3.2項を参照してください。

cc

文字列

オプションです。変数値を指定できます。電子メールのコピーを受け取る受信者を指定します。

bcc

文字列

オプションです。変数値を指定できます。電子メールのブラインド・コピーを受け取る受信者を指定します。

from

文字列

オプションです。変数値を指定できます。電子メールの送信者を指定します。

replyTo

文字列

オプションです。変数値を指定できます。返信の送信先となる電子メール・アカウントを指定します。

subject

文字列

デフォルト: Mail Sent from &amp;Report

オプションです。変数値を指定できます。電子メールの件名を指定します。subjectが指定されなかった場合は、件名の行にMail Sent from [Name of Report]と表示されます。

priority

highest|high|normal|low|lowest

デフォルト: normal

電子メールの配信優先度。

returnReceipt

true|false

デフォルト: false

電子メールが受信されたときに返信先の個人またはアカウントに通知するかどうかを指定します。

organization

文字列

オプションです。変数値を指定できます。電子メールを配布する組織の名前を指定します。例:

organization="Region 10 Sales"

または

organization="&amp;department_name"



注意:

mail要素が正しく機能するには、Reports Serverで、メールの送信先である発信SMTPメール・サーバーを認識できる必要があります。この情報は、Reports Server構成ファイル(rwserver.conf)で指定します。このファイルのpluginParam要素に、メール・サーバーの名前を入力できます。例:
<pluginParam name="mailServer" value="%MAILSERVER%">
  <property name="enableSSL" value="yes"/>
</pluginParam>

詳細は、第7章「Oracle Reports Servicesの構成」を参照してください。


19.4.4 body

Windowsの場合 

<mail id="a1" to="jsmith@foo.com" subject="Results">
  <body srcType="file">
    <include src="c:\mail\body.html"/>
  </body>
</mail>

UNIXの場合 

<mail id="a1" to="jsmith@foo.com" subject="Results">
  <body srcType="file">
    <include src="/mail/body.html"/>
  </body>
</mail>

必須/オプション

オプションです。1つのmail要素には、body要素を1つだけ関連付けることができます。

説明

body要素は、mail要素のサブ要素です。これは、電子メールの内容(body)を指定します。bodyでは、body要素の開始タグと終了タグとの間にテキスト文字列を入力することも、includeサブ要素を使用して外部ファイル、レポートまたはレポートのセクションを指定することもできます。例:

<mail id="a1" to="jsmith@foo.com" subject="Results">
  <body srcType="text">
    Attached are quarterly results.
  </body>
…

または

<mail id="a1" to="jsmith@foo.com" subject="Results">
  <body srcType="file">
    <include src="d:/reports/admin/results.html"/>
  </body>
…

または

<mail id="a1" to="&amp;&lt;first_name&gt;.&amp;&lt;last_name&gt;@myco.com"   
    subject="Quarterly Results">
  <body srcType="report" format="html">
    <include src="headerSection"/>
  </body>
…

body要素には、srcTypeformatinstanceの3つの属性があります。詳細は、表19-3を参照してください。

表19-3 mailのbodyサブ要素の属性

属性 有効値 説明

srcType

file|report|text

デフォルト: report

電子メールの内容のソース。内容は電子メールの本文に表示されます。srcTypeを指定しなかった場合は、デフォルト値が使用されます。

format

html|htmlcss|ascii|delimiteddata

デフォルト: html

srcTypereportであり、formatがデフォルトのhtml以外の場合は必須です。それ以外の場合、formatはオプションです。内容のフォーマットを指定します。

instance

this|all

デフォルト: all

foreach要素が存在する場合にも使用します。グループ化されたレポートが別々のレポートに一括処理される場合は、instanceで、グループをグループ・インスタンスごとに個別の内容へと分割するか(this)、またはすべてを同じ内容に収めるか(all)を指定します。


19.4.5 attach

<mail id="a1" to="jsmith@foo.com" subject="Results">
  <body srcType="text">
    Attached are quarterly results.
  </body>
  <foreach>
    <attach format="html" name="contacts.htm" srcType="report" instance="all">
      <include src="headerSection"/>
      <include src="mainSection"/>
    </attach>
  </foreach>
</mail>

