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Oracle® Fusion Middleware Oracle Real-Time Decisions管理者ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B72431-01
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3 インストール後の手順

この章では、Oracle RTDの簡易インストールまたはエンタープライズ・インストール後に存在するファイルおよびディレクトリ構造と、ソフトウェアのみのインストール後に実行される場合がある構成ステップについて説明します。

Oracle RTDのインストールの実行には、Oracle Fusion Middleware Business Intelligenceインストーラを使用します。

次の3つのインストール・タイプがあります。

Business Intelligenceインストーラの各インストール・シナリオでは、様々なBusiness Intelligenceコンポーネントを選択するオプションが提供されます。Oracle RTDの選択およびインストールは、他のどのコンポーネントの選択/インストールにも依存しません。

簡易インストールとエンタープライズ・インストールは、同じタイプのシステム・オブジェクトが作成および構成されるという点で類似しています。簡易インストールではデフォルト値が使用されるのに対し、エンタープライズ・インストールではインストール担当者が多数のデフォルト以外の値を選択できます。ソフトウェアのみのインストールでは、コンポーネント・ファイルが標準ディレクトリにコピーされるだけで、コンポーネントの構成とデプロイはいずれも行われません。

Oracle RTDのインストール方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceインストレーション・ガイド』に記載されています。

Oracle RTDの様々な機能を示す例として使用できるCrossSellおよびDC_Demoインライン・サービスがOracle RTDとともにリリースされます。これらのインライン・サービスに必要なデータはOracle RTDに付属していますが、インストール時には設定されません。これらのサンプル・インライン・サービスのデータの設定方法はこの章で説明します。

この章には次のトピックが含まれます:

3.1 Oracle RTDサーバー側ファイルのディレクトリ構造

どのBusiness Intelligence製品をインストールしたかにかかわらず、基本的な簡易インストールまたはエンタープライズ・インストールを実行した後の主なサーバー側ディレクトリを図3-1に示します。


注意:

ディレクトリおよびファイルの正確な名前は、インストール時に選択したオプションに応じて異なる場合があります。特に断りのないかぎり、この章のダイアグラムと説明では、簡易インストール時に作成される標準のデフォルト名を使用しています。


図3-1 主なサーバー側ディレクトリ

図3-1の説明は前後の文章を参照してください。

Oracle BIディレクトリは、インストールされた製品のホーム・ディレクトリです。この項では、<Oracle_BI_directory>として示しています。このディレクトリには、製品固有のファイルと、インストールされたすべての製品に共通するファイルの両方が格納されます。図3-2に、Oracle RTD管理者に最も関連の深い、<Oracle_BI_directory>内のサブディレクトリとファイルを示します。

図3-2 Oracle BIディレクトリ - 主要サブディレクトリ

周囲のテキストで図3-2を説明しています。

簡易インストールおよびエンタープライズ・インストールの両方に関するインストール完了後の状況を次に示します。

Oracle RTDを実行するために必要な表とプロシージャは、通常、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を実行することによって、事前に作成されます。表には、モデルのスナップショット表が含まれます。これは、他のOracle RTD表と同じスキーマに存在します。


注意:

  1. RCUによってOracle RTDランタイム表と同じスキーマにモデルのスナップショット表が作成されますが、別のスキーマにもモデルのスナップショット表を作成および構成することをお薦めします。詳細は、第10章「モデルのスナップショットの設定および使用」を参照してください。

  2. Oracle RTD付属のCrossSellおよびDC_Demoサンプル・インライン・サービスは、特定のサンプル・データ表を参照します。これらのインライン・サービスを使用するためには、サンプル・データ表を作成して、データを移入する必要があります。これらの表の作成およびデータ移入の詳細は、第3.5.1項「CrossSellサンプル・データの移入(オプション)」および第3.5.2項「DC_Demoサンプル・データの移入(オプション)」を参照してください。


3.2 Oracle RTDクライアント側ファイルのインストール

Oracle RTDはWindowsまたはUNIXで実行できます。デシジョン・スタジオやロード・ジェネレータなどのOracle RTDクライアント・ツールは、Windowsでのみ実行可能です。Oracle RTDクライアント・ツールのインストールでは、クライアント・ツールのzipファイルをWindowsマシン上で解凍します。それ以外の手順は不要です。

Oracle RTDをWindowsプラットフォームにインストールした場合は、サーバー側ディレクトリ<Oracle_BI_directory>/clients/rtd/にあるクライアント・ツールのzipファイルを任意のディレクトリに解凍します。

