Oracle Fusion Middleware Oracle Process Manager and Notification Server管理者ガイド 11gリリース1(11.1.1.1.3) B60985-01 |
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この章では、OPMNで管理するOracle Fusion Middlewareコンポーネントに対して使用できるopmnctl
コマンドの概要について説明します。次のトピックで構成されています。
opmnctl
は、Fusion Middleware Controlコンソールを除く、Oracleインスタンスのすべてのコンポーネントの起動および停止をサポートするツールです。opmnctl
では、コマンドラインからシステム・コンポーネントを集中的に制御および監視できます。
OPMNが他のOracleインスタンスを検出するように構成されている場合、opmnctl
を使用して、複数のOracleインスタンスに対する制御コマンドや監視コマンドを同時に実行できます。
opmnctlスクリプトの場所に応じて、使用できるopmnctlコマンドが決定されます。
opmnctl
コマンドは、次の2つのディレクトリに保存されています。
ORACLE_HOME
/opmn/bin/opmnctl
: opmnctl
コマンドORACLE_HOME
/opmn/bin/opmnctl
の場所は、Oracleインスタンスやローカル・システム上のOracleインスタンスのコンポーネントを作成する場合にのみ使用されます。この場所で生成されたopmnctl
コマンドを使用して、システム・プロセスを管理することはできません。
ORACLE_INSTANCE
/bin/opmnctl
: 別のopmnctl
コマンドは、ORACLE_INSTANCE
/bin/
ディレクトリにあり、Oracleインスタンスごとにopmnctl
をインスタンス化します。このOracleインスタンスのプロセスを管理するには、この場所にあるopmnctl
コマンドを使用する必要があります。このコマンドは、Oracleインスタンスのコンポーネントを作成する際にも使用できます。
注意: OPMNが管理するOracle Fusion Middlewareコンポーネントは、手動で起動および停止しないでください。システム・コンポーネントの起動および停止に、旧バージョンのOracle Fusion Middlewareのコマンドライン・スクリプトやユーティリティを使用しないでください。システム・コンポーネントを起動および停止するには、Fusion Middleware Controlコンソールとopmnctlコマンドライン・ユーティリティを使用します。 |
注意: OPMNの起動は、Oracle Fusion Middlewareをインストールしたユーザーとして実行することをお薦めします。 |
次のコマンドは、opmnctl
コマンドの構文例です。
opmnctl [verbose] <command> [<options>]
表4-1にopmnctl
の構文の説明を示します。
表4-1 opmnctlの構文
構文 | 説明 |
---|---|
可能な場合、詳細な実行メッセージを出力します。 |
|
|
|
コマンドのオプションを指定します。コマンドのオプションの一覧は、第4.3.5.1.1項を参照してください。 |
例4-1にopmnctl
コマンドのクイック・リファレンスを示します。opmnctl help
コマンドを実行すると、同じ情報が出力されます。
opmnctl help usage: opmnctl [verbose] [<scope>] <command> [<options>] verbose: print detailed execution message if available Permitted <scope>/<command>/<options> combinations are: scope command options ------- --------- --------- start - Start opmn startall - Start opmn & all managed processes stopall - Stop opmn & all managed processes shutdown - Shutdown opmn & all managed processes [<scope>] startproc [<attr>=<val> ..] - Start opmn managed processes [<scope>] restartproc [<attr>=<val> ..] - Restart opmn managed processes [<scope>] stopproc [<attr>=<val> ..] - Stop opmn managed processes [<scope>] reload - Trigger opmn to reread opmn.xml [<scope>] status [<options>] - Get managed process status [<scope>] metric [<attr>=<val> ..] - Get DMS metrics for managed processes [<scope>] dmsdump [<dmsargs>] - Get DMS metrics for opmn [<scope>] debug [<attr>=<val> ..] - Display opmn server debug information [<scope>] set [<attr>=<val> ..] - Set opmn log parameters [<scope>] query [<attr>=<val>] - Query opmn log parameters launch [<attr>=<val> ..] - Launch a configured target process phantom [<attr>=<val> ..] - Register phantom processes ping [<max-retry>] - Ping local opmn validate [<filename>] - Validate the given opmn xml file help - Print brief usage description usage [<command>] - Print detailed usage description createinstance - Create an Oracle Instance createcomponent - Create a specified component deleteinstance - Delete an instance and components deletecomponent - Delete a specified component registerinstance - Register with admin server unregisterinstance - Unregister with admin server updateinstanceregistration - Update instance registration updatecomponentregistration - Update component registration
次の項では、例4-1の一覧に示したopmnctl
コマンドについて詳しく説明します。opmnctl
の各コマンドについては、次の項を参照してください。
opmnctl
には、OPMNで実行する操作をより詳細に定義できるコマンド定義があります。
この項では、opmnctl
コマンドで使用できるコマンド定義について説明します。次の項で構成されています。
scopeオプションは、opmnctl
コマンドを適用するOracleインスタンスを指定します。Oracle Fusion Middlewareの旧バージョンとは異なり、このリリースでは、forceオプションは使用されず、下位互換性が保持されます。
opmnctl
の属性を使用すると、特定のシステム・コンポーネントのプロセスを制御できます。
たとえば、次のコマンドを実行すると、Oracle Web Cacheに構成されたすべてのシステム・プロセスが起動します。
opmnctl startproc ias-component=webcache1
その他のopmnctl
コマンドの例は、第5章を参照してください。
表4-2に、opmnctl
コマンドで使用できる属性名と値の一覧を示します。
表4-2 opmnctlの属性名と値
ias-instance
、ias-component
、process-type
およびprocess-set
のターゲット属性は、階層的に指定できます。たとえば、特定のias-instance
、そのias-instance
内の1つのias-component
、ias-component
内の1つのprocess-type
、process-type
内の1つのprocess-set
のように指定できます。これらの属性は省略できます。省略した場合は、ワイルド・カードとして処理されます(たとえば、process-set
を省略すると、指定したprocess-type
