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Oracle® Fusion Middlewareライセンス情報
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A WebLogic Server Basic

この付録では、WebLogic Server Basicについて説明し、WebLogic Server Basicライセンスで使用可能なWebLogic Server機能について説明します。内容は次のとおりです。

A.1 WebLogic Server Basicの概要

WebLogic Server Basicは、ライセンス制約付きのWebLogic Serverバージョンで、次のOracle製品のライセンスで使用可能です。

Oracle Internet Application Serverの各エディション、およびOracle Forms and Reportsのライセンスでは、WebLogic Server Basicライセンスを完全に使用する権限が付与されます。


注意:

Oracle Internet Application ServerおよびOracle Forms and Reports Server製品のすべてのエディションには、WebLogic Server Basicに対する権限が含まれています。WebLogic Server Basicの用途は、Forms、Reports、Discoverer、Portalなどの製品内で提供されるコンポーネントの実行のみです。また、Oracle Containers for J2EEなどに開発されるカスタムJavaアプリケーションにも使用することができます。Oracle Internet Application ServerおよびOracle Forms and Reports以外の製品が、Oracle Internet Application ServerまたはOracle Forms and Reportsのいずれかのエディションに対するライセンスに依存している場合、ライセンス・ドキュメントに特に記載されていないかぎり、それらの製品をWebLogic Server Basicで実行する権限はありません。


WebLogic Server Basicライセンスには、WebLogic Server機能について次の表A-1に示す制限付き使用権限が含まれます。

表A-1に、WebLogic Server Basicライセンスの条件下では使用制限があるWebLogic Server機能の要約を示します。

表A-1 WebLogic Server Basicライセンスによる機能の制約

機能のカテゴリ WebLogic Server Basicライセンスによる制限の要約

プライマリ・サービス

WebLogic Serverはプロダクション環境の構築を支援するサービスを提供していますが、その中には、WebLogic Server Basicライセンスでは使用不可または制限があるサービスがいくつかあります。それらのサービスは次のカテゴリに分類されます。

  • 高可用性機能: 全サーバー移行、サービス移行、カスタム・ワーク・マネージャ、過負荷管理など

  • デプロイメント・サービスと機能: アプリケーションのバージョニング、JMS、JDBCおよびWLDFモジュールのスタンドアロン・デプロイメント、FastSwapなど

  • JMSメッセージング・サービス機能

  • サービス: WebLogic診断フレームワーク、WebLogic SNMPエージェント、WebLogic Tuxedo Connectorなど

これらのサービスおよび使用上の制限については、A.3項「WebLogic Serverでのプライマリ・サービスの制限」を参照してください。

WebLogic Webサービス

WebLogic Server Basicライセンスでは、次のWebLogic Webサービス機能の使用は許可されていません。

  • バッファ付きWebサービス

  • 非同期Webサービス

  • 会話形式のWebサービス

  • JMSトランスポート

WebLogic Webサービスの機能および使用上の制限については、A.4項「WebLogic Webサービス機能の制限」を参照してください。

ツール

WebLogic Server Basicライセンスでは、次のツール機能の使用は許可されていません。

  • カスタム・ドメインを作成するための構成ウィザード、またはpackコマンドとunpackコマンド

  • ドメインやドメイン拡張テンプレートを作成するためのドメイン・テンプレート・ビルダー、またはpackコマンドとunpackコマンド

  • WebLogic Server管理コンソールの操作を一連のWebLogic Scripting Tool(WLST)コマンドとして記録する機能

  • WebLogic Server管理コンソールの拡張

これらのツール機能および使用上の制限については、A.5項「ツール機能の制限」を参照してください。

API

WebLogic Server Basicライセンスでは、次のAPIの使用は許可されていません。

  • デフォルトのWebLogic Serverワーク・マネージャ以外のカスタムまたはCommonJワーク・マネージャの使用

  • Microsoft .NETおよびC用WebLogic JMSクライアント

これらのAPIおよび使用上の制限については、A.6項「APIの制限」を参照してください。


A.2 WebLogic Server Basicのインストール

WebLogic Server Basicをインストールするには、使用するプラットフォームに適したWebLogic Serverのパッケージ・インストーラまたはネット・インストーラのいずれかを使用します(『Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』を参照)。各インストーラには、コアJava EEアプリケーション・サーバー、管理コンソール、構成ウィザードおよびアップグレード・フレームワーク、WebLogicおよびサード・パーティのJDBCドライバ、JMS、WebLogic Serverクライアント、Webサーバーのプラグイン、UDDIとXqueryのサポート、WebLogic Serverサンプル、Oracle Enterprise Pack for Eclipse、およびSunまたはOracle JRockit JDK(プラットフォームに依存)が含まれています。

WebLogic Server Basicをインストールするには、使用するプラットフォームに適したWebLogic Serverのパッケージ・インストーラまたはネット・インストーラのいずれかを使用します(『Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』を参照)。各インストーラには、コアJava EEアプリケーション・サーバー、管理コンソール、構成ウィザードおよびアップグレード・フレームワーク、WebLogicおよびサード・パーティのJDBCドライバ、JMS、WebLogic Serverクライアント、Webサーバーのプラグイン、UDDIとXqueryのサポート、WebLogic Serverサンプル、Oracle Enterprise Pack for Eclipse、およびSunまたはOracle JRockit JDK(プラットフォームに依存)が含まれています。

選択的にインストールできるWebLogic Serverの各コンポーネントについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverインストレーション・スタート・ガイド』を参照してください。

