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Oracle® Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
B55899-08
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4 エンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備

この章では、Oracle SOAエンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備方法について説明します。推奨されるディレクトリ構造とその場所に関する情報を示し、共有記憶域の構成手順も説明します。

この章の内容は次のとおりです。

4.1 エンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備の概要

ファイル・システムの設定では、構成と管理が容易でわかりやすいエンタープライズ・デプロイメントを作成できるようにすることが重要です。この章の情報に従ってファイル・システムを設定することをお薦めします。この章で定義されている用語は、このガイド内のダイアグラムおよび手順で使用されます。

この章を参照情報として使用すると、インストールおよび構成手順で使用されているディレクトリ変数について理解できます。その他のディレクトリ・レイアウトも可能であり、サポートされていますが、このマニュアルで採用するモデルは、可用性を最大化するために選択されており、コンポーネントの最良の独立性と構成の対称性の両方を実現し、バックアップおよび災害からのリカバリを容易にします。ドキュメントの残りの部分では、このディレクトリ構造およびディレクトリ用語を使用します。

4.2 ディレクトリとディレクトリ環境変数の用語

この項では、このガイドでOracle SOAエンタープライズ・デプロイメントを構成するために使用しているディレクトリ環境変数について説明します。このガイドでは、インストールして構成するディレクトリを次のディレクトリ変数を使用して説明しています。


ヒント:

この項で説明している場所には、ショートカットとして環境変数を使用し、ディレクトリに簡単に移動できます。たとえば、Linuxでは$ORACLE_BASEという環境変数を使用し、/u01/app/oracle(つまり、推奨されるORACLE_BASEの場所)を参照できます。Windowsでは、%ORACLE_BASE%とWindowsに固有のコマンドを使用できます。


4.3 各種ディレクトリの推奨場所について

12.1.2に対する改訂 - ただし、これらの説明は11gにも有効です - Peter LaQuerre

次の項では、エンタープライズ・デプロイメント・トポロジに対して共有記憶域を使用する際の基本的な推奨事項について説明します。

4.3.1 バイナリ(Oracleホーム)ディレクトリに対する共有記憶域の推奨事項

次の項では、Oracle Fusion Middleware Oracleホーム・ディレクトリに対して共有記憶域を使用する際のガイドラインについて説明します。

4.3.1.1 バイナリ(Oracleホーム)ディレクトリについて

Oracle Fusion Middleware製品をインストールするときには、製品バイナリをOracleホームにインストールします。Oracleホームにインストールされたバイナリ・ファイルは読取り専用であり、Oracleホームがパッチ適用されるか、最新バージョンにアップグレードされる場合を除き、変更されません。

通常の製品環境では、Oracleホーム・ファイルは、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを使用して作成したドメイン構成ファイルとは別の場所に保存されます。

Oracle Fusion MiddlewareインストールのMiddlewareホームには、Oracle WebLogic Serverのバイナリ、Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャ・ファイルおよびOracle Fusion Middleware製品固有のディレクトリが含まれます。

Oracle Fusion Middleware Oracleホームの構成と内容の詳細は、Oracle Fusion Middlewareの概念を参照してください。

4.3.1.2 複数ドメインでの単一Oracleホームの共有について

Oracle Fusion Middlewareでは、単一のOracleホームから複数のOracle WebLogic Serverドメインを構成することができます。これにより、共有ボリューム上の単一の場所にOracleホームをインストールし、複数のホストのインストールにOracleホームを再利用することができます。

1つのOracleホームが、異なるホスト上の複数のサーバーによって共有されている場合、留意すべきベスト・プラクティスがいくつかあります。特に、各ホスト上のOracleインベントリ(oraInventory)が一貫性とパッチの適用のために更新されていることを確認してください。

ホストのoraInventorを更新し、共有記憶域上のOracleホームをアタッチするには、次のコマンドを使用します。

ORACLE_HOME/oui/bin/attachHome.sh

oraInventoryの詳細は、Oracle Universal Installerコンセプト・ガイドのOracle Universal Installerインベントリに関する項を参照してください。