の下のすべてのprocess-set
にリクエストが適用される)。
また、ターゲット属性は、1つの階層型のリスト(たとえば、ias-components
のリスト)で指定することもできます。
注意: Oracle Internet DirectoryがOPMNによって管理されていて、Oracle Internet Directoryの依存性(Oracle Internet Directoryの管理対象プロセスの依存性ではない)がリクエストの一部として出現し、リクエストが2つのOracle Internet Directoryプロセスを起動するリクエスト(opmnctl startall リクエストなど)である場合、Oracle Internet Directoryプロセスは、事前にopmn.xml ファイルで構成されていないかぎり起動 しません。あるいは、Oracle Internet Directoryの依存性の障害により、そのリクエストはタイムアウトになります。 |
opmnctl
verbose
オプションを指定すると、実行中のコマンドに関する詳細情報を取得できます。
たとえば、次のコマンドは例4-2のような情報を出力します。
prompt> opmnctl verbose startproc ias-component=ohs1
例4-2 opmnctl verboseの出力
opmnctl startproc: starting opmn managed processes... HTTP/1.1 200 OK Content-Length: 661 Content-Type: text/html Response: 1 of 1 processes started. <?xml version='1.0' encoding='WINDOWS-1252'?> <response> <opmn id="stapk08:6704" http-status="200" http-response="1 of 1 processes started."> <ias-instance id="instance1"> <ias-component id="ohs1"> <process-type id="OHS"> <process-set id="OHS"> <process id="1792746301" pid="5106" status="Alive" index="1" log="/scratch/lbottlem/product/11.1.1/as 1/instances/instance1/diagnostics/logs/OHS/ohs1/console~OHS~1.log" operation="request" result="success"> <msg code="0" text=""> </msg> </process> </process-set> </process-type> </ias-component> </ias-instance> </opmn> </response>
opmnctl start、startall、reload、stopall
およびshutdown
コマンドを実行すると、OPMNサーバーを制御できます。
opmnctl
のサーバー制御コマンドが正常に実行された場合、出力は生成されません。opmnctl
コマンドの実行時にエラー・メッセージが出力された場合は、付録Bを参照してください。
Microsoft Windowsオペレーティング・システムでは、OPMNがWindowsサービス(Oracle<OracleHomename>ProcessManager)
としてインストールされており、コンピュータを再起動すると自動的に起動します。Microsoft Windowsサービスを使用したOPMNの起動や停止では、ローカルのOracleインスタンス上のすべてのシステム・コンポーネントが起動または停止されます。
システム・コンポーネントを起動および停止するには、Fusion Middleware Controlコンソールとopmnctl
コマンドライン・ユーティリティを使用します。
システム・プロセスを開始せずにローカルのOracleインスタンス用のOPMNサーバーを起動する場合は、このコマンドを実行します。
注意: Microsoft Windowsでは、コンピュータを起動または再起動すると、OPMNが自動的に起動します。すべてのシステム・コンポーネント・プロセスも開始されます。 |
構文: opmnctl startall [timeout=<
seconds
>]
ローカルのOracleインスタンス用のOPMNおよびシステム・プロセスを起動する場合は、このコマンドを実行します。startall
は、引数を指定しないstart
コマンドおよびstartproc
コマンドと同じです。start
コマンドまたはstartproc
コマンドの使用をお薦めします。
このコマンドは同期的に動作し、操作が完了するまで待機してから制御を戻します。リクエストのタイムアウトを設定する場合は、タイムアウト値を秒単位で指定します。
id-matching="true"
が構成されているコンポーネントは起動されません。
さらに詳細な情報を取得するには、次のコマンドを入力します。
opmnctl usage startall
Microsoft Windowsでは、opmnctl startall
を実行するかわりに、Windowsサービスのコントロール パネルでOracle<OracleHomename>ProcessManager
サービスを開始することもできます。Oracle<OracleHomename>ProcessManager
は、コンピュータを起動または再起動すると自動的に開始します。
ローカルのOracleインスタンスに対してOPMNサーバーとシステム・プロセスをシャットダウンする場合は、opmnctl stopall
コマンドを実行します。このリクエストは同期的に動作し、操作が完了するまで待機してから制御を戻します。
通常の動作では、OPMNサーバーをシャットダウンする必要はありません。OPMNサーバーをシャットダウンすると、再起動するまでOPMNに対するリモート・コマンドをOracleインスタンスで実行できません。
opmnctl stopall
コマンドは、OPMNとコンピュータをシャットダウンする前にのみ実行してください。このリクエストは最初に、すべてのシステム・コンポーネントを正常に停止しようとします。正常に停止しないプロセスは、強制的に停止されます。すべての管理対象プロセスの停止後に、OPMNデーモン自体が停止されます。
opmnctl stopall
コマンドは、緊急時にOPMNデーモンの速やかな停止が必要な場合にのみ使用してください。OPMNデーモンは、いったん起動したら、コンピュータの再起動が必要になったり、他の予期しない管理イベントが発生したりするまで、稼働状態にしておいてください。OPMNデーモンを停止することなく、すべてのシステム・コンポーネントを停止するには、引数を指定しないでopmnctl stopproc
コマンドを実行します。システム・コンポーネントを再起動することなくOPMNデーモンを再起動するには、opmnctl reload
コマンドを実行します。opmnctl reload
コマンドの使用は、新しい構成でOPMNデーモンを再起動することのみが目的の場合に適しています。
すべてのシステム・プロセスを停止するには、opmnctl stopproc
コマンドを実行してください。
OPMNに構成を再度読み込ませるには、opmnctl reload
コマンドを実行してください。
付加情報を取得するには、次のいずれかのコマンドを入力します。
opmnctl usage stopall
または
opmnctl usage shutdown
ローカルのOracleインスタンスに対してOPMNサーバーとシステム・プロセスをシャットダウンする場合は、opmnctl shutdown
コマンドを実行します。
opmnctl shutdown
コマンドは、ローカルのOracleインスタンスに対してOPMNデーモンとシステム・コンポーネントを迅速に停止します。opmnctl shutdown
コマンドは、opmnctl stopall
コマンドと似ていますが、より短い待機時間でシステム・コンポーネントの強制終了を開始します。すべてのシステム・コンポーネントの停止後に、OPMNデーモン自体が停止されます。
opmnctl shutdown
コマンドは、OPMNデーモンの停止が必要な場合にのみ実行してください。OPMNデーモンは、いったん起動したら、コンピュータの再起動が必要になったり、他の予期しない管理イベントが発生したりするまで、稼働状態にしておいてください。OPMNデーモンを停止することなく、すべてのシステム・コンポーネントを停止するには、引数を指定しないでopmnctl stopproc
コマンドを実行します。システム・コンポーネントを再起動することなくOPMNデーモンを再起動するには、opmnctl reload
コマンドを実行します。opmnctl reload
コマンドの使用は、新しい構成でOPMNデーモンを再起動することが目的の場合に適しています。
Microsoft Windowsでは、opmnctl shutdown
を実行するかわりに、「コントロール パネル」のWindowsサービスでOracle<OracleHomename>ProcessManager
サービスを停止することもできます。