A.3 WebLogic Serverでのプライマリ・サービスの制限

次の各項では、WebLogic Server Basicで使用不可または使用制限があるWebLogic Serverのプライマリ・サービスについて説明します。

A.3.1 高可用性サービス

表A-2では、WebLogic Server Basicで使用不可または制限がある高可用性サービスについて説明します。

表A-2 WebLogic Server Basicライセンスで制限があるプライマリ・サービス

機能 説明

全サーバー移行

全サーバー・レベルの移行により、移行可能なサーバー・インスタンスとそのすべてのサービスを別の物理コンピュータに移行できます。移行可能なサーバーがなんらかの理由(サーバーの停止、ネットワーク接続の切断、ホスト・コンピュータの障害など)で使用不可になると、移行は自動的に行われます。障害が発生したとき、移行可能なサーバーは同じコンピュータで自動的に再起動します(可能な場合)。障害が発生したコンピュータで移行可能なサーバーが再起動できない場合、そのサーバーは別のコンピュータに移行されます。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、全サーバー移行は許可されていません。

この機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの使用』のサーバー全体の移行に関する項を参照してください。

サービス移行

WebLogic Serverクラスタ内では、ほとんどのサブシステム・サービスがクラスタ内のすべてのサーバー・インスタンスに均一にホストされます。 これにより、サーバー間の透過的なフェイルオーバーが可能になります。これに対して、JMS関連のサービス、JTAトランザクション・リカバリ・サービス、ユーザー定義シングルトン・サービスなどの固定サービスは、クラスタ内の個々のサーバー・インスタンスにホストされます。このようなサービスに対して、WebLogic Server移行フレームワークは、フェイルオーバーではなく、サービス移行による障害リカバリをサポートしています。WebLogic Serverにおけるサービス・レベルの移行は、あるサーバー・インスタンスからクラスタ内の使用可能な別のサーバー・インスタンスへ固定サービスを移動するプロセスです。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、サービス・レベルの自動移行の構成および実行は許可されていません。

この機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの使用』のサービス移行に関する項を参照してください。

管理対象サーバーのクローニング

WebLogic Serverは、クラスタに含まれる既存の管理対象サーバー・インスタンスをクローニングする機能を備えています。この機能は、通常、管理者が既存の管理対象サーバーの複製を作成するときに使用します。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、WebLogic Server管理コンソールを使用した管理対象サーバー・インスタンスのクローニングは許可されていません。

管理対象サーバー・インスタンスのクローニング方法については、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプでマシンのクローニングに関する項を参照してください。

MANおよびWANの状態のレプリケーション

WebLogic Serverでは、1つのクラスタ内のサーバー間でHTTPセッション状態(ステート)をレプリケートできるのに加えて、Metropolitan Area Network(MAN)またはWide Area Network(WAN)の複数のクラスタ間でHTTPセッション状態をレプリケートできます。この機能を使用して、複数の地域、電力供給網およびインターネット・サービス・プロバイダにクラスタを分散することにより、高可用性とフォルト・トレランスを向上させることができます。

多くの場合、MAN内のリソースは物理的に離れた場所にありますが、地理的にはネットワーク待機時間が問題にならない程度の近さです。通常、MAN内のネットワーク通信は、待機時間が短く相互接続は高速です。MAN内のクラスタは、可用性を向上させるために物理的に離れた場所にインストールできます。これに対して、WAN内のリソースは離れた地域間で頻繁に分散されます。長距離のネットワーク・トラフィックが必要になるのに加えて、多くの場合、複数のルーターや他のネットワーク・ボトルネックによってリソースが分割されます。通常、WAN内のネットワーク通信は、待機時間が長く相互接続は低速です。

WAN内ではネットワーク・パフォーマンスが遅いため、同期レプリケーション・メカニズムの使用はMAN内よりも困難です。WebLogic Serverでは、非同期データ・レプリケーション・スキームを使用して、WAN内のクラスタ間におけるフェイルオーバーを行います。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、MANおよびWANの状態のレプリケーション・タイプの使用はいずれも許可されていません。

この機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの使用』のMAN/WAN内のクラスタ間におけるセッション状態のレプリケーションに関する項を参照してください。

シングルトン・サービス

アプリケーション内で、またはスタンドアロン・アーチファクトとしてシングルトン・サービスを定義し、指定した時間にクラスタの1つのメンバーでのみ実行されるタスクを実行するのに使用できます。シングルトン・サービスは、一度にクラスタ内の1つのサーバーでのみアクティブになり、複数のクライアントからのリクエストを処理します。通常、シングルトン・サービスは、メモリーにキャッシュするプライベートの永続データによってバックアップされます。また、メモリーに一時的な状態(ステート)を保持できます。 障害が発生すると、この一時的な状態は再生成されるか失われます。障害時には、シングルトン・サービスを同じサーバーで再起動するか、新規サーバーに移行する必要があります。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、スタンドアロン・サービスとして、またはアプリケーション内サービスとしてのシングルトン・サービスの構成は許可されていません。

シングルトン・サービスの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの使用』のサービス移行に関する項を参照してください。

クラスタ制約デプロイメント

デフォルトのクラスタ・デプロイメント動作では、デプロイ時にアクセス可能でクラスタ化されたすべてのサーバー・インスタンスに対して均一なデプロイメントが実行されます。ただし、ネットワークの停止によって管理サーバーが1つ以上のクラスタ化されたサーバーにアクセスできない場合、それらのサーバーはネットワーク接続がリストアされるまでデプロイメント・リクエストを受信しません。