4.3.1.3 冗長なバイナリ(Oracleホーム)ディレクトリの使用について

可用性が最大になるように、共有記憶域上でバイナリの冗長インストールを使用することをお薦めします。

このモデルでは、2つの異なる共有ボリューム上に、Oracle Fusion Middlewareソフトウェアに対する2つの同じOracleホームをインストールします。次に、一方のOracle homeをサーバーの1つのセットにマウントし、もう一方のOracleホームを残りのサーバーにマウントします。各Oracleホームは同じマウント・ポイントを持っているので、サーバーがどのOracleホームを使用しているかに関係なく、Oracleホームは常に同じパスを持っています。

1つのOracleホームが壊れたり使用できなくなった場合は、サーバーの半分のみが影響を受けます。さらに保護を強化するために、これらのボリュームのディスク・ミラーを行うことをお薦めします。

共有記憶域上で別個のボリュームが使用できない場合は、同じボリューム内の異なるディレクトリを使用して別個のボリュームをシミュレートし、これらをホスト側の同じマウント位置にマウントすることをお薦めします。複数のボリュームによって実現する保護は前述の例はNASに特有ですがこれによって保証されませんが、ユーザーによる削除や個々のファイルの破損から保護できます。

4.3.2 ドメイン構成ファイルに対する共有記憶域の推奨事項

次の項では、エンタープライズ・デプロイメントでOracle Fusion Middleware製品を構成するときに作成したOracle WebLogic Serverドメイン構成ファイルに対して共有記憶域を使用する際のガイドラインについて説明します。

4.3.2.1 Oracle WebLogic Server管理および管理対象サーバー・ドメイン構成ファイルについて

Oracle Fusion Middleware製品を構成するときには、Oracle WebLogic Serverドメインを作成または拡張します。各Oracle WebLogic Serverドメインは、単一の管理サーバーおよび1つ以上の管理対象サーバーで構成されます。

Oracle WebLogic Serverドメインの詳細は、Oracle WebLogic Serverのドメイン構成の理解に関する項を参照してください。

エンタープライズ・デプロイメントでは、ドメイン内の管理対象サーバーをアクティブ/アクティブ高可用性用に構成できることを理解することが重要です。ただし、管理サーバーではできません。管理サーバーはシングルトン・サービスです。つまり、いつでも1つのホストでのみアクティブすることができます。

4.3.2.2 管理対象サーバー・ドメイン構成ファイルに対するローカル記憶域の要件

競合に関連するパフォーマンス上の問題を回避するために、管理対象サーバーの構成ファイルはローカル記憶域上に配置する必要があります。このディレクトリは、MSERVER_HOMEディレクトリと呼ばれます。管理対象サーバー・ドメイン構成ファイルは、ローカル記憶域に配置することを強くお薦めします。

共有記憶域を使用する必要がある場合は、ノードごとに記憶域パーティションを作成し、その記憶域をそのノードに排他的にマウントすることをお薦めします。

このエンタープライズ・デプロイメント・トポロジで用意されている構成手順では、管理対象サーバーごとに各ノードのローカル・ドメイン・ディレクトリが使用されると想定しています。

4.3.3 JMSファイル・ストアおよびトランザクション・ログに対する共有記憶域の推奨事項

サーバーの障害や移行の場合のリカバリで、JMSファイル・ストアやJTAトランザクション・ログを複数のホストから利用できるようにするには、それらを共有記憶域に配置する必要があります。

JMSおよびJTAに関する情報をファイル・ストアに保存する方法の詳細は、Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理のWebLogic永続ストアの使用に関する項を参照してください。

4.3.4 ディレクトリの推奨場所

この項では、推奨されるディレクトリについて説明します。共有記憶域の場所が直接指定されている場合は必ず、そのディレクトリでは共有記憶域が必要とされることを意味します。ローカル・ディスクが使用されたり共有記憶域がオプションの場合、マウント指定では「共有記憶域を使用している場合」の語句で修飾されます。共有記憶域の場所は例であり、指定のマウント・ポイントが使用されるかぎり、これを変更できます。ただし、共有記憶域デバイスでは整合性と単純化のためこの構造をお薦めします。

ORACLE_BASE

推奨ディレクトリ: /u01/app/oracle

管理サーバー・ドメイン・ディレクトリのドメイン・ディレクトリ:

ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name (最後の"domain_name"は、構成ウィザードで追加されます)

  • マシンのマウント・ポイント: ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver

  • 共有記憶域の場所: ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver

  • マウント元: このディレクトリをマウントする必要があるのは、管理サーバーが稼働しているノードのみです。管理サーバーが別のノードに再配置(フェイルオーバー)されたら、そのノードが同じマウント・ポイントで同じ共有記憶域をマウントします。トポロジ内の残りのノードがこの場所をマウントする必要はありません。