すべてのシステム・コンポーネント・プロセスを停止するには、opmnctl stopproc
コマンドを実行してください。
OPMNに構成を再度読み込ませるには、opmnctl reload
コマンドを実行してください。
付加情報を取得するには、次のいずれかのコマンドを入力します。
opmnctl usage stopall
または
opmnctl usage shutdown
OPMNに、その構成ファイルを再度読み込ませるには、このコマンドを実行します。このコマンドは、OPMNが管理するシステム・プロセスを再起動せずにOPMNサーバーを再起動します。OracleインスタンスのOPMNサーバーが稼働している必要があります。
注意: Microsoft Windowsでは、「コントロール パネル」のサービスでOracle<OracleHomename>ProcessManager を選択して「再起動」を選択できます。ただし、サービスの再起動はopmnctl reload の実行とは異なります。この操作は、opmnctl shutdown に続けてopmnctl startall を実行した場合と同じです。サービスの再起動では、OPMNと、OPMNが管理するすべてのプロセスが再起動されるため、opmnctl reload を実行した場合より処理にはるかに時間がかかります。 |
さらに詳細な情報を取得するには、次のコマンドを入力します。
opmnctl usage reload
opmnctl
のプロセス制御コマンドを実行すると、1つまたは複数のシステム・コンポーネントを起動、停止または再起動できます。システム・コンポーネントを<ias-component>
、<process-set>
または<process-type>
レベルで制御できます。
この項では、opmnctl
で実行できるプロセス制御コマンドについて説明します。プロセス制御コマンドには、次のものがあります。
opmnctl
のプロセス制御コマンドが正常に実行された場合、出力は生成されません。opmnctl
コマンドの実行時にエラー・メッセージが出力された場合は、付録Bを参照してください。
構文: opmnctl startproc [<attr>=<value>...]
opmnctl restartproc [<attr>=<value>...]
opmnctl stopproc [<attr>=<value>...]
システム・プロセスを起動、再起動または停止する場合は、これらのコマンドを実行します。OracleインスタンスのOPMNサーバーが稼働している必要があります。
これらのコマンドでは属性を使用できます。startproc、stopproc
およびrestartproc
の実行時に属性を指定しない場合、opmn.xml
ファイルでid-matching="true"
が指定されているコンポーネントを除く、すべてのシステム・プロセスが起動されます。
次の属性および値は、startproc、stopproc
およびrestartproc
コマンドで使用できます。
ias-component、process-type
およびprocess-set
: これらの属性値は、opmn.xml
ファイルで指定したid
値と一致する必要があります。属性を指定しない場合、このコマンドはopmn.xml
ファイルでid-matching="true"
が構成されているプロセスを除く、すべてのシステム・コンポーネント・プロセスに適用されます。id-matching="true"
が構成されているコンポーネントでこのコマンドを実行するには、ias-component
引数を指定する必要があります。
mode
: mode
属性の値には sync
またはasync
を指定できます。デフォルト値はsync
です。modeの値にsync
を指定すると、opmnctl
コマンドは同期的に動作し、コマンドの実行が完了するまで待機してから制御を戻してプロンプトを表示します。modeの値がsync
の場合のみ、タイムアウト要素を指定できます。値は秒単位で指定します。指定したタイムアウトが経過すると、startproc
の操作は中断されますが、restartproc
およびstopproc
の操作は中断されません。opmnctl
コマンドのプロンプトは戻りますが、OPMNサーバーはopmnctl
restartproc
またはstopproc
コマンドのリクエストを操作が完了するまで実行します。
modeの値にasync
を指定すると、すぐにプロンプトが表示されますが、OPMNサーバーはopmnctl
コマンドのリクエストを操作が完了するまで実行します。
uniqueid:
これは、OPMNによって起動後に割り当てられる値です。restartproc
およびstopproc
コマンドを実行する場合に、この値を使用できます。この値を取得するには、次のコマンドを実行します。生成される出力のuid
列に、システム・コンポーネントの一意の番号が表示されます。
opmnctl status -l
OPMNが管理するいくつかのタイプのシステム・プロセスでは、一覧にない属性名が指定される場合もあります。各タイプのシステム・プロセスには、一意の属性名を指定する必要があります。
opmnctl startproc、restartproc
またはstopproc
コマンドと属性を使用すると、Oracleインスタンス内の特定のプロセスを制御できます。opmnctl startproc、restartproc
またはstopproc
コマンドは、<ias-component>
、<process-type>
および<process-set>
レベルで実行できます。
次のコマンドを実行すると、<process-type>
レベルでOracle Web Cacheが再起動します。
opmnctl restartproc ias-component=webcache1 process-type=WebCache
次のコマンドを実行すると、<ias-component>
レベルでOracle HTTP Serverが停止します。
opmnctl stopproc ias-component=ohs1
付加情報を取得するには、次のいずれかのコマンドを入力します。
opmnctl usage startproc
または
opmnctl usage restartproc
または
opmnctl usage stopproc
startproc
、restartproc
またはstopproc
でreport=true
属性を使用すると、リクエストの各部分が完了するたびに、その部分についてOPMNにレポートさせることができます。たとえば、opmnctl startproc
リクエストで4つのプロセスの開始を試みる場合、個々のプロセスの開始が完了すると、ただちにそのプロセスの開始結果がOPMNによってユーザーにレポートされます。
デフォルトでは、依存性によって特定の順序が指定されている場合を除き、OPMNリクエストはすべての対象プロセスに対して同時に実行されます。startproc
、restartproc
またはstopproc
コマンドで属性sequential=true
を指定した場合、OPMNは一度に1つのプロセスに対してのみリクエストを実行し、最初のプロセスでリクエストが完了するまで、次のプロセスではリクエストを実行しません。1つのプロセスでリクエストが完了すると、次のプロセスに進みます。
この場合も依存性は有効であり、リクエストに順番に組み込まれることに注意してください。
図4-1に示すように、デフォルトでは、OPMNはすべてのプロセスに対してジョブを並列に発行し、各プロセスでジョブが同時に実行されるようにします(依存性が有効な場合を除く)。次にコマンドの例を示します。
> opmnctl startproc
sequential属性をtrueに設定した場合、OPMNは一度に1つのプロセスに対してのみリクエストを実行します(図4-2を参照)。
次にコマンドの例を示します。
% opmnctl startproc sequential=true
この場合、すべての管理対象のシステム・プロセスが順番に起動します。
OPMNは1つの管理対象プロセスを処理しています。その後、図4-3に示す次のプロセスに移ります。
図4-3に示すように、最初の管理対象プロセスに対してリクエストが完了すると、次の管理対象プロセスでリクエストが開始されます。
図4-4に示すように、対象となるすべての管理対象プロセスでリクエストが完了しました。
opmnctl
プロビジョニング・コマンドは、Oracleインスタンス内のプロビジョニング・システム・コンポーネントに対して使用されます。これらのコマンドを使用して、次の操作を実行します。
Oracleインスタンスまたはシステム・コンポーネントの作成と削除
Fusion Middleware Controlコンソールを使用して管理されるWebLogicドメインでのOracleインスタンスの登録と登録解除
WebLogicドメインでのOracleインスタンスの更新またはシステム・コンポーネントの登録の更新
注意: opmnctl プロビジョニング・コマンドでは、次のネーミング規則を使用する必要があります。
|
この項の項目は次のとおりです。
opmnctl
プロビジョニング・コマンドは、次の構文を使用して起動されます。
opmnctl command [-argName1 value1] [-argName2 value2] ...
