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Oracle® Fusion Middleware Oracle SOA Suite、WebCenter PortalおよびADFアップグレード・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7.0)
B55926-06
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15 Oracle WebCenterアプリケーションのアップグレード時の考慮事項

この章では、Oracle WebCenter 10.1.3.xアプリケーションをOracle WebCenter Portal 11gにアップグレードする方法について説明します。

Oracle SOA、Oracle WebCenterおよびADFの各アプリケーションのアップグレード時に必要となる主なタスクは、第8章「Oracle SOA Suite、WebCenterおよびADFアプリケーションのアップグレードの概要」を参照してください。

Oracle WebCenterアプリケーションのアップグレードに固有のタスクについては、次の各項を参照してください。


注意:

この章では、該当する箇所で最近商標変更されたOracle WebCenter Portal製品名を使用しています。詳細は、第3.3.1項「Oracle WebCenterおよびOracle Enterprise Content Management Suiteの新規製品名」を参照してください。


15.1 WebCenterアプリケーションのアップグレードについて

この項では、主なアップグレード・タスクを示し、様々なWebCenterアプリケーション・テンプレートの概要について説明します。

15.1.1 WebCenterアプリケーションのアップグレードに関連するタスク

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションの機能、およびアプリケーションで使用するように構成されているWebCenterサービスに応じて、次のタスクを実行してアプリケーションをOracle WebCenter Portal 11gにアップグレードすることが必要となる場合があります。

  • Oracle JDeveloperを使用したWebCenterコンシューマ・アプリケーションのアップグレード

  • WebCenterポートレット・プロデューサ・アプリケーションおよびそのカスタマイズ内容のアップグレード(WebCenterアプリケーションにポートレットが含まれている場合)

  • WebCenterサービスに関連するデータの移行(指定されたサービスをWebCenterコンシューマ・アプリケーションで使用している場合)


注意:

この章では、WebCenterコンシューマ・アプリケーションとは、ユーザー・インタフェースを提供し、アプリケーションに必要なJSPページおよびコンポーネントが含まれているアプリケーションを表します。ポートレット・プロデューサ・アプリケーションとは、Oracle WebCenterサーバー側プロデューサ・コンポーネントと、WebCenterコンシューマ・アプリケーションで使用できるポートレットが含まれているアプリケーションを表します。


15.1.2 WebCenterアプリケーションのテンプレートについて

Oracle WebCenter 10.1.3.xアプリケーションとOracle WebCenter Portal 11gアプリケーションは、様々なアプリケーション・テンプレートに基づいています。WebCenterアプリケーションをアップグレードする前に、様々なテンプレートについて理解しておくことが重要です。

JDeveloper 10.1.3.xでは、WebCenterアプリケーションはWebCenterアプリケーション[ポートレット、コンテンツ・リポジトリ、JSF]アプリケーション・テンプレートを使用して作成されます。WebCenterコンシューマ・アプリケーションとポートレット・プロデューサ・アプリケーションのどちらもこの同じテンプレートに基づきます。

一方、Oracle WebCenter Portal 11gアプリケーションは、WebCenter Portal - Frameworkアプリケーション・テンプレート(コンシューマ・アプリケーションの場合)またはWebCenter Portal - ポートレット・プロデューサ・アプリケーション・テンプレート(ポートレット・プロデューサ・アプリケーションの場合)に基づいて作成されます。

JDeveloper 10.1.3.xの場合、「モデル」「ポートレット」「ViewController」という3つのプロジェクトでWebCenterアプリケーションが構成されます。JDeveloper 11gの場合、WebCenter Portal - Frameworkアプリケーション・テンプレートを使用して作成されたアプリケーションには、Portalプロジェクト(サイト・ナビゲーションおよびページ階層などの機能が含まれる)およびPortalWebAssetsプロジェクト(HTMLファイルおよびイメージ・ファイルなどの静的アプリケーション・リソースが含まれる)が含まれます。WebCenter Portal - ポートレット・プロデューサ・アプリケーション・テンプレートを使用して作成されたアプリケーションには、JSR 286(規格ベース)ポートレットおよびOracle PDK-Javaポートレットの作成を目的とした「ポートレット」というプロジェクトが1つだけ含まれています。

15.2 WebCenterアプリケーションのアップグレードの前提条件

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションをアップグレードする前に、次のタスクを実行します。

  1. アプリケーションがOracle Application Server 10g上で正常に稼働していることを確認します。

    詳細は、第8.2項「タスク2: アプリケーションがOracle Application Server 10g上で正常に稼働していることの確認」を参照してください。

