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Oracle XML Developer's Kitプログラマーズ・ガイド
11gリリース1(11.1)
E05676-02
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3 Java XDKコンポーネントを使用する前に

この章の内容は次のとおりです。

Java XDKコンポーネントのインストール

Java XDKコンポーネントは、Oracle Databaseに付属しています。この章では、Oracle DatabaseとともにXDKをインストールし、Oracle Database Examplesメディアのデモ・プログラムもインストールしたと想定します。インストールの手順およびXDKディレクトリ構造の説明は、「XDKのインストール」を参照してください。

例3-1に、XDKデモとXDKコンポーネントで使用されるライブラリのUNIXディレクトリ構造を示します。$ORACLE_HOME/xdk/demo/javaのサブディレクトリには、XDK for Javaコンポーネントのサンプル・プログラムとデータ・ファイルが入っています。第I部「XDK for Java」では、これらのプログラムを理解および使用する方法について説明します。

例3-1 Java XDKのライブラリ、ユーティリティおよびデモ

- Oracle_home_directory
    | - bin/
         orajaxb
         orapipe
         oraxml
         oraxsl
         transx
    | - lib/
         classgen.jar
         jdev-rt.zip
         oraclexsql.jar
         transx.zip
         xml.jar
         xml2.jar
         xmlcomp.jar
         xmlcomp2.jar
         xmldemo.jar
         xmlmesg.jar
         xmlparserv2.jar
         xschema.jar
         xsqlserializers.jar
         xsu12.jar
    | - jlib/
         orai18n.jar
         orai18n-collation.jar
         orai18n-mapping.jar
         orai18n-utility.jar
    | - jdbc/
         | - lib/
              ojdbc5.jar
    | - rdbms/
         | - jlib/
              xdb.jar
    | - xdk/
         | demo/
            | - java/
                 | - classgen/
                 | - jaxb/
                 | - parser/
                 | - pipeline/
                 | - schema/
                 | - transviewer/
                 | - tranxs/
                 | - xsql/
                 | - xsu/

サブディレクトリには、Java XDKコンポーネントのサンプル・プログラムとデータ・ファイルが入っています。第I部「XDK for Java」では、これらのプログラムを使用して最も重要なJava言語の機能を理解する方法について説明します。

Java XDKコンポーネントの依存性

Java XDKコンポーネントは、JDKバージョン5および6でサポートされ、動作が保証されています。それより前のJavaはサポートが終了しました。図3-1に、JDK 5を使用する場合のJava XDKコンポーネントの依存性を示します。

図3-1 JDK 5のJava XDKコンポーネントの依存性

表3-1の説明が続きます。
「図3-1 JDK 5のJava XDKコンポーネントの依存性」の説明

Java XDKコンポーネントには、表3-1にアルファベット順に示されているライブラリが必要です。一部のライブラリはXDKに固有ではなく、他のOracle Databaseコンポーネント間で共有されます。

表3-1 XDKコンポーネントのJavaライブラリ

ライブラリ ディレクトリ 内容

classgen.jar

$ORACLE_HOME/lib

Java Runtimeクラス用のXML Class Generator。

注意: このライブラリは、下位互換性のみを目的として保持されています。xml.jarではJAXB Class Generatorを使用する必要があります。

jdev-rt.zip

$ORACLE_HOME/lib

JDeveloper IDEでデモを操作する際に使用するJava GUIライブラリ。

ojdbc5.jarojdbc6.jar

$ORACLE_HOME/jdbc/lib

Java 5、6用のOracle JDBCドライバ。UTF-8、ISO8859-1またはJA16SJIS以外のマルチバイト・キャラクタ・セットを使用する場合、このJARはキャラクタ・セットをサポートするためのorai18n.jarに依存します。