次のプロビジョニング・コマンドがサポートされています。
createinstance
createcomponent
deleteinstance
deletecomponent
registerinstance
unregisterinstance
updateinstanceregistration
updatecomponentregistration
プロビジョニング・コマンドは、他のopmnctl
コマンドで使用される次の構文によって起動することもできます。
opmnctl command [argName1=value1] [argName2=value2] ...
この代替構文は、属性形式(第4.3.1.2項を参照)に従い、小文字で指定された引数名を受け入れます。代替構文を使用すると、opmnctl
コマンド内で統一化を図ることができます。
すべてのopmnctl
プロビジョニング・コマンドで、入力時にどちらの構文も使用できます。
たとえば、次のコマンドは同等になります。
opmnctl createcomponent -componentType OHS -componentName ohs1 opmnctl createcomponent componenttype=OHS componentname=ohs1
同じコマンド内で両方の構文形式を組み合せることができます。
コンポーネント関連のコマンドにのみ適用されるコンポーネント固有の引数を除いて、通常、次の引数がすべてのプロビジョニング・コマンドに適用されます。
管理サーバー(Adminserver)の引数は、opmnctl
がOracle WebLogic Serverドメインの管理サーバーと通信する方法を表します。
管理サーバーの値は、後続のコマンドのデフォルト値としてOracleインスタンスに保存されています。opmnctl
は、登録されていないOracleインスタンスに対して管理サーバーの値を使用したり要求したりしません。登録されていないインスタンスを作成するためのcreateinstance
コマンドの詳細は、第4.3.4.4.1項を参照してください。
管理サーバーの引数は次のとおりです。
-adminHost
: Weblogic管理サーバー・ホスト。デフォルト値は、Oracleインスタンスに対して最後に成功したコマンド、またはローカル・ホストです。
-adminPort
: Weblogic管理サーバー・ポート。デフォルト値は、Oracleインスタンスに対して最後に成功したコマンド、または7001です。
-adminProtocol
: Weblogic管理サーバー・プロトコル。デフォルト値は、Oracleインスタンスに対して最後に成功したコマンド、または3です。
-adminUsername
: Weblogic管理サーバー・ログイン・ユーザー名。デフォルト値は、Oracleインスタンスに対して最後に成功したコマンドです。成功したコマンドがない場合、ログイン・ユーザー名の入力を求めるプロンプトが表示されます。
-adminPasswordFile
: 管理ユーザー(admin user)のパスワードが記載されたファイルの場所。デフォルト値は、Oracleインスタンスに対して最後に成功したコマンドです。成功したコマンドがない場合、管理ユーザーのパスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。
デフォルトでは、opmnctl
は、ORACLE_INSTANCE
/diagnostics/logs/OPMN/opmn/provision.log
ファイル内のプロビジョニング・エラーおよび例外の詳細を記録します。createinstance
コマンドを実行する際の特定のエラーでは、特にprovision.log
ファイルが作成されていない場合、例外の詳細がコンソールに表示されます。ログ・ファイルの場所は、-logFile
引数を使用して指定できます。
-logFile
: プロビジョニング・ログ・ファイルの場所。
-logLevel
: プロビジョニング・ログのロギング・レベル。たとえば、INFO
またはFINER
のように記述します。
-oracleInstance
引数および-instanceName
引数は主に、createinstance
コマンドで使用されます。Oracleインスタンスを作成すると、ORACLE_INSTANCE
/bin/opmnctl
ディレクトリにデフォルトのOracleインスタンス・ホームが作成されます。Oracleインスタンスの名前は、自動的に決まります。
Oracleインスタンスの引数は次のとおりです。
-oracleInstance
: Oracleインスタンスのルート・ディレクトリ。このディレクトリは、opmnctl
コマンドがOracleインスタンス・ホームから実行されなかった場合にのみ必要です。
-instanceName
: このコマンド・オプションは、Oracleインスタンスの作成時にOracleインスタンス名を割り当てたり、Oracleインスタンス名を後から検証する際に使用されます。
createinstance
コマンドは、instanceName
が直接入力されていない場合、-oracleInstance
の最後のディレクトリ名がOracleインスタンス名として使用されます。
単一コンポーネントを対象にしたコマンドは、コンポーネント・タイプ固有の引数を受け入れることができます。たとえば、-wcAdminPasswordFile
引数は、Oracle Web Cacheコンポーネント作成時には受け入れられますが、OHSコンポーネント作成時には受け入れられません。
これらの引数は、構文的にはオプションですが、適切な構成のためには理解する必要があります。
これらの特定の引数およびその使用法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』を参照してください。
システム・コンポーネントに適用できる引数の一覧は、opmnctl usage
コマンドの実行時にコンポーネント・タイプを入力すると表示されます。
次に例を示します。
opmnctl usage createcomponent -componentType OHS
この項では、一連のcreate
コマンドについて説明します。次の項で構成されています。
createinstance
コマンドは、Oracleインスタンスを作成して登録します。次の引数が使用されます。
管理サーバー
ロギング
Oracleインスタンス
-adminRegistration
: 作成されたOracleインスタンスの登録ステータス。サポートされる値は、ON
(登録済)およびOFF
(未登録)です。デフォルト値はON
です。
-opmnRemoteHost
: OPMNのリモート・ホスト。デフォルト値は、コンピュータの正規ホスト名です。
-opmnLocalPort
: OPMNのローカル・ポート値。デフォルト・ポート値は6700です(ポートが使用可能な場合)。
-opmnRemotePort
: OPMNのリモート・ポート値。デフォルト・ポート値は6701です(ポートが使用可能な場合)。
次に例を示します。
opmnctl createinstance -oracleInstance /foo/bar/inst1 -adminHost myadminserver -adminPort 7001
または
opmnctl createinstance -oracleInstance /foo/bar/inst1 -adminRegistration OFF
createcomponent
コマンドは、Oracleインスタンス内にコンポーネントを作成します。作成されたコンポーネントは、登録状態についてはOracleインスタンスと一致します。
createcomponent
コマンドは、次の引数を使用します。
管理サーバー
ロギング
Oracleインスタンス
コンポーネント固有の引数
-componentType
: システム・コンポーネント・タイプ