管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリのドメイン・ディレクトリ:

ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/domain_name

  • 共有ディスクを使用する場合、マシンのマウント・ポイントは次のとおりです。

    ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver
    

    マウント先:

    /ORACLE_BASE/admin/domain_name/Noden/mserver/
    

    (各ノードは管理対象サーバーにそれぞれ別のドメイン・ディレクトリを使用します。)


注意:

この手順は実際、共有記憶域によって異なります。前述の例はNASに特有でありますが、他の記憶域タイプでは別のタイプのマッピングによりこの冗長性が実現される場合があります。


JMSファイルベース・ストアとTlogs用の場所(SOAのみ):

ORACLE_BASE/admin/domain_name/soa_cluster_name/jms

ORACLE_BASE/admin/domain_name/soa_cluster_name/tlogs

  • マウント・ポイント: ORACLE_BASE/admin/domain_name/soa_cluster_name/

  • 共有記憶域の場所: ORACLE_BASE/admin/domain_name/soa_cluster_name/

  • マウント元: SOAまたはBAMが稼働するすべてのノードでは、別のノードへのサーバー移行が発生したときにトランザクション・ログおよびJMSストアを使用できるように、この共有記憶域の場所をマウントする必要があります。

管理サーバーのアプリケーション・ディレクトリの場所

ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/applications

  • マウント・ポイント: ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/

  • 共有記憶域の場所: ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver

  • マウント元: このディレクトリをマウントする必要があるのは、管理サーバーが稼働しているノードのみです。管理サーバーが別のノードに再配置(フェイルオーバー)されたら、そのノードが同じマウント・ポイントで同じ共有記憶域をマウントします。トポロジ内の残りのノードがこの場所をマウントする必要はありません。

管理対象サーバーのアプリケーション・ディレクトリの場所

ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/applications

このディレクトリは、SOAエンタープライズ・デプロイメントではローカルになります。

MW_HOME (アプリケーション層)

推奨ディレクトリ: ORACLE_BASE/product/fmw

  • マウント・ポイント: ORACLE_BASE/product/fmw

  • 共有記憶域の場所: ORACLE_BASE/product/fmw(VOL1とVOL2)


    注意:

    共有記憶域に利用できるボリュームが1つしかない場合に、誤ってファイルを削除しないように、あるいはパッチを適用できるように、別のディレクトリを使用して冗長に構成することができます。2つのMW_HOMEを使用できます。その場所は、少なくとも1つはORACLE_BASE/product/fmw1、もう一方はORACLE_BASE/product/fmw2とします。これらのMW_HOMEは、すべてのノードで同じマウント・ポイントにマウントされます。


  • マウント元: 少なくとも半分のノードで一方のインストールを使用し、もう半分で他方のインストールを使用できるように、ノードではVOL1とVOL2を互換的にマウントします。

    SOAエンタープライズ・デプロイメント・トポロジでは、SOAHOST1でVOL1をマウントし、SOAHOST2でVOL2をマウントします。使用可能なボリュームが1つのみの場合は、ノードは共有記憶域において、考えられる2つのディレクトリを互換的にマウントします。たとえば、SOAHOST1ではORACLE_BASE/product/fmw1、SOAHOST2ではORACLE_BASE/product/fmw2を、それぞれ共有記憶域の場所として使用します。

ORACLE_HOME (web層)

推奨ディレクトリ: ORACLE_BASE/product/fmw/web

  • マウント・ポイント: ORACLE_BASE/product/fmw

  • 共有記憶域の場所: ORACLE_BASE/product/fmw(VOL1とVOL2)


    注意:

    Web層のインストールは通常、WEBHOSTノードのローカル記憶域で実行されます。共有記憶域を使用する場合は、層を横断する記憶域デバイスへのアクセスには、適切なセキュリティ制限をかけることを検討してください。

    このエンタープライズ・デプロイメント・ガイドでは、Oracle Web Tierがローカル・ディスクにインストールされることを想定しています。Oracle Web Tierのバイナリ(およびORACLE_INSTANCE)を共有ディスクにインストールすることもできます。その場合は、共有ディスクがアプリケーション層に使用されるものとは別になっている必要があります。


