Oracle® Fusion Middleware Oracle Data Integratorインストレーション・ガイド 11g リリース1 (11.1.1.7.0) B62263-04 |
|
前 |
次 |
この章では、Oracle Data Integrator(ODI)のインストール・プロセスの概要を示します。これには、インストール可能なコンポーネント、インストール前およびインストール後のタスク、プロセス・フローの説明が含まれます。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Data Integratorには次のアプリケーションが含まれます。
Oracle Data Integratorリポジトリは、1つのマスター・リポジトリと1つ以上の作業リポジトリで構成されます。ユーザー・インタフェースを使用して開発または構成されたオブジェクトは、これらのリポジトリに格納されます。
Oracle Data Integrator Studioは、インフラストラクチャ(セキュリティとトポロジ)の管理、メタデータのリバースエンジニアリング、プロジェクトの開発、スケジュール管理、オペレーティング、実行のモニタリングに使用されます。
Oracle Data Integratorスタンドアロン・エージェント
スタンドアロン・エージェントは、統合フローを実行するOracle Data Integratorのランタイム・コンポーネントです。これはJava仮想マシンで動作し、フローを実行する必要のある場所にデプロイできます。
これらのコンポーネントはアプリケーション・サーバーにデプロイできます。これには次のものが含まれます。
ODI用Oracle Enterprise ManagerプラグインとOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control
Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlは、ODI用Oracle Enterprise Managerプラグインとともに使用することで、ODIリソース(エージェント、リポジトリ、ODIコンソール・インスタンス)を監視し、そのステータス、アクティビティおよび通知を参照できます。ODIインフラストラクチャを監視するには、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlとODI用Oracle Enterprise Managerプラグインの両方がデプロイされていることが必要です。
ODIには複数のランタイムWebサービスが用意されています。これには公開WebサービスとエージェントWebサービスが含まれます。
公開Webサービスは、エージェントが関与しないWebサービス・コール(コンテキストのリスト作成)に使用されます。公開Webサービスは、リポジトリに接続してコンテキストとシナリオのリストを取得します。このWebサービスはJava EEアプリケーション・サーバーにデプロイされます。
エージェントWebサービスは、シナリオの管理、計画のロード、セッションおよび他の機能を実行するための操作(またはインタフェース)を提供します。このWebサービスはJava EEエージェントまたはスタンドアロン・エージェントに組み込まれている点に注意してください。
このコンポーネントは、ランタイム、モニタリングおよびメタデータのブラウジング操作のWebインタフェースです。これにはFusion Middleware Controlに統合された拡張機能も含みます。この拡張機能を使用して、Oracle Data Integratorコンポーネントをドメインとして監視できます。
Java EEエージェント
Java EEエージェントは、Oracle Data Integratorのランタイム・コンポーネントのJava EEバージョンです。Java EEエージェントはスタンドアロン・エージェントと同じ機能を持ちますが、アプリケーション・サーバーによる利点があります。
Oracle Data Integratorインストーラには、次のインストール・オプションが用意されており、インストール中に任意の組合せで選択できます。
Developerインストール
このインストールには、ODI StudioとOracle Data Integratorソフトウェア開発キット(SDK)が含まれます。
このインストールには、スタンドアロン・エージェントや、セッションまたはシナリオをコマンドラインから管理するためのスクリプトは含まれないことに注意してください。スタンドアロン・エージェントが必要な場合は、「Developerインストール」に加えて、「スタンドアロン・インストール」も選択してください。
スタンドアロン・インストール
このインストールには、Oracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントが含まれます。
Java EEインストール
このインストールには、Java EEエージェント、Oracle Data IntegratorコンソールおよびパブリックWebサービスが含まれます。
各ODIインストール・タイプのインストールの詳細は、第2.4項「Oracle Data Integratorのインストール」を参照してください。
Oracle Data Integratorのインストールおよび構成のプロセスには次の高レベルなタスクが含まれます。
インストールに備えたシステム環境の準備
アプリケーション用のスキーマの作成
