ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle Enterprise Repository統合ガイド
11g リリース1(11.1.1.7)
B72433-01
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

12 SAPとの統合

この章では、SOAガバナンスの観点から、SAPとOracle Enterprise Repositoryを統合することによって、SAPアプリケーションおよびプラットフォームから使用できるサービスの可視性を向上させる方法について説明します。

この章では、次の項目について説明します。

12.1 概要

SOAガバナンスの主な目標は、異なる開発プラットフォームに組み込まれた、複数のパッケージ化されたカスタム・アプリケーションにある異なるサービス間の可視性と制御を提供することです。SAPでは、SAPのパッケージ・アプリケーションとNetWeaverミドルウェア・プラットフォームの両方を提供しています。主な目標は、SAPアプリケーションおよびプラットフォームから使用できるサービスの可視性を提供することです。これらのサービスは、新しいコンポジット・アプリケーションの開発の一部として使用または再利用されます。また、Oracle Service Busによって使用され、SAPビジネス・サービス用のプロキシ・サービスを生成します。

SAPエンタープライズ・サービス・レジストリがSAP UDDIクライアントにサービスをデプロイし、そこから、 Oracle Enterprise RepositoryのExchange Utilityがサービス・アセットに接続および受信します。図12-1に、SAPエンタープライズ・レジストリとOracle Enterprise Repositoryの統合を示します。

図12-1 SAPとOERの統合

この図については本文で説明しています。
「図12-1 SAPとOERの統合」の説明

新しいサービスがSAPで発行されるたびに、Oracle Enterprise Repositoryで作成された、対応するサービス・アセットと同期できます。SAPで実行中のサービス更新とOracle Enterprise Repositoryの対応するアセットを同期することもできます。Exchange Utilityを手動で実行すると、このような同期を行うことができます。その後、Oracle Enterprise Repositoryの他のアセットと同様に、SAPアセットを使用できるようになります。

12.2 前提条件

SAPをOracle Enterprise Repositoryで構成する前に、次の前提条件が満たされていることを確認します。

12.3 SAPとの統合の構成

この項では、SAPアプリケーションとNetWeaverプラットフォームからOracle Enterprise Repositoryの可視性をサービスに提供するための詳細なユースケースについて説明します。これにより、サービスをIDE、JDeveloper、EclipseおよびVS .Netを介して使用できるようになります。

この項の内容は次のとおりです。

12.3.1 SAPアセットとOracle Enterprise Repositoryアセット間の分類の調整

SAPアセットとOracle Enterprise Repositoryアセット間の分類を調整するには、次の手順を実行します。

  1. XUフォルダからUDDIMappings.xmlファイルを開きます。SAPレジストリに従って、Oracle Enterprise RepositoryのXUマッピング・ファイルを構成する必要があります。

  2. ファイルの下部までスクロールして、<tmodels>セクションを見つけ、次のようにtmodelkey属性値を変更します。

    <tmodels>
    <keyedReference tModelKey="uddi:bea.com:aleruuid" keyName="bea-com:aler:uuid" /> 
    <keyedReference tModelKey="uddi:example.com:internalname" keyName="oracle-com:oer:internalname" /> 
    <keyedReference tModelKey="uddi:example.com:version" keyName="oracle-com:oer:version" /> 
    </tmodels>
    
  3. UDDIMappings.xmlファイルを保存して閉じます。

12.3.2 SAPエンタープライズ・サービス・レジストリからOERへの選択したSAPサービス・アセットのエクスポート

SAPエンタープライズ・サービス・レジストリからOracle Enterprise Repositoryに選択したSAPサービス・アセットをエクスポートするには、次の手順を実行します。

  1. SAPのサービスでOracle Enterprise Repositoryのブートストラップを実行します。これにより、SAPサービスがOracle Enterprise Repositoryに初期ロードされます。

    1. Oracle Enterprise RepositoryとSAP UDDIの接続設定のためにorrxu.xmlを構成します。

    2. XUの受信問合せ<registryQuery>を次のように構成します。

      <services>
         <service name="%"/>
      </services>
      

    これにより、SAP UDDIからOracle Enterprise Repositoryに、使用可能なすべての有効なサービスが初期ロードされます。Oracle Enterprise Repositoryにサービス・アセットとその関連アーティファクト・アセットが作成されます。


    注意:

    現在、コマンド・プロンプトからのみ、Exchange Utilityを実行してこれを行うことができます。


12.3.3 SAPからの新しいサービスの受信

新しいサービスがSAP UDDIにデプロイされるたびに、Exchange Utilityツールを実行すると、Oracle Enterprise Repositoryでこれを受信できます。サービスの初期ロードがOracle Enterprise Repositoryに作成された後、定期的に、または新しいサービスがSAP UDDIに発行されるたびに、Exchange Utilityを実行できます。

SAPで作成されたサービス名がわかる場合、受信問合せ<registryQuery>を構成してサービスを受信するサービス名を指定できます。また、問合せをservice name=”%”として実行して新しいサービス・アセットをOracle Enterprise Repositoryで作成し、Oracle Enterprise Repositoryにある既存のサービスをSAPと再同期することもできます。

12.3.4 SAPからの実行中更新の構成

サービスがSAP UDDIで変更されるたびに、Oracle Enterprise Repositoryで作成された、対応するサービス・アセットと更新を同期する必要があります。コマンドラインからExchange Utilityを実行して、これを行うことができます。

<registryQuery>のワイルドカード文字問合せをservice name=”%”として使用し、Oracle Enterprise Repositoryの既存のサービスとSAPを再同期して、Oracle Enterprise Repositoryに新しいサービス・アセットを作成することによって、Exchange Utilityを定期的に実行できます。


注意:

現在、コマンド・プロンプトからのみ、Exchange Utilityを実行してこれを行うことができます。


12.3.5 エンドユーザーの使用可能なSAPサービスの可視性

SAPサービスがOracle Enterprise Repositoryに存在すると、IDEからSAPサービスを検索および使用でき、Oracle Enterprise Repositoryの他のアセットと同様に、Oracle Enterprise Repository WebコンソールからSAPアセットを使用できます。

図12-2に、SAPアセットがOracle Enterprise Repositoryに表示された場合のSAPアセットのイメージを示します。

図12-2 SAP Oracle Enterprise RepositoryにあるSAPアセット

この図については本文で説明しています。
「図12-2 SAP Oracle Enterprise RepositoryにあるSAPアセット」の説明

IDEからのサービスの検索および使用の詳細は、11.1項「Oracle JDeveloperの使用」を参照してください。