Oracle RTDをWindowsプラットフォーム以外にインストールした場合は、次の2段階のプロセスを実行する必要があります。

Oracle RTDおよびOracle RTDクライアント・ツールでサポートされているマシン構成の詳細は、第1.4項「システム要件と動作保証情報」を参照してください。


注意:

すべてのOracle RTDドキュメントに適用される用語規則により、Oracle RTDクライアント側ツールのインストール先ディレクトリ名はRTD_HOMEとする必要があります。第3.4項「Oracle RTDのランタイム環境について」も参照してください。


図3-3に、クライアント・ツールのzipファイルを解凍した後の、主なOracle RTDクライアント側ディレクトリおよびファイルを示します。

図3-3 主なOracle RTDクライアント・ディレクトリおよびファイル

図3-3については周囲のテキストで説明しています。

3.2.1 Oracle RTDクライアント・ツール用のJava Development Kit(JDK)のインストール

Oracle RTDクライアント側ツールをインストール後に使用するためには、Oracle RTDをインストールしたサーバー・マシン上に存在するものと同じバージョンのJava Development Kit(JDK)が必要です。サーバー側JDKは、通常、<middleware_home>ディレクトリの直下のディレクトリに存在します。

クライアント・マシンにJDKをインストールした後は、JAVA_HOMEという名前のシステム環境変数を作成し、値をJDKのインストール場所のフルパス名に設定します。

システム環境変数PATHを変更するには、既存の値の先頭に%JAVA_HOME%\bin;を追加します。

たとえば、既存のPATH値が'abc;'である場合、新しい値は次のようになります。

'%JAVA_HOME%\bin;abc;'

デフォルトで、JAVA_HOMEシステム環境変数を設定すると、Oracle RTDのすべてのクライアント・ツールが有効化されます。また、JAVA_HOMEをローカルのRTD_HOME/scripts/SetSDParams.cmdファイルに設定することもできます。JAVA_HOMEのこのローカル設定は、InitAppdb.cmdloadgen.cmdなどのsdexec.cmdを使用する(デシジョン・スタジオとコマンドライン・デプロイヤはいずれも使用しない)Oracle RTD操作にのみ影響します。

3.3 インストール後のOracle RTDの構成

ソフトウェアのみのインストール後のOracle RTDの構成

ソフトウェアのみのインストールでは、インストール時に選択したコンポーネントのバイナリが適切なディレクトリにインストールされます。ミドルウェア・ホーム内のディレクトリに対する小さな変更はいくつか行われますが、主な影響は、新しいOracle BIディレクトリが作成され、この新規ディレクトリに製品関連のファイルが設定されることです。

ソフトウェアのみのインストールでは、構成およびコンポーネントの有効化はいずれも実行されません。関連するWebLogicドメインは作成されません。Oracle RTDなどのJEEコンポーネントの構成もデプロイも行われません。

Oracle RTDを構成し、WebLogicドメインおよびデフォルトのすべてのセキュリティ・コンポーネントを作成するプロセスを完了するには、<Oracle_BI_directory>/bin/config.sh(Linuxシステムの場合)または<Oracle_BI_directory>/bin/config.bat(Windowsシステムの場合)を実行する必要があります。

簡易インストールおよびエンタープライズ・インストール後のOracle RTDの構成

簡易インストールとエンタープライズ・インストールでは、Oracle RTD(およびインストール時に選択した他のコンポーネント)用に、単一のWebLogicドメインが自動的に作成されます。Oracle RTD用の追加のWebLogicドメインを必要としない場合は、実行する必要があるインストール後の手順はありません。

簡易インストールまたはエンタープライズ・インストール後に、同じ<Oracle_BI_directory>内にOracle RTD用の追加のWebLogicドメインが必要な場合は、スクリプト<Oracle_BI_directory>/bin/config.sh(Linuxシステムの場合)または<Oracle_BI_directory>/bin/config.bat(Windowsシステムの場合)を実行します。

3.4 Oracle RTDのランタイム環境について

Oracle RTDの実行時に使用および更新されるファイルは、<mw_home>/user_projects/domains/domain_name/servers/server_name/に配置されます。便宜上、このディレクトリをRTD_RUNTIME_HOMEと呼びます。