WebLogic Serverドメインの起動時にClusterConstraintsEnabledオプションを設定することにより、WebLogic Serverのクラスタに関するデフォルトのデプロイメント動作を変更できます。このオプションを設定すると、クラスタ内に構成されたすべてのサーバーに対して厳密なデプロイメントを強制できます。クラスタへのデプロイメントが正常終了するのは、クラスタのすべてのメンバーがアクセス可能で、指定したファイルをすべてのメンバーがデプロイ可能な場合のみです。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、クラスタ制約デプロイメントの使用は許可されていません。

クラスタ制約デプロイメントの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』の構成された全クラスタ・メンバーに対する一貫したデプロイメントの強制に関する項を参照してください。

過負荷管理

WebLogic Serverは、過負荷状態を検出、回避、およびその状態からリカバリする機能を備えています。WebLogic Serverの過負荷からの保護機能は、システム容量に達したときにリクエストを受け入れ続けたためアプリケーションのパフォーマンスや安定性が低下するという、悪い結果を防ぐのに役立ちます。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、クラスタ・レベルまたはサーバー・レベルでの過負荷からの保護スキームの構成は許可されていません。

過負荷管理の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverサーバー環境の構成』の過負荷の回避および管理に関する項を参照してください。

サーバーのADMINおよびSTANDBYモード

WebLogic Serverインスタンスが遷移できる一連の状態を「サーバーのライフサイクル」と呼びます。どの時点においても、WebLogic Serverインスタンスは特定の操作状態にあります。WebLogic Serverの起動状態には次の2つが含まれます。

  • ADMIN: WebLogic Serverを起動して実行できますが、管理操作のみ実行可能で、サーバー・レベルおよびアプリケーション・レベルの管理タスクを実行できます。

  • STANDBY: WebLogic Serverはリクエストを処理しません。通常のリスニング・ポートはクローズされています。管理ポートはオープンしており、サーバー・インスタンスをRUNNINGまたはSHUTDOWN状態に遷移するライフサイクル・コマンドを受け入れます。その他の管理リクエストは受け入れません。

    サーバー・インスタンスをSTANDBYで起動するとホット・バックアップとして使用でき、これは高可用性環境で役立つ機能です。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、WebLogic ServerインスタンスをADMINまたはSTANDBY状態で起動することは許可されていません。

これらの操作状態の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のサーバーのライフサイクルの理解に関する項を参照してください。

GridLinkデータ・ソース(Active GridLink for RACとも呼ばれます)

単一GridLinkデータ・ソースは、WebLogic ServerとOracle RACクラスタをターゲットとしたOracle Databaseサービスの間に接続を提供します。GridLinkデータ・ソースは、Oracle Notification Service(ONS)を使用して、Oracle RACインスタンスにおける状態変化に適応的に応答します。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、GridLinkデータ・ソースの構成および使用は許可されていません。

GridLinkデータ・ソースの詳細は、『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理』のGridLinkデータ・ソースの使用に関する項を参照してください。


A.3.2 デプロイメント・サービスと機能

表A-3では、WebLogic Server Basicで使用不可または制限があるデプロイメント・サービスと機能について説明します。

表A-3 WebLogic Server Basicライセンスで制限があるWebLogicデプロイメント機能

機能 説明

プロダクション再デプロイメント

プロダクション再デプロイメントは、更新したアプリケーションの新規バージョンを、同じアプリケーションの旧バージョンとともにデプロイする機能です。WebLogic Serverはクライアント接続を自動的に管理するため、新規のクライアント・リクエストのみ新規バージョンに送られます。再デプロイメント中にアプリケーションに接続されたクライアントは、作業が完了するまで旧バージョンのアプリケーションを引き続き使用します。 作業が完了すると、WebLogic Serverは古いアプリケーションを自動的にリタイアします。この機能は、アプリケーションを管理モードでデプロイすることによってサポートされます。 管理モードにより、構成された管理チャネルを介してのみアプリケーションが使用可能になります。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、バージョン識別子を使用するアプリケーションのデプロイは許可されていません。

この機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』の本番アプリケーションの新規バージョンの配布に関する項を参照してください。

アプリケーション管理モード

アプリケーションを配布すると、デプロイメント・ファイルがターゲット・サーバーにコピーされ、アプリケーションは準備完了状態になります。次に、アプリケーションを管理モードで起動すると、アプリケーションへのアクセスは構成されている管理チャネルに制限されるため、アプリケーションを外部のクライアント接続に公開したり、接続しているクライアントを中断することなく、最終テストを実行できます。アプリケーションを管理モードで起動するには、-adminmodeオプションを使用します。最終テストを実行した後に、アプリケーションをアンデプロイしてさらに変更を加えるか、またはアプリケーションをプロダクション・モードで起動してクライアントから利用できるようにします。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、アプリケーションを管理モードで起動するように構成することは許可されていません。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』の本番アプリケーションを分離するための管理モードに関する項を参照してください。

デプロイメント順序の変更

管理コンソールでAppDeploymentMBean DeploymentOrder属性を設定して(またはAppDeploymentMBeanを使用してプログラムによって)、デプロイ済アプリケーションまたはスタンドアロン・モジュールのデプロイメント順序を変更できます。DeploymentOrder属性は、相互に関連するデプロイメントのロード順序を制御します。つまり、DeploymentOrder値の低いモジュールから値の高いモジュールへとデプロイされます。デフォルトでは、各デプロイメント・ユニットはDeploymentOrder値が100に設定されて構成されます。DeploymentOrder値が同じデプロイメントは、デプロイメント名のアルファベット順にデプロイされます。すべての場合において、アプリケーションおよびスタンドアロン・モジュールは、WebLogic Serverインスタンスが従属サブシステムを初期化した後にデプロイされます。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、デフォルト以外のデプロイメント順序設定を使用するアプリケーションまたはモジュールのデプロイは許可されていません。