または

<mail id="DEST1" to="tsmith@oracle.com" subject="Mail from dest" >
  <attach srcType="report" format="delimiteddata" name="myattach.txt"
    <include src="report"/>
  </attach>
</mail>

必須/オプション

オプションです。attach要素は、1つのmail要素に対して必要な数だけ指定できます。attachは、foreachのサブ要素でもあることに注意してください。foreachでは、そのサブ要素(mail、file、printer、destypeおよびattach)を1つ以上使用する必要があります。

説明

attach要素は、電子メールの添付ファイルを指定します。attachには1つ以上のincludeサブ要素が必要です。srcType="report"である場合は、このサブ要素を複数指定できます。

表19-4ではattach要素の属性を説明します。

表19-4 mailのattachサブ要素の属性

属性 有効値 説明

format

pdf|html|htmlcss|rtf|ascii|xml|
delimiteddata|
spreadsheet|
enhancedspreadsheet|
dflt

デフォルト: pdf

添付ファイルのフォーマットを指定します(format="htmlcss"など)。srcTypereportであり、レポート・フォーマットがデフォルトのpdf以外の場合は必須です。それ以外の場合、formatはオプションです。

name

文字列

オプションです。変数値を指定できます。添付ファイルのファイル名を指定します。関連レポートで使用されている列を参照する変数値を指定することもできます。詳細は、第19.3.2項を参照してください。

srcType

file|report|text

デフォルト: report

添付ファイルのソース(ファイル、レポート、テキストのいずれか)。

instance

this|all

デフォルト: all

foreach要素が存在する場合にも使用します。グループ化されたレポートが別々のレポートに一括処理される場合は、instanceで、グループをグループ・インスタンスごとに個別の内容へと分割するか(this)、またはすべてを同じ内容に収めるか(all)を指定します。


これらの属性をforeach要素と併用すると、グループ・インスタンスで繰り返される宛先を設計し、グループの添付ファイルごとに電子メールを生成できます。例:

<foreach>
  <mail id="a2" to="first.name@myco.com,second.name@myco.com, third.name@myco.com, 
      fourth.name@myco.com" subject="Department Summaries">
    <body srcType="text">
      Attached is the breakdown of department summaries for the last quarter.
    </body>
    <attach format="htmlcss" name="deptsum.html" srcType="report" instance="this">
      <include src="report"/>
    </attach>    
  </mail>
</foreach>

foreach要素の位置を変えると、複数のファイルが添付された1通の電子メールを生成できます。この場合、グループ・インスタンスごとに添付ファイルが異なります。

<mail id="a2" to="first.name@myco.com,second.name@myco.com, third.name@myco.com, 
    fourth.name@myco.com" subject="Department Summaries">
  <body srcType="text">
    Attached is the breakdown of department summaries for the last quarter.
  </body>
  <foreach>
    <attach format="htmlcss" name="deptsum.html" srcType="report" instance="this">
       <include src="report"/>
    </attach>
  </foreach>
</mail>

19.4.6 include

<mail id="a1" to="jsmith@foo.com" subject="Q4">
  <body srcType="text">
    Attached are quarterly results.
  </body>
  <attach srcType="report" format="pdf">
    <include src="report"/>
  </attach>
</mail>

または

<mail id="a1" to="jsmith@foo.com" subject="Q4">
  <body srcType="text">
    Attached are quarterly results.
  </body>
  <attach srcType="report" format="htmlcss">
    <include src="headerSection"/>
  </attach>
</mail>

または

<mail id="a1" to="jsmith@foo.com" subject="Q4">
  <body srcType="text">
    Attached are quarterly results.
  </body>
  <attach srcType="file">
    <include src="d:/management/reports/current/Q4.htm"/>
  </attach>
</mail>

必須/オプション

bodyおよびattachと併用する際、srcTypereportまたはfileである場合は必須です。ただし、srcTypetextである場合はオプションです。また、fileprinterおよびdestypeとともに使用する場合は必須です。includeが必要なインスタンスでは、必ず1つ指定する必要があります。複数指定してもかまいません。

