Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Mobileユーザーズ・ガイド 11gリリース1(11.1.1) B66194-03 |
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この章では、Oracle BI Mobileアプリケーションを使用して、カタログ内で特定のオブジェクト・タイプを操作する方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle BI Mobileを使用して、デスクトップ版のOracle BI EEで提供されているビューのほとんどを参照できます。Oracle BI Mobileアプリケーションにおいて、プロンプト、ドリル、アクション・リンクなど、すべての分析アクションを実行できます。データを操作する際にフィルタ処理とソート処理を実行できます。
グラフを操作し、グラフ内でドリルとズームを直接実行できます。
図4-1に、iPad上のBIコンテンツの例を示します。
ダッシュボードに複数のページがある場合、ページ・アイコン(ページ・タイトル領域の右側)をタップして、使用可能なページのリストにアクセスし、そのいずれかのページをさらにタップしてナビゲートします。詳細は、図4-2を参照してください。
ダッシュボード内で個々のビューをダブルタップすると、そのビューが最大化されます。個々のビューはiPadの全画面に表示されます。ダッシュボードから個別に分析を表示するには、その分析をダブルタップして、ビューを全画面表示にします。最大化されていないビューに戻るには、再度ダブルタップ・ジェスチャーを行うか、タイトルバーの「前」アイコンをクリックします。
図4-3は、図4-1で示したダッシュボードから1つのグラフをiPadの全画面に拡大した場合の例です。
注意: ダブルタップによるビューの最大化は、ほとんどのビュー・タイプで使用できます。ゲージ、単純なトレリス・ビュー、パフォーマンス・ビューなどは例外です。 |
特定のオブジェクトは、Oracle BI EE版のダッシュボード・ページに埋め込まれた場合に、モバイル・アプリケーションでは表示が無効になります。次のオブジェクトは、Oracle BI Mobileのダッシュボード・ページでは表示されません。
ポータルのヘッダー
レポートのリンク
空のホーム・ダッシュボード内の「編集」リンク
埋込みコンテンツ(iframe)のビュー
「アラート」ビュー
「論理SQL」ビュー
「セグメントの作成」ビュー
「ターゲット・リストを作成」ビュー
ブリーフィング・ブック
「フォルダ」ビュー
Oracle BI Mobileでは、表内およびピボット表内のセルをタップすると、デスクトップ版のOracle BI EEでマウスの左クリックをした場合と同じアクションが行われます。右クリックのアクションについては、Oracle BI EEで使用可能なアクションと同じものをOracle BI Mobileで使用できます。ただし、モバイル・アプリケーションではマウスの右クリックのかわりにタップ・アンド・ホールド・ジェスチャーを使用します。
注意: iPadでは右クリックは使用しないため、このガイドでは「右クリック・メニュー」を「コンテキスト・メニュー」と呼びます。 |
たとえば、データをソートするには、列ヘッダーをタップ・アンド・ホールドするとデスクトップ・アプリケーションの右クリック・メニューのモバイル版にアクセスできるので、「ソート」を選択します(図4-4を参照)。
表、ピボット表およびトレリス・ビューでは、分析の「プロパティ」ダイアログで「データ表示」が「固定ヘッダー」に設定されている場合(図4-5を参照)、1本指のドラッグ・ジェスチャーを使用して、データをあらゆる方向にスクロールできます。
Oracle BI Mobileとデスクトップ版のOracle BI EEとでは、グラフに対するユーザーの操作が異なります。
デスクトップ版のOracle BI EEでは、マウスを使用してアクションを開始できます。たとえば、マウスの左クリックでドリル、アクション・リンク、マスター詳細などを行い、マウスのホバでツールチップを表示します。
Oracle BI Mobileでは、ユーザー操作がマウスベースではなくタッチベースであるため、ジェスチャーによってアクションを実行します。
タップ・ジェスチャーによりツールチップを起動します(デスクトップ版でマウスをホバーするのと同等)。また、このツールチップには、デスクトップ版の左クリック・アクションを開始するボタンが含まれています。
グラフ・マーカーに表示されるツールチップとメニューには、グラフ・データにアクションを実行するためのレイヤーがあります。マーカーに対して使用できるアクションが1つしかない場合は、そのアクションのボタンがツールチップ・レイヤーにすぐに表示されます。複数のアクションを使用できる場合は、ツールチップ・レイヤーに「オプション」ボタンが表示されます。
ツールチップを閉じるには:
次のいずれかを実行します。
グラフ内の空白の領域をタップします。
