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Oracle® WebCenter Content Imaging管理者ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B72420-01
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4 アプリケーションの管理

アプリケーションは、Oracle WebCenter Content: Imagingの中心となります。Imagingでは、アプリケーションは独立したソフトウェア・パッケージではなく、アップロードされたドキュメントの一種の管理コンテナです。

この項では、Imagingでアプリケーションを作成および構成する方法について説明します。内容は次のとおりです。

4.1 アプリケーションの概要

要するに、アプリケーションはドキュメントが分類されるカテゴリです。アプリケーションを定義する際には、名前を付け、ドキュメントの保存に使用するリポジトリ、各ドキュメントのメタデータ値の追跡に使用するメタデータ・フィールド、アプリケーション定義を操作するための権限やアプリケーションに保存されているドキュメントに対する権限を持つユーザー、およびドキュメントをワークフロー・プロセスに接続するかどうかを決定します。

たとえば、XYZカンパニーの買掛管理部門が請求書を保存するためのアプリケーションを必要としているとします。一般的な請求書アプリケーションには、ベンダー名と住所、ベンダーID、請求書番号、請求書で処理する元の発注番号、支払条件および合計請求額を追跡するためのメタデータ・フィールドが格納されます。XYZカンパニーのIT管理者は、買掛管理部門のマネージャのみにアプリケーションを作成する権限を付与します。マネージャは、アプリケーションを作成し、メタデータ・フィールドを定義して、アプリケーションにアクセスする権限を買掛管理部門の担当者に付与します。買掛管理部門の担当者は、アプリケーションにドキュメントを追加できますが、ドキュメントを削除することはできません。また、マネージャは、請求書がアップロードされると、ワークフローを通じて送信されるように、アプリケーションをワークフロー・プロセスに接続します。さらに、「承認済」「保留中」「受信済」または「却下済」のスタンプを必要に応じて請求書に付けることができるように、アプリケーション内のドキュメントを表示して注釈を付ける権限を担当者に付与します。

ほとんどの場合、アプリケーションを本番環境に実装する前に、開発システムで定義およびテストします。これを容易にするために、既存のアプリケーション定義をImaging内で再利用できます。そのためには、XMLを使用して、目的の定義を転送可能な形式にエクスポートします。その後、エクスポートした定義ファイルを本番システムなどの他のシステムにインポートできます。また、作成するアプリケーション定義に似た定義をインポートし、インポートした定義を必要に応じて変更することもできます。エクスポートとインポートの詳細は、第3.5項「定義のエクスポートおよびインポート」を参照してください。

4.1.1 ドキュメントの概要

アプリケーションは、元の電子ファイル形式のドキュメントまたは物理ドキュメントのイメージとしてのドキュメントの保存およびドキュメントへのアクセスの制御に使用されます。Imagingのドキュメントとそのアップロード方法を理解すれば、アプリケーションを完全に理解できます。

Imagingのドキュメントは、ファイルおよびそのファイルを記述する次の情報で構成されます。

  • ID: 一意の識別子。

  • 名前: システムに追加されたときの元のファイル名。

  • プロパティ: ファイル・サイズ、MIMEタイプ、ファイル名、作成者、ロック、バージョン、アプリケーションIDおよびアプリケーション名。

  • アプリケーションID: ドキュメントを保存するアプリケーションの一意のシステム識別子。

  • アプリケーション名: ドキュメントを保存するアプリケーションの名前。

  • フィールド値: アプリケーション・メタデータ。

  • セキュリティ権限: ドキュメントへのアクセス権。

  • サポートするドキュメント: テキストやイメージなどの関連ファイル。たとえば、XYZカンパニーでは、ドキュメントをスキャンしたスキャン・ステーションを追跡しますが、その情報がアプリケーションのメタデータ・フィールドに表示されないようにしたいと考えています。この場合、その情報をXMLまたはテキスト・ファイルに出力し、サポートするドキュメントとしてImagingにアップロードできます。

  • 注釈: 承認スタンプやテキストなど、ドキュメント内のオンライン・メモ。

4.1.1.1 ドキュメントのアップロード

アップロード(取込みとも呼ばれる)は、ドキュメントをImagingシステムに取得して、各ドキュメントに固有の値をアプリケーションのメタデータ・フィールドに挿入し、検索を使用してドキュメントを取得できるように値の索引を作成するプロセスです。アップロード時には、ドキュメントのメタデータの索引が作成されます。ドキュメントの全文索引が作成されることもあります。索引作成プロセスは、リポジトリの設定やドキュメントの形式によって異なります。