  • マウント元: 共有記憶域のインストールでは、少なくとも半分のノードで一方のインストールを使用し、もう半分で他方のインストールを使用できるように、ノードではVOL1とVOL2を互換的にマウントします。

    SOAエンタープライズ・デプロイメント・トポロジでは、WEBHOST1でVOL1をマウントし、WEBHOST2でVOL2をマウントします。使用可能なボリュームが1つのみの場合は、ノードは共有記憶域において、考えられる2つのディレクトリを互換的にマウントします。たとえば、WEBHOST1ではORACLE_BASE/product/fmw1、WEBHOST2ではORACLE_BASE/product/fmw2を、それぞれ共有記憶域の場所として使用します。

WL_HOME

推奨ディレクトリ: MW_HOME/wlserver_10.3

ORACLE_HOME

推奨ディレクトリ: MW_HOME/soa

ORACLE_COMMON_HOME

推奨ディレクトリ: MW_HOME/oracle_common

ORACLE_HOME_OSB

推奨ディレクトリ: /MW_HOME/osb

ORACLE_INSTANCE (OHSインスタンス)

推奨ディレクトリ: ORACLE_BASE/admin/instance_name

  • 共有ディスクを使用する場合、マシンのマウント・ポイントは次のとおりです。

    ORACLE_BASE/admin/instance_name
    

    マウント先:

    ORACLE_BASE/admin/instance_name vol1
    

    注意:

    (VOL1)はオプションです。(VOL2)も使用できます。


4.3.5 ディレクトリ構造と構成

この項では、推奨されるディレクトリ構造および共有記憶域の理解に役立つダイアグラムを示します。

図4-1は、ディレクトリ構造を表しています。

図4-1 ディレクトリ構造

図4-1の説明は、図の下にあります。
「図4-1 ディレクトリ構造」の説明

図4-1のディレクトリ構造には、oracle_commonjrockitなど、その他の必要な内部ディレクトリは示されていません。

表4-1は、図において様々な色で識別されている要素の意味に関する説明が記載されています。

表4-1 ディレクトリ構造の要素

要素 説明

管理サーバー要素


管理サーバーのドメイン・ディレクトリ、アプリケーション、デプロイメント・プラン、ファイル・アダプタ制御ディレクトリ、JMSとTXのログ、およびMW_HOME全体は共有記憶域上に配置されます。

管理対象サーバー要素


管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリは、ローカルのディスクにも共有ディスクにも配置できます。さらに、管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリを複数のノードで共有する場合、ノード全体において共有ディスクの同じ場所をマウントする必要があります。Web層のinstance_nameディレクトリは、ローカル・ディスクまたは共有ディスクに配置できます。

固定名要素


固定名です。

インストール依存名


インストール依存名です。


図4-2は、SOA用に複数のボリュームを持つ共有記憶域の構成例を示しています。BAMデプロイメントの場合、同じ構造によりこれを類推することができます。

図4-2 共有記憶域の構成例

共有記憶域は、直後に図のある表で説明されています。

表4-2は、ドメインのディレクトリ構造をまとめたものです。

表4-2 共有記憶域の内容

サーバー データのタイプ 共有記憶域のボリューム ディレクトリ ファイル

WLS_SOA1

Txログ

VOL1

ORACLE_BASE/admin/domain_name/soa_cluster_name/tlogs

トランザクション・ディレクトリは共通(WebLogic Serverにより決定)ですが、ファイルは別々です。

WLS_SOA2

Txログ

VOL1

ORACLE_BASE/admin/domain_name/soa_cluster_name/tlogs

トランザクション・ディレクトリは共通(WebLogic Serverにより決定)ですが、ファイルは別々です。

WLS_SOA1

JMSストア

VOL1

ORACLE_BASE/admin/domain_name/soa_cluster_name/jms

トランザクション・ディレクトリは共通(WebLogic Serverにより決定)ですが、ファイルは別々です。たとえば、SOAJMSStore1やUMSJMSStore1などです。

WLS_SOA2

JMSストア

VOL1

ORACLE_BASE/admin/domain_name/soa_cluster_name/jms

トランザクション・ディレクトリは共通(WebLogic Serverにより決定)ですが、ファイルは別々です。たとえば、SOAJMSStore2やUMSJMSStore2などです。