oraclexsql.jar

$ORACLE_HOME/lib

XSQLページの作成に必要なXSQLサーブレット・クラスの大部分。

注意: このアーカイブはxml.jarに置き換えられており、下位互換性のみを目的として保持されています。

orai18n.jar

$ORACLE_HOME/jlib

JDK 1.2以上に対するグローバリゼーション・サポート。これは、他のすべてのグローバリゼーションjarのラッパーであり、キャラクタ・セット・コンバータを含みます。UTF-8、ISO8859-1またはJA16SJIS以外のマルチバイト・キャラクタ・セットを使用する場合は、XSU、TransX Utility、XSQLサーブレットのいずれかを使用したXMLファイルのロード中にJDBCが入力ファイルのキャラクタ・セットをデータベース・キャラクタ・セットに変換できるように、このアーカイブをCLASSPATHに置きます。

orai18n-collation.jar

$ORACLE_HOME/jlib

グローバリゼーション照合機能: OraCollatorクラス、lx3*.glbファイルおよびlx4001[0-9].glbファイル。

orai18n-mapping.jar

$ORACLE_HOME/jlib

グローバリゼーション・ロケールとキャラクタ・セット名のマッピング: OraResourceBundleクラスとlx4000[0-9].glbファイル。このアーカイブは、ロケール名のマッピング表のみを必要とする製品で主に使用されます。

orai18n-utility.jar

$ORACLE_HOME/jlib

グローバリゼーション・ロケール・オブジェクト: OraLocaleInfoクラス、OraNumberFormatクラス、OraDateFormatクラスおよびlx[01]*.glbファイル。

transx.zip

$ORACLE_HOME/lib

TransX Utilityクラス。

注意: このアーカイブはxml.jarに置き換えられており、下位互換性のみを目的として保持されています。

xdb.jar

$ORACLE_HOME/rdbms/jlib

xml.jarおよびxmlcomp2.jarXMLTypeにアクセスするために必要なクラス。XML DBリポジトリへのアクセスに必要なクラスと、DOMツリーの操作に使用するXMLType DOMクラスも含まれています。

xml.jar

$ORACLE_HOME/lib

次のライブラリ内のクラス。

  • oraclexsql.jar

  • xsqlserializers.jar

  • xmlcomp.jar

  • xmlcomp2.jar

  • transx.jar

アーカイブには、JAXBおよびPipeline Processorのクラスも含まれています。

xmlcomp.jar

$ORACLE_HOME/lib

データベースに依存しないXML JavaBeans: DOMBuilderXSLTransformerDBAccessXSDValidatorおよびXMLDiffer

注意: このアーカイブは下位互換性のみを目的として含められています。このアーカイブ内のクラスはxml.jarに含まれています。以前のリリースにあったビジュアルなBeanは含まれていません。

xmlcomp2.jar

$ORACLE_HOME/lib

データベースに依存するXML JavaBeans: XMLDBAccessおよびXMLCompress。したがって、XML DBをサポートするクラスを含むxdb.jarに依存します。

注意: このJARは下位互換性のみを目的として含められています。このJAR内のクラスはxml.jarに含まれています。以前のリリースにあったビジュアルなBeanは含まれていません。

xmldemo.jar

$ORACLE_HOME/lib

ビジュアルなJavaBeans: XMLTreeViewXMLTransformPanelXMLSourceViewおよびDBViewer

xmlmesg.jar

$ORACLE_HOME/lib

XMLパーサーを英語以外の言語で使用する場合に必要です。

xmlparserv2.jar

$ORACLE_HOME/lib

次のものに対するAPI。

  • DOMパーサーとSAXパーサー

  • XML Schema Processor

  • XSLTプロセッサ

  • XMLの圧縮

  • JAXP

  • XMLSAXSerializerや非同期DOMビルダーなどのユーティリティ機能

このライブラリにはxschema.jarが含まれています。

xschema.jar

$ORACLE_HOME/lib

xmlparserv2.jarに含まれるXML Schemaクラスを含みます。

注意: このJARファイルは、下位互換性のみを目的として保持されています。

xsqlserializers.jar

$ORACLE_HOME/lib

PDFなどのシリアライズされた出力に必要な、XSQLサーブレットのシリアライザ・クラス。

注意: このアーカイブはxml.jarに置き換えられており、下位互換性のみを目的として保持されています。

xsu12.jar

$ORACLE_HOME/lib

XSUを実装するクラス。これらのクラスは、XMLTypeアクセスをxdb.jarに依存します。



関連項目:

  • Globalization Supportライブラリの詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。

