Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer EUL Java Command Lineユーザーズ・ガイド 11g リリース1(11.1.1) E51910-01 |
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この章では、Oracle BI Discoverer EUL Command Line for Javaについて説明します。この項の構成は、次のとおりです。
Oracle BI Discoverer EUL Command Line for Javaはテキスト・ベースのコマンドで、これを使用することにより、Discoverer EULの作成および操作ができます。
注意: Oracle以外のデータベースへの接続には異機種間サービスを使用しますが、EULはOracleデータベースに保存されます。Oracle以外のデータベースの使用の詳細は、 『Oracle Database Heterogeneous Connectivity Administrator's Guide』を参照してください。
Discoverer EUL Command Line for JavaはJava環境で動作し、これはつまり、すべてのJava互換プラットフォーム(Windows、UNIX、Linux)から実行できることを意味します。たとえば、UNIXシステムからEULをリフレッシュ(またはパッチを適用)できます。
下の図は、Discoverer EULを操作するための次の3つの方法を示しています。
Discoverer EUL Command Line for JavaをWindows、UNIXまたはLinuxシステムのいずれかで使用(このマニュアルで説明)
Oracle BI Discoverer AdministratorをWindowsシステムで使用
Oracle BI Discoverer Administrator Command Line InterfaceをWindowsシステムで使用
注意: Oracle BI Discoverer Administrator Command Line Interfaceを実行するには、システム上にOracle BI Discoverer Administratorがインストールされている必要があります。
注意
Discoverer EULファイルの拡張子は.EEXです(たとえば、Sales_eul.eex)。
Discoverer EUL Command Line for Javaコマンドのリストは、「Discoverer EUL Command Line for Javaコマンドのリスト」を参照してください。
Discoverer EUL Command Line for Javaのほとんどは、Oracle BI Discoverer Administrator Command Line Interfaceと互換性があります。Oracle BI Discoverer Administrator Command Line Interface用に記述されたコマンドおよびスクリプトの場合、Discoverer EUL Command Line for Java上で実行するように簡単に変換できます。
Oracle BI Discoverer Administrator Command Line InterfaceとDiscoverer EUL Command Line for Javaの異なる点は、次のとおりです。
Discoverer EUL Command Line for Javaは、複数のプラットフォーム上で実行可能。Oracle BI Discoverer Administrator Command Line InterfaceはWindows上でのみ実行可能。
注意: Discoverer EUL Command Line for Javaを実行するために、Oracle BI Discoverer Administratorをインストールする必要はありません。
Discoverer EUL Command Line for Javaコマンドには、接頭辞java -jar eulbuilder.jarが付けられている。
Discoverer EUL Command Line for Javaには付加的なコマンドが含まれる(たとえば、データベース権限の付与や取消しには、-grant_privilegeコマンドおよび-revoke_privilegeコマンドを使用します)。
一部のコマンドでは、わずかな構文の違いがある(詳細は、「Discovererコマンドライン・インタフェース間の構文の違い」を参照してください)。
Discoverer EUL Command Line for Javaコマンドは、Discoverer EULを操作するための命令です。例を次に示します。
-connectコマンド。指定されているユーザー名、パスワードおよびデータベースを使用して、データベースに接続します。たとえば、my_databaseデータベースにユーザーjchanとして接続する場合は、次のようになります。
java -jar eulbuilder.jar -connect jchan/12345@my_database
-importコマンド。指定されているDiscoverer EULエクスポート・ファイル(.EEX拡張子のファイル)から、EULオブジェクトを現行のEULへインポートします。たとえば、ファイルc:\data\sales.eexからEULオブジェクトをインポートする場合は、次のようになります。