WLS_SOA1

WLSインストール

VOL1

MW_HOME

各ボリューム内で個別のファイル(ただし、両方のサーバーからは同じディレクトリ構造に見えます)

WLS_SOA2

WLSインストール

VOL2

MW_HOME

各ボリューム内で個別のファイル(ただし、両方のサーバーからは同じディレクトリ構造に見えます)

WLS_SOA1

SOAインストール

VOL1

MW_HOME/soa

各ボリューム内で個別のファイル(ただし、両方のサーバーからは同じディレクトリ構造に見えます)

WLS_SOA2

SOAインストール

VOL2

MW_HOME/soa

各ボリューム内で個別のファイル(ただし、両方のサーバーからは同じディレクトリ構造に見えます)

WLS_SOA1

ドメイン構成

VOL1

ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/domain_name

管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリが共有記憶域にある構成では、ファイルは各ボリュームで独立したものになりますが、両方のサーバーで同じディレクトリ構造を認識します。このガイドでは、管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリにはローカル記憶域が使用されます。

WLS_SOA2

ドメイン構成

VOL2

ORACLE_BASE/admin/domain_name/mserver/domain_name

各ボリューム内で個別のファイル(ただし、両方のサーバーからは同じディレクトリ構造に見えます)

WLS_SOA1

ドメイン構成

VOL1

ORACLE_BASE/admin/domain_name/aserver/domain_name

管理サーバーを実行している1つのサーバーのみで使用されます。


4.4 共有記憶域の構成

次のコマンドを使用して、共有記憶域の場所を作成しマウントします。これにより、SOAHOST1とSOAHOST2が2つの別々のボリュームのバイナリ・インストール用に同じ場所を参照できるようになります。


注意:

共有記憶域のファイル・システムの作成に使用されるユーザーIDは、これらのファイルに対する読取り、書込みおよび実行権限を持ちます。オペレーティング・システム・グループにおける他のユーザーは、ファイルの読取りや実行は可能ですが、書込み権限はありません。インストールと構成の権限に関する詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』のインストールと構成の権限およびユーザーに関する項を参照してください。


nasfilerは共有記憶域ファイラです。

SOAHOST1から:

mount nasfiler:/vol/vol1/ORACLE_BASE/product/fmw
ORACLE_BASE/product/fmw -t nfs

SOAHOST2から:

mount nasfiler:/vol/vol2/ORACLE_BASE/product/fmw
ORACLE_BASE/product/fmw -t nfs

利用できるボリュームが1つのみの場合、共有記憶域で別々のディレクトリを2つ使用して、それらをSOAサーバーの同じディレクトリにマウントすることで、バイナリの冗長性を実現できます。

SOAHOST1から:

mount nasfiler:/vol/vol1/ORACLE_BASE/product/fmw1
ORACLE_BASE/product/fmw -t nfs

SOAHOST2から:

mount nasfiler:/vol/vol1/ORACLE_BASE/product/fmw2
ORACLE_BASE/product/fmw -t nfs

次のコマンドは、異なるノード間においてSOA TXログを共有する方法を示します。

mount nasfiler:/vol/vol1/ORACLE_BASE/stores/soadomain/soa_cluster/tlogs
/ORACLE_BASE/stores/soadomain/soa_cluster/tlogs -t nfs

mount nasfiler:/vol/vol1/ORACLE_BASE/stores/soadomain/soa_cluster/tlogs
/ORACLE_BASE/stores/soadomain/soa_cluster/tlogs -t nfs

共有ストレージの構成の検証

構成した共有記憶域にテスト・ファイルを作成し、新しくマウントしたディレクトリでファイルの読取りおよび書込みができることを確認します。

例:

$ cd newly mounted directory
$ touch testfile

所有者と権限が正しいことを確認します。

$ ls -l testfile

ファイルを削除します。

$ rm testfile

注意:

共有記憶域にはNASやSANなどのデバイスを使用できます。次は、NASデバイスの記憶域をSOAHOST1から作成する例を示しています。オプションは、具体的な記憶域デバイスに応じて異なる場合があります。

mount nasfiler:/vol/vol1/fmw11shared ORACLE_BASE/wls -t nfs -o rw,bg,hard,nointr,tcp,vers=3,timeo=300,rsize=32768,wsize=32768

使用する環境に適切なオプションについては、ストレージ・ベンダーとマシン管理者と相談してください。