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Oracle® Fusion Middleware Oracle Event Processing管理者ガイド
11gリリース1 (11.1.1.7)
B61653-06
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B デプロイヤ・コマンドライン・リファレンス

この付録では、Oracle Event Processingアプリケーションのデプロイに使用できる、Oracle Event ProcessingのDeployerコマンドライン・ユーティリティへの参照を提供します。

この付録の内容は次のとおりです。

B.1 デプロイヤ・コマンドライン・ユーティリティの使用方法の概要

Deployerは、管理者や開発者がOracle Event Processingアプリケーションのデプロイ操作をコマンドラインで実行するためのJavaベースのデプロイメント・ユーティリティです。Oracle Event Processingデプロイメントのコンテキストでは、アプリケーションは次のアーティファクトを含むOSGiバンドルJARファイルとしてhttp://www.osgi.org/で定義されます。

このデプロイメント・バンドルを作成する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Event Processing開発者ガイド for Eclipse』のOracle Event Processingアプリケーションのアセンブリに関する項を参照してください。

デプロイヤ・ユーティリティはHTTPを使用してOracle Event Processingに接続します。つまり、アプリケーションのデプロイ先となるサーバー・インスタンスに応じてJettyを構成する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Event Processing管理者ガイド』のJettyの構成に関する項を参照してください。

Oracle Event Processingは、deployments.xmlファイルを使用して、デプロイ済アプリケーションのOSGiバンドルのリストを内部的に維持します。このファイルはDOMAIN_DIR/servernameディレクトリにあります。DOMAIN_DIRはメイン・ドメイン・ディレクトリであり、アプリケーションのデプロイ先となるサーバー・インスタンスに対応します。servernameはサーバー・インスタンス自体です。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Event Processing開発者ガイド for Eclipse』のOracle Event Processingスキーマに関する項を参照してください。


警告:

deployments.xmlファイルのXSDは、あくまでも参考として示しています。deployments.xmlファイルを手動で更新することは、お薦めしません。


B.2 デプロイヤ・ユーティリティ環境の構成

デプロイヤ・ユーティリティを使用する前に、環境を適切に構成する必要があります。

デプロイヤ・ユーティリティ環境を構成するには:

  1. Oracle Event Processingソフトウェアをインストールおよび構成します。『Oracle Fusion Middleware Oracle Event Processingスタート・ガイド』のOracle Event Processingのインストールに関する項を参照してください。

  2. コマンド・ウィンドウを開き、環境を設定します。『Oracle Fusion Middleware Oracle Event Processing開発者ガイド for Eclipse』の開発環境の設定に関する項を参照してください。

  3. ORACLE_CEP_HOME/ocep_11.1/binディレクトリにあるwlevsdeploy.jar JARファイルを含むようにCLASSPATH変数を更新します。ORACLE_CEP_HOMEは、/oracle_cepなどのOracle Event Processingメイン・インストール・ディレクトリです。

B.3 リモートでのデプロイヤ・ユーティリティの実行

Oracle Event Processingをインストールして実行しているコンピュータとは別のコンピュータでDeployerユーティリティを実行すると便利な場合があります。

リモートでデプロイヤ・ユーティリティを実行するには:

  1. Oracle Event Processingがインストールされているコンピュータからデプロイヤ・ユーティリティを実行するコンピュータに、次のJARファイルをコピーします。JARファイルのコピー先のディレクトリ名は、任意の名前とすることができます。

    • ORACLE_CEP_HOME/ocep_11.1/bin/wlevsdeploy.jar

    ここで、ORACLE_CEP_HOMEは、Oracle Event Processingをインストールする先のメイン・ディレクトリを示します。

  2. 次のいずれかの方法でCLASSPATHを設定します。

    • ユーティリティを実行するときに、-jar引数を使用してCLASSPATHを暗黙的に設定します。つまり、この引数でNEW_DIRECTORY/wlevsdeploy.jarファイルを設定します。NEW_DIRECTORYは、必要なJARファイルをコピーしたリモート・コンピュータ上のディレクトリです。-jar引数を使用するときは、コマンド・ラインでDeployerユーティリティ名を指定しません。

    • リモート・コンピュータにコピーしたJARファイルをCLASSPATH環境変数に追加することにより、明示的にCLASSPATHを更新します。

  3. 次の項の説明に従ってDeployerユーティリティを起動します。

B.4デプロイヤ・ユーティリティを起動するための構文

デプロイヤ・ユーティリティを使用するための構文は次のとおりです。

java -jar wlevsdeploy.jar 
    [Connection Arguments]
    [User Credential Arguments] 
    [Deployment Commands]