java -jar eulbuilder.jar -connect jchan/12345@my_database -import c:\data\sales.eex
Discoverer EUL Command Line for Javaコマンド修飾子は、コマンドを修飾または詳細に指定する命令です。例を次に示します。
-logコマンド修飾子。ログ・ファイルを作成し、コマンド実行時の処理情報を保存します。 たとえば、ファイルc:\data\sales.eexからEULオブジェクトをインポートし、ログ・データをsales_import_logfile.txtに保存する場合は、次のようになります。
java -jar eulbuilder.jar -connect jchan/12345@my_database -import c:\data\sales.eex -log sales_import_logfile.txt
-itemコマンド修飾子。このコマンド修飾子を-deleteコマンドと組み合せて使用すると、EULから削除するEULアイテムを指定できます。たとえば、アイテムsales.profitを削除する場合は、次のようになります。
java -jar eulbuilder.jar -connect jchan/12345@my_database -delete -item sales.profit
Discoverer EUL Command Line for Javaを使用するには、データベースへの接続に使用するデータベース・ユーザー名に対して、次のデータベース権限を付与しておく必要があります。
CREATE SESSION
CREATE TABLE
CREATE VIEW
CREATE SEQUENCE
CREATE PROCEDURE
データベース・ユーザー名には、デフォルトの表領域およびデフォルト表領域の割当て制限も必要です。権限の付与の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer管理者ガイド』を参照してください。
注意 EUL Command Line for Javaコマンドを実行する前に、discenv.sh スクリプトを実行します。スクリプトの場所については、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer構成ガイド』のDiscovererファイルの場所に関する項を参照してください。
これにより、EUL Command-Line for Javaコマンドを実行するために必要な環境変数( |
Discoverer EUL Command Line for Javaは、次の2通りの方法で実行できます。
コマンド・プロンプトに直接コマンドを入力する(詳細は、「コマンド・プロンプトに直接コマンドを入力する方法」を参照してください)
コマンド・ファイルに保存されているコマンドを実行する(詳細は、「コマンド・ファイルに保存されているコマンドを実行する方法」を参照してください)
注意:
Oracle BI Discoverer Administrator Command Line InterfaceコマンドとDiscoverer EUL Command Line for Javaコマンドとの間に互換性を持たせるには、修正が必要です(詳細は、「Discoverer Administrator Command Line InterfaceとDiscoverer EUL Command Line for Javaの違い」を参照してください)。
EUL内のEULオブジェクトのリストを確認するには、すべてのEULオブジェクトをエクスポートしてリストを検証できるようにします。例を次に示します。
java -jar eulbuilder.jar -connect jchan/12345@my_database -export objectlist.xml -all % -wildcard
UNIXシステムからEULにパッチを適用する場合は、コマンド・プロンプトに直接コマンドを入力します。
コマンド・プロンプトに直接コマンドを入力するには、次の操作を行います。
コマンド・プロンプト画面(たとえば、UNIXのコマンド・プロンプト)を開きます。
コマンド・プロンプトに直接コマンドを入力します。
たとえば、「Sales1」および「Sales2」というフォルダをリフレッシュするには、次のように入力します(図1-2を参照)。
java -jar eulbuilder.jar -connect jchan/12345@my_database -refresh_folder Sales1 -refresh_folder Sales2
EULの定期的な更新を実行する場合は、コマンド・ファイルに保存されているコマンドを実行します。
コマンド・ファイルに保存されているコマンドを実行するには、次の操作を行います。
テキスト・ファイル(たとえば、import.txt)を作成して、そのテキスト・ファイルにコマンドを入力します。
コマンド・プロンプト画面(たとえば、UNIXのコマンド・プロンプト)を開きます。
コマンド・プロンプトで、-cmdfile
コマンドと、その後にコマンド・ファイルの名前を入力します。
たとえば、import.txtに保存されているコマンドを実行するには、次のように入力します。