説明

include要素は、bodyattachfileprinterおよびdestypeの各要素とともに使用できます。これは、電子メールの本文に含めるファイル、レポートまたはレポート・セクションを、電子メールの添付ファイル、ファイルの内容、プリンタ出力またはカスタム宛先タイプの内容として指定します。

レポート全体ではなく複数のセクションを指定する場合は、必要なセクションごとにincludeを入力します。例:

<mail id="a1" to="jsmith@foo.com" subject="Results">
  <body srcType="text">
    Attached are quarterly results.
  </body>
  <attach srcType="report" format="htmlcss">
    <include src="headerSection"/>
    <include src="mainSection"/>
  </attach>
</mail>

先に指定されたbody要素やattach要素のsrcType属性がfileである場合、これに続くincludeで、そのファイルをディレクトリ・パスとファイル名で指定できますし、単にファイル名でも指定できます(そのファイルがREPORTS_PATH環境変数で示されたディレクトリ内にある場合)。例:

<mail id="a1" to="jsmith@foo.com">
  <body srcType="file">
    <include src="q4sales.pdf"/>
  </body>
</mail>

パスを指定する場合は、プラットフォームに適した標準を使用してください。例:

Windowsの場合: 

<include src="c:\management\reports\current\Q4.htm"/>

UNIXの場合: 

<include src="/management/reports/current/Q4.htm"/>

include要素の開始タグと終了タグの間に他のXML要素は記述されません。

表19-5では、include要素のsrc属性について説明します。

表19-5 bodyまたはattachとともに使用されるincludeサブ要素の属性

属性 有効値 説明

src

(パスおよび)ファイル名

report

headerSection

mainSection

trailerSection

必須です。先行するattachbodyfileprinterまたはdestypeの各要素に指定されているデータのソースを指定します。

配布XMLファイルは、特定のレポートを実行するときに呼び出されるため、src="report"である場合は、src属性にレポートの名前や位置を指定する必要がありません。

(パスおよび)ファイル名: 先行する要素がbodyまたはattachで、srcType=fileである必要があります。ディレクトリ・パスとファイル名を指定するか、そのファイルがREPORTS_PATH環境変数で示されたディレクトリにある場合はファイル名のみを指定します。

その他の値: 先行するbody要素またはattach要素でsrcType=reportを指定する場合、レポート全体を指定するか(report)、または本文に含めたり添付する対象レポートのセクションを指定します(たとえば、headerSection、mainSectionまたはtrailerSection)。


19.4.7 file

Windowsの場合 

<file id="a7" name="c:\management\reports\report.pdf" format="pdf">
  <include src="report"/>
</file>

または

<file id="MyFiles2" name="c:\My_Departments_Report.txt" format="delimiteddata">
  <include src="report"/>
</file>

UNIXの場合 

<file id="a7" name="/management/reports/report.pdf" format="pdf">
  <include src="report"/>
</file>

または

<file id="MyFiles2" name="/My_Departments_Report.txt" format="delimiteddata">
  <include src="report"/>
</file>

WindowsまたはUNIXの場合 

<foreach>
  <file id="a7" name="section&amp;&lt;department_id&gt;.pdf" format="pdf" 
      instance="this">
    <include src="mainSection"/>
  </file>
</foreach>

必須/オプション

オプションです。file要素は、必要な数だけ指定できます。

説明

file要素は、ファイルへの配布を指定するために使用します。file要素には、includeというサブ要素が1つあります。file要素の開始タグと終了タグの間には、少なくとも1つのincludeサブ要素が必要です。このサブ要素は複数指定できます。

file要素を、foreach要素およびinstance="this"属性とともに使用すると、グループ化されたレポートの各グループ・インスタンスを別々のファイルに配布できます。たとえば、レポートをdepartment_idでグループ化し、4つの部門が存在する場合は、foreach/file/instance="this"を組み合せて、それぞれが別々の部門のレポートを含んだ4つのファイルを生成できます。この場合、配布XMLファイルにおけるfileエントリは、次のようになります。

