2 Directory Server 5.2以上のプラグインAPIへの変更

この章では、Directory Server 11gリリース1 (11.1.1.7.0)のリリースにおける新機能、つまり、Directory Server 5.2リリース以上のプラグインAPIに加えられた変更について説明します。当初、前のリリースを対象として開発されたDirectory Serverのプラグインをメンテナンスする場合は、新機能や更新された機能を使用するために、そのようなプラグインをアップグレードすることを検討してください。

リファレンス情報は、「プラグインAPIリファレンス」を参照してください。

ヒント:

Directory Serverのプラグインを開発およびメンテナンスする場合は、Oracleサービスのコンサルタントと連携することを検討してください。

この章の内容は、次のとおりです。

Directory Server 5.2以上で非推奨になった機能と変更された機能
Directory Server 5.2以上の新機能

2.1 Directory Server 5.2以上で非推奨になった機能と変更された機能

この項では、Directory Server5.2リリース以上に非推奨になったか、または変更された機能について説明します。可能な場合には、代替機能を使用します。

2.1.1 変更を処理する属性値

次の表に、非推奨の関数と、属性値を処理するための代替関数を示します。

表2-1 属性値を処理するための代替関数

非推奨の関数	代替関数
`slapi_attr_first_value()`	`slapi_attr_first_value_const()`
`slapi_attr_next_value()`	`slapi_attr_next_value_const()`
`slapi_valueset_add_value()`	`slapi_valueset_add_value_optimised()`
`slapi_valueset_first_value()`	`slapi_valueset_first_value_const()`
`slapi_valueset_next_value()`	`slapi_valueset_next_value_const()`
`slapi_valueset_set_valueset()`	`slapi_valueset_set_valueset_optimised()`
`slapi_valueset_find()`	`slapi_valueset_find_const()`

2.1.2 `const`コレクトネスに関するコード変更

次の関数には、constコレクトネスが適用されるようになりました。

slapi_build_control()
slapi_build_control_from_berval()
slapi_control_present()
slapi_dup_control()
slapi_entry2str()
slapi_entry2str_with_options()
slapi_get_account_availability()
slapi_log_error_ex()
slapi_log_info_ex()
slapi_log_warning_ex()
slapi_register_supported_control()
slapi_search_internal_get_entry()

次のコールバック・データ型にも、constコレクトネスが適用されるようになりました。

slapi_pwd_storage_scheme_cmp_fn
slapi_pwd_storage_scheme_dec_fn
slapi_pwd_storage_scheme_enc_fn

更新されたプロトタイプは、install-path/include/slapi-plugin.hを参照してください。

2.2 Directory Server 5.2以上の新機能

この項では、Directory Server 5.2リリース以上に追加された機能の概要について説明します。この項では、内部使用のために予約された機能については説明しません。

2.2.1 新しい識別名関数

識別名(DN)を処理するために、次の関数が追加されました。

slapi_dn_is_besuffix_norm()
slapi_sdn_get_suffix()

2.2.2 新しいエントリ処理関数

エントリを処理するために、slapi_entry_isroot()関数が追加されました。

2.2.3 新しい変更処理関数

変更を処理するために、slapi_mods_remove_at()関数が追加されました。

2.2.4 新しいプラグイン・コールの順序付けメカニズム

Directory Serverでは、現在、サーバーによりプラグインをコールする順序を設定するためのメカニズムが提供されています。詳細は、「プラグイン・コールの順序付け」を参照してください。

2.2.5 新しいスキーマ・チェック関数

スキーマ・チェックを処理するために、slapi_entry_schema_check_ext()関数が追加されました。

2.2.6 新しいサフィックス関数

サポートされているサフィックスを参照するために、次の関数が追加されました。

slapi_free_suffix_list()
slapi_get_suffix_list()

2.2.7 新しい構文チェック関数

構文チェックを処理するために、次の関数が追加されました。

slapi_entry_syntax_check()
slapi_ldapmods_syntax_check()
slapi_rdn_syntax_check()

2.2.8 新しい仮想属性関数

仮想属性を処理するために、slapi_vattr_is_virtual()関数が追加されました。

2.2.9 属性リストを要求するための新しい`attrs`の実装

戻される属性のリストを指定するために、attrsパラメータがslapi_search_internal_set_pb() ()関数に実装されています。以前は、attrsパラメータの値に関係なく、すべての属性が戻されました。