ドキュメントをアップロードすると、検索および検索対象のアプリケーション内のドキュメントに対するセキュリティ権限を持っているすべてのユーザーが検索および取得できるようになります。権限があれば、取得したドキュメントを印刷、表示またはダウンロードしたり、ドキュメントに注釈を付けることができます。表示には、500を超えるファイル形式をサポートするOracle Outside In Technologyを使用するImagingビューアが使用されます。Oracle Outside In Technologyの詳細は、Oracle Outside In TechnologyのWebサイト(http://www.oracle.com/technologies/embedded/outside-in.html)を参照してください。

ドキュメントは、次のいずれかの方法でアップロードします。

  • 個々のドキュメントをアップロードするには、「ドキュメントのアップロード」ツールのインタフェースを使用します。

  • ドキュメントを一括でアップロードするには、Imaging入力エージェントを使用します。詳細は、第5項「入力の管理」を参照してください。

  • Imaging APIを使用してドキュメントをアップロードするには、カスタム・アプリケーションを使用します。Imaging APIの使用の詳細は、『Oracle WebCenter Content Imaging開発者ガイド』を参照してください。

ドキュメントのアップロードの詳細は、『Oracle® WebCenter Content Imagingユーザーズ・ガイド』を参照してください。

4.2 アプリケーションの作成


注意:

Imagingユーザー・インタフェースのナビゲータ・ペインには、権限に基づいて様々なパネルが表示されます。アプリケーション・システム権限、または少なくとも1つのアプリケーションに対する管理権限を持っていなければ、ナビゲータ・ペインに「アプリケーションの管理」パネルは表示されません。アプリケーションを作成するには、「作成」または「管理者」権限が必要です。また、アプリケーションを作成するユーザーには、使用する接続(リポジトリ)に対する「表示」権限が少なくとも必要です。


アプリケーションの定義プロセスを開始するには、Imagingユーザー・インタフェースのナビゲータ・ペインで「アプリケーションの管理」パネルを開きます。

次のタスクを次の順序で実行します。

  1. 一般プロパティの指定: アプリケーションの名前および説明を入力します。

  2. アプリケーション・フィールドの定義: アプリケーションで使用し、索引を作成するフィールドを定義します。

  3. アプリケーション・セキュリティの割当て: アプリケーションのセキュリティ権限を割り当てます。

  4. ドキュメント・セキュリティの割当て: ドキュメントのセキュリティ権限を割り当てます。

  5. 記憶域ポリシーの割当て: コンテンツの記憶域ポリシーを定義します。

  6. ワークフロー統合の構成: アプリケーション内のコンテンツのワークフロー・プロセスを構成します。

  7. アプリケーション設定の確認: アプリケーション設定を確認し、送信します。


注意:

アプリケーションを作成、削除または変更することによってリポジトリのDOCMETA表が変更されると、他の操作もこの表に影響している場合、アクティブなリポジトリ・サーバーで問題が発生する可能性があります。このような状況はあまり起こりそうにありませんが、この結果、ドキュメントのアップロードに問題が生じる場合があるので、Content Serverリポジトリ・サーバーのアイドル時間に合わせてアプリケーションを変更することをお薦めします。

発生する可能性がある問題を軽減するには、アプリケーションの変更によるエンタープライズ組織への影響が少なくなるように、複数のContent Serverリポジトリ・インスタンスを使用してビジネス部門を分離します。


4.2.1 一般プロパティの指定

各アプリケーションに名前を指定する必要があります。アプリケーションが作成されると、指定したアプリケーション名がナビゲーション・ペインの「アプリケーション」パネルに表示されます。アプリケーションのリポジトリも指定する必要があります。アプリケーションを作成した後、リポジトリの選択を変更することはできません。必要に応じて、アプリケーションを選択したときにアプリケーション・サマリー・ページに表示されるアプリケーションの簡単な説明を入力できます。このページを表示する手順は、第A.25項「アプリケーション一般プロパティ・ページ」を参照してください。