  2. Oracle WebCenter 10.1.3.x環境がOracle WebCenter Portal 11g環境にアップグレードされていることを確認します。

    詳細は、第8.4項「タスク4: 10g環境から11g環境へのアップグレードが完了していることの確認」を参照してください。

  3. Oracle JDeveloper 11gをインストールします。

    詳細は、第8.5項「タスク5: Oracle JDeveloper 11gのインストールと起動」を参照してください。

  4. WebCenter Portal拡張バンドルをインストールします。

    WebCenterアプリケーションで作業するには、WebCenter Portal拡張機能(JDeveloperにすべてのWebCenter Portal機能を提供するJDeveloperアドイン)をインストールする必要があります。

    Oracle WebCenter Portal 11g拡張機能をインストールする手順は、次のとおりです。

    1. JDeveloper 11gを起動します。


      注意:

      アプリケーション設定をJDeveloper 10.1.3.xからアップグレードする場合は、JDeveloper 11gを初めて起動する前に、WebCenterアプリケーションを終了してJDeveloper 10.1.3.xのIDEから削除します。これにより、JDeveloperの起動時に、アプリケーションを移行するときおよびアプリケーションの移行を呼び出さないときを詳細に制御できます。

      アプリケーションをIDEから削除するには、アプリケーション・ナビゲータでアプリケーション名を右クリックし、ショートカット・メニューから「削除」を選択します。アプリケーションを削除すると、アプリケーションはIDEからのみ削除され、ローカル・ストレージ・システムからは削除されません。


    2. 「ロールの選択」ダイアログが表示される場合は、「デフォルトのロール」を選択して全テクノロジを有効にして、「OK」をクリックします。

    3. JDeveloper 11gを初めて起動した場合、以前のバージョンのJDeveloperからプリファレンスをインポートするかどうかを尋ねられます。

      「インポート・プリファレンスの確認」ダイアログで、「検索」アイコンをクリックしてプリファレンスのコピー元のJDeveloperバージョンを選択します。次に「はい」をクリックすると、ダイアログにリストされた以前のバージョンのJDeveloperから、OmniPortletやWebクリッピングなどの事前構成したポートレット・プロデューサのポートレットのカスタム・データが自動的に移行されます。「すべてのインストールを表示 >>」ボタンをクリックし、必要なバージョンを選択することで、JDeveloperの別のバージョンを選択することもできます。

      「いいえ」を選択した場合は、以前のバージョンのJDeveloperからポートレットのカスタマイズ内容が移行されないことに注意してください。この場合、カスタマイズ内容を手動で移行する必要があります。デフォルトの場所からカスタマイズ内容を手動で移行する方法の詳細は、第15.4.2.4.1項「デフォルトの開発場所からのカスタマイズ内容の移行」を参照してください。


      注意:

      Jdeveloperの移行ユーティリティにより、事前構成したポートレット・プロデューサのポートレットのカスタマイズ内容は、デフォルトの場所である10.1.3.x_jdev_install_dir/portal/portletdataからのみ移行されます。

      事前構成済ポートレット・プロデューサのカスタマイズ内容を格納するのにデフォルト以外の場所が使用されていた場合、そのカスタマイズ内容は手動で移行する必要があります。事前構成済ポートレット・プロデューサ以外のポートレット・プロデューサのカスタマイズ内容を移行するには、プリファレンス・ストア移行ユーティリティを使用する必要があります。

      詳細は、次のリソースを参照してください。


    4. 「ヘルプ」メニューから「更新の確認」を選択します。

    5. 「更新の確認」ウィザードの「ようこそ」ページで、「次へ」をクリックします。

    6. 「ソース」ページで、「更新センターの検索」を選択した後、「次へ」をクリックします。

    7. 「更新」ページで、WebCenter Portal拡張機能を検索して選択した後、「終了」をクリックします。


      注意:

      WebCenter Portal拡張機能の取得とインストールの詳細は、Oracle Technology Network (OTN)のWebCenter Portalページを参照してください。

      http://webcenter.oracle.com


    8. JDeveloper 11gを再起動するかどうかを尋ねるメッセージに対し、「はい」をクリックします。

    9. 「インポート・プリファレンスの確認」ダイアログで、以前のバージョンのJDeveloperからプリファレンスをインポートするかどうかを尋ねられた場合は、「はい」をクリックします。このプリファレンスには、ポートレットのカスタム・データが含まれています。