-componentName
: システム・コンポーネント名
次に例を示します。
opmnctl createcomponent -componentType OHS -componentName ohs1 -proxyPort 8888
それぞれのシステム・コンポーネントで、構成に使用できる別々の引数のセットが用意されている点に注意してください。上のコマンド例では、-proxyPort
の使用はOHSコンポーネント固有です。コンポーネント固有の引数の詳細は、第4.3.4.3.4項を参照してください。
deleteinstance
コマンドは、Oracleインスタンスを削除し、Oracleインスタンスと関連のシステム・コンポーネントの登録を解除します。Oracleインスタンスが正常に削除されると、デフォルトのprovision.log
ファイルを除く、すべてのOracleインスタンスのファイルが削除されます。
次に例を示します。
opmnctl deleteinstance
deleteinstance
コマンドは、次の引数を使用します。
管理サーバー
ロギング
Oracleインスタンス
-force
: -force
引数は、Oracleインスタンス内の矛盾とは関係なく、強制的にopmnctl deleteinstance
コマンドを続行します。このコマンドは、値がtrue
の場合のみ有効です。デフォルト値はfalse
です。
-force
オプションは、大半の検証前のチェックを回避することに注意してください。したがって、-force
オプションは注意して使用するようにお薦めします。「deleteinstanceの-forceオプション」に例を示します。
deleteinstanceの-forceオプション
deleteinstance
コマンドは、オプション-force true
がコマンドに含まれている場合、強制モードで動作します。このオプションを使用すると、Oracleインスタンスで検出された警告やエラーとは関係なく、opmnctl
に操作を続行するように指示します。Oracleインスタンスが不適切かつ応答不能な状態である可能性があるため、Oracleインスタンスに関連付けられている適切な(-instanceName
、-adminHost
、-adminPort
などの)オプション値を明示的に入力し、正しい値が使用されていることを確認することをお薦めします。
クリーンアップ実行時、forceオプションを使用したdeleteinstance
コマンドにより、Oracleインスタンスの破損状態に応じた警告や例外が表示されます。これらの警告や例外は、検出された不一致に対する視覚的なフィードバックとして表示されるものであり、さらに修正処置が必要であることを必ずしも示しているわけではありません。
次に例を示します。
opmnctl deleteinstance -force true -instanceName instance1 -adminHost myadminserver -adminPort 7001
または
opmnctl deleteinstance -force true -instanceName instance1
deletecomponent
コマンドは、システム・コンポーネントを削除します。
deletecomponentコマンドは、次の引数を使用します。
管理サーバー
ロギング
Oracleインスタンス
-componentName
: システム・コンポーネント名
次に例を示します。
opmnctl deletecomponent -componentName ohs1
registerinstance
コマンドは、Oracleインスタンスを登録済の状態に切替え、管理サーバーの値を更新します。
registerinstance
コマンドは、次の引数を使用します。
管理サーバー
ロギング
Oracleインスタンス
次に例を示します。
opmnctl registerinstance -adminHost myhostname -adminPort 8000
unregisterinstance
コマンドは、Oracleインスタンスを未登録状態に切替え、管理サーバーの値を更新します。
次に例を示します。
opmnctl unregisterinstance
unregisterinstance
コマンドは、次の引数を使用します。
管理サーバー
ロギング
Oracleインスタンス
-force
: Oracleインスタンス内の矛盾とは関係なく、opmnctl
のunregisterinstance
コマンドに続行するように指示します。このオプションは、値がtrue
の場合のみ有効です。デフォルト値はfalse
です。
-force
オプションは、大半の検証前のチェックを回避することに注意してください。したがって、-force
オプションは注意して使用するようにお薦めします。「unregisterinstanceの-forceオプション」に例を示します。
unregisterinstanceの-forceオプション
unregisterinstance
コマンドは、オプション-force true
が含まれている場合、強制モードで動作できます。
このオプションは、Oracleインスタンスを登録解除するようにopmnctl
のunregisterinstanceに指示しますが、変更の範囲を管理サーバーに限定します。つまり、評価したりOracleインスタンスとやり取りしたりせず(オプションでprovision.log
ファイルに書き込む場合を除いて)、Oracleインスタンス名を管理サーバーから登録解除します。
このモードにより、簡単に登録の関連付けを解除できます。たとえば、このコマンドを登録されている運用Oracleインスタンスの名前で実行すると、管理サーバーとOracleインスタンスが同期しなくなります。その後、管理サーバーがOracleインスタンスや関連のシステム・コンポーネントを一覧表示しなくなります。ただし、この例では、Oracleインスタンスはこの時点でも登録済として構成されていますが、大半のプロビジョニング・コマンドは失敗します。したがって、-force
オプションは注意して使用するようにお薦めします。
次に例を示します。
opmnctl unregisterinstance -force true -instanceName instance1 -adminHost myadminserver -adminPort 7001
updateinstanceregistration
コマンドは、管理サーバーに登録された、Oracleインスタンスの情報を更新します。特に、updateinstanceregistration
コマンドは、登録されたOPMNリモート・ポート、OPMNリモート・ホストおよびOPMNウォレットを現在のOPMN設定から更新します。
updateinstanceregistration
コマンドは、次の引数を使用します。
管理サーバー
ロギング
Oracleインスタンス
次に例を示します。
opmnctl updateinstanceregistration
updatecomponentregistration
コマンドは、管理サーバーに登録された、サブジェクト・システム・コンポーネントの設定を更新します。これらの設定には、コンポーネント・プロキシ・ポート、コンポーネント・プロキシ・ウォレット、コンポーネントmbean
プロパティおよびFusion Middleware Controlコンソールのコンポーネント・プロパティ、さらにコンポーネントのタイプに固有のその他の値が含まれています。
updatecomponentregistration
コマンドは、次の引数を使用します。
管理サーバー
ロギング
Oracleインスタンス
コンポーネント固有の引数
-componentName
: システム・コンポーネント名
次に例を示します。
opmnctl updatecomponentregistration -componentName ohs1 -proxyPort 8889 ....