アプリケーション・サーバーとOracle Fusion Middlewareのインストール
Oracle Data Integratorのインストール
Oracle Data Integratorの構成
インストール後の構成の実行
構成の検証
図1-1にインストール・プロセスのこれらの手順を示します。
表1-1では、Oracle Data Integratorのインストールおよび構成の高レベルなタスクについて説明します。また、各タスクの詳細情報の入手先も示します。
表1-1 Oracle Data Integratorのインストール手順のタスク
タスク | 説明 | 参照 |
---|---|---|
インストール・プランニング要件を確認します。 |
インストールの前に、インストール先のシステム環境を整える必要があります。Oracle Fusion Middlewareの一般的なインストール要件に加えて、Oracle Data Integratorに固有の構成要件も確認します。 |
Oracle Data Integratorに固有の情報は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』を参照してください。 |
リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)またはODI Studioを使用して必要なスキーマを作成します。 |
Oracleリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用して、単一のデータベース・スキーマにマスター・リポジトリと作業リポジトリを作成してロードできます。 Oracle Data Integrator Studioを使用して、インストール後に手動でリポジトリを作成することもできます。 |
第2.2項「データベースのインストールとODIデータベース・スキーマの作成」 RCUは、Oracle、Microsoft SQL ServerおよびDB2テクノロジのみをサポートすることに注意してください。RCUはマスター・リポジトリと作業リポジトリの両方を含む単一スキーマをサポートするだけです。その他のテクノロジや構成をサポートするには、インストール・フェーズ後にOracle Data Integrator Studioを使用して手動でリポジトリを作成してください。 詳細は、付録E「Oracle Data Integrator Studioを使用したリポジトリの作成」を参照してください。 |
ODI Java EEコンポーネントをインストールする場合は、アプリケーション・サーバーをインストールし、Oracle Fusion Middlewareホームを作成します。 |
ODIを実行するためにOracle WebLogic ServerまたはIBM WebSphereアプリケーション・サーバーをインストールする必要はありません。アプリケーション・サーバーとMiddlewareホーム・ディレクトリは、Java EEコンポーネントを使用する場合の前提条件です。 |
Oracle WebLogic Serverのインストール手順は、第2.3項「アプリケーション・サーバーのインストールとミドルウェア・ホームの作成」を参照してください。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』を参照してください。 IBM WebSphereのインストール手順は、Oracle Fusion Middlewareサードパーティ・アプリケーション・サーバー・ガイドを参照してください。 |
Oracle Universal Installer (OUI)を実行してOracle Data Integrator 11gをインストールします。 |
Oracle Universal Installerにより、ODIのインストールおよび構成タスクの多くが自動化されます。 |
第2.4項「Oracle Data Integratorのインストール」 |
ODI Studio、リポジトリおよびスタンドアロン・エージェントのインストール後ステップを実行します。 |
ODIのインストール後に、リポジトリの作成、リポジトリへの接続またはドライバの追加を手動で行う必要がある場合があります。またインストール・タイプによっては、スタンドアロン・エージェントの構成も手動で行う必要があります。 |
第3.1項「ODI Studio、リポジトリおよびスタンドアロン・エージェントの手動構成手順」 |
Java EEコンポーネントをデプロイします(適用できる場合)。 |
Java EEコンポーネントをインストールしている場合、トポロジでJava EEエージェントを宣言する必要があります。また、WebLogicドメインの作成や、Java EEエージェントのテンプレートの生成およびデプロイが必要な場合もあります。 |
|
Java EEエージェント、Oracle Data IntegratorコンソールおよびEnterprise Managerのデプロイ後構成タスクを実行します(適用できる場合)。 |
Java EEエージェント、Oracle Data IntegratorコンソールおよびEnterprise Managerでは、デプロイ後に手動での構成タスクが必要です。 |
|
ODIのインストール・トポロジは、インストールおよび構成するコンポーネントによって異なります。ODIをインストールするには、Middlewareホーム・ディレクトリが必要です。
