ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware管理者ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B60984-06
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
製品リストへ移動
製品
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

19 環境のスケーリング

次の各項では、管理対象サーバーの追加、他の製品の組込みによるドメインの拡張、管理対象サーバーのクラスタの作成、既存のMiddlewareホームまたはOracle SOA SuiteやOracle HTTP Serverなどの既存のOracle Fusion Middlewareコンポーネントのコピーによって環境を拡張する方法について説明します。

19.1 環境のスケーリングの概要

スケーラビリティとはスループットを提供するシステムの能力で、使用可能なハードウェア・リソースに比例し、またこのリソースによってのみ制限されます。スケーラブルなシステムとは、リクエストが増加してもレスポンス時間およびスループットに悪影響をもたらすことなく処理できるシステムです。

1つの操作環境において計算力を増加することを、垂直スケーリングといいます。水平スケーリングとは、複数のシステムを連動させて共通の問題をパラレル処理することです。

Oracle Fusion Middlewareは、垂直および水平の両方のスケーリングを行います。Oracle Fusion Middlewareでは、複数の管理対象サーバーをグループ化してワークロードを共有することによって、水平スループットが増加します。また、Oracle Fusion Middlewareでは、管理対象サーバーまたはコンポーネントを同一ホストに追加でき、垂直的なスケーラビリティも優れています。

高可用性とは、ユーザーによるシステムへのアクセス機能を指します。高可用性システムのデプロイによって、システムのダウン(使用不可の時間)を最小限に抑え、実行(使用可能な時間)を最大化できます。Oracle Fusion Middlewareは、ロード・バランシングや基本的なクラスタ化から、ハードウェアおよびソフトウェアの壊滅的な障害発生時にシステムの可用性を最大限にすることまで、非常に広範囲な高可用性ソリューションを提供するように設計されています。

高可用性ソリューションは、ローカルの高可用性と障害時リカバリの2つの基本的なカテゴリに分類できます。


関連項目:

  • 高可用性の詳細は、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』を参照してください。

  • 『Oracle Fusion Middlewareディザスタ・リカバリ・ガイド』


19.2 ドメインの拡張による追加コンポーネントのサポート

Oracle WebLogic Serverドメインを作成する場合、特定のドメイン・テンプレートを使用します。そのテンプレートは、Oracle SOA Suiteのような特定のコンポーネントまたはコンポーネントのグループをサポートします。このドメインにOracle WebCenter Portalなどの他のコンポーネントを追加する場合は、追加するコンポーネントのドメイン・テンプレートを使用してドメインに追加の管理対象サーバーを作成することによってドメインを拡張できます。

ドメインを拡張する際は、ドメインをオフラインにする必要があります。

ドメインを拡張するには、目的のコンポーネントがインストールされているOracleホームからOracle WebLogic Server構成ウィザードを使用します。そこで、拡張するドメインと追加するコンポーネントを選択します。

表19-1は、既存のドメインに追加できるコンポーネントと必要なドメイン・テンプレートを示しています。

表19-1 サポート対象のドメインの拡張

既存のドメイン・テンプレート 追加可能なコンポーネント

Oracle SOA Suite


任意のOracle SOA Suiteコンポーネント。

任意のOracle WebCenter Portalコンポーネント。Oracle WebCenter Portalドメイン・テンプレートを使用して拡張。

任意のWeb層コンポーネント。Web層ドメイン・テンプレートを使用して拡張。

Oracle Identity Management

任意のアイデンティティ管理コンポーネント。

任意のWeb層コンポーネント。Web層ドメイン・テンプレートを使用して拡張。

Oracle Portal、Oracle Reports、Oracle Forms Services、Oracle Business Intelligence Discoverer

これらのうちの任意のコンポーネント。

任意のWeb層コンポーネント。Web層ドメイン・テンプレートを使用して拡張。



注意:

アイデンティティ管理コンポーネント、Oracle Portal、Oracle Forms Services、Oracle ReportsおよびOracle Business Intelligence Discovererの場合、ドメインに追加するコンポーネントがリモート・ホスト上にあるときは、WebLogic Serverホームのフルパスを、元のコンポーネントのWebLogic Serverホームのものと同じにする必要があります。