次の項では、デプロイヤ・ユーティリティで使用できる様々な引数およびコマンドについて説明します。このユーティリティの具体的な使用方法の例については、付録B「デプロイヤ・ユーティリティの使用例」を参照してください。

B.4.1 接続引数

表B-1は、デプロイヤ・ユーティリティで指定できる接続引数を示しています。

表B-1 接続引数

引数 説明
-url url

OSGIバンドルのデプロイ先となるOracle Event ProcessingインスタンスのデプロイヤのURLを指定します。

URLは次の形式にします。

http://host:port/wlevsdeployer

説明:

  • hostは、Oracle Event Processingを実行しているコンピュータのホスト名です。

  • portは、Oracle Event Processingのリスニング・ポート番号です。デフォルトでは、その値は9002です。このポートは、Oracle Event Processingドメインを記述するconfig.xmlファイルで指定されます。このファイルはDOMAIN_DIR/configディレクトリにあります。DOMAIN_DIRはドメイン・ディレクトリを指します。

    ポート番号は<Netio>要素の<Port>子要素の値です。

    <Netio>
       <Name>NetIO</Name>
        <Port>9002</Port>
    </Netio>
    

    SSL専用接続に対してOracle Event Processingサーバーを構成する場合(10.7項「Oracle Event Processingサーバーに対するHTTPS専用接続の構成」)、SSL <Netio>要素の<Port>子要素の値を使用します。

    <Netio>
       <name>sslNetIo</name>
       <port>9003</port>
       <ssl-config-bean-name>sslConfig</ssl-config-bean-name>
    </Netio>
    

たとえば、Oracle Event Processingがホストarielのポート9002で実行されている場合、URLは次のようになります。

http://ariel:9002/wlevsdeployer

B.4.2 ユーザー資格証明の引数

表B-2は、デプロイヤ・ユーティリティで指定できるユーザー資格証明の引数を示しています。

表B-2 ユーザー資格証明の引数

引数 説明
-user username

Oracle Event Processing管理者のユーザー名。

-userオプションを指定したが、対応する-passwordオプションを指定しなかった場合は、パスワードの入力を求めるデプロイヤ・ユーティリティのプロンプトが表示されます。

-password password

Oracle Event Processing管理者のパスワード。

注意: この引数は非推奨で、後続のリリースで削除される可能性もあります。この引数を使用しないことをお薦めします。


B.4.3 デプロイメント・コマンド

表B-3は、デプロイヤ・ユーティリティで使用できるデプロイメント・コマンドを示しています。

表B-3 デプロイメント・コマンド

コマンド 説明
-encrypt

ユーザー名とパスワードを暗号化し、出力ファイルに書き込みます。

-encryptoutfile encryptoutfile

encryptoutfileを使用して、暗号化されたユーザー名とパスワードを書き込むことを指定します。

-group groupname

デプロイ・コマンド(install、uninstall、update、suspendまたはresume)をターゲット・グループ(具体的には、そのグループ内の一連の実行中サーバー)に適用することを指定します。

ドメイン・グループを指定するには、次のようにキーワードallを使用します:

-group all

カスタム・グループを指定するには、単純にグループの名前を指定します:

-group my_group

注意: サーバーがマルチサーバー・ドメインの一部である場合(つまり、クラスタリングが有効な場合)、グループに対してのみデプロイできます。サーバーがスタンドアロンサーバー・ドメインの一部である場合(つまり、クラスタリングが無効な場合)、グループに対してデプロイできません。詳細は、6.1項「Oracle Event Processingマルチサーバー・ドメインの管理の概要」を参照してください。

-help

コマンド構文および引数について説明するメッセージを出力します。

-install bundle

指定したOracle Event Processingインスタンスに、指定したOSGiバンドルをインストールします。

bundleパラメータは、Deployerユーティリティを実行するコンピュータのローカルにあるファイル名を指定します。

バンドルが置かれている場所が、デプロイヤ・ユーティリティを実行しているディレクトリに対して相対的なディレクトリではない場合、バンドルのフル・パス名を必ず指定してください。

特に、Oracle Event Processingでは次の処理が行われます。

  • 指定したバンドルがドメイン・ディレクトリにコピーされます。

  • バンドルのMETA-INF/wlevsディレクトリにおいてコンポーネント構成ファイルが検索され、ドメイン・ディレクトリに抽出されます。

  • 内部デプロイメント・レジストリが更新されます。

  • アプリケーションが開始されます。受信アダプタはただちにデータを受信し始めます。

-resume name

指定したOracle Event Processingインスタンス上で一時停止されたOSGIバンドルを再開します。構成されたアダプタが再びただちに着信データを受信し始めます。

nameパラメータは、停止するOSGiバンドルのシンボリック名です。シンボリック名は、バンドルのMANIFEST.MFファイルに含まれるBundle-SymbolicNameヘッダーの値です。