opmnctl
status
コマンドを実行すると、システム・コンポーネント・プロセスのステータスを確認できます。
この項では、opmnctl
コマンドで使用できるコマンド・オプションについて説明します。次の項で構成されています。
関連項目:
|
構文: opmnctl status [<options>]
status
コマンドを使用すると、OPMNが管理するシステム・プロセスに関する情報を取得できます。
出力はテキストの表で表示されます。表の各行が1つのシステム・プロセスを表します。
次のようにステータス・コマンドをカスタマイズできます。
各システム・プロセスについて表示される情報を変更する。
出力から表のヘッダーを削除する。
フィールド区切り値を変更する。
レコード区切り値を変更する。
各列の幅を変更する。
各列のデータの位置揃えを変更する。
opmnctl usage status
コマンドを実行すると、ステータス・コマンドの使用方法の詳細を取得できます。
例4-3「opmctl statusの出力」に、ドメインyourcompany.com
のホストcomp1
のAppSrv1
インスタンスに対してopmnctl status
コマンドを実行した場合の出力を示します。
例4-3 opmctl statusの出力
opmnctl status Processes in Instance: Instance1 -------------------------+-----------------+--------+--------- Monitor | MONITOR | 6720 | Alive webcache1 | WebCache-admin | N/A | Down webcache1 | WebCache | N/A | Down ohs1 | OHS | 5106 | Alive
<options>
パラメータには、次のオプションを指定できます。
-l
: uniqueid
(uid)
値と他の特定のプロセス・パラメータ情報を取得する場合は、このオプションを使用します。
opmnctl status -l
たとえば、このコマンドは例4-4に示す情報を出力します(読みやすくするため、一部の列は省略している)。
例4-4 opmnctl status -lの出力
Processes in Instance: instance1 --------------------+---------------+---------+---------+------------+----------+-----------+------ ias-component | process-type | pid | status | uid | memused | uptime | ports ------------------------------------+---------+---------+------------+----------+-----------|------ webcache1 | WebCache-admin| 1544 | Alive | 1133202830 | 44216 | 0:04:39 | http_ admin:7779 webcache1 | WebCache | 1545 | Alive | 1133202829 | 64056 | 0:04:39 | http_ stat:7780,http_invalidation:7781,https_listen:7782,http_listen:7778 ohs1 | OHS | 1543 | Alive | 1133202828 | 348664 | 0:04:39 | https :8889,https:4443,http:8888
uid
の情報を基に、個々のOracle Fusion Middlewareプロセスを停止または再起動できます。
たとえば、次のコマンドを実行すると、OHS
process-type
が停止します。
opmnctl stopproc uniqueid=1792746301
-fsep <string>
: opmnctl status
の出力にフィールド区切り値を割り当てる場合は、このオプションを使用します。デフォルト値は|です。
-rsep <string>
: opmnctl status
の出力にレコード区切り値を割り当てる場合は、このオプションを使用します。デフォルト値は\nです。
-noheaders
: opmnctl status
コマンドを実行した後にヘッダーを表示しない場合は、このオプションを使用します。
-fmt <fmtlist>
: 次の書式で指定する1つ以上の統計識別子を連結した単一の文字列です。<statname>[<width>{<justification>]
。デフォルト値は%cmp18%prt18%pid5R%sta8
です。
表4-3に、<fmtlist>
オプションで使用する書式指定文字列の構文を示します。
表4-3 書式指定文字列の構文
たとえば、次のコマンドは例4-5に示す出力を表示します。
prompt> opmnctl status -noheaders -fsep @ -fmt %cmp%prt%pid%sta
例4-5 opmnctl status -noheadersの出力
webcache1@WebCache-admin@1544@Alive webcache1@WebCache@1545@Alive ohs1@OHS@1543@Alive
さらに詳細な情報を取得するには、次のコマンドを入力します。
opmnctl usage status
opmnctl status -port
コマンドでは、OPMNデーモンへの接続に使用されるリクエスト接続文字列を表示できます。たとえば、次のコマンドを実行します。
opmnctl status -port
次の文字列が表示されます。
123.your_company.com:6200
opmnctl status -port
コマンドを使用すると、opmn.xml