たとえば、最初はアイデンティティ管理コンポーネントをサポートするために作成したドメインを、Web層コンポーネントもサポートするように拡張しようとしており、Web層コンポーネントをリモート・ホストにインストールする場合があります。この場合、アイデンティティ管理のWebLogic Serverホームが/scratch/oracle/Middleware/wlserver_10.3にある場合、Web層のWebLogic Serverホームも/scratch/oracle/Middleware/wlserver_10.3に配置する必要があります。


たとえば、最初はOracle SOA Suiteをサポートするために作成したドメインを、Oracle WebCenter Portalもサポートするように拡張する手順は次のとおりです。

  1. Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』の説明に従って、RCUを使用してコンポーネントに必要な任意のスキーマを追加します。

  2. Oracle Fusion Middleware WebCenter Portalインストレーション・ガイドの説明に従って、Oracle WebCenter Portalをインストールします。

  3. 追加するコンポーネント(たとえば、Oracle WebCenter Portal)に対してインストールされているOracleホームから、次のコマンドを使用して、構成ウィザードを起動します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/common/bin/config.sh
    (Windows) ORACLE_HOME\common\bin\config.cmd
    

    構成ウィザードの「ようこそ」画面が表示されます。

  4. 既存のWebLogicドメインの拡張」を選択します。

  5. 次へ」をクリックします。

    「WebLogicドメイン・ディレクトリの選択」画面が表示されます。

  6. コンポーネントの追加先ドメインのディレクトリを選択します。

  7. 次へ」をクリックします。

    「拡張ソースの選択」画面が表示されます。

  8. 以下の追加製品をサポートするために、自動的にドメインを拡張する」を選択して、このドメインを拡張する元になるソースを選択します。たとえば、「Oracle WebCenter Spaces」を選択します。

  9. 次へ」をクリックします。

    「JDBCデータ・ソースの構成」画面が表示されます。

  10. 次の情報を入力して、追加した新しいコンポーネントのスキーマを選択します。

    • ベンダー」で、「Oracle」を選択します。

    • ドライバ」で、「*Oracleのサービス接続用ドライバ(Thin)、バージョン:9.0.1、9.2.0、10、11」を選択します。

    • スキーマ所有者」には何も入力しません。各データ・ソースで、表で指定されているユーザー名が使用されます。

    • 各スキーマの作成時に同一のパスワードを使用した場合は、すべてのスキーマを選択し、「スキーマ・パスワード」にパスワードを入力します。

      または、各スキーマを個別に選択し、パスワードを入力することによって、データ・ソースごとに異なるパスワードを指定することができます。

    • すべてのスキーマを選択した状態で、「DBMS/サービス」に、データベースのSIDを入力します。

    • すべてのスキーマを選択した状態で、「ホスト名」に、データベースのホスト名を入力します。

    • すべてのスキーマを選択した状態で、「ポート」に、データベースのリスニング・ポートを入力します。

  11. 次へ」をクリックします。

    「コンポーネント・スキーマのテスト」画面が表示されます。

  12. テストが成功したら、「次へ」をクリックします。

    「オプションの構成を選択」画面が表示されます。

  13. この画面および以降の画面では、設定をカスタマイズすることを選択できます。設定をカスタマイズするには、カスタマイズのタイプを選択します。設定をカスタマイズしない場合は、「次へ」をクリックします。

    「構成のサマリー」画面が表示されます。

  14. この画面に表示されている情報を確認して、正しければ「拡張」をクリックします。

  15. 操作が完了したら、「完了」をクリックします。

19.3 ドメインへの管理対象サーバーの追加

ドメインに管理対象サーバーを追加して、システムの容量を拡大できます。管理対象サーバーは、クラスタに追加することができます。

管理対象サーバーをクラスタに追加すると、管理対象サーバーは、そのクラスタが対象となっているアプリケーションおよびサービスを継承されます。管理対象サーバーをクラスタの一部として追加するのではない場合、管理対象サーバーは、テンプレートからアプリケーションとサービスを自動的には継承しません。