  • JDBCライブラリの詳細は、『Oracle Database JDBC開発者ガイドおよびリファレンス』を参照してください。

  • XML DBの詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください。


Java XDK環境の設定

XDKのOracle Databaseインストールでは、環境変数$CLASSPATH(UNIX)または%CLASSPATH%(Windows)を手動で設定する必要があります。または、コマンドラインでJavaプログラムをコンパイルおよび実行する際に-classpathオプションを設定します。

この項の内容は次のとおりです。

UNIXでのJava XDK環境変数の設定

表3-2に、Java XDKコンポーネントを使用するときに必要なUNIX環境変数を示します。

表3-2 Java XDKコンポーネントのUNIXでの環境設定

変数 説明

$CLASSPATH

次の内容を含めます(現在のディレクトリを表すシングル・ピリオド"."は必須ではありませんが、役に立つ場合があります)。

.:${CLASSPATHJ}:${ORACLE_HOME}/lib/xmlparserv2.jar:
${ORACLE_HOME}/lib/xsu12.jar:${ORACLE_HOME}/lib/xml.jar

$CLASSPATHJ

JDK 5の場合は、次のように設定します。

CLASSPATHJ=${ORACLE_HOME}/jdbc/lib/ojdbc5.jar:${ORACLE_HOME}/jlib/orai18n.jar

特定のキャラクタ・セットをサポートするには、orai18n.jarが必要です。

$JAVA_HOME

Java JDK, Standard Editionのインストール・ディレクトリ。Java SDKにリンクするパスを変更します。

$LD_LIBRARY_PATH

OCI/JDBC接続用:

${ORACLE_HOME}/lib:${LD_LIBRARY_PATH}

$PATH

${JAVA_HOME}/bin


UNIXでのJava XDK環境のテスト

表3-3に、Java XDKに含まれているコマンドライン・ユーティリティ(UNIX)を示します。これらのユーティリティを使用する前に、環境を設定する必要があります。

表3-3 Java XDKユーティリティ

実行可能ファイル/クラス ディレクトリ/JAR 説明

xsql

$ORACLE_HOME/bin

XSQLコマンドライン・ユーティリティ。このスクリプトは、oracle.xml.xsql.XSQLCommandLineクラスを実行します。このシェル・スクリプトは、使用する前に環境に合せて編集します。

関連項目: 「XSQLページ・コマンドライン・ユーティリティの使用」

OracleXML

$ORACLE_HOME/lib/xsu12.jar

XSUコマンドライン・ユーティリティ

関連項目:「XSUコマンドライン・ユーティリティの使用」

orajaxb

$ORACLE_HOME/bin

JAXBコマンドライン・ユーティリティ

関連項目: 「JAXB Class Generatorコマンドライン・ユーティリティの使用」

orapipe

$ORACLE_HOME/bin

Pipelineコマンドライン・ユーティリティ

関連項目: 「XML Pipeline Processorコマンドライン・ユーティリティの使用」

oraxml

$ORACLE_HOME/bin

XML Parserコマンドライン・ユーティリティ

関連項目: 「XML Parserコマンドライン・ユーティリティの使用」

oraxsl

$ORACLE_HOME/bin

XSLT Processorコマンドライン・ユーティリティ

関連項目: 「XSLT Processorコマンドライン・ユーティリティの使用」

transx

$ORACLE_HOME/bin

TransXコマンドライン・ユーティリティ

関連項目: 「TransXコマンドライン・ユーティリティの使用」


環境が正しく設定されている場合は、例3-2に示すUNIXシェル・スクリプトによって、ユーティリティのバージョンと使用方法に関する情報が生成されます。

例3-2 UNIXでのJava XDK環境のテスト

#!/usr/bin/tcsh
echo;echo "BEGIN TESTING";echo
echo;echo "now testing the XSQL utility...";echo
xsql
echo; echo "now testing the XSU utility...";echo
java OracleXML
echo;echo "now testing the JAXB utility...";echo
orajaxb -version
echo;echo "now testing the Pipeline utility...";echo
orapipe -version
echo;echo "now testing the XSLT Processor utility...";echo
oraxsl
echo;echo "now testing the TransX utility...";echo
transx
echo;echo "END TESTING"