ファイルでリクエスト・アクセス・ポートを確認する必要がなくなるため便利です。
opmnctl metric
コマンドを使用すると、システム・コンポーネント・プロセスのDMS統計を出力できます。opmnctl
メトリックには、次のコマンドと引数の構造があります。
opmnctl metric op=<op> [<identifier>=<value>] dmsarg=<dmsargs>]
opmnctlメトリック・コマンドは、次のコマンド引数を使用します。
op=<op>
: <op>
がlist
またはquery
のいずれかになる操作を指定します。
list
操作では、その他の引数は使用されません。ターゲットOPMNは、DMSメトリックがメトリック・リクエストを介して使用できる管理対象のシステム・プロセスのリストを返します。
query
操作では、<identifier>=<value>
引数によって修飾された管理対象のプロセスのメトリック・ツリーが返されます(すべての使用可能なプロセスは、識別子の引数が指定されていないことが前提となっています)。
local=<bool>
: true
に設定すると、このオプションではコマンドがローカルのOracleインスタンス内で動作するように限定されます。これは、OPMNが他のOracleインスタンスを検出するように構成されている場合に有用です。
<identifer>=<value>
: どの管理対象のプロセスがDMSメトリックを問い合せるかを指定します。複数の識別子を指定でき、各識別子は、アドレス・プロパティ(リストを含む)を持つ管理対象のプロセスと一致させます。
5つの標準的なプロパティは、次のとおりです。
PROCESS_UID=<uid>:
<uid>
はターゲット・プロセスの一意のIDです。この値は、メトリックlist
操作、opmnctl status
コマンド、またはOPMN DMSメトリックを表示する際に使用される任意の類似した方法で取得されます。
PROCESS_UID=0
: このプロパティは、常にOPMN自身を指定します。
INSTANCE_UID=<instance>@<uid>
: <instance>
はターゲットOracleインスタンスのOracleインスタンス名で、<uid>
はOracleインスタンスのターゲット・プロセスに対する一意のIDです。この識別子は、<instance>
がローカルのOracleインスタンス名であるか、ファーム内のすべてのOPMNサーバーが相互接続するように構成されている場合にのみ有効です。
COMPONENT_NAME=<component-name>
: <component-name>
は、opmn.xml
ファイルにおける<ias-component
>のid
の値です。COMPONENT_NAME=opmn
は、常にOPMN自身を指定します。
COMPONENT_TYPE=<component-type>:
<component-type>
は、opmn.xml
ファイルにおける<ias-component>
のタイプの値です。それが定義されていない場合、<process-type>
要素のid
の値です。COMPONENT_TYPE=OPMN
は、常にOPMN自身を指定します。
dmsarg=<dmsargs>:
メトリックの問合せにDMS固有のオプションを指定します。<dmsargs>
は単一の引数で、これにはDMS層に対する複数のオプションが含まれます。各オプションは<attr>=<value>
形式で、&
で区切られています。
たとえば、format=raw、format=xml&name=/ProcessInfo
のように記述します。
メトリック・オプションの詳細は、Oracle Fusion Middlewareパフォーマンス・ガイドを参照してください。
構文: opmnctl dmsdump [<attr>=<value>[&<attr>=<val>...]]
opmnctl dmsdump
コマンドを使用すると、OPMNのOracle Dynamic Monitoring Service(DMS)統計を出力できます。特定のシステム・コンポーネントに対するプロセス制御操作の出力を取得できます。属性を指定しない場合は、システム・コンポーネントに対するすべてのシステム・コンポーネント・プロセスのパフォーマンス・データが出力されます。
DMSでは、1つのパフォーマンス・メトリック、複数のパフォーマンス・メトリックまたはすべてのパフォーマンス・メトリックを監視できます。オプションを使用すると、リクエストしたメトリックをレポートするレポート間隔を指定できます。
複数の<attr>=<value>
ペアは、&
で区切る必要があります。たとえば、次のopmnctl
コマンドを実行します。
opmnctl dmsdump "table=opmn_ons&format=xml"
この場合、ONSに対して収集された統計セットが出力されます。出力には、ONSがリスニングするポートと、ONSが処理した通知数が含まれます。出力は、テキストではなく.xml
形式です。テキスト形式で出力を参照する場合は、コマンドラインで&format=xml
を指定しないでください。
DMSパフォーマンス・メトリックの属性と値の詳細は、Oracle Fusion Middlewareパフォーマンス・ガイドを参照してください。
構文: opmnctl ping
[<max_retry
>]
opmnctl ping
コマンドでは、ローカルのOPMNサーバーに接続してサーバーの操作を検証できます。<max_retry
>には、最大再試行回数を指定します。<max_retry
>を指定すると、コマンドが正常に終了するか<max_retry
>で指定した回数に達するまで、1秒ごとにローカルのOPMNに対してpingが実行されます。
たとえば、次のコマンドを実行します。
opmnctl ping 10
この場合、pingコマンドが正常に終了するまで、OPMNにpingが10回実行されます。
構文: opmnctl set [<attr>=<value> ...]