デプロイメント順序の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』のサーバー起動時のデプロイメント順序の変更に関する項を参照してください。

FastSwap

Java SE 6では、クラスローダーを削除したり既存のインスタンスを破棄することなく、実行時にクラスを再定義できる機能が導入されました。この機能を使用すると、アプリケーションの実行を妨げずに、コンテナは変更したクラスを再ロードできます。 これにより、反復的な開発サイクルが大幅に短縮し、開発およびテスト作業全体が向上します。ただし、クラスの形式(宣言フィールドおよびメソッド)を変更できないように制限されているため、Java EEの動的なクラス再定義の利便性は大幅に縮小されています。FastSwapの目的は、WebLogic Serverでこの制限を解除することです。 これにより、新しい形式を使用してクラスを動的に再定義でき、反復的な開発が容易になります。

FastSwapを使用すると、クラスローダーを再ロードせずにJavaクラスが適切な位置に再定義されます。 その結果、応答時間が迅速になるという明らかな利点が得られます。これは、アプリケーションの再デプロイを待ってから、以前に表示したいずれかのWebページに戻る必要がないことを意味します。つまり、変更を行い、自動コンパイルを実行して、結果をすぐに確認できます。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、FastSwapを有効にしてアプリケーションをデプロイすることは許可されていません。

FastSwapの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』のFastSwapデプロイメントを使用した再デプロイメントの最小化に関する項を参照してください。

WebLogic JMSおよびJDBCモジュールのデプロイメント

スタンドアロンのJDBC、JMSおよびWLDFアプリケーション・モジュールは、スタンドアロンJava EEモジュールと同様にデプロイできます。スタンドアロンのJDBC、JMSまたはWLDFアプリケーション・モジュールの場合は、ターゲット・リストを使用して、モジュールが使用可能なWebLogic Serverドメインを決定します。アプリケーション・モジュール内で指定したJNDI名は、グローバル名としてバインドされ、クライアントに対して使用可能になります。たとえば、スタンドアロンJDBCアプリケーション・モジュールを単一サーバー・ターゲットにデプロイする場合、JDBCモジュールで定義したリソースが必要なアプリケーションは、同じサーバー・インスタンスにのみデプロイできます。また、アプリケーション・モジュールを複数のサーバーまたはWebLogic Serverクラスタにデプロイして、別のサーバーでリソースを使用可能にできます。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、WebLogic JDBC、JMSおよびWLDFモジュールのスタンドアロン・デプロイメントは許可されていません。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』のJDBC、JMSおよびWLDFアプリケーション・モジュールのデプロイに関する項を参照してください。


A.3.3 JMSメッセージング・サービス

表A-4では、WebLogic Server Basicで使用不可または制限があるJMSメッセージング・サービスと機能について説明します。

表A-4 WebLogic Server Basicライセンスで制限があるJMSメッセージング・サービス機能

機能 説明

メッセージ順序単位

メッセージ順序単位はWebLogic Serverの拡張機能です。 この機能により、スタンドアロン・メッセージ・プロデューサ、または1つのグループとして機能するプロデューサ・グループは、複数のメッセージを1つの単位としてグループ化し、メッセージの処理順を指定できます。この単位は「順序単位」と呼ばれ、単位内のすべてのメッセージは必ず作成順に処理されます。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、メッセージ・プロデューサのデフォルトの順序単位を変更することは許可されていません。

この機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JMSのプログラミング』のメッセージ順序単位の使用に関する項を参照してください。

作業単位メッセージ・グループ

多くのアプリケーションでは、メッセージ順序単位(UOO)機能で提供されるグループ概念よりもさらに制限されたグループが必要です。さらに制限されたグループがアプリケーションで必要な場合、WebLogic JMSが提供する作業単位(UOW)メッセージ・グループを使用すると、アプリケーションでJMSメッセージを送信して、その一部のメッセージをグループとして識別できるため、JMSコンシューマはメッセージをグループとして処理できます。たとえば、JMSプロデューサは割込みなしで1つのクライアントに送信する必要があるメッセージのセットを指定できるため、メッセージは1つの単位として処理できます。さらに、すでに完了した単位がある場合に、別の単位が完了するまでクライアントがブロックされることはありません。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、JMSリソースのUnitOfWorkHandlingPolicy値のデフォルト値を変更することは許可されていません。

この機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JMSのプログラミング』の作業単位メッセージ・グループの使用に関する項を参照してください。

JMSストア・アンド・フォワード・エージェント

WebLogicストア・アンド・フォワード(SAF)クライアントは、ネットワーク接続障害(一時的中断、ネットワーク障害など)が原因でSAFクライアントがJMS宛先に到達できない場合でも、スタンドアロン・クライアントがJMSメッセージをサーバー・サイドのJMS宛先に確実に送信できるメカニズムを提供します。切断時には、SAFクライアントが送信したメッセージはクライアントにローカルに保存され、クライアントが再接続するとサーバー・サイドのJMS宛先に転送されます。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、SAFエージェントの構成は許可されていません。

この機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverストア・アンド・フォワードの構成と管理』のJMSメッセージ用のSAFの構成に関する項を参照してください。