アプリケーションの一般プロパティを指定する手順は次のとおりです。

  1. ナビゲータ・ペインで「アプリケーションの管理」パネルを開き、「アプリケーションの作成」アイコンをクリックします。アプリケーション一般プロパティ・ページが表示されます。

  2. 「名前」フィールドにアプリケーションの名前を入力します。たとえば、XYZカンパニーで米国地区の請求書を保存するための請求アプリケーションを作成する場合、アプリケーションにInvoices_USという名前を付けます。アプリケーション名は、ドキュメントのアップロード・ページではユーザーに表示され、入力と検索を作成するときには、システム管理者に表示されます。このフィールドは必須です。

  3. 必要に応じて、「説明」フィールドにアプリケーションの説明を入力します。たとえば、米国地区のすべての請求書などのように入力します。この説明は、アプリケーション・サマリー・ページのタイトルの下、「ドキュメントのアップロード」ツールを使用しているとき、およびナビゲータ・ペインの「アプリケーションの管理」パネルでアプリケーション名にカーソルを合わせたときに表示されます。

  4. アプリケーションのリポジトリをフィールドから選択します。多数のリポジトリがある場合があるため、このフィールドでは、アプリケーションで使用するContent Serverリポジトリを指定します。複数のContent Serverリポジトリを異なるアプリケーションに使用すると、負荷を分散したり、特定のビジネス部門にコンテンツを分離できます。XYZカンパニーの例では、1つのリポジトリを使用してヨーロッパ地区のすべての請求書を保存し、別のリポジトリを使用して米国地区のすべての請求書を保存し、また別のリポジトリを使用して人事管理部門のすべてのドキュメントを保存できます。リポジトリを定義し、アプリケーションを作成した後、リポジトリを変更することはできません。このフィールドは必須です。


    注意:

    アプリケーションを作成するユーザーには、使用するリポジトリ接続に対する「表示」セキュリティ権限も必要です。


  5. ドキュメントの全文を検索できるようにするか、高速チェックインを実行できるようにするかを指定します。

    高速チェックイン

    このオプションは、多数のドキュメントを一度にチェックインする必要がある場合に便利です。このオプションでは、ImagingドキュメントをContent Server記憶域に転送する際の高速取込みがサポートされます。「高速チェックイン」モードでは、Imagingによって取り込まれたドキュメントがOracle Inbound Refinery(IBR)、ワークフローおよび索引の作成をバイパスするため、コンテンツのチェックインの速度が向上します。そのため、多数のチェックインを一度に実行できます。

    Content Serverリポジトリですべてのチェックインについて「高速チェックイン」オプションが有効になっている場合、Imagingにも高速チェックインが適用され、アプリケーションの作成時に全文オプションを使用することはできません。Content Serverへのすべてのチェックインについて「高速チェックイン」を有効にするには、config.cfg構成ファイルでuseFastCheckin=1またはDirectReleaseNewCheckinDoc=1を設定します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentサービス・リファレンスを参照してください。

    全文検索

    このオプションを選択する場合、全文索引を作成するようにリポジトリ・サーバーが設定されている必要があります。また、ドキュメントは、テキスト情報を格納する形式である必要があります。多くのImagingソリューションでは、全文索引を作成する必要はありません。また、テキスト情報を検索する必要もありません。たとえば、XYZカンパニーのInvoices_USアプリケーションでは、請求書がTIFFイメージとしてスキャンおよびアップロードされるため、全文索引を作成する必要はありません。ドキュメントのTIFFイメージにはテキスト情報が格納されないので、全文索引を作成することはできません。請求書は、メタデータ値を使用して検索されます。ただし、人事管理部門では、履歴書および従業員契約を電子ファイルとしてアップロードし、ファイルのテキストを検索する必要があるとします。このような場合、Employment Contractアプリケーションでは全文索引の作成が必要になることがあります。

  6. 「次」をクリックして、アプリケーション・フィールド定義ページに移動します。

4.2.2 アプリケーション・フィールドの定義

アプリケーションに定義されたフィールドによって、アプリケーション内のコンテンツに関連付けられたメタデータが追跡されます。4種類のフィールド定義のいずれか、必須であるかどうか、および検索速度を向上させるために索引を作成するかどうかを指定できます。少なくとも1つのフィールドを定義する必要があります。使用可能な4つのフィールド・タイプは次のとおりです。