<foreach>
  <file id="a3" name="dept_&amp;&lt;department_id&gt;.pdf" format="pdf" 
      instance="this">
    <include src="report"/>
  </file>
</foreach>

この例では、すべてのレポート・セクション(ヘッダー、メインおよびトレーラ)が同じグループ・インスタンス(department_idなど)で繰り返されます。

表19-6では、file要素の属性を説明します。

表19-6 file要素の属性

属性 有効値 説明

id

文字列

必須です。特定のfile要素を識別する、配布XMLファイル内で一意のキーワードです。テキスト文字列と1つ以上の数値を組み合せた値を指定できます(id="a1"など)。id値は、必ず英字で始まる必要があります。

name

文字列

必須です。変数値を指定できます。宛先ファイルの場所とファイル名を指定します。ディレクトリ・パスを入力します。ファイル名も含めます。例:

Windows: name="d:\reports\q4sales.pdf"

UNIX: name="reports/q4sales.pdf

関連レポートで使用されている列を参照する変数値を指定することもできます。詳細は、第19.3.2項を参照してください。

format

pdf|html|htmlcss|rtf|ascii|xml|
delimiteddata|
spreadsheet|
enhancedspreadsheet|
bitmap

デフォルト: pdf

宛先ファイルのフォーマットです。例:

format="htmlcss"

instance

this|all

デフォルト: all

foreach要素が存在する場合にも使用します。グループ化されたレポートが別々のレポートに一括処理される場合、instanceで、グループをグループ・インスタンスごとに個別のファイルへと分割するか(this)、すべてを同じファイルに収めるか(all)を指定します。


19.4.8 printer

Windowsの場合

<printer id="a1" name="\\server_name\printer_name" copies="5">
  <include src="report"/>
</printer>

UNIXの場合

<printer id="a1" name="alias_to_registered_printer" copies="5" instance="all">
  <include src="report"/>
</printer>

必須/オプション

オプションです。printer要素は、必要な数だけ指定できます。

説明

printer要素は、プリンタへの配布を指定するために使用します。printer要素には、includeというサブ要素が1つあります。printer要素の開始タグと終了タグとの間には、1つ以上のincludeサブ要素が必要です。このサブ要素は複数指定できます。

printer要素を、foreach要素とinstance="this"属性と併用すると、グループ化されたレポートの各グループ・インスタンスを別々の印刷ジョブに配布できます。たとえば、レポートをdepartment_idでグループ化し、4つの部門が存在する場合、foreach/printer/instance="this"を組み合せて、4つの印刷レポート(それぞれが別々の部門のレポートを含んだレポート)を生成できます。この場合、配布XMLファイルにおけるprinterエントリは、次のようになります。

<foreach>
  <printer id="a7" name="\\server_name\printer_name" instance="this">
    <include src="report"/>
  </printer>
</foreach>

この例では、すべてのレポート・セクション(ヘッダー、メインおよびトレーラ)が同じグループ・インスタンス(department_idなど)で繰り返されます。

表19-7では、printer要素の属性を説明します。

表19-7 printer要素の属性

属性 有効値 説明

id

文字列

必須です。特定のfile要素を識別する、配布XMLファイル内で一意のキーワードです。テキスト文字列と1つ以上の数値を組み合せた値を指定できます(id="a1"など)。id値は、必ず英字で始まる必要があります。

name

文字列

必須です。変数値を指定できます。宛先のプリンタを指定します。この情報の入力方法は、WindowsとUNIXで異なります。

Windowsの場合は、プリンタ・サーバー名とプリンタ名を指定します。例:

name="\\server_name\printer_name"

UNIXの場合は、登録されたプリンタに割り当てられた別名を指定します。例:

name="sales_printer"

関連レポートで使用されている列を参照する変数値を指定することもできます。詳細は、第19.3.2項を参照してください。

copies

文字列

デフォルト: 1

各レポートまたは各レポート・グループ・インスタンスの印刷部数。

instance

this|all

デフォルト: all

foreach要素が存在する場合にも使用します。グループ化されたレポートが別々のレポートに一括処理される場合、instanceで、グループをグループ・インスタンスごとに別々の印刷レポートへと分割するか(this)、すべてを同じ印刷レポートに収めるか(all)を指定します。