別のグラフ・マーカーをタップします。(これにより、新しいツールチップが起動します。)
グラフ内の指よりも細い棒をタップしてドラッグする場合など、場合によっては、隣接する棒にツールチップを少しずつ移動して、必要なツールチップが実際に表示されるようにする必要があります。
ツールチップを移動するには:
隣接した棒にツールチップをドラッグします。
ツールチップを移動した棒の値またはアクションがツールチップに表示されるようになります。
パフォーマンス・タイルは、Oracle BI Mobileで他のビューと同じように機能します。また、モバイル・アプリケーションでは、デスクトップ版のOracle BI EEと同じように表示されます。Oracle BI Mobileでパフォーマンス・タイルを操作するには次のようにします。
パフォーマンス・タイルをタップして、パフォーマンス・タイルのアクション・リンクにアクセスします。
パフォーマンス・タイルをタップ・アンド・ホールドすると、ツールチップの全文が表示されます。
Oracle BI Mobileでは、ダッシュボード・プロンプトは、モバイル・コンテキストとフィンガー・ジェスチャーに最適化された方法で表示されます。デスクトップ版のほぼすべての機能を使用できますが、表示は異なります。
サポートされるプロンプト・タイプには、列プロンプト、変数プロンプトおよび通貨プロンプトがあります。テキスト、ラジオ・ボタン、チェック・ボックスなど、ほとんどの入力オプションがサポートされています。
イメージ・マップ・プロンプトおよび階層プロンプトはBIコンテンツ内に表示されますが、サポートされるその他のプロンプトはプロンプト・バーに表示されます(図4-6を参照)。
図4-6に、画面の上部に表示されたプロンプト・バーを示します。ここでは、すべての必須フィールドに値が入力されているため、「適用」ボタンが有効になっています。まだ入力されていない必須フィールドがある場合は、「適用」ボタンが無効になっています。
図4-7は、図4-6のプロンプト・バーに表示年の選択用プロンプトが表示された場合を示しています。
次のリストに示すように、Oracle BI Mobileでは2種類のプロンプトを使用します。
簡易プロンプト。プロンプト・リストのエントリ数が少ない場合に表示されます。簡易プロンプトは、ユーザーがリストから素早く選択できるように最適化されます。
拡張プロンプト。エントリ数が比較的多い場合に表示されます。大きなリストのフィルタリングをサポートする追加オプションが含まれます。
注意: Oracle BI Mobileでは、アイテム数が多いプロンプト・リストでリスト全体(257個目以降のエントリ)を表示する場合に、デスクトップ版と方法が異なります。プロンプト・リストで257個目以降のエントリを表示するには、リストの最後で次の256個のメンバーを表示をタップします。 |
図4-8に、ユーザーから複数の値を受け入れる簡易リスト・プロンプトを示します。
図4-9に、「検索」フィールドを含む拡張リスト・プロンプトを示します。
「選択内容の表示」ボタンは、「すべて表示」と切り替わるトグルです。「すべて表示」ではリスト全体が表示されますが、「選択内容の表示」をタップすると、選択済のリスト・アイテムのみが表示されます。「すべてクリア」ボタンを使用すると、すべての選択内容が一度にクリアされます。
図4-10に、「次の間にある」演算子(ハイフン)と2つのテキスト・ボックスを含むリスト・プロンプトを示します。
リスト・プロンプトのテキスト・ボックスを操作するには:
1つ目のテキスト・ボックスにフォーカスを置き、リストからアイテムを選択してテキストに追加します。
2つ目のテキスト・ボックスをタップしてフォーカスを移動し、リストからアイテムを選択してテキスト・ボックスに追加します。
図4-11に、スライダ・プロンプトを示します。
図4-12に、日付プロンプトを示します。
図4-13に、2つのサムが付いたスライダ・プロンプトを示します。このプロンプトでは、「次の間にある」演算子(ハイフン)を使用して、単位の範囲を50から300までの間で指定します。
デスクトップ版のOracle BI EEでは、エンド・ユーザーがダッシュボードからプロンプトの演算子を変更できるようにプロンプトが定義されています。デスクトップ版のこの機能では、プロンプトの横のドロップダウンに演算子のリストが表示されます(図4-14および図4-15を参照)。デスクトップ・ユーザーは、このドロップダウンから必要な演算子(「次を含む」など)を選択します。
Oracle BI Mobileでは、変更可能なプロンプト演算子の表示方法が異なります(図4-16を参照)。プロンプト・ボックスの左上に1つのボタン(図の赤い円で囲まれた部分)が表示されます。タップするたびに、リスト内で次の演算子に切り替わります。
変更可能なプロンプトでプロンプト演算子を変更するには:
プロンプト・ボックスの左上で変更可能なプロンプト演算子のボタンをタップします。
使用するプロンプトが選択されるまでタップし続けます。
リスト・プロンプトの「検索」フィールドによって表示するリスト・アイテムをフィルタリングできます。