A.3.4 その他のプライマリ・サービス

表A-5では、WebLogic Server Basicで使用不可または制限があるその他のサービスとコンポーネントについて説明します。

表A-5 WebLogic Server Basicライセンスで制限があるその他のサービス

コンポーネントまたは機能 説明

WebLogic診断フレームワーク

WebLogic診断フレームワーク(WLDF)は監視および診断用フレームワークで、WebLogic Serverプロセス内で実行されたり、標準のサーバー・ライフサイクルに含まれる一連のサービスを定義および実装します。WLDFを使用すると、実行中のサーバー、およびそのコンテナ内にデプロイされたアプリケーションによって生成された診断データの作成、収集、分析、アーカイブおよびアクセスが可能になります。このデータにより、サーバーおよびアプリケーションのランタイム・パフォーマンスを把握できるため、障害が発生した場合にその障害を分離して診断できます。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、WLDFの使用は許可されていません。

WebLogic診断フレームワーク(WLDF)の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用』のWebLogic診断フレームワークの概要に関する項を参照してください。

WebLogic Server SNMPエージェント

WebLogic Server SNMPエージェントは、WebLogic Server管理システムを問い合せて、その結果をSNMPプロトコルを介してマネージャと通信します。WebLogic Server管理システムでは、管理対象Bean(MBean)の集合を介して管理データを公開します。WebLogic Server SNMPエージェントは、マネージャからリクエストを受け取ると、マネージャのリクエスト内のOIDに対応するMBeanを判別します。次に、データを取得し、そのデータをSNMPレスポンスにラップします。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、すべてのSNMPエージェントは使用不可です。

WebLogic Server SNMPエージェントの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server SNMP管理ガイド』を参照してください。

WebLogic Tuxedo Connector

Oracle WebLogic Tuxedo Connectorを使用すると、WebLogic ServerアプリケーションとTuxedoサービスの相互運用性が実現されます。このコネクタにより、サービス・リクエストに応答して、WebLogic ServerクライアントがTuxedoサービスを起動し、TuxedoクライアントがWebLogic Server Enterprise Java Beans(EJB)を起動できます。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、Oracle WebLogic Tuxedo Connectorの使用は許可されていません。

WebLogic Tuxedo Connectorの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Tuxedo Connector管理者ガイドを参照してください。

WebLogic HTTP Publish-Subscribeサーバー

HTTP Publish-Subscribeサーバーは、Webクライアントがチャネルをサブスクライブし、HTTP経由で非同期メッセージを使用してチャネルにメッセージを公開するメカニズムです。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、WebLogic HTTP Publish-Subscribeサーバーの使用は許可されていません。

この機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Webアプリケーション、サーブレット、JSPの開発』のHTTP Publish-Subscribeサーバーの使用に関する項を参照してください。

ワーク・マネージャを使用した作業の優先順位決定と最適化

WebLogic Serverは、管理者が定義したパラメータ、および実際のランタイム・パフォーマンスとスループットを考慮した実行モデルに基づいて、作業の優先順位を決定し、スレッドを割り当てます。

管理者は、スケジュール・ガイドライン・セットを構成し、それを1つ以上のアプリケーション、または特定のアプリケーション・コンポーネントに関連付けることができます。たとえば、あるスケジュール・ガイドライン・セットを特定のアプリケーションに関連付け、それ以外のガイドライン・セットを他のアプリケーションに関連付けることができます。WebLogic Serverは実行時に、これらのガイドラインを使用して、保留中の作業およびエンキューされたリクエストを実行スレッドに割り当てます。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、グローバルまたはアプリケーション固有のワーク・マネージャを作成してデフォルトの作業モデルを変更することは許可されていません。

ワーク・マネージャの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverサーバー環境の構成』のワーク・マネージャの理解に関する項を参照してください。


A.4 WebLogic Webサービス機能の制限

表A-6では、WebLogic Server Basicライセンスの条件下では使用不可のWebLogic Webサービス機能について説明します。

表A-6 WebLogic Server Basicライセンスで制限があるWebLogic Webサービス機能

機能 説明

バッファ付きWebサービス

バッファ付きオペレーションがクライアントによって呼び出されると、メソッド・オペレーションはJMSキューに渡され、WebLogic Serverは非同期にそれを処理します。Webサービスの信頼性のあるメッセージングと同様に、メソッド呼出しがまだキュー内にあるときにWebLogic Serverが停止した場合は、WebLogic Serverが再起動すると同時にそのメソッド呼出しが処理されます。バッファ付きWebサービスを呼び出す際に、クライアントが呼出しからの応答を待機しないので、クライアントの実行は続行可能です。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、バッファ付きWebサービスの使用は許可されていません。

この機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JAX-RPC Webサービスの高度な機能のプログラミング』のバッファ付きWebサービスの作成に関する項を参照してください。

非同期Webサービス

Webサービスを同期的に呼び出す場合、呼出し側のクライアント・アプリケーションは、応答が返るまで待機してから、処理を続行します。応答が即座に返る場合であれば、このWebサービス呼出しの方法は適切であると考えられます。しかし、要求処理が遅延する可能性があるため、クライアント・アプリケーションによる処理を続行し応答への対処は後で行うようにする、すなわち、WebLogic Webサービスにおける非同期の要求と応答機能を使用すると便利なことがよくあります。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、非同期リクエスト-レスポンス機能の使用は許可されていません。

この機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JAX-RPC Webサービスの高度な機能のプログラミング』の非同期リクエスト-レスポンスを使用したWebサービスの起動に関する項を参照してください。

会話形式のWebサービス

Webサービスと、そのWebサービスが呼び出すクライアント・アプリケーションは、1つのタスクを完了するために複数回通信する場合があります。また、複数のクライアント・アプリケーションが同時に同じWebサービスと通信する場合もあります。会話を使用すると、直接的な方法で、呼出し間のデータを追跡して、Webサービスが常に正しいクライアントに応答するようにできます。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、会話形式のWebサービスの使用は許可されていません。