管理対象サーバーをドメインに追加する際は、Oracle WebLogic Server管理コンソールまたはWLSTを使用できます。


関連項目:

管理対象サーバーの追加の詳細は、管理コンソールのオンライン・ヘルプおよび『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。


管理コンソールを使用してドメインに管理対象サーバーを追加する手順は次のとおりです。

  1. 第3.4.1項の説明に従って、管理コンソールを表示します。

  2. 第3.4.2項の説明に従って、Oracle WebLogic Server構成をロックします。

  3. 左ペインで、「環境」を開き、「サーバー」を選択します。

    「サーバーのサマリー」ページが表示されます。

  4. 「サーバー」表で、「新規」をクリックします。

    「新しいサーバーの作成: サーバーのプロパティ」ページが表示されます。

  5. 次の情報を入力します。

    • 名前」に、サーバーの名前を入力します。

      ドメイン内の各サーバーには、ドメイン内のすべての構成オブジェクトに対して一意の名前が必要です。ドメイン内では、各サーバー、コンピュータ、クラスタ、JDBC接続プール、仮想ホストおよびその他すべてのリソース・タイプに、一意の名前を付ける必要があり、ドメインと同じ名前を使用することはできません。

    • リスニング・アドレス」には、サーバー・インスタンスの有効なアドレスを限定するために、IPアドレスまたはDNS名を入力します。そうしないと、サーバーへのURLによって、ホスト・コンピュータのIPアドレス、いずれかのIPアドレスにマップされているDNS名、またはlocalhost文字列が指定される可能性があります。

    • リスニング・ポート」に、サーバー・インスタンスへのアクセス元のポート番号を入力します。

      1つのコンピュータで複数のサーバー・インスタンスを実行している場合は、各サーバーで固有のリスニング・ポートを使用する必要があります。

    • このサーバーをスタンドアロン・サーバーにするのか、それとも既存のクラスタまたは新しいクラスタのメンバーにするのかを指定します。

      • このサーバーをスタンドアロン・サーバーにする場合は、「いいえ、これはスタンドアロン・サーバーです。」を選択します。

      • このサーバーを既存のクラスタの一部にする場合は、「はい、このサーバーを既存のクラスタのメンバーにします。」を選択します。そして、クラスタを選択します。

        既存のクラスタがない場合、このオプションは表示されません。

      • このサーバーを新しいクラスタの一部にする場合は、「はい、このサーバー用に新しいクラスタを作成します。」を選択します。

  6. 次へ」をクリックします。

    「選択内容の確認」ページが表示されます。

  7. 表示される情報を確認します。情報が正しい場合は、「終了」をクリックします。

  8. 第19.3.1項の説明に従って、JRFを管理対象サーバーまたはクラスタに適用します。

Fusion Middleware Controlを使用して、管理対象サーバーをドメインに追加することもできます。「ファーム」メニューで、「コンポーネントの作成/削除」を選択します。「Fusion Middlewareコンポーネント」ページで、「作成」→「WebLogic Server」を選択します。

19.3.1 管理対象サーバーまたはクラスタへのOracle JRFテンプレートの適用

Oracle JRF(Java Required Files)は、Oracle WebLogic Serverインストールに含まれておらず、Oracleビジネス・アプリケーションおよびアプリケーション・フレームワークに共通の機能を提供するコンポーネントで構成されています。

JRFには、共通の場所にデプロイされる、いくつかの個別に開発されたライブラリおよびアプリケーションが含まれています。Java Required Filesの一部と見なされるコンポーネントには、Oracle Application Development Framework共有ライブラリやODLロギング・ハンドラがあります。

特定の状況では、JRFテンプレートを管理対象サーバーまたはクラスタに適用する必要があります。JRFが構成されているドメイン内の管理対象サーバーにのみJRFを適用できます。つまり、ドメインを作成または拡張した場合は、構成ウィザードでOracle JRFを選択しておく必要があります。

JRFの適用については、次の点に注意してください。

  • すでにJRFで構成されている既存のクラスタに管理対象サーバーを追加する場合は、その管理対象サーバーにJRFを適用する必要はありません。

  • 管理対象サーバーをドメインに追加する際、その管理対象サーバーにJRFサービスが必要だが、管理対象サービスがクラスタに属していない場合、その管理対象サーバーにJRFを適用する必要があります。