図4-17に、「検索オプション」ダイアログを示します。このダイアログでは、検索演算子などの詳細や、検索で大文字/小文字を区別するかどうかを指定できます。
プロンプトの検索オプションを指定するには:
プロンプト・ダイアログで「検索設定」アイコン(歯車)をタップします。
次のように検索演算子を選択します。
「検索オプション」ダイアログで「演算子」行をタップします。
使用する演算子をタップします(「次と類似」など)。
検索演算子を選択すると、「検索オプション」ダイアログに戻ります。
「大文字/小文字の区別」トグルをタップして「オン」または「オフ」に切り替え、検索で大文字/小文字を区別するかどうかを指定します。
「戻る」をタップしてプロンプト・ダイアログに戻ったら、「完了」をタップします。
この節には、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』のダッシュボード・ページのマップ・ビューでの作業に関する項の補足事項が記載されています。Oracle BI Mobileアプリケーションではマップの操作方法が異なるため、この節ではその違いについて説明します。Oracle BI EEのマップ・ビューでの作業に慣れていない場合は、まず『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』のダッシュボード・ページのマップ・ビューでの作業に関する項に目を通してから、この項のジェスチャーを習得するようにしてください。
Oracle BI Mobileには、iPad用に最適化されたインタラクティブなマップ・ビュー機能が用意されています。
iPad上でマップを操作するには、次のタッチ・ジェスチャーを使用します。
ダブルタップ。マップを単一の視覚的要素として画面全体に表示するには、マップをダブルタップします。
パン。パンを行うには、1本の指でマップをドラッグしながら回転させます。
ズーム。ズームを行うには、標準的な2本指のジェスチャーを使用して、つまんだり広げたりします。
ドリル。オプション付きのポップアップをドリルまたは表示するには、シングルタップを使用します。
スライダ・フォーマットのしきい値の変更。スライダのしきい値のテキストを編集するには、テキストをタップしてからキーボードを使用します。
フォーマットの表示/非表示。フォーマットの表示/非表示を切り替えるには、フォーマットをタップして選択/選択解除します。
注意: 操作できるのは表示されているフォーマットのみです。どのフォーマットを使用するのかを変更することはできません。 |
図4-18に、マップ・ビューを示します。
このマップ・ビューを全画面表示すると、図4-19のようになります。
拡大前後のマップ・ビュー間を移動することができます。
画面の左上にある「前」アイコンをタップします。
マップの凡例を表示できます。
マップ凡例を表示するには:
「凡例」アイコン(図4-20を参照)をタップします。
「場所」機能を使用すると、現在の場所をマップ上で確認し、その場所にピンを置くことができます。
場所を表示するには:
「場所」アイコン(図4-21を参照)をタップします。
アプリケーションで場所の使用を許可するかどうかを求められたら、「許可」をタップします。
アプリケーションが場所を検索している間、「場所」アイコンは非アクティブになります。
場所を特定できた場合は、デバイスで計算された現在の場所の位置にピンが表示されます。
場所を特定できない場合は、メッセージが表示されます。
場所のピンを削除するには:
ピンをタップします。
「削除」をタップします。
Oracle BI MobileアプリケーションでOracle BI Publisherコンテンツを表示する方法は、デスクトップ版のOracle BI EEでそれを表示する方法と同じです。Oracle BIプレゼンテーション・カタログからレポートを直接開いて、ダッシュボードに表示できます。
Oracle BI MobileアプリケーションでのBI Publisherコンテンツの表示はインタラクティブです。BI Publisherレポートにパラメータを適用できます。
BI Publisherレポートはローカル・コンテンツとして保存できます。また、Oracle Business Intelligenceプレゼンテーション・サービス・サーバーに接続している場合は、そのレポートのデータをリフレッシュできます。ローカルに保存されたレポートは、電子メールの静的な添付ファイルとして送ることができます(埋込みコンテンツとして送ることはできません)。
「ログイン」画面において、アクティブ・レポートに関する読取り専用のカタログ情報を表示できます。
Oracle BI Mobileアプリケーションでダッシュボードにスコアカードのコンテンツを表示する方法は、デスクトップ・アプリケーションで表示する方法とほぼ同じです。ダッシュボードにスコアカードのオブジェクトが埋め込まれている場合、スコアカードのコンテンツのすべてのビューを完全にインタラクティブ方法でiPad上に表示できます。KPIウォッチリスト、スマート・ウォッチリスト、カスタム・ビュー、戦略マップ、戦略ツリー、戦略貢献ホイール、原因と結果マップを表示できます。