  • テキスト: フィールドは、テキスト文字列を受け入れます。有効な文字列長は、「長さ」要素で指定します。サポートされる最大文字数は200です。

  • 番号: フィールドは、21.4億から-21.4億までの整数を受け入れます。

  • 小数: フィールドは、小数点の前後の数字を含め、合計1から15桁の数値を受け入れます。たとえば、スケール係数が5の場合、範囲は-9999999999.99999から9999999999.99999になります。10進法は、「スケール」要素で設定されます。

  • 日付: フィールドは、地域ごとの形式の日付を受け入れます。

すべてのフィールド・タイプについて、索引を作成できます。メタデータ・フィールドの索引付けの有効化は、そのフィールドにのみ適用されます。指定した情報は、アプリケーション・サマリー・ページの「フィールド定義」カテゴリに表示されます。索引は、基になるリポジトリ・データベース表に適用されます。適用される索引が多すぎても少なすぎても、システムのパフォーマンスに悪影響を及ぼします。通常は、実行されるドキュメント検索の中心となるフィールドに索引を適用してください。データベース管理者の支援を受け、ビジネス・プロセス分析の一環として、このフィールド・リストを定義する必要があります。

Oracleデータベースを使用してImagingコンテンツを保存する場合、Imagingのメタデータ検索では大/小文字が区別されます。ただし、大/小文字を区別しないメカニズムに変更することもできます。大/小文字を区別しないメタデータ検索を構成する方法の詳細は、第6.4項「大/小文字を区別しない検索の有効化」を参照してください。

アプリケーションを作成および変更する際に、アプリケーション内のフィールドを追加および削除できます。アプリケーションを追加または変更する場合、既存のフィールドを削除した後、そのプロセス中に同じ名前で新しいフィールドを追加できないという制限があります。このような状況が発生した場合は、「取消」をクリックし、アプリケーション・フィールドの定義を再度開始して、正しい名前でフィールドを追加してください。

使用可能なフィールド・タイプおよびオプションの詳細は、第A.26項「アプリケーション・フィールド定義ページ」を参照してください。

XYZカンパニーのInvoices_USアプリケーションの例についてフィールドを定義する手順は、次のとおりです。

  1. アプリケーション・フィールド定義ページで、「追加」をクリックし、この例では、フィールドのタイプとして「日付」を選択し、「必須」および「索引付け」を有効にします。

  2. フィールド名をわかりやすい名前に変更します。この例では、最初のフィールドの名前を「受領日」に変更します。

  3. 「デフォルト値の編集」アイコンをクリックして、デフォルト値(12/31/2009など)を入力します。デフォルト値は、ユーザーに提示されるのみです。空白のままにした場合、フィールドが自動的にこの値に設定されるわけではありません。

  4. 「追加」をクリックし、この例では、フィールドのタイプとして「日付」を選択し、「索引付け」を有効にします。

  5. フィールド名をわかりやすい名前に変更します。この例では、最初のフィールドの名前を「支払日」に変更します。

  6. 「追加」をクリックし、フィールド・タイプとして「数値」を選択し、「索引付け」を有効にします。

  7. フィールド名をわかりやすい名前に変更します。この例では、フィールド名を「請求書番号」に変更します。

  8. 「追加」をクリックし、フィールド・タイプとして「テキスト」を選択し、「索引付け」を有効にします。

  9. この例では、フィールド名を「ベンダーID」というわかりやすい名前に変更します。

  10. 「選択リスト」列の「選択リストの追加」アイコンをクリックします。「選択リスト」ダイアログが表示されます。このダイアログを使用して、メタデータ・フィールドの選択可能なオプションのリストを追加します。この例では、テキスト・フィールドの制限に準拠する任意の値を入力できます。たとえば、XYZカンパニーでは、各ベンダーに一意のコードを使用しているとします。選択リストを追加すると、ユーザーはリストからコードを選択できるため、ベンダーIDメタデータを正確に入力することが可能です。選択リスト・アイテムの先頭および末尾のスペースは保持されません。「選択リスト」列の鉛筆アイコンをクリックすると、既存のリストを編集できます。また、「選択リストの削除」アイコンをクリックすると、既存の選択リストを削除できます。