この機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JAX-RPC Webサービスの高度な機能のプログラミング』の会話形式のWebサービスの作成に関する項を参照してください。

JMSトランスポート

WebLogic Webサービスは、WebLogicクライアントで使用するHTTP/HTTPS接続プロトコルのかわりとしてJMSトランスポートを使用するように構成できます。JMSトランスポートの使用により、サービスの信頼性、スケーラビリティおよび品質が向上する利点が得られます。Webサービスの信頼性のあるメッセージングと同様に、メソッド呼出しがまだキュー内にあるときにWebLogic Serverが停止した場合は、WebLogic Serverが再起動すると同時にそのメソッド呼出しが処理されます。クライアントがWebサービスを呼び出した場合、呼出しからのレスポンスを待つ必要はなく、クライアントの実行は続行可能です。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、WebLogic WebサービスまたはWebLogic Webサービス・クライアントでJMSトランスポートの使用または構成は許可されていません。

この機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JAX-RPC Webサービスの高度な機能のプログラミング』の接続プロトコルとしてのJMSトランスポートの使用に関する項を参照してください。


A.5 ツール機能の制限

表A-7では、WebLogic Server Basicライセンスの条件下では使用できないWebLogic Serverのツール機能について説明します。

表A-7 WebLogic Server Basicで制限があるWebLogic Serverのツール機能

機能 説明

構成ウィザード、ドメイン・テンプレート・ビルダー、packコマンドとunpackコマンド

構成ウィザードに従い、ドメインに含めるWebLogic Serverコンポーネントを選択するか、要件に最も近いドメイン・テンプレートを使用して、ターゲット環境のドメインを作成するプロセスを実行します。また、必要な場合は、管理対象サーバー、クラスタおよびコンピュータ定義を追加して構成するか、事前定義のJDBCデータ・ソースおよびJMSファイル・ストア・ディレクトリをカスタマイズすることにより、環境にあわせてドメインをカスタマイズできます。

ドメインを作成してリソースとアプリケーションを追加した後は、ドメイン・テンプレート・ビルダーまたはpackコマンドとunpackコマンドを使用して、カスタム・ドメインまたはドメイン拡張テンプレートを作成できます。テンプレートは、環境全体でドメインまたはドメイン拡張をレプリケートする場合に使用すると便利です。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、次の操作は許可されていません。

  • 構成ウィザードを使用した、Oracleサポート対象外のテンプレートに基づくドメインの作成

  • ドメイン・テンプレート・ビルダーを使用した、カスタム・ドメインまたはドメイン拡張テンプレートの作成

  • packコマンドまたはunpackコマンドを使用した、カスタム・ドメイン、ドメイン拡張、ドメイン・テンプレートまたはドメイン拡張テンプレートの作成

これらのツールの詳細は、次のドキュメントを参照してください。

  • Oracle WebLogic Server構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成

  • Oracle WebLogic Serverドメイン・テンプレート・ビルダーを使用したドメイン・テンプレートの作成

  • Oracle WebLogic Server PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成

管理コンソールの操作の記録

ドメインを構成するタスクを自動化するために、WebLogic Server管理コンソールによる構成操作を一連のWebLogic Scripting Tool(WLST)コマンドとして記録し、WLSTを使用してそのコマンドを再生できます。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、管理コンソールのツールバーにある「記録」要素の使用は許可されていません。

この機能の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプでWLSTスクリプトの記録に関する項を参照してください。

管理コンソールの拡張

管理コンソールの拡張により、WebLogic Serverとともにインストールしたファイルを変更せずに、コンテンツのWebLogic Server管理コンソールへの追加、コンテンツの置換、ロゴ、スタイルおよび色の変更が可能になります。たとえば、アプリケーションに対してカスタムの監視機能と管理機能を提供するコンテンツを追加できます。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、管理コンソールの変更または拡張は許可されていません。この制限は、コンソール拡張メカニズムを使用した、管理コンソールへの追加または変更に対して適用されます。

この機能の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server管理コンソールの拡張を参照してください。


A.6 APIの制限

表A-8では、WebLogic Server Basicライセンスの条件下では使用が制限されるWebLogic ServerのAPIについて説明します。

表A-8 WebLogic Server Basicで制限があるWebLogic ServerのAPI

API 説明

アプリケーションが開始した作業に対するCommonJワーク・マネージャの使用

WebLogic Serverでは、プログラムを使用してアプリケーション内から作業を処理する方法も提供されています。この方法は、CommonJ APIを介して提供されます。WebLogic Serverでは、CommonJ仕様のcommonj.workおよびcommonj.timersパッケージを実装します。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、アプリケーションが開始した作業に対するCommonJワーク・マネージャの使用は許可されていません。

この機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverサーバー環境の構成』のWebLogic ServerでのCommonJの使用に関する項を参照してください。

Microsoft .NETおよびC用WebLogic JMSクライアント

WebLogic JMS .NETクライアントは、完全に管理された.NETランタイム・ライブラリとAPI(Application Programming Interface)です。プログラマはこれを使用して、WebLogic Java Message Service(JMS)アプリケーションおよびリソースにアクセス可能な.NET C#クライアント・アプリケーションを作成できます。

WebLogic JMS C APIは、WebLogic JMSアプリケーションおよびリソースにアクセス可能なCクライアント・アプリケーションを作成できるAPIです。Cクライアント・アプリケーションは、Java Native Interface(JNI)(http://download.oracle.com/javase/1.5.0/docs/guide/jni/index.htmlを参照)を使用して、クライアント・サイドのJava JMSクラスにアクセスします。