WindowsでのJava XDK環境変数の設定

表3-4に、Java XDKコンポーネントを使用するときに必要なWindows環境変数を示します。

表3-4 Java XDKコンポーネントのWindowsでの環境設定

変数 注意

%CLASSPATH%

次の内容を含めます(現在のディレクトリを表すシングル・ピリオド"."は必須ではありませんが、役に立つ場合があります)。

.;%CLASSPATHJ%;%ORACLE_HOME%\lib\xmlparserv2.jar;
%ORACLE_HOME%\lib\xsu12.jar;%ORACLE_HOME%\lib\xml.jar;
%ORACLE_HOME%\lib\xmlmesg.jar;%ORACLE_HOME%\lib\oraclexsql.jar

%CLASSPATHJ%

JDK 5の場合は、次のように設定します。

CLASSPATHJ=%ORACLE_HOME%\jdbc\lib\ojdbc5.jar:%ORACLE_HOME%\lib\orai18n.jar

特定のキャラクタ・セットをサポートするには、orai18n.jarが必要です。

%JAVA_HOME%

Java SDK, Standard Editionのインストール・ディレクトリ。Java SDKにリンクするパスを変更します。

%PATH%

%JAVA_HOME%\bin


WindowsでのJava XDK環境のテスト

表3-5に、Java XDKに含まれているコマンドライン・ユーティリティ(Windows)を示します。これらのユーティリティを使用する前に、環境を設定する必要があります。

表3-5 Java XDKユーティリティ

バッチ・ファイル/クラス ディレクトリ/JAR 説明

xsql.bat

%ORACLE_HOME%\bin

XSQLコマンドライン・ユーティリティ。このバッチ・ファイルは、oracle.xml.xsql.XSQLCommandLineクラスを実行します。このバッチ・ファイルは、使用する前に環境に合せて編集します。

関連項目: 「XSQLページ・コマンドライン・ユーティリティの使用」

OracleXML

%ORACLE_HOME%\lib\xsu12.jar

XSUコマンドライン・ユーティリティ

関連項目:「XSUコマンドライン・ユーティリティの使用」

orajaxb.bat

%ORACLE_HOME%\bin

JAXBコマンドライン・ユーティリティ

関連項目: 「JAXB Class Generatorコマンドライン・ユーティリティの使用」

orapipe.bat

%ORACLE_HOME%\bin

Pipelineコマンドライン・ユーティリティ

関連項目: 「XML Pipeline Processorコマンドライン・ユーティリティの使用」

oraxml.bat

%ORACLE_HOME%\bin

XML Parserコマンドライン・ユーティリティ

関連項目: 「XML Parserコマンドライン・ユーティリティの使用」

oraxsl.bat

%ORACLE_HOME%\bin

XSLT Processorコマンドライン・ユーティリティ

関連項目: 「XSLT Processorコマンドライン・ユーティリティの使用」

transx.bat

%ORACLE_HOME%\bin

TransXコマンドライン・ユーティリティ

関連項目: 「TransXコマンドライン・ユーティリティの使用」


環境が正しく設定されている場合は、例3-3のコマンドをシステム・プロンプトで実行して、ユーティリティのバージョンと使用方法に関する情報を生成できます。

例3-3 WindowsでのJava XDK環境のテスト

xsql.bat
java OracleXML
orajaxb.bat -version
orapipe.bat -version
oraxsl.bat
transx.bat

Java XDKコンポーネントのバージョンの確認

使用しているXDKのバージョンを取得するには、javacを使用して、例3-4に示すJavaコードをコンパイルします。

例3-4 XDKVersion.java

//
// XDKVersion.java
//
import java.net.URL;
import oracle.xml.parser.v2.XMLParser;
public class XDKVersion
{
   static public void main(String[] argv)
   {
      System.out.println("You are using version: ");
      System.out.println(XMLParser.getReleaseVersion());
   }
}

javacを使用してソース・ファイルをコンパイルした後、オペレーティング・システムのコマンドラインで次のようにプログラムを実行します。

java XDKVersion
You are using version:
Oracle XML Developers Kit 11.1.0.6.0 - Production