19.4.9 destype

<destype id="acustom1" name="fax">
  <include src="headerSection"/>
  <property name="number" value="914925551212"/>
</destype>

配布XMLファイルにdestype要素を使用して、配布の宛先をOracle Portal、FTP、WebDAVおよびFAXに指定する例の詳細は、第19.5項「配布XMLファイルの例」を参照してください。

必須/オプション

オプションです。destype要素は、必要な数だけ指定できます。

説明

destype要素は、FAXマシンやFTPサイトなどのカスタムの宛先への配布を指定するために使用します。また、Oracle Portalで作成されたポータルへの配布を指定する場合も、destype要素を使用します。destype要素では、propertyおよびincludeの2つのサブ要素を使用できます。このうち、includeは少なくとも1つ指定する必要があります。


注意:

カスタムの宛先タイプを指定するには、レポートの内容をカスタムの出力先に導くための配布ハンドラを定義する必要があります。カスタムの宛先タイプは、Oracle Reports Services Destinations APIで作成します。

使用可能なOracle ReportsのAPIの詳細は、Oracle Technology Network(OTN)(http://www.oracle.com/technetwork/middleware/reports/overview/index.html)で提供されている『Oracle Reports Java API Reference』を参照してください。


destype要素を、foreach要素とinstance="this"属性と併用すると、グループ化されたレポートの各グループ・インスタンスを別々のdestypeインスタンス(別々のFAXなど)に配布できます。たとえば、レポートをdepartment_idでグループ化し、4つの部門が存在する場合は、それぞれが別々の部門のレポートが含まれる4つのdestypeインスタンスを生成できます。この場合、配布XMLファイルにおけるdestypeエントリは、次のようになります。

<foreach>
  <destype id="a9" name="fax" instance="this">
    <include src="report"/>
    <property name="number" value="&amp;&lt;fax_number&gt;"/>
  </destype>
</foreach>

この例では、すべてのレポート・セクション(ヘッダー、メインおよびトレーラ)が同じグループ・インスタンス(fax_numberなど)で繰り返されます。

カスタムの宛先タイプには、関連する属性もあります。これらの属性は、destypeタグ内に記述されます。たとえば、idnameinstanceの3つの属性が記述されます。

<foreach>
  <destype id="a1" name="name_of_destination_type" instance="all">
    <include src='report'/>
  </destype>
</foreach>

表19-8ではdestype要素の属性を説明します。

表19-8 destype要素の属性

属性 有効値 説明

id

文字列

必須です。特定のfile要素を識別する、配布XMLファイル内で一意のキーワードです。テキスト文字列と1つ以上の数値を組み合せた値を指定できます(id="a1"など)。id値は、必ず英字で始まる必要があります。

name

文字列

必須です。カスタムの宛先の名前を指定します。たとえば、FAXの場合は次のように指定します。

name="fax"

Oracle Portalで作成されたポータルの場合は、次のように指定します。

name="oraclePortal"

instance

this|all

デフォルト: all

foreach要素が存在する場合にも使用します。グループ化されたレポートが別々のレポートに一括処理される場合は、instanceで、グループをグループ・インスタンスごとに個別のdestypeインスタンスへと分割するか(this)、すべてを同じdestypeインスタンスに収めるか(all)を指定します。

たとえば、カスタムの宛先タイプがFAXである場合、instance="this"はグループ・インスタンスごとに個別のFAXを使用することを意味し、instance="all"はすべてのグループに同じFAXを使用することを意味します。


19.4.10 property

<foreach>
  <destype id="custom1" name="fax" instance="all">
    <include src="headerSection"/>
    <property name="number" value="914925551212"/>
  </destype>
</foreach>

必須/オプション

オプションです。destype要素の下には、必要な数のプロパティを指定できます。

説明

property要素には、カスタムの宛先タイプ(destype)で認識できる用語により表された名前/値のペアを指定します。プロパティは、単に宛先ハンドラに渡されます。Oracle Reports Services内では特に機能しません。プロパティの指定方法は、使用するカスタムの宛先の要件に完全に依存します。