WebLogic Server Basicのライセンスでは、.NETおよびC用WebLogic JMSクライアントの使用は許可されていません。

WebLogic JMS .NETクライアントの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Microsoft .NET用WebLogic JMSクライアントの使用を参照してください。WebLogic JMS C APIの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JMSのプログラミング』のWebLogic JMS C APIに関する項を参照してください。


A.7 機能の使用状況の測定

エンド・ユーザーは、WebLogic Server Basicで使用可能な機能をライセンス契約の条件に従って使用する責任があります。この項では、WebLogic Server Basicの各インストールがライセンス契約の条項に準拠して使用されるように、ライセンスで制限された機能の適切な使用を簡単に測定する方法や、制限された機能の使用を防止する方法について説明します。

WebLogic ServerがWebLogic Server Basicライセンスに従って使用されていることを確認するために、WLSTスクリプトをMy Oracle Supportからダウンロードして実行できます。このスクリプトの説明はMy Oracle Supportの以下の項目にあります。

ドキュメントID: 885587.1

サブジェクト: WebLogic Server Basic Feature Usage Measurement Script

このスクリプトは、WebLogic Serverインストールの機能を測定し、WebLogic Server Basicで定義されている制限付きWebLogic Server機能の使用または構成に関するデータを示すレポートを生成します。このスクリプトは、ライセンスで制限されたすべての機能を測定するわけではないため、完全ではありません。しかし、制限されたほとんどの機能について、機能の使用状況を容易に測定できます。(このスクリプトで収集されたデータは転送されたりレポートされることは一切ありません。また、このスクリプトの使用は必須ではありません。これは、便利な方法としてのみ提供されています。)次のURLからMy Oracle Supportにログインしてこのスクリプトを入手できます。

https://support.oracle.com/CSP/ui/flash.html

WebLogic Server Basicでライセンスにより制限がある各機能について、表A-9に次の情報を示します。

表A-9 ライセンス・コンプライアンスの確認方法

機能 測定の制限および方法

全サーバー移行

この機能は使用できません。

全サーバー移行は無効になっている必要があります。

管理コンソールで移行可能対象を表示するか、または次のMBean属性の値を確認することにより、ドメインで全サーバー移行は無効になっていることを確認できます。

  • ServerMBean::AutoMigrationEnabled

  • ClusterMBean::MigrationBasis

これらの属性の値は、測定スクリプトを実行して取得できます。

サービス移行

この機能は使用できません。

次のすべてのサービスがドメインに構成されていないことを確認します。

  • サーバー移行フレームワーク

  • ユーザー定義シングルトン・サービス

  • 非手動の移行ポリシーがある移行可能対象

  • クラスタ化されたEJBタイマー

  • JTAトランザクション・リカバリ・サービス

これらのサービスが構成されているかどうかは、測定スクリプトを実行して確認できます。

MAN/WANの状態のレプリケーション

これらのレプリケーション・タイプの使用は許可されていません。

これらのレプリケーション・タイプが構成されていないことは、測定スクリプトを実行して確認できます。

管理対象サーバーのクローニング

「クローンの作成」属性は有効にできません。この属性は、管理コンソールで「環境」「マシン」ページにナビゲートすることで確認できます。

シングルトン・サービス

スタンドアロンまたはアプリケーション提供のシングルトン・サービスの構成は許可されていません。

シングルトン・サービスが構成されていないことは、測定スクリプトを実行して確認できます。

GridLinkデータ・ソース(Active GridLink for RACとも呼ばれます)

JDBCデータ・ソース構成ファイル内で、<fan-enabled><ons-node-list>および<ons-wallet-file>要素が構成されていないことを確認します。

クラスタ制約デプロイメント

クラスタ内でClusterConstraintsEnabledオプションを設定することは許可されていません。

この機能が使用されていないことは、測定スクリプトを実行して確認できます。

過負荷管理

クラスタ・レベルまたはサーバー・レベルでは、次に示す過負荷からの保護スキームの構成は許可されていません。

  • スレッド・プール内のリクエストの制限。管理コンソールの「ワーク・マネージャの共有容量」属性は、デフォルト値の65536から変更できません。

  • HTTPセッションの制限。Webアプリケーション・デプロイメント・ディスクリプタ・ファイルの<session-descriptor>要素で<max-in-memory-sessions>は使用できません。

  • メモリー不足例外発生時の終了。管理コンソールで、またはconfig.xmlファイルを編集して、これを構成することはできません。

  • スタック・スレッド処理。すべてのアプリケーション・スレッドがスタックした場合にWebLogic Serverを終了するように構成することはできません。

この機能が使用されていないことは、測定スクリプトを実行して確認できます。

サーバーのADMINおよびSTANDBYモード

コマンドでADMINまたはSTANDBYパラメータを使用してWebLogic Serverインスタンスを起動することはできません。

これらの状態が有効になっていないことは、測定スクリプトを実行して確認できます。

プロダクション再デプロイメント

manifest.mfファイルから間接的に、またはweblogic.Deployerユーティリティから直接的にバージョン識別子を指定してアプリケーションをデプロイすることは許可されていません。

この機能が使用されていないことは、測定スクリプトを実行して確認できます。

アプリケーション管理モード

WebLogic Serverインスタンスでホストされているアプリケーションは、-adminmodeオプションを使用して起動できません。

この機能が使用されていないことは、測定スクリプトを実行して確認できます。

デプロイメント順序の変更

この機能は使用できません。

「デプロイ順序」属性の値は変更しないでください。この属性は、管理コンソール、またはAppDeploymentMBeanDeploymentOrder属性で設定可能です。