opmnctl set
コマンドでは、OPMNのロギング構成を設定できます。
属性名は、属性値とともに指定する必要があります。このコマンドでは、OPMNに必要な次の属性名を指定する必要があります。
target
: target
の値には、standard.log
を表すlog
、またはdebug.log
を表すdebug
を指定します。標準ログは、デフォルトですべての考えられるログ・メッセージが含まれるように構成されているため、その設定を変更しないことをお薦めします。OPMNのトラブルシューティングの詳細は、付録Bを参照してください。
注意: debug.log ファイルの使用は、Oracleサポート・サービスに問い合せた後にのみ有効化してください。Oracleサポート・サービスでは、debug.log ファイルを使用して、OPMNの問題のデバッグおよび診断を実行します。debug.log ファイル内のメッセージは通常、ユーザーに簡単に理解できるものではありません。 |
comp
: OPMNの内部コンポーネントおよびサブコンポーネントを指定します。
comp
属性comp
属性の値には、ons
またはpm
のいずれかを指定します。また、この属性値として、ons属性またはpm
属性の特定のサブコンポーネント・セットを指定することもできます。
comp
の次の値は、OPMNの内部コンポーネントおよびサブコンポーネントを表します。
internal:
OPMNの共通内部情報を表します。
ons
: OPMNのONSコンポーネント情報を表します。
pm
: OPMNのPMコンポーネント情報を表します。
onsコンポーネントとpm
コンポーネントはどちらもサブコンポーネントで構成されます。これらのサブコンポーネントは、構文component[subcomponents]
(componentはonsまたはpm
)を使用して指定できます。onsとpm
を両方とも指定する場合は、opmn.xml
ファイル内でそれぞれをセミコロンで区切る必要があります。サブコンポーネントを複数指定する場合は、それぞれのサブコンポーネントをカンマで区切ります。
表4-4 ONSコンポーネントのコード
ONS要素 | 定義 |
---|---|
all |
すべてのサブコンポーネント |
local |
ローカル情報 |
listener |
リスナー情報 |
discover |
検出(サーバーまたはマルチキャスト)情報 |
servers |
ファームに接続されていて現在稼働中のリモート・サーバー |
topology |
現在のファーム全体のサーバー接続トポロジ |
server |
リモート・サーバー接続情報 |
client |
クライアント接続情報 |
connect |
全般的な接続情報 |
subscribe |
クライアント・サブスクリプション情報 |
message |
通知の受信および処理情報 |
deliver |
通知配信情報 |
special |
特殊な通知処理 |
internal |
内部リソース情報 |
secure |
SSL操作情報 |
workers |
ワーカー・スレッド |
表4-5 PMコンポーネントのコード
PM要素 | 定義 |
---|---|
all |
すべてのサブコンポーネント |
requests |
HTTP(ユーザー)リクエスト |
remote |
リモートHTTPリクエスト |
scheduler |
スケジューラ・スレッドおよびリソース情報 |
monitor |
モニター・スレッド情報 |
workers |
ワーカー・スレッド |
process |
管理対象プロセス |
depend |
依存性処理 |
rmd |
RMDディレクティブ |
fos |
サービス・フェイルオーバー情報 |
internal |
内部リソース |
schedjobs |
周期的にスケジューリングされるジョブ |
procjobs |
プロセスごとにスケジューリングされるジョブ |
fos |
サービス・フェイルオーバー処理 |
dms |
DMS処理 |
modules |
|
onsおよびpm
の各サブコンポーネントには、先頭に否定文字「!」を付けることができます。これにより、そのサブコンポーネントの選択が解除されます。all
と指定した後に、特定のサブコンポーネントを否定することによって、そのサブコンポーネントを表示対象から簡単に除外できます。
コンポーネントおよびサブコンポーネントは、検出される順序に従って設定または否定されます。たとえば、次のように指定します。
ons[all,!topology]
この場合、topologyを除く、ons
のすべてのサブコンポーネントが設定されます。
ons[!topology,all]
この場合、topologyを含む、onsのすべてのサブコンポーネントが設定されます。
構文: opmnctl query [<attr>=<value> ...]
opmnctl query
コマンドでは、OPMNのロギング構成の問合せを実行できます。
属性名target
は、属性値とともに指定する必要があります。target
の値には、opmn.log
ファイルを表すlog
またはopmn.dbg
ファイルを表すdebug
のいずれかを指定します。詳細は、第B.2.1項「OPMNログ・ファイル」を参照してください。
opmnctl help
コマンドを使用すると、OPMNに関する追加情報を取得できます。
この項では、opmnctl
コマンドで使用できるヘルプ・コマンド・オプションについて説明します。次の項で構成されています。
opmnctl
コマンドの構文に関する簡単な説明を出力する場合は、このコマンドを使用します。
例4-6に、opmnctl help
コマンドの出力を示します。
例4-6 opmnctl helpの出力
opmnctl help usage: opmnctl [verbose] [<scope>] <command> [<options>] verbose: print detailed execution message if available Permitted <scope>/<command>/<options> combinations are: scope command options _________ __________ __________ start - Start opmn startall - Start opmn & all managed processes stopall - Stop opmn & all managed processes shutdown - Shutdown opmn & all managed processes [<scope>] startproc [<attr>=<val>..] - Start system managed processes [<scope>] restartproc [<attr>=<val>..] - Restart managed processes [<scope>] stopproc [<attr>=<val>..] - Stop managed processes [<scope>] reload - Trigger opmn to reread opmn.xml [<scope>] status [<options>] - Get managed process status [<scope>] dmsdump [<attr>=<val>&..] - Get DMS stats [<scope>} set [<attr>=<val> ..] - Set opmn log parameters [<scope>] query [<attr>=<val> ..] - Query opmn log parameters launch [<attr>=<val> ..] - Launch a configured target process phantom [<attr>=<val> ..] - Register phantom processes ping [<max_retry>] - Ping local opmn validate [<filename>] - Validate the given xml file config [<options>] - Modify the opmn xml file help - Print brief usage description usage [<command>] - Print detailed usage description createinstance - Create an Oracle Instance createcomponent - Create a specified component deleteinstance - Delete an instance and components deletecomponent - Delete a specified component registerinstance - Register with admin server unregisterinstance - Unregister with admin server updateinstanceregistration - Update instance registration updatecomponentregistration - Update component registration
usage
コマンドを実行すると、任意の指定されたopmnctl
コマンドのヘルプが表示されます。引数のないopmnctl usage
コマンドでは、opmnctl help
と同じ情報が表示されます。
次のいずれかのコマンドを指定できます。
start
startall
startproc
stopall
stopproc
restartproc
reload
shutdown
ping
status
metric
dmsdump
debug
set
query
launch
phantom
ping
validate
help
usage
createinstance
createcomponent
deleteinstance
deletecomponent
registerinstance
unregisterinstance
updateinstanceregistration
updatecomponentregistration
help
たとえば、次のコマンドを入力すると、例4-7に示す出力が表示されます。
opmnctl usage stopall
例4-7 opmnctl usage stopallの出力
opmnctl stopall [sequential=true] [report=true]
Stop opmn daemon and managed processes for local Oracle instance. This request first tries to stop all managed processes gracefully. Processes which will not stop gracefully will be forcefully shutdown. After stopping all managed processes, the opmn daemon will shutdown itself. This request should only be performed when it is necessary to stop the opmn daemon. Once started, the opmn daemon should remain up until it is necessary to restart the computer or some other rare administrative event occurs. To stop all managed processes without stopping the opmn daemon, consider using the stopproc command without any target arguments. If the value of the sequential attribute is "true", each process will be stopped upon sequentially (one at a time). If the value of the report attribute is "true", opmn will report the results of the attempt to stop each processes as it completes. The default behavior is for opmn to wait until the entire request has completed before sending all of the results at once. To restart the opmn daemon without restarting any managed processes, consider using the reload command. The reload command is the appropriate command to use when the only goal is to restart the opmn daemon with a new configuration. This request operates synchronously and will wait for the operation to complete before returning.