    注意:

    フィールドに選択リストが定義されている場合、ユーザーがフィールドにデータを入力するには、選択リストから選択する必要があります。フィールドにデータを直接入力することはできません。同様に、入力エージェントおよび定義ファイルを使用してドキュメントにデータを入力する場合、定義ファイルで有効な選択リスト値を指定する必要があります。


  11. XYZカンパニーの例で処理を続行するには、手順8および9を繰り返して、次の名前のテキスト・フィールドを追加します。

    • ベンダー名

    • 発注番号

    • 支払条件

  12. 「追加」をクリックし、フィールド・タイプとして「小数」を選択し、「索引付け」を有効にします。

  13. フィールド名を「合計請求額」に変更します。

  14. 「次」をクリックして、アプリケーション・セキュリティ・ページに移動します。

4.2.3 アプリケーション・セキュリティの割当て

アプリケーションの表示、変更、削除およびアクセス権の付与を行うためのセキュリティ権限は、アプリケーションを定義する際にアプリケーション・セキュリティ・ページでユーザーまたはグループ・レベルで割り当てます。アプリケーションのセキュリティ権限を割り当てる手順は次のとおりです。

  1. アプリケーション・セキュリティ・ページで、「追加」をクリックします。セキュリティ・メンバーの追加ページが表示されます。ユーザーまたはグループ名を入力するか、「検索」をクリックして、選択するユーザーまたはグループのリストを表示します。フィールドを空白のままにすると、すべてのユーザーまたはグループが返されます。結果をフィルタ処理するには、ワイルドカードを使用します。

  2. 追加するユーザーまたはグループを選択します。たとえば、XYZカンパニーのInvoices_USアプリケーションについて、Acct_Directorsという会計担当ディレクターのグループを追加するとします。また、米国の買掛管理部門のマネージャなど、特定のユーザーにもこのアプリケーションへのアクセス権が必要であるとします。さらに、IT管理グループには、このアプリケーションに対する「表示」および「アクセス権の付与」権限が少なくとも必要であるとします。選択するグループまたはユーザーは、ユーザーの認証に使用する資格証明ストアで定義されている必要があります。選択したユーザー名が、アプリケーション・セキュリティ・ページの「表示名」列に追加されます。

  3. 該当する列のフィールドを選択して、ユーザーに割り当てる権限を有効にします。オプションは次のとおりです。

    • 表示: デフォルトで有効になっています。検索を作成する際に、必要に応じてアプリケーションを表示する権限をユーザーまたはグループに付与します。XYZカンパニーのInvoices_USの例では、請求書自体へのアクセス権を持っていなくても請求書の検索を作成できるように、情報テクノロジ部門の従業員に「表示」権限を付与できます。アプリケーション内のドキュメントを変更する権限は、割り当てられているドキュメントのセキュリティ権限によって決まります。

    • 変更: セキュリティ権限の付与を除く、アプリケーションのすべての要素を変更する権限をユーザーまたはグループに付与します。XYZカンパニーのInvoices_USの例では、「変更」権限を米国の買掛管理部門のマネージャに付与しますが、買掛管理部門のすべての従業員および他の地区のマネージャには付与しません。

    • 削除: アプリケーションを削除する権限をユーザーまたはグループに付与します。XYZカンパニーのInvoices_USの例では、Acct_Directorsグループに「削除」権限を付与します。

    • アクセス権の付与: アプリケーションのセキュリティ権限を他のユーザーやグループに付与する権限をユーザーまたはグループに付与します。XYZカンパニーのInvoices_USの例では、Acct_Directorsグループにこの権限を付与します。ただし、このセキュリティ・レベルのみが付与されているユーザーは、アプリケーションのセキュリティ情報のみを変更できます。これによって、アプリケーションへのアクセス権を付与することが必要になる可能性があるものの、アプリケーションを変更したり、アプリケーション内で検索する必要がないIT管理者やその他のユーザーにもこの権限を付与できます。