      これで、JDeveloperがWebCenter Portalのコンシューマ・アプリケーションおよびポートレット・プロデューサ・アプリケーションを作成するように構成されました。

15.3 WebCenterコンシューマ・アプリケーションのアップグレード

表15-1は、Oracle WebCenter Portal 11gへのWebCenter 10.1.3.xコンシューマ・アプリケーションのアップグレードに関連するタスクを示したものです。

表15-1 WebCenter 10.1.3.xコンシューマ・アプリケーションのアップグレードのタスク・フロー

タスク サブタスク タスクの実行状況

アプリケーションのアップグレード準備

アプリケーションのバックアップ


全状況


Oracle Content DBに依存しているアプリケーションの準備

WebCenter 10.1.3.2または10.1.3.3アプリケーションにOracle Content Database(Oracle Content DB)接続が含まれている場合


ポートレットが含まれているアプリケーションの準備


WebCenterアプリケーションにポートレットが含まれている場合

アプリケーションのアップグレード

WebCenterアプリケーションのアップグレード


全状況

アプリケーションのアップグレード後タスクの実行

カスタマイズ可能なコンポーネントのアプリケーション設定の構成


WebCenterアプリケーションにカスタマイズ可能なコンポーネントが含まれている場合


Oracle Portal接続のアップグレード


WebCenterアプリケーションにOracle Portal接続が含まれている場合


ADFセキュリティの構成


WebCenterアプリケーションにセキュリティが適用されている場合


事前構成済ポートレット・プロデューサのプロデューサ登録のアップグレード


事前構成済ポートレット・プロデューサがデフォルト・ポート(6688)にデプロイされていない場合


アプリケーションの再デプロイ


全状況


この項には次のサブセクションがあります。

15.3.1 アプリケーションのアップグレード準備

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションをJDeveloper 11gで開くと、アプリケーションはOracle WebCenter Portal 11gに自動的にアップグレードされます。ただし、アップグレードする前にアプリケーションをバックアップする必要があります。さらに、アプリケーションにポートレットが含まれているか、またはOracle Content DBに依存しているかに応じて、アップグレード前に特定のタスクを実行する必要がある場合があります。

この項では、次のタスクについて説明します。


注意:

アプリケーションのアップグレード時は、JDeveloper 10.1.3.xインストールを保持してください。アプリケーションの移行準備をするには、JDeveloper 10.1.3.xで特定のタスクの実行が必要な場合があります。


15.3.1.1 アプリケーションのバックアップ

アプリケーションのバックアップは重要です。Oracle WebCenter Portal 11gにアップグレードしたWebCenter 10.1.3.xアプリケーションは、以前のリリースのJDeveloper 11gでは開くことができなくなります。また、アップグレード中にアプリケーションに行った変更は、元に戻すことはできません。ソース・コントロール・システムを使用している場合は、個別のバックアップは不要な場合があります。

15.3.1.2 Oracle Content DBに依存しているアプリケーションの準備


注意:

アプリケーションにOracle Content DB接続が含まれていない場合は、この項は省略してください。


Oracle Content DBに依存しているWebCenter 10gアプリケーションの場合に必要な作業は次のとおりです。

  • Oracle Content Serverがインストールされていることを確認してください。Oracle WebCenter Portal 11gでは、Oracle Content DBをコンテンツ・リポジトリとしてサポートしていません。WebCenter 10gアプリケーションがコンテンツ統合に関してOracle Content DBに依存している場合は、そのようなアプリケーションのコンテンツ・リポジトリとしてOracle Content Server 10.1.3.5.1またはOracle WebCenter Content Server 11gを使用する必要があります。Oracle Content Serverのインストールまたはアップグレードの詳細は、第7.6.2項「Oracle Content Serverのアップグレード」を参照してください。

  • 第15.5.2項「Oracle Content DBデータの移行」の説明に従って、Content DBからOracle Content Serverにアプリケーション・データを移行します。

  • この項で説明されている手順に従って、アプリケーションをアップグレードします。

WebCenter 10.1.3.2または10.1.3.3のアプリケーションはOracle Content DBに依存しており、Oracle WebCenter Portal 11gに直接アップグレードできません。これらのアプリケーションは、Oracle WebCenter 10.1.3.4にアップグレードして、コンテンツ・リポジトリ・データ・コントロールの接続タイプとしてOracle Content Serverを追加できるようにする必要があります。