  • クラスタを新規作成し、そのクラスタにJRFが必要な場合、クラスタにJRFを適用する必要があります。

  • テンプレート拡張プロセスで製品テンプレートによって追加される管理対象サーバーにJRFを適用する必要はありません(ただし、構成ウィザードでJRFを選択する必要があります)。

  • JRFの適用後は、サーバーまたはクラスタを再起動する必要があります。

    ノード・マネージャを使用してサーバーまたはクラスタを起動する場合は(たとえば、ノード・マネージャを使用する管理コンソールを通して)、ノード・マネージャのプロパティstartScriptEnabledtrueに設定する必要があります。詳細は、第4.2.1項を参照してください。

  • Fusion Middleware Controlを使用してサーバーを作成すると、JRFテンプレートが自動的に適用されます。

管理対象サーバーまたはクラスタをJRFで構成するには、カスタムWLSTコマンドapplyJRFを使用します。カスタムWLSTコマンドを使用するには、Oracle共通ホームからWLSTスクリプトを起動する必要があります。詳細は、第3.5.1.1項を参照してください。

applyJRFコマンドの形式は次のとおりです。

applyJRF(target={server_name | cluster_name | *}, domainDir=domain_path,
        [shouldUpdateDomain= {true | false}])

applyJRFコマンドは、オンラインまたはオフラインで使用できます。

  • オンライン・モードでは、shouldUpdateDomainオプションを値true(デフォルト)で使用した場合、JRFの変更は暗黙的にアクティブになります。オンライン・モードでは、このオプションによって、オンラインWLST save()コマンドおよびactivate()コマンドがコールされます。

  • オフライン・モードでは、管理サーバーおよび管理対象サーバーまたはクラスタを再起動する必要があります(オフライン・モードでは、shouldUpdateDomainオプションを値trueで指定した場合、このオプションによってWLST updateDomain()コマンドがコールされます)。

たとえば、JRFで管理対象サーバーserver1を構成するには、次のコマンドを使用します。

applyJRF(target='server1', domainDir='DOMAIN_HOME')

ドメイン内のすべての管理対象サーバーをJRFで構成するには、targetオプションの値としてアスタリスク(*)を指定します。

クラスタをJRFで構成するには、次のコマンドを使用します。

applyJRF(target='cluster1', domainDir='DOMAIN_HOME')

関連項目:

  • Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのJava Required FilesカスタムWLSTコマンドに関する項

  • 第I.2.2項(JRFとともに提供されるものとは別のバージョンのSpringを使用する場合)


19.4 追加のOracleインスタンスとシステム・コンポーネントの作成

システム・コンポーネントのあるOracle Fusion Middleware環境をインストールして構成すると、Oracleインスタンスがこれらのシステム・コンポーネント用に作成されます。さらに別のOracleインスタンスが必要な場合、次の項で示すように、OPMN createinstanceコマンドを使用してOracleインスタンスを作成でき、OPMN createcomponentコマンドを使用してシステム・コンポーネントを作成できます。

19.4.1 セキュアでないポートを使用してのOracleインスタンスの作成

セキュアなポートを使用していないOracleインスタンスを作成して、管理サーバーと通信できます。OPMN createinstanceコマンドを使用します。たとえば、OracleインスタンスとOracle HTTP Serverコンポーネント・インスタンスを作成するには:

  1. OracleインスタンスとOracle HTTP Serverインスタンスを作成します。

    1. コマンドラインから、次のディレクトリに移動します。

      (UNIX) ORACLE_HOME/opmn/bin
      (Windows) ORACLE_HOME\opmn\bin
      
    2. opmnctl createinstanceコマンドを使用して、Oracleインスタンスを作成します。次に例を示します。

      opmnctl createinstance -oracleInstance /scratch/Oracle/Middleware/inst1
         -adminHost hostname -adminPort 7001
      