    「アクセス権の付与」権限を持つユーザーは、他のすべての権限を自分自身に付与できます。少なくとも1人のユーザーに「アクセス権の付与」権限を付与する必要があります。

  4. 「次」をクリックして、アプリケーション・ドキュメント・セキュリティ・ページに移動します。

4.2.3.1 ユーザー間の権限のコピー

ユーザー間で権限をコピーする手順は次のとおりです。

  1. 「表示名」列で、権限をコピーするユーザーを選択して強調表示し、「コピー」をクリックします。セキュリティ・メンバーの追加ページが表示されます。

  2. 権限のコピー先となる新しいユーザーを選択します。新しいユーザーの名前が「表示名」列に表示され、コピーした権限が有効になります。

  3. 「次」をクリックして、アプリケーション・ドキュメント・セキュリティ・ページに移動します。

4.2.4 ドキュメント・セキュリティの割当て

ドキュメントに対するアクセス権および変更セキュリティ権限の割当ては、アプリケーションに対するアクセス権およびセキュリティ権限の割当てとは別に管理されます。これによって、コンテンツに対する上位のアクセス権を必要とするユーザーによって誤って変更されることがないようアプリケーションが保護されます。同様に、アプリケーションに対するアクセス権および変更権限を持っているユーザーから機密ドキュメントが保護されます。

ドキュメントに対する表示、書込み、削除、アクセス権の付与、ロックおよび注釈付けセキュリティ権限は、アプリケーション・ドキュメント・セキュリティ・ページでグループ・レベルで割り当てます。

ドキュメントのセキュリティ権限を割り当てる手順は次のとおりです。

  1. アプリケーション・ドキュメント・セキュリティ・ページで、「追加」をクリックします。セキュリティ・メンバーの追加ページが表示されます。

  2. グループ名を入力するか、追加するグループをリストから選択します。そのグループ名が、アプリケーション・ドキュメント・セキュリティ・ページの「表示名」列に追加されます。たとえば、XYZカンパニーのInvoices_USアプリケーションの場合、請求書へのアクセス権を必要とする可能性があるユーザーは、米国の買掛管理部門の担当者、米国の買掛管理部門のマネージャおよび購買部門です。フィールドを空白のままにすると、すべてのグループが返されます。結果をフィルタ処理するには、ワイルドカードを使用します。

  3. グループに割り当てるセキュリティ権限を有効にします。「アクセス権の付与」権限を持つグループ内のユーザーは、他のすべての権限をグループに付与できます。ドキュメント・セキュリティでは、メタデータまたはドキュメントの内容を変更するためのセキュリティ権限のほか、ドキュメントを変更できないようにロックする権限が追加されます。

    たとえば、XYZカンパニーのInvoices_USアプリケーションの場合、請求書のすべての品目を受け取っていることを承認できるように、米国の買掛管理部門のすべての担当者に「変更」権限を付与します。請求書を保護するために、請求書が誤ってスキャンされた場合や、その他のなんらかの理由で請求書をシステムから削除する必要がある場合に備えて、米国の買掛管理部門のマネージャのみに「削除」権限を付与することもできます。また、必要に応じて新しい従業員にアクセス権を割り当てたり、従業員が部門を離れた場合にアクセス権を削除できるように、ACCT_Directorsグループに「アクセス権の付与」権限を付与します。

    さらに、ビジネス・プロセスに応じて、受領書と照合して請求書を確認するために、購買部門に「表示」権限または「変更」権限を割り当てます。たとえば、請求書のすべての品目を受け取っていることを確認するために、買掛管理部門の従業員のみが請求書を確認して受領書と比較するようビジネス・プロセスで規定されている場合、購買部門に必要なのは請求書に対する「表示」権限のみです。ただし、買掛管理部門の従業員と購買部門の従業員の両方が承認済として請求書にスタンプを付けるようビジネス・プロセスで規定されている場合は、ドキュメントに対する「変更」権限と適切な注釈付け権限を両方の部門に割り当てる必要があります。様々な注釈付け権限の詳細は、第A.28項「アプリケーション・ドキュメント・セキュリティ・ページ」を参照してください。

  4. 「次へ」をクリックします。

4.2.5 記憶域ポリシーの割当て

Content Serverでは時間に基づいたコンテンツの保存がサポートされていないため、現時点では、期間が無期限の記憶域ステージが1つ存在します。ユーザーは、適用するボリュームを選択することしかできません。コンテンツは、選択したボリュームに永久に保存されます。選択したボリュームのステータスは、アプリケーションを作成する際のユーザー・インタフェースには表示されません。