たとえば、スタンドアロン・エージェントのみをインストールする場合、アプリケーション・サーバーは必要ありませんが、手動でMiddlewareホーム(MW_HOME
)ディレクトリを作成する必要があります。ODIソフトウェアは、このMiddlewareホーム内にインストールされます。
Java EEコンポーネントをインストールする場合、最初にアプリケーション・サーバーをインストールする必要があります。WebLogic Serverを選択する場合、Middlewareホームは自動的に作成されます。WebSphereをアプリケーション・サーバーとして使用する場合も、ODIのインストール先になるMiddlewareホームを、別途作成する必要があります。
WebLogic Serverをインストールすると、WebLogic Serverホーム(WL_HOME
)ディレクトリとOracle Commonホーム(oracle_common
)ディレクトリも作成されます。Oracle Commonホームには、Fusion Middleware ControlとJava Required Files (JRF)に必要なバイナリ・ファイルとライブラリ・ファイルが格納されます。
Oracle Data Integratorをインストールすると、スイート用ODI Oracleホーム・ディレクトリ(ODI_HOME
)がMiddlewareホーム・ディレクトリの下に作成されます。ODI Oracleホーム・ディレクトリには、Oracle Data Integrator用のバイナリ・ファイルおよびライブラリ・ファイルが含まれます。
Java EEコンポーネントを構成し、Oracle WebLogic Serverドメインを作成すると、ドメイン・ホーム・ディレクトリ(DOMAIN_HOME
)が作成されます。このディレクトリは、システム上の任意の場所に配置できます。
図1-2は、Java EEコンポーネントがドメインで構成され、WebLogic Serverがアプリケーション・サーバーとして構成されている、一般的なODIインストール・トポロジを示します。このドメインには、2つの管理対象サーバーが存在することに注意してください。odi_server1
はODIのドメイン構成中に作成されるデフォルト管理対象サーバーであり、bam_server1
はOracle BAMのドメイン構成中に作成されるデフォルト管理対象サーバーです。これらは両方が同じドメインに存在することが多いので、この図では、ODIと同じドメインに他の製品を構成できることが示されています。
表1-2では、Oracle Data Integrator 11gインストールの重要なディレクトリとサブディレクトリの一部について説明します。表示されるインストール・フォルダは、インストールしたコンポーネントによって異なるので注意してください。
表1-2 ODI 11gインストール・ディレクトリの内容
ディレクトリ | 説明 |
---|---|
|
アップグレード・アシスタントが含まれます。 |
|
構成およびインストールのログ・ファイルが含まれます。 |
|
次の重要なディレクトリが含まれます。
|
|
Oracle Data Integratorコンポーネントによって共有されるコア・ライブラリの一部が含まれます。製品に付属するドライバはこのフォルダに格納されています。 |
|
次の重要なディレクトリが含まれます。
|
|
Oracle Data Integratorコンポーネントによって共有されるライブラリとファイルの一部が含まれます。 |
|
ODI公開APIが含まれます。このAPIのライブラリはランタイム・エージェントに必要です。 |
|
|
|
手動でインストールできるコンポーネントが含まれます。 |
表1-3に、ODI_HOME
/oracledi/agent/bin
ディレクトリに含まれるスクリプトとツールをリストします。スクリプトをコマンドラインから起動するには、起動するスクリプトの名前を入力します。オンライン・ヘルプを表示するには、コマンドラインからscript_name
-help
と入力します。
これらのスクリプトの拡張子は、.bat(Windowsオペレーティング・システムのスクリプト)および.sh(UNIXスクリプト)です。
表1-3 Oracle Data Integratorのスクリプトとツール
ファイル | 説明 |
---|---|
|
スタンドアロン・エージェントを起動します。 |
|
スタンドアロン・エージェント 例: |
|
スタンドアロン・エージェントを停止します。 |
|
パスワードをエンコードします。 |
|
エージェントの組込みWebサービスを介してセッションのステータスを取得します。 このスクリプトは、UNIXオペレーティング・システムでのみ使用できます。システムに |
|
この構成スクリプトには、他のスクリプトを開始するためのパラメータが含まれます。ファイル内のパラメータは手動で更新できます。 |
|
スタンドアロン・エージェントをOPMNに追加します。 |
|
スタンドアロン・エージェントをOPMNから削除します。 |
|
セッションを再開します。 |
|
Oracle Data Integratorコマンドを起動します。 |
|
シナリオの実行を開始します。 |
|
リモート・エージェント上のシナリオをそのWebサービスで開始します。 このスクリプトは、UNIXオペレーティング・システムでのみ使用できます。システムに |
|
ロード計画インスタンスを再開します。 |
|
ロード計画を開始します。 |
|
ロード計画インスタンスの実行を停止します。 |
|
セッションの実行を停止します。 |