たとえば、Oracle RTDログや他の管理対象サーバー・ログはRTD_RUNTIME_HOME/logs/に配置されます。

3.5 サンプル・データ表へのデータの移入(オプション)

Oracle Real-Time Decisionsには、2つのサンプル・インライン・サービス、CrossSellとDC_Demoが付属しています。これらのインライン・サービスのいずれかまたは両方を使用するには、データベースに追加の表を作成してデータを移入する必要があります。このためには、Oracle RTDクライアント側ツールをインストールしたWindowsコンピュータ上でスクリプトInitAppDBを実行します。

データベース・クライアント・ツールに関する要件

Windowsコンピュータ上に、Oracle RTDクライアント側ツールに加えて、使用データベースに適したクライアント・ツールが存在することが必要です。これは、次のものをインストールすることによって確保されます。

この項には次のトピックが含まれます:

3.5.1 CrossSellサンプル・データの移入(オプション)

Oracle Real-Time Decisionsには、CrossSellという名前のサンプル・インライン・サービスが付属しています。このサンプル・インライン・サービスを使用するには、Oracle RTD Database内に、CrossSellCustomersCrossSellResponsesおよびCrossSellBestOfferという3つの表を作成して、データを移入する必要があります。

InitAppDBは、サンプル・インライン・サービスと同じ場所にあります。コマンド・プロンプトを使用して、データベースのタイプに該当するスクリプトを実行します。

  • Oracle RTD DatabaseにSQL Serverを使用している場合は、RTD_HOME\examples\CrossSell\etc\data\SQLServer\initappdb.cmdを実行します。

  • Oracle RTD DatabaseにOracle Databaseを使用している場合は、RTD_HOME\examples\CrossSell\etc\data\Oracle\initappdb.cmdを実行します。

  • Oracle RTD DatabaseにDB2を使用している場合は、RTD_HOME\examples\CrossSell\etc\data\DB2\initappdb.cmdを実行します。

このスクリプトには、次のパラメータが必要です。

InitAppDB RTD_HOME db_host db_port db_name db_runtime_user db_admin_user db_admin_password

表3-1に、InitAppDBスクリプトのパラメータについて説明します。

表3-1 InitAppDBスクリプトのパラメータ

パラメータ 説明

RTD_HOME


Oracle RTDクライアント側ファイルがインストールされているディレクトリのフルパス。

db_host

データベース・サーバーをホスティングするコンピュータの名前。

Oracle RTD DatabaseをSQL Serverの名前付きインスタンスにインストールした場合は、db_host\instance_nameと指定します。

db_port

データベースのポート番号。

db_name

データベースの名前。Oracle Databaseの場合はSID。

db_runtime_user脚注 1 

システムのランタイム・ユーザーのユーザー名。

db_admin_user

データベースに対して表およびストアド・プロシージャを作成する権限を持つユーザーの名前。

db_admin_password

管理ユーザーのパスワード。


脚注 1 Oracleデータベースの場合は、db_runtime_userdb_admin_userは同じユーザーになります。

Oracle DatabaseをOracle RTD Databaseに使用する場合は、InitAppDBスクリプトの実行後に、データベース・ユーザーからResourceロールを取り消すことができます。

3.5.2 DC_Demoサンプル・データの移入(オプション)

Oracle Real-Time Decisionsには、動的選択と外部ルールについて示す、DC_Demoという名前の別のサンプル・インライン・サービスが付属しています。このサンプル・インライン・サービスを使用するには、まずWebOffersという名前のサンプル・データベース表を作成して、データを移入する必要があります。

InitAppDBは、サンプル・インライン・サービスと同じ場所にあります。コマンド・プロンプトを使用して、データベースのタイプに該当するスクリプトを実行します。

  • Oracle RTD DatabaseにSQL Serverを使用している場合は、RTD_HOME\examples\DC_Demo\etc\data\SQLServer\initappdb.cmdを実行します。

  • Oracle RTD DatabaseにOracle Databaseを使用している場合は、RTD_HOME\examples\DC_Demo\etc\data\Oracle\initappdb.cmdを実行します。

  • Oracle RTD DatabaseにDB2を使用している場合は、RTD_HOME\examples\DC_Demo\etc\data\DB2\initappdb.cmdを実行します。

このスクリプトには、次のパラメータが必要です。

InitAppDB RTD_HOME db_host db_port db_name db_runtime_user db_admin_user db_admin_password

InitAppDBスクリプトのパラメータの詳細は、表3-1を参照してください。