WebCenter 10.1.3.2または10.1.3.3アプリケーションをOracle WebCenter 10.1.3.4にアップグレードする手順は、次のとおりです。

  1. アプリケーションをJDeveloper 10.1.3.4で開き、アップグレード・ウィザードの指示に従います。

  2. アップグレードしたアプリケーションの既存のコンテンツ・リポジトリ・データ・コントロールを、Oracle Content Serverを指すように編集します。このためには、接続タイプをOracle Content Serverに変更し、カスタム属性定義を再定義する必要があります。アップグレードしたWebCenter 10.1.3.4アプリケーションでは、カスタム属性に対し、WebCenter 10.1.3.2または10.1.3.3アプリケーションで使用していたものと同じ名前および値を使用する必要があります。

    コンテンツ・リポジトリ接続の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalのための開発者ガイドの、コンテンツ・リポジトリ・データ・コントロールの編集に関する項およびOracle Content Serverアダプタに基づくコンテンツ・リポジトリ接続の作成方法に関する項を参照してください。

これらのタスクの実行後に、第15.3.2項「WebCenterアプリケーションのアップグレード」の説明に従って、WebCenter 10.1.3.4 アプリケーションをOracle WebCenter Portal 11gにアップグレードできます。

15.3.1.3 ポートレットが含まれているアプリケーションの準備


注意:

WebCenter 10gアプリケーションにポートレットが含まれていない場合は、この項は省略してください。


JDeveloper 11gでは、WebCenterアプリケーションに「ポートレット」プロジェクトは含まれていません。ただし、WebCenter 10.1.3.xアプリケーションにポートレットが含まれている場合、アップグレードした後もアプリケーションには「ポートレット」プロジェクトが含まれています。このため、WebCenterアプリケーションをアップグレードする前に、「ポートレット」プロジェクトをアプリケーションから手動で削除する必要があります。


注意:

ポートレット・プロデューサをアップグレードするには、Oracle WebCenter Portal 11gでポートレット・プロデューサ・アプリケーションを作成する必要があります。第15.4.2.2項「JDeveloperで作成されたポートレット・プロデューサのアップグレード」に説明されているように、ポートレット・プロデューサをアップグレードするときには10.1.3.xアプリケーションの「ポートレット」プロジェクトのコピーが必要になります。


「ポートレット」プロジェクトをWebCenter 10.1.3.xアプリケーションから削除する手順は、次のとおりです。

  1. JDeveloper 10.1.3.xを起動します。


    注意:

    「ポートレット」プロジェクトを削除するには、JDeveloper 11gではなくJDeveloper 10.1.3.xを使用する必要があります。


  2. アップグレードする10.1.3.xアプリケーションを開きます。

  3. アプリケーション・ナビゲータで、「ポートレット」プロジェクトを選択します。

  4. 「ファイル」メニューから「ディスクから削除」を選択します。

  5. 「はい」をクリックし、アプリケーションからプロジェクトを削除します。

  6. アプリケーションを保存します。

15.3.2 WebCenterアプリケーションのアップグレード


注意:

10.1.3.x WebCenterアプリケーションに許可のない権限が含まれる場合、権限は適切に移行されません。アプリケーションをアップグレードする前に、10.1.3ワークスペース内のapp-jazn-data.xmlファイルを調べて、空の権限セットを持つ権限付与を削除する必要があります。


WebCenter 10.1.3.xアプリケーションの準備が終わった後、そのアプリケーションをOracle WebCenter Portal 11gにアップグレードできます。

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションをOracle WebCenter Portal 11gにアップグレードする手順は、次のとおりです。

  1. JDeveloper 11gを起動します。

  2. WebCenter 10.1.3.xアプリケーションを開きます。

    これによりアップグレード・ウィザードが呼び出されます。このウィザードは、WebCenter 10.1.3.xアプリケーションをJDeveloper 11gで開くたびに表示されます。

  3. 「ようこそ」ページで、「次へ」をクリックします。

  4. 「確認」ページでは、図15-1のように、デフォルトでは「はい」オプションが選択されています。「次へ」をクリックし、アプリケーションとそのプロジェクトのアップグレードを確定します。

    「いいえ」を選択すると、移行プロセスは中断され、アプリケーションはJDeveloperで開かれません。

    図15-1 移行ウィザードの「確認」ページ

    図15-1の説明が続きます
    「図15-1 移行ウィザードの「確認」ページ」の説明

  5. 「Webapp 2.5移行」ページで、図15-2のように、JavaServer Pages Standard Tag Library(JSTL)バージョン1.0または1.1を使用して作成されたプロジェクトを移行するかどうかを指定します。デフォルトの設定を受け入れるには、「次へ」をクリックします。

