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Oracle® Fusion Middleware Oracle Real-Time Decisionsプラットフォーム開発者ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
B72429-01
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10 .NETスマート・クライアントの使用

この章では、インライン・サービスを.NETスマート・クライアントと統合する方法について、CrossSellインライン・サービスを例に説明します。

.NETスマート・クライアントにより、Java APIとほぼ同等のクライアントを実現し、アプリケーションからコールします。.NETスマート・クライアントの現行の実装では、Javaスマート・クライアントが持つ高度な機能の一部(セッション・アフィニティ管理やデフォルトのレスポンス処理など)がサポートされていません。

.NETスマート・クライアントAPIの詳細は、デシジョン・スタジオのオンライン・ヘルプを参照してください。

この章には次のトピックが含まれます:

10.1 作業前の準備

.Netスマート・クライアントで作業を行う前に、次の作業を実行する必要があります。

  1. Java Development Kit (JDK)をインストールし、JAVA_HOME環境変数にそのインストール場所を設定します。JDKは次のサイトから取得できます。

    http://developers.sun.com/downloads

    サポートされるバージョンの詳細は、第6.4項「システム要件と動作保証情報」に掲載されているドキュメントを参照してください。

  2. Oracle RTDファイルをインストールし、Oracle RTDをアプリケーション・サーバーにデプロイします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceインストレーション・ガイド』を参照してください。

  3. .NETスマート・クライアントのサンプルは、サンプルのCrossSellインライン・サービスと連携して動作します。そのため、最初にOracle RTD DatabaseにCrossSellのサンプル・データを移入してから、デシジョン・スタジオを使用してCrossSellインライン・サービスをデプロイする必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Real-Time Decisions管理者ガイド』のCrossSellサンプル・データの移入に関する項を参照してください。インライン・サービスのデプロイについては、第III部「デシジョン・スタジオ・リファレンス」を参照してください。

  4. Real-Time Decision Serverを起動します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Real-Time Decisions管理者ガイド』を参照してください。

10.2 .NETスマート・クライアントによるインライン・サービスとの統合

一般的な統合手順は次のとおりです。

  1. Oracle RTDスマート・クライアントをアプリケーション・コード内に作成します。

  2. インライン・サービスと統合点に対して送信するリクエストを作成します。

  3. リクエストにおいて引数とセッション・キーを移入します。

  4. スマート・クライアントを使用してリクエストを起動します。

  5. リクエストがアドバイザに対して起動された場合、レスポンスを確認します。

  6. 終了したらスマート・クライアントをクローズします。

.NETスマート・クライアントは、RTD_HOME\client\Client Examples\Dot Net Client Example\sdclient.dllにあります。このファイルをアクセス可能にするには、アプリケーションと同じ場所に配置する必要があります。

10.3 .NET統合のサンプル

.NET統合クライアントのサンプルは、RTD_HOME\client\Client Examples\Dot Net Client Example\DotNetSmartClientExample.slnにあります。このサンプルは、Microsoft Visual C# 2010 Expressなどの.NET開発ツールで開いて、実行やデバッグができます。

このサンプルでは、インフォーマントとアドバイザの統合点がCrossSellインライン・サービスに対して起動されます。このインライン・サービスの理解を深めるには、第6.2項「CrossSellインライン・サービスについて」を参照してください。サンプルでは、統合点が起動され、アドバイザからの戻り値がコンソールに出力されます。

Microsoft Visual Studioの起動後、サンプルをこの開発ツールで実行する手順は次のとおりです。

  1. メニュー・バーから「File」→「Open」→「Project」を選択します。

  2. File Name」に「RTD_HOME\client\Client Examples\Dot NET Client Example\DotNetSmartClientExample.sln」を選択し、「Open」をクリックします。

  3. Real-Time Decision Serverが実行しているホストまたはポートがデフォルトのlocalhost:9704と異なる場合、次の手順を実行します。

    • 右側の「Solution Explorer」ウィンドウで、DotNetSmartClientExample.csをダブルクリックします。

    • 次の行を探します。

      SDClient client = new SDClient("http://localhost:9704","your name", "password");
      
    • Real-Time Decision Serverが実行しているホストとポートに一致するようにlocalhost:9704を変更します。

    • このファイルを保存して閉じます。

  4. メニュー・バーから「Debug」→「Start」を選択します。コンソール・ウィンドウに、次のテキストが表示されます。

    Ring! Ring! New telephone call!
    Enter a customer ID between 1 and 1000:
    
  5. カーソルをコロンの後に移動し、顧客ID(たとえば、5)を入力し、[Enter]を押します。次のようなレスポンスが表示されます。

    Here are the deals we've got for you:
     1: ElectronicPayments
      Electronic payments eliminate the complications of handling checks.
    Enter the line number of the offer that catches your interest, or zero if none do:
    
  6. カーソルを最後のコロンの後に移動し、「1」を入力してオファーを選択します。サーバーによって、最後のメッセージがレスポンスされます。

  7. プロセスが繰り返されます。プログラムを終了するには、数字を入力せずに、顧客IDプロンプトで[Enter]を押します。