Bundle-SymbolicName: myApp
-status name

現在のインストール済OSGiバンドルに関するステータス情報を返します。

nameパラメータは、ステータス情報を取得するOSGiバンドルのシンボリック名です。シンボリック名は、バンドルのMANIFEST.MFファイルに含まれるBundle-SymbolicNameヘッダーの値です。

Bundle-SymbolicName: myApp
-suspend name

指定したOracle Event Processingインスタンスにインストール済で現在実行中のOSGIバンドルを一時停止します。

nameパラメータは、開始するOSGiバンドルのシンボリック名です。シンボリック名は、バンドルのMANIFEST.MFファイルに含まれるBundle-SymbolicNameヘッダーの値です。

Bundle-SymbolicName: myApp
-uninstall name

指定したOracle Event Processingインスタンスから既存のバンドルを削除します。

nameパラメータは、削除するOSGiバンドルのシンボリック名です。シンボリック名は、バンドルのMANIFEST.MFファイルに含まれるBundle-SymbolicNameヘッダーの値です。

Bundle-SymbolicName: myApp

特に、Oracle Event Processingでは次の処理が行われます。

  • 指定したOSGiバンドルがドメイン・ディレクトリから削除されます。

  • 内部デプロイメント・レジストリからバンドルが削除されます。

-update bundle

既存のOSGiバンドルを新しいアプリケーション・コードで更新します。

bundleパラメータは、Deployerユーティリティを実行するコンピュータのローカルにあるファイル名を指定します。

バンドルが置かれている場所が、デプロイヤ・ユーティリティを実行しているディレクトリに対して相対的なディレクトリではない場合、バンドルのフル・パス名を必ず指定してください。

特に、Oracle Event Processingでは次の処理が行われます。

  • 更新したバンドルがドメイン・ディレクトリにコピーされます。

  • 更新したバンドルのMETA-INF/wlevsディレクトリにおいて更新したコンポーネント構成ファイルが検索され、ドメイン・ディレクトリに抽出されます。

  • 更新した情報で内部デプロイメント・レジストリが更新されます。

-userconfigfile userconfigfile

userconfigfile (security-config.xml)を使用して、暗号化されたユーザー名とパスワードをファイルから取得することを指定します。

-userkeyfile userkeyfile

userkeyfile (.msainternal.dat)を使用して、ユーザー構成ファイルのパスワードを暗号化するために使用する暗号化キーを取得することを指定します。


B.5 デプロイヤ・ユーティリティの使用例

次の例は、デプロイヤ・ユーティリティの使用方法を示しています。すべての例で、Oracle Event Processingはホストarielで実行されていて、リスニング・ポートは9002です。また、サーバー管理者のユーザー名/パスワードはそれぞれwlevs/wlevsです。わかりやすくするために、例は複数行に分けて示していますが、コマンドを実行するときは、すべての引数とコマンドを1行に入力します。

prompt> java -jar wlevsdeploy.jar 
        -url http://ariel:9002/wlevsdeployer -user wlevs -password wlevs
        -install /application/bundles/com.my.exampleApp_1.0.0.0.jar

上の例は、/application/bundlesディレクトリにあるcom.my.exampleApp_1.0.0.0.jarというOSGiバンドルをインストールする方法を示しています。

次のコマンドは、このアプリケーションを一時停止後に再開する方法を示しています。

prompt> java com.bea.wlevs.deployment.Deployer 
        -url http://ariel:9002/wlevsdeployer -user wlevs -password wlevs
        -resume exampleApp

次の例は、このアプリケーションのアンインストール方法を示しています。アンインストールを実行すると、アプリケーションのすべてのトレース情報がドメイン・ディレクトリから削除されます。

prompt> java com.bea.wlevs.deployment.Deployer 
        -url http://ariel:9002/wlevsdeployer -user wlevs -password wlevs
        -uninstall exampleApp

次の例は、strategies_1.0.jarというアプリケーションをstrategygroupにインストールする方法を示しています。また、javaユーティリティの-jarコマンドの使用方法も示しています。

prompt> java -jar wlevsdeploy.jar 
        -url http://ariel:9002/wlevsdeployer -install strategies_1.0.jar 
        -group strategygroup