java -jar eulbuilder.jar -connect jchan/12345@my_database -cmdfile import.txt
コマンド・ファイルの詳細は、「コマンド・ファイル」を参照してください。
注意:
-cmdfileコマンドを繰り返すことで、複数のコマンド・ファイルを実行することもできます。たとえば、テキスト・ファイルlogin.txtに保存されているコマンドを実行し、次にimport.txtに保存されているコマンドを実行するには、次のように入力します。
java -jar eulbuilder.jar -cmdfile c:\scripts\login.txt -cmdfile c:\scripts\import.txt
Discoverer EUL Command Line for Javaは、ログ機能を備えています。ログ機能を使用すると、データを変更しないで行うコマンドのテスト(影響分析)や、問題のトラブルシューティングを、次のように行うことができます。
データを変更しないで行うコマンドのテスト
データを変更せずにコマンドをテストするには、-log <log file name> -log_only修飾子を使用します。例を次に示します。
-log <log file name> -log_only
この修飾子により、データを変更することなくコマンドが実行され、その際に問題が発生したかどうかを示すログ・ファイルが生成されます。詳細は、「-log_only」を参照してください。
問題のトラブルシューティング
問題をトラブルシュートするには、-log <log file name>修飾子を使用して、コマンド処理情報を保存します。
たとえば、コマンドを実行すると「コマンドは正常に完了しました。」というメッセージが表示されますが、これはDiscovererの処理が完了したことを意味します。操作が正常に行われたかどうかを確認するには、-log修飾子によって生成されたログ・ファイルを確認します。
たとえば、サマリー・フォルダに使用されている「Store 4」というフォルダの削除を試みた場合、画面には「コマンドは正常に完了しました。」というメッセージが表示されます。しかし、ログ・ファイルには、次のように、コマンドが実行できなかった理由の詳細が示されていることがあります。
java EulCommandLine -connect jchan/12345@my_database -delete -folder Store 4 -log Started <date and time>... Deleting folder Store 4... Element Store 4 cannot be deleted because it is used in a summary Completed <date and time>.
Discoverer EUL Command Line for Javaを使用する場合は、ワイルドカードを使用して、操作するEULオブジェクトのグループを指定できます。ワイルドカードは、他の文字のかわりに使用する特殊な文字です。たとえば、名前がBI_で始まるOLAP機能をインポートする場合などがあります。
使用できるワイルドカードは次の2つです。
パーセント記号(%)。この記号は、一致する文字の数がゼロ(つまり、一致する文字がない)または1文字以上であることを示します。
アンダースコア(_)。この記号は一致する文字の数が厳密に1文字であることを示します。
ワイルドカードは、次の操作に使用できます。
EULオブジェクトの削除
EULオブジェクトのエクスポート
EULオブジェクトのインポート
フォルダ、ビジネスエリアおよびサマリー・フォルダのリフレッシュ
ワークブックおよびビジネスエリアに対する権限の付与および取消し
ワイルドカードはアイテム名または識別子と組み合せて使用できます。ワイルドカードを使用する場合は、コマンドに-wildcard修飾子を付加します(詳細は、「-wildcard」を参照してください)。
パーセント・ワイルドカードを使用してEULオブジェクトを指定する方法
パーセント記号(%)は、後ろに-wildcard修飾子を付けて使用します。
たとえば、表示名がAで始まるすべてのビジネスエリアを削除する場合は、次のようになります。
java -jar eulbuilder.jar -connect jchan/12345@my_database -delete -business_area A% -wildcard
アンダースコア・ワイルドカードを使用してEULオブジェクトを指定する方法
アンダースコア(_)は、後ろに-wildcard修飾子を付けて使用します。
たとえば、Aの後に任意の文字が続き、その後にCが続くという識別子を持つすべてのビジネスエリアを削除する場合には、次のようになります。
java -jar eulbuilder.jar -connect jchan/12345@my_database -delete -business_area A_C -identifier -wildcard
注意:
パーセント・ワイルドカード文字とアンダースコア・ワイルドカード文字は組み合せることができます。
-wildcard修飾子を省略すると、パーセント記号(%)やアンダースコア(_)はリテラル文字と解釈されます。つまり、コマンド-delete -business_area A%では、A%というビジネスエリアの削除が試行されます。
例1
Sales EULから「Sales」フォルダおよび「Sum1」サマリーを削除するには、次のコマンドを使用します。