アプリケーションの記憶域ポリシーを作成する手順は次のとおりです。

  1. 「ドキュメント記憶域」の「ボリューム」フィールドで、ドキュメントの保存に使用する記憶域ボリュームの名前を選択します。これは、ファイル・ストア、データベース、ストレージ・デバイスなどです。

  2. 「サポートするコンテンツ記憶域」の「ボリューム」フィールドで、注釈の保存に使用する記憶域ボリュームの名前を選択します。これは、ファイル・ストア、データベース、ストレージ・デバイスなどです。

  3. 「次」をクリックして、アプリケーション・ワークフロー構成ページに移動します。

4.2.6 ワークフロー統合の構成

ワークフロー・プロセスでは、Webサービス・インタフェースを使用して情報をエクスポートおよびインポートします。ワークフロー・サーバーによって、他のアプリケーションで使用可能なサービスが定義されます。ワークフロー・サーバーへの接続が定義されている場合、アプリケーション定義のナビゲーション・トレインで「ワークフロー構成」オプションが有効になり、ワークフロー・サーバーのコンポーネントを選択して、ビジネス・ニーズを満たすワークフローとアプリケーションを統合できます。

たとえば、XYZカンパニーの請求書をInvoices_USアプリケーションにアップロードする際、承認のために該当する担当者に請求書をルーティングするワークフローを開始する必要があるとします。まず、受領書と比較して、請求書に記載されているすべての品目を受け取っていることを確認するために、購買部門に請求書が送信されます。その後、発注書が有効であることを確認するために、該当する部門長に請求書が送信されます。続いて、請求額の支払を承認するために、買掛管理部門の該当する担当者に請求書が送信されます。担当者は、請求書の金額によって異なる場合があります。承認されると、買掛管理部門の担当者は、小切手を切って請求書に対する支払いを行うことができます。

ワークフローは、Imagingで定義されるわけではありません。Imagingは、Imagingの外部で定義されたワークフロー・コンポーネントを使用してワークフロー・サーバーに接続します。ワークフローの複雑さは、Imagingでは処理されません。アプリケーションをワークフローと統合するには、ワークフロー・サーバーへの接続、統合する定義済のワークフロー・コンポーネントの指定、コンポーネント・プロパティの選択、およびImagingアプリケーションとワークフロー・コンポジットのペイロード間の値のマッピングが必要です。

ワークフロー構成をアプリケーションに追加する手順は次のとおりです。

  1. アプリケーション・ワークフロー構成ページで、「追加」をクリックします。ワークフロー・サーバー・プロパティ・ページが表示されます。

  2. 「接続」フィールドから接続を選択し、「次」をクリックします。ワークフロー・コンポーネント・プロパティ・ページが表示されます。


    注意:

    アプリケーションを作成するユーザーには、使用するワークフロー接続に対する「表示」セキュリティ権限も必要です。


  3. 構成するビジネス・プロセスのコンポーネント・プロパティを選択します。「コンポジット」、「サービス」および「操作」は必須値です。「次へ」をクリックします。ワークフロー・ペイロード・プロパティ・ページが表示されます。

  4. それぞれのペイロード要素について、マップされた値を選択します。「フォーマット値」を選択すると、フォーマット値の編集ページを使用して、テキストおよびアプリケーション・フィールドの一部から値を作成できます。たとえば、このページを使用してカスタムURLを作成したり、複数の値を1つの値に連結できます。

  5. 「終了」をクリックしてワークフロー構成を終了し、アプリケーション定義のメインのナビゲーション・トレインに戻ります。アプリケーション・ワークフロー構成ページが表示されます。

  6. 「次」をクリックして、アプリケーション設定の確認ページに移動します。

次の手順を実行して、既存のアプリケーション内の既存のワークフロー構成を変更または削除することもできます。

  1. ナビゲータ・ペインの「アプリケーションの管理」パネルで既存のアプリケーション名をクリックします。アプリケーション設定の確認ページが表示されます。

  2. 「変更」をクリックします。アプリケーション一般プロパティ・ページが表示されます。

  3. アプリケーションのナビゲーション・トレインで「ワークフロー構成」をクリックします。ナビゲーション・トレインの「ワークフロー構成」オプションが使用可能なのは、ワークフロー・サーバーへの接続が定義されている場合のみです。アプリケーション・ワークフロー構成ページが表示されます。