      このコマンドは、Oracleインスタンスを作成し、デフォルトで、それらのインスタンスをOracle WebLogic Server管理サーバーに登録します。

    3. opmnctl createcomponentコマンドを使用して、Oracle HTTP Serverインスタンスを作成します。次に例を示します。

      opmnctl createcomponent -componentType OHS 
          -oracleInstance /scratch/Oracle/Middleware/inst1 
          -componentName webcache1
      
  2. opmnctl registerinstanceコマンドを使用して、Oracleインスタンスをそのすべてのコンポーネントとともに、管理サーバーに登録します。次に例を示します。

    opmnctl registerinstance -adminHost admin_server_host 
         -adminPort admin_server_port -adminUsername username 
         -adminPassword password
         -oracleInstance ORACLE_INSTANCE_dir -oracleHome ORACLE_HOME_dir
         -instanceName Instance_name -wlserverHome Middleware_Home
    

19.4.2 セキュアなポートを使用してのOracleインスタンスの作成

セキュアなポートを使用するOracleインスタンスを作成して、管理サーバーと通信できます。OPMN createinstanceコマンドを使用します。たとえば、セキュアなポートを使用するOracle HTTP Serverコンポーネント・インスタンスとOracleインスタンスを作成するには:

  1. 管理サーバーに登録されていないインスタンスとしてOracleインスタンスを作成します。(その後の手順で登録します。)

    opmnctl createinstance -oracleInstance /scratch/Oracle/Middleware/inst1
                            -adminRegistration OFF
    
  2. セキュアなポートを使用して管理サーバーにアクセスするには、パスフレーズや信頼できる場所など関連するセキュリティ設定を指定する必要があります。接続に必要なシステム・プロパティのリストは、実行しているSSL接続のタイプによって異なります。設定を指定するには、wls.connect.propertiesの名前でファイルを作成します。wls.connect.propertiesファイルの例を次に示します。

    # Example wls.connect.properties file for using the default DemoTrust store
     
    # These are jsse system property settings used for accessing mbeans
    javax.net.ssl.trustStore=/scratch/aime1/middleware/wlserver_10.3/server/lib/DemoTrust.jks
    javax.net.ssl.trustStorePassword=DemoTrustKeyStorePassPhrase
     
    # These are weblogic system property settings used for app deployment
    weblogic.home=/scratch/aime1/middleware/wlserver_10.3/server
    weblogic.security.TrustKeyStore=DemoTrust
    weblogic.security.JavaStandardTrustKeystorePassPhrase=DemoTrustKeyStorePassPhrase
     
    # Other commonly used weblogic property settings for app deployment
    # Comment next line for a more verbose deployment
    weblogic.log.StdoutSeverity=off
    # Comment next line to enable host name verification
    weblogic.security.SSL.ignoreHostnameVerification=true
    
  3. 次の場所にファイルをコピーします。

    ORACLE_INSTANCE/config/OPMN/opmn/wls.connect.properties
    

    セキュアな接続が作成されるたびに、プロパティはシステム・プロパティとしてロードされます。


    注意:

    • OPMNではこれらのプロパティをJVMに検証せずに渡すので、設定が有効で完全であり構文が有効なことを確認する必要があります。

    • Windowsでは、wls.connect.propertiesファイルでバックスラッシュ(\)が適切にエスケープ処理されていることを確認する必要があります。次に例を示します。

      javax.net.ssl.trustStore=c:\\oracle\\mw2238\\wlserver_10.3\\server\\lib\\DemoTrust.jks
      

  4. opmnctl createcomponentコマンドを使用して、Oracle HTTP Serverインスタンスを作成します。次に例を示します。

    opmnctl createcomponent -componentType OHS 
        -oracleInstance /scratch/Oracle/Middleware/inst1 
        -componentName webcache1
    
  5. セキュアなプロトコルを使用して、Oracleインスタンスを登録します。

    ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl registerinstance -adminProtocol t3s 
          -adminHost admin_server_host 
         -adminPort admin_server_port -adminUsername username 
         -adminPassword password
         -oracleInstance ORACLE_INSTANCE_dir -oracleHome ORACLE_HOME_dir
         -instanceName Instance_name -wlserverHome Middleware_Home
    