注意: iPad上でのインタラクティブな使用方法では、モバイル・ユーザーがカタログからファイルを直接開くようにするよりも、スコアカード・ビューをダッシュボードに埋め込むことを強くお薦めします。 |
スコアカードのコンテンツ(スマート・ウォッチリストを除く)をOracle BIプレゼンテーション・カタログから直接開くこともできます。これにより、そのコンテンツが簡略化された表形式で表示されます。(図4-24を参照。)
Oracle BI Mobileでは、コンテキスト・メニューのオプションのサブセットを使用できます。ウォッチリスト内のコンテキスト・メニューまたはダイアグラム・ノードのコンテキスト・メニューにアクセスするには、タップ・アンド・ホールド・ジェスチャーを使用します。
スコアカードのすべてのグラフィック図(戦略貢献ホイールを除く)をズーム・インまたはズーム・アウトするには、ピンチ・ジェスチャーを使用します。戦略貢献ホイールでは、ピンチ・ジェスチャーを使用すると、表示される同心円状の輪の数を増減できます。
図4-22および図4-23に2つのバージョンの戦略ツリーを示します。1つ目はデスクトップ版のOracle BI EE、2つ目は同じ戦略ツリーをOracle BI Mobileで表示した場合の戦略ツリーです。
図4-24に、戦略ツリーのDHTMLビューを示します。ここでは、Oracle BI Mobileで戦略ツリーをカタログから開いた場合にどのように表示されるのかを示しています。
Apple社のiOSで提供されるユーザー・インタフェースの要素では、「アラート」は、アクションを実行する前に重要な情報を示すために表示されるポップアップを意味します。このポップアップには短いタイトルと、ポップアップを閉じるための「OK」ボタンがあります。このガイドでは、アラートのみをOracle Business Intelligenceの要素と見なします。この要素とは、指定された受信者やエージェントへの登録者に対して、パーソナライズされ、アクショナブルなコンテンツを配信するエージェントによって生成される通知を意味します。
デスクトップ版のOracle BI EEで表示されるのと同じ、エージェントによって生成されるアクティブなアラートのリストを、モバイル機器上でも表示することができます。リスト内の各アラートでは、関連するオブジェクト名とそれを最後に実行した時間が表示されます。
Oracle BI Mobileアプリケーションは、アプリケーションの起動時にアラートを確認します。アプリケーションの操作中は定期的に再確認し、アラートを開いた場合にも確認します。
「アラート」バー(図4-25を参照)には、現在のアラートが表示されます。最新のものが左側に表示されます。「アラート」バーには、現在のアラート数を示す「アラート」アイコン(ベル)も表示されます。複数のアラートをスクロールできます。アラートはクリアできます。また、「アラート」バーは非表示にできます。
同様に、アクティブ・アラートに関連するアラート出力(分析情報ページおよびダッシュボード・ページ)を、モバイル機器の「アラート」バーから開くことができます。デスクトップ版のアラート出力と同様に、これらは非インタラクティブなレポートです。
「アラート」バーを非表示にするには:
次のいずれかを実行します。
「アラート」アイコン(ベル)をタップします。
「アラート」バーで、上方向にスワイプします。
「アラート」バーが非表示の場合は、タイトル・バーの「ホーム」アイコンの左側に「アラート」アイコンが表示されます。
アラートに関連するBIコンテンツを開くには:
「アラート」バーでアラートをタップします。
アラートに関連するBIコンテンツが表示されます。
個別のアラートをクリアすることも、複数のアラートを一度にクリアすることも可能です。
モバイル環境でアラートをクリアすると、それと同期してデスクトップ版のOracle BI EEからも削除されます。同様に、デスクトップ環境でアラートをクリアすると、それと同期してモバイル環境でも削除されます。
アラートをクリアするには、次のいずれかを実行します。
「アラート」バーで、クリアするアラートを2本の指で上方向にスワイプします。
アラートのサムネイルの左上隅に「閉じる」コントロール(X)が表示されるまで「アラート」バーで、タップ・アンド・ホールドし、「閉じる」コントロールをタップします。終了したら、「アラート」バーの外側をタップし、クリア・モードを終了します。
すべてのアラートがクリアされると、「アラート」バーが消えます。
デスクトップ版のOracle BI EEと同様に、Oracle BI Mobileアプリケーションでもスケジュールを使用してエージェントを実行できます。
「アラート」バーからエージェントを実行するには:
「アラート」バーで、実行するエージェントに関連するアラートをタップします。
アラートのビューで、「エージェントの実行」をタップします。
「完了」をタップします。
エージェントが実行されて完了すると、成功または失敗のメッセージが表示されます。実行が成功した場合は「アラート」画面が適切に更新されます。