java -jar eulbuilder.jar -connect jchan/12345@my_database -delete -folder Sales -summary Sum1 -eul Sales
例2
「Sales1」フォルダおよび「Sales2」フォルダをリフレッシュするには、次のコマンドを使用します。
java -jar eulbuilder.jar -connect jchan/12345@my_database -refresh_folder Sales1 -refresh_folder Sales2
例3
ユーザーjchan
としてデータベースにApplicationsモードEULを作成し、Applicationsユーザー名およびパスワードをapps/appsとしてアクセス権を付与するには、次のコマンドを使用します。
java -jar eulbuilder.jar -connect eul_owner:appsresp/appspwd -create_eul -apps_mode -apps_grant_details apps/apps -user jchan -password 123456
その他の例は、「Discoverer EUL Command Line for Javaリファレンス」を参照してください。
コマンド・ファイルは、1つ以上のDiscoverer EUL Command Line for Javaコマンドが含まれるテキスト・ファイルです。コマンド・ファイルを使用すると、コマンド・プロンプトにコマンドを手動で入力する必要がなく、コマンドを自動的に実行できます。MS-DOSまたはUNIXの知識がある場合は、コマンド・ファイルの機能はMS-DOSバッチ・ファイルやUNIXスクリプト・ファイルと同様と理解してください。
注意
コマンド・ファイル内のコマンドは、コマンド・プロンプトに直接入力した場合と同等に処理されます。
コマンド・ファイルに組み込まれた改行は無視されます。
1つのコマンド・ファイルによって他のコマンド・ファイルを次々と起動できます。
次の3つのコマンド・ファイルの例を説明します。
'-connect jchan/12345@my_database'と記述されているconnect.txt
'-create_eul -log create.log'と記述されているcreate.txt
'-delete_eul -log delete.log'と記述されているdelete.txt
次の例で示すように、これらのコマンド・ファイルは様々な組合せで使用できます。
例1
データベースに接続するには、次のコマンドを使用します。
java -jar eulbuilder.jar -cmdfile connect.txt
例2
データベースに接続し、EULを作成して、処理情報をログ・ファイルに保存するには、次のコマンドを使用します。
java -jar eulbuilder.jar -cmdfile connect.txt -cmdfile create.txt
例3
データベースに接続し、EULを削除して、処理情報をログ・ファイルに保存するには、次のコマンドを使用します。
java -jar eulbuilder.jar -cmdfile connect.txt -cmdfile delete.txt
Discoverer EUL Command Line for Javaコマンドを次の表に示します。
コマンド | 用途 |
---|---|
-asm <modifiers> | 自動サマリー管理(ASM) |
-cmdfile <command file> | コマンド・ファイルに保存されているコマンドの実行 |
-connect <username>/<password> [@<database] | EULへの接続 |
-create_eul <modifiers> | EULの作成 |
-delete <modifiers> | EULオブジェクトの削除 |
-delete_eul <modifiers> | EULの削除 |
-export <export file> <modifiers> | EULオブジェクトのエクスポート |
-grant_privilege <modifiers> | データベース・ユーザーへのDiscoverer権限の付与 |
-help [command name(s)] [-all] | オンライン・ヘルプの表示 |
-import <import file(s)> <modifiers> | EULオブジェクトのインポート |
-load <business area> <modifiers> | ビジネスエリアのロード |
-refresh_business_area <business area(s)> <modifiers> | ビジネスエリアのリフレッシュ |
-refresh_folder <folder name(s)> <modifiers> | フォルダのリフレッシュ |
-refresh_summary <summary name(s)> <modifiers> | サマリー・フォルダのリフレッシュ |
-revoke_privilege <modifiers> | データベース・ユーザーからのDiscoverer権限の削除 |
注意: コマンド修飾子の詳細は、コマンド・リファレンスの項で説明します(詳細は、「Discoverer EUL Command Line for Javaリファレンス」を参照してください)。