  4. 「変更」をクリックします。ワークフロー・サーバー・プロパティ・ページが表示されます。第4.2.6項「ワークフロー統合の構成」に記載されている手順に従ってください。

4.2.7 アプリケーション設定の確認

アプリケーション設定を確認する手順は次のとおりです。

  1. アプリケーション設定の確認ページで、アプリケーション設定を確認し、正しいことを確かめます。

  2. 「戻る」をクリックして必要なセクションに戻るか、ナビゲーション・トレインの特定のセクションをクリックしてそのセクションに直接戻り、必要な変更を加えます。

  3. アプリケーションが正しいことを確認したら、アプリケーション設定の確認ページに戻り、「送信」をクリックします。アプリケーション・サマリー・ページが表示されます。

  4. アプリケーションの詳細を確認します。定義されている選択リストの値を確認するには、「選択リスト」列の虫眼鏡アイコンをクリックします。必要に応じて変更を加えるには、「変更」をクリックしてアプリケーション一般プロパティ・ページに戻ります。アプリケーションに問題がなければ、アプリケーション設定の確認ページに戻り、「送信」をクリックします。

4.3 既存のアプリケーションの変更

アプリケーションを作成した後、使用されているリポジトリと小数フィールドの定義に使用されているスケールを除く、アプリケーションのすべての要素を変更できます。アプリケーションを変更するには、アプリケーションに対する「変更」権限を持っているとともに、アプリケーションで使用されているリポジトリ接続に対する「表示」権限を少なくとも持っている必要があります。


警告:

アプリケーションを作成、削除または変更することによってリポジトリのDOCMETA表が変更されると、他の操作もこの表に影響している場合、アクティブなリポジトリ・サーバーで問題が発生する可能性があります。このような状況はあまり起こりそうにありませんが、Content Serverリポジトリ・サーバーのアイドル時間に合わせてアプリケーションを変更することをお薦めします。

発生する可能性がある問題を軽減するには、アプリケーションの変更によるエンタープライズ組織への影響が少なくなるように、複数のContent Serverリポジトリ・インスタンスを使用してビジネス部門を分離します。



注意:

ドキュメントとは異なり、変更中に定義をロックすることはできません。そのため、異なるユーザーが同じ定義を同時に変更している場合、最後に送信された変更のみが保存されます。


既存のアプリケーションを変更する手順は次のとおりです。

  1. ナビゲータ・ペインで、変更するアプリケーション名をクリックします。アプリケーション・サマリー・ページが表示されます。

  2. 「変更」をクリックします。アプリケーション一般プロパティ・ページが表示されます。

  3. ナビゲーション・トレインで、変更するページを選択します。ページ・オプションの詳細は、第4.2項「アプリケーションの作成」の関連するサブセクション、または「ユーザー・インタフェース」の該当するページを参照してください。

  4. 該当するすべての設定を変更したら、「設定の確認」を選択します。アプリケーション設定の確認ページが表示されます。

  5. アプリケーション設定を確認し、正しいことを確かめます。

  6. 「戻る」をクリックして必要なセクションに戻るか、ナビゲーション・トレインの特定のセクションをクリックしてそのセクションに直接戻り、必要な変更を加えます。

  7. アプリケーションが正しいことを確認したら、アプリケーション設定の確認ページに戻り、「送信」をクリックします。アプリケーション・サマリー・ページが表示されます。

  8. アプリケーションの詳細を確認します。定義されている選択リストの値を確認するには、「選択リスト」列の虫眼鏡アイコンをクリックします。必要に応じて変更を加えるには、「変更」をクリックしてアプリケーション一般プロパティ・ページに戻ります。アプリケーションに問題がなければ、アプリケーション設定の確認ページに戻り、「送信」をクリックします。


注意:

Content Serverでは、数値フィールドにNULL値を保存することはできません。ドキュメントを格納するアプリケーションを変更して数値フィールドを追加した場合、新しいフィールドを追加する前にContent Serverに保存されていたドキュメントの新しいフィールドについては、検索結果に-1が表示されます。フィールドを追加した後で新しいドキュメントがアップロードされた場合、数値フィールドが空白のままであれば、数値フィールドの値として、検索結果に0が表示されます。