この章では、Oracle Virtual Assembly Builderのアプライアンスおよびアセンブリの構造について説明します。内容は次のとおりです。
アプライアンスは、1つのコンポーネントの1つのインスタンスを実行するためのすべてのソフトウェアを含んだ自己完結型仮想ディスク・イメージ・セットです。アプライアンスには、アプライアンス構成、アプライアンス・バイナリおよびオペレーティング・システムが含まれます(図4-1)。
アプライアンス構成は、アプライアンスのイントロスペクション時に取得され、イントロスペクション・プロパティ、システム・プロパティ、ユーザー・プロパティ、ファイル・セットと、カスタマイズされたスクリプトおよびプロパティ・ファイル(オプション)が含まれます。
アプライアンス・バイナリは、アプライアンスに含まれるソフトウェア・バイナリです。これらには、コンテナ・バイナリと製品バイナリの他、構成済カスタム・アプリケーション・バイナリがあります。
アプライアンスをグループ化して、その関係をソフトウェア・アセンブリと呼ばれるアーティファクトに定義できます。アセンブリは、完全な複数層アプリケーション・トポロジを記述するブループリントを提供します。
アセンブリには、アプライアンスの他に、アセンブリには含めることができないデータベース、サーバーまたはセキュリティ・プロバイダなどのインフラストラクチャを表す外部システムへの参照が含まれます。
この項では、Oracle VM 3.0デプロイメントのために導入された構造について説明します。
次に、用語の定義をアルファベット順で示します。
アンチアフィニティ: ターゲットの異なる物理ホストにわたって、特定のアプライアンスの複数のインスタンスを配置すること。複数の物理マシンにわたってインスタンスを均等に分散します。
NIC: ネットワーク・インタフェース。1つのNICが接続できるVnetは、1つのみです。
共有ファイル・セット: アセンブリ内の個々のアプライアンスで共有されるファイル・セット。
Vnet: 仮想ネットワーク。1つ以上のNICまたはvNICがVnetに接続します。
vNIC: 仮想ネットワーク・インタフェース。1つのvNICが接続できるVnetは、1つのみです。
ゼロカウント・アプライアンス: 初めにアプライアンス・インスタンスがゼロでデプロイされるアプライアンス。
新しいアセンブリを作成すると、そのアセンブリに対してVnetが1つ自動的に作成され、そのVnetに接続する1つ以上のネットワーク・インタフェースまたは仮想ネットワーク・インタフェースで構成できます。そのVnetはデフォルトの仮想ネットワークになります。Vnetは追加作成できます。また、作成したVnetを削除できます。アセンブリの編集時に、ネットワーク・インタフェースをVnetにバインドできます。
基礎となるインフラストラクチャ・プラットフォームでサポートされる場合、アセンブリ内の個々のアプライアンスで共有されるようにそのファイル・セットを指定できます。
初めにアプライアンス・インスタンスがゼロのアプライアンスをデプロイできます。しかし、後続のスケーリング操作では、アセンブリ構成の一部であるのに初めにインスタンス数がゼロで"デプロイされた"アプライアンスに、アプライアンス・インスタンスを追加できます。アセンブリ内の他のアプライアンスが参照しないアプライアンスのみ、インスタンス数をゼロにできます。つまり、他のアプライアンスはそのアプライアンスに依存しません。またはその入力に接続しません。
ターゲットの異なる物理ホストにわたって、特定のアプライアンスの複数のインスタンスを配置するための要件を指定できます。
アプライアンスのインスタンスを分散する物理マシンの最小数を指定できます。デプロイヤによって必ずインスタンスは均等に分散されます。たとえば、物理マシンの最小数を2と指定し、4つのインスタンスがある場合、物理マシンが3つ以上のインスタンスを持つことはありません。また、最小要件を満たすのに十分な物理マシンがない場合、アプライアンスの新しいインスタンスを要求するデプロイメント操作またはスケーリング操作は拒否されます。