19.4.3 システム・コンポーネントの無効化

システム・コンポーネントを削除したくはないが、無効にしたい場合があります。システム・コンポーネントを無効にする手順は次のとおりです。

  1. 次のファイルを編集します。

    ORACLE_INSTANCE/OPMN/opmn/config/opmn.xml
    

    <ias-component>要素にパラメータstatus="disabled"を追加します。次に例を示します。

    <ias-component id="webcache1" type="WebCache" status="disabled">
    
  2. ファイルを保存します。

  3. 次のコマンドを実行します。

    opmnctl validate
    opmnctl stopall
    opmnctl startall
    

19.5 クラスタの作成

WebLogic Serverクラスタは、同時に実行され、連動してスケーラビリティと信頼性の向上を実現する複数のWebLogic Serverサーバー・インスタンスで構成されます。クライアントでは、1つのクラスタが、1つのWebLogic Serverインスタンスのように認識されます。1つのクラスタを構成するサーバー・インスタンスを同一のコンピュータで実行することも、複数のコンピュータに配置することもできます。既存のコンピュータ上のクラスタにサーバー・インスタンスを追加して、クラスタの容量を拡大したり、クラスタにコンピュータを追加して、追加のサーバー・インスタンスをホストしたりできます。クラスタ内の各サーバー・インスタンスでは、同一バージョンのWebLogic Serverを実行する必要があります。

WLST、Oracle WebLogic Server管理コンソールまたはFusion Middleware Controlを使用して、管理対象サーバーのクラスタを作成できます。この項では、Fusion Middleware Controlを使用してクラスタを作成する方法について説明します。


注意:

アイデンティティ管理コンポーネント、Oracle Portal、Oracle Forms Services、Oracle ReportsおよびOracle Business Intelligence Discovererの場合、クラスタに含める1つ以上の管理対象サーバーがリモート・ホスト上にあるときは、WebLogic Serverホームのフルパスを、その他の管理対象サーバーのWebLogic Serverホームのものと同じにする必要があります。

たとえば、ホストAとホストBにそれぞれ1つずつ管理対象サーバーがあり、これらを1つのクラスタに追加する場合があります。ホストAのWebLogic Serverホームが/scratch/oracle/Middleware/wlserver_10.3にある場合は、ホストBのWebLogic Serverホームも/scratch/oracle/Middleware/wlserver_10.3に配置する必要があります。


soa_server1およびsoa_server2の2つの管理対象サーバーのクラスタを作成するには、次の手順に従います。

  1. 「ファーム」メニューで、「コンポーネントの作成/削除」を選択します。

    「Fusion Middlewareコンポーネント」ページが表示されます。

  2. 作成」→「WebLogicクラスタ」を選択します。

    「WebLogicクラスタの作成」ページが表示されます。

  3. 名前」に、クラスタの名前を入力します。

  4. 「クラスタ・メッセージング・モード」セクションで、次のいずれかを選択します。

    • ユニキャスト。ユニキャスト・ブロードキャスト・チャネル」にチャネルを入力します。このチャネルは、クラスタ内でのメッセージの伝送に使用されます。

    • マルチキャスト。マルチキャスト・ブロードキャスト・チャネルにチャネルを入力します。マルチキャスト・アドレスは、224.0.0.0から239.255.255.255の範囲内のIPアドレスです。「マルチキャスト・ポート」にポート番号を入力します。


      注意:

      入力するマルチキャスト・アドレスが使用されていないことを確認する必要があります。


  5. 「サーバー」セクションで、クラスタに追加する1つ以上のサーバーを選択します。このシナリオでは、soa_server1とsoa_server2を選択します。

  6. 作成」をクリックします。

これで、クラスタにsoa_server1とsoa_server2の2つのメンバーが追加されました。


関連項目:

クラスタの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの使用』を参照してください。


19.6 Middlewareホームまたはコンポーネントのコピー

Middlewareホームまたは複数のOracle Fusion Middlewareコンポーネントは、その構成を維持しながら、別の場所にコピーできます。Oracle Fusion Middlewareのコピーは、次のような場合に有用です。

Middlewareホームまたはコンポーネントのコピーで使用するスクリプトの詳細は、第20章を参照してください。