この機能が使用されていないことは、測定スクリプトを実行して確認できます。

FastSwap

この機能は使用できません。

weblogic-application.xmlファイルに<fast-swap>true</fast-swap>要素が存在しないことを確認してください。

この機能が使用されていないことは、測定スクリプトを実行して確認できます。

スタンドアロンのJMS、JDBCおよびWLDFモジュールのデプロイメント

スタンドアロンのJMS、JDBCまたはWLDFモジュールのデプロイメントは許可されていません。この制限は、モジュール・レベルの対象およびサブモジュールの対象の両方に適用されます。

この機能が使用されていないことは、測定スクリプトを実行して確認できます。

メッセージ順序単位

メッセージ・プロデューサのデフォルトの順序単位がデフォルト値None以外に変更されたJMSリソースは、構成が許可されていません。

この機能が使用されていないことは、測定スクリプトを実行して確認できます。

作業単位メッセージ・グループ

UnitOfWorkHandlingPolicyの値をデフォルト値のPass-Through以外に設定するようにJMSリソースを構成することは許可されていません。

この機能が使用されていないことは、測定スクリプトを実行して確認できます。

JMSストア・アンド・フォワード・エージェント

ストア・アンド・フォワード・エージェントの構成は許可されていません。

この機能が使用されていないことは、測定スクリプトを実行して確認できます。

WebLogic診断フレームワーク

WebLogic診断フレームワークは構成できません。

この機能が使用されていないことは、測定スクリプトを実行して確認できます。

WebLogic Server SNMPエージェント

すべてのSNMPエージェントは無効になっている必要があります。

この機能が使用されていないことは、測定スクリプトを実行して確認できます。

WebLogic Tuxedo Connector

このコンポーネントは使用できません。

WebLogic HTTP Publish-Subscribeサーバー

このコンポーネントのインストールは許可されていません。

カスタム・ワーク・マネージャを使用した作業の優先順位決定と最適化

この機能は使用できません。

WorkManagerMBeanの値を確認することにより、ドメインでカスタム・ワーク・マネージャが構成されていないことを確認できます。ただし、コンソール・ワーク・マネージャはWebLogic Server Basicライセンスで許可されていることに注意してください。この構成MBeanには、アプリケーションがワーク・マネージャにアクセスする方法に応じて、ランタイム・ツリーまたは構成ツリーでアクセスします。

  • ワーク・マネージャがモジュール・レベルで定義されている場合、WorkManagerRuntimeMBeanは対応するComponentRuntimeMBeanを介して使用できます。

  • ワーク・マネージャがアプリケーション・レベルで定義されている場合、WorkManagerRuntimeMBeanApplicationRuntimeMBeanを介して使用できます。

  • ワーク・マネージャがドメインでグローバルに定義されている場合、各アプリケーションはワーク・マネージャの独自のインスタンスを作成します。各アプリケーションには、それぞれに対応して、アプリケーション・レベルで使用できる固有のWorkManagerRuntimeMBeanがあります。

バッファ付きWebサービス

WebLogic Webサービスのバッファ付きWebサービス機能の使用は許可されていません。さらに、この機能の使用を含む次のタスクもWebLogic Server Basicライセンスでは許可されていません。

  • バッファ付きWebサービス用のWebLogic Serverインスタンスの構成

  • バッファ付きWebサービスの実装またはデプロイ

  • バッファ付きWebサービスを呼び出すクライアントの実装

非同期Webサービス

WebLogic Webサービスの非同期リクエスト-レスポンス機能の使用は許可されていません。さらに、この機能の使用を含む次のタスクもWebLogic Server Basicライセンスでは許可されていません。

  • 非同期Webサービスをデプロイ可能にするためのWebLogic Serverインスタンスの構成

  • Webサービスを非同期で呼び出すクライアントの実装またはデプロイ

会話形式のWebサービス

WebLogic Webサービスの会話形式のWebサービス機能を使用するWebサービスの実装またはデプロイは許可されていません。

JMSトランスポート

Webサービス起動用の接続プロトコルとしてWebLogic WebサービスのJMSトランスポート機能を構成または使用することは許可されていません。さらに、この機能の使用を含む次のタスクもWebLogic Server Basicライセンスでは許可されていません。

  • WebLogicドメインでのJMSトランスポートWebサービスの構成

  • Webサービスでの@WLJmsTransport JWS注釈の使用

  • JMSトランスポートを使用するWebサービス・クライアントの作成

カスタム・ドメインを作成するための構成ウィザード、またはpackコマンドとunpackコマンド

WebLogicドメインの作成に使用できるのは、Oracleが提供するドメイン・テンプレートおよびドメイン拡張テンプレートのみです。これらのツールを使用して、カスタム・ドメインの作成、カスタム・ドメイン拡張テンプレートの作成、カスタム・ドメイン拡張テンプレートによる既存のドメインの変更を行うことは許可されていません。

ドメインやドメイン拡張テンプレートを作成するためのドメイン・テンプレート・ビルダー、またはpackコマンドとunpackコマンド

次のツールは使用できません。

  • ドメイン・テンプレート・ビルダー

  • packコマンド

  • unpackコマンド

WebLogic Server管理コンソールの操作を一連のWebLogic Scripting Tool(WLST)コマンドとして記録する機能

管理コンソールでこの機能は使用できません。

WebLogic Server管理コンソールの拡張

コンソール拡張機能を使用してWebLogic Server管理コンソールを変更することはできません。

デフォルトのWebLogic Serverワーク・マネージャ以外のカスタムまたはCommonJワーク・マネージャの使用

デプロイ済アプリケーションでのCommonJ APIの使用は許可されていません。

Microsoft .NETおよびC用WebLogic JMSクライアント

いずれのJMSクライアントも使用できません。