    図15-2 移行ウィザードの「Webapp 2.5移行」ページ

    図15-2の説明が続きます
    「図15-2 移行ウィザードの「Webapp 2.5移行」ページ」の説明

  6. 「コンポーネントID」ページで、コンポーネントIDを移行してランダム化するかどうかを指定します。「次へ」をクリックし、デフォルトの設定を受け入れます。(図15-3)

    図15-3 移行ウィザードの「コンポーネントID」ページ

    図15-3の説明が続きます
    「図15-3 移行ウィザードの「コンポーネントID」ページ」の説明

  7. トリニダード移行ページで、「次へ」をクリックします。(図15-4)

    図15-4 移行ウィザードのトリニダード移行ページ

    図15-4の説明が続きます
    「図15-4 移行ウィザードのトリニダード移行ページ」の説明

  8. 「終了」をクリックし、WebCenterアプリケーションのアップグレードを開始します。(図15-5)

    アプリケーションのサイズによっては、アップグレード・プロセスに時間がかかる場合があります。アップグレード・プロセスの実行中は進行状況を示すダイアログが表示されます。アプリケーションのアップグレードが終了すると、図15-6のように、アップグレードされたプロジェクトのリストが「移行ステータス」ダイアログに表示されます。

    図15-5 移行ウィザードの「終了」ページ

    図15-5の説明が続きます
    「図15-5 移行ウィザードの「終了」ページ」の説明

  9. 「OK」をクリックします。

    図15-6 移行ステータス

    図15-6の説明が続きます
    「図15-6 移行ステータス」の説明

    アップグレードしたアプリケーションが開き、そのプロジェクトがアプリケーション・ナビゲータに表示されます。図15-6および図15-7で、移行されたプロジェクトのリストに「ポートレット」プロジェクトが含まれていない点に注目してください。

    アプリケーションのアップグレード中にエラーが発生した場合は、エラーが「メッセージ - ログ」ウィンドウに表示されます。

図15-7 JDeveloper 11gにアップグレードされたプロジェクト

図15-7の説明が続きます
「図15-7 JDeveloper 11gにアップグレードされたプロジェクト」の説明


注意:

デフォルトでは、WebCenter 10.1.3.xアプリケーションはsuedeスキンを使用するように構成されるのに対し、WebCenter Portal 11gアプリケーションはfusionスキンを使用するように構成されます。WebCenter 10.1.3.xアプリケーションをアップグレードする際、suedeスキンの設定はアップグレード後のアプリケーションでも維持され、10.1.3.xアプリケーションに似たルック・アンド・フィールが提供されます。アップグレード後のアプリケーションでADFリッチ・スキンfusionを使用する場合は、trinidad-config.xmlファイルのスキン設定を更新します。


15.3.3 アプリケーションのアップグレード後タスクの実行

アプリケーションのアップグレード中は、JDeveloper 11gのアップグレード・ユーティリティによってアプリケーションに様々な変更が加えられ、Oracle WebCenter Portal 11g用に構成されます。これらの変更には、次に関連するものが含まれます。

  • カスタマイズ可能コンポーネント

  • 外部アプリケーション

  • ポートレット・コンポーネントの変更

これらの変更の詳細は、第16章「その他のOracle WebCenterアップグレードの詳細」を参照してください。

WebCenterコンシューマ・アプリケーションのアップグレード後は、様々なアップグレード後タスクの実行が必要な場合があります。これには次のタスクが含まれます。

15.3.3.1 カスタマイズ可能なコンポーネントのアプリケーション設定の構成

アップグレード後のWebCenterアプリケーションにカスタマイズ可能なコンポーネント(ShowDetailFrame、PanelCustomizableなど)が含まれている場合、カスタマイズ可能なコンポーネントに関連するカスタマイズ内容またはパーソナライズが引き続き機能するように、web.xmlを更新する必要があります。そのためには、ComposerChangeManagerMDSDocumentChangeManagerに置換する必要があります。

web.xmlで、次のコンテキスト・パラメータ・エントリを置換します。

<context-param>
  <param-name>org.apache.myfaces.trinidad.CHANGE_PERSISTENCE</param-name>
  <param-value>oracle.adf.view.page.editor.change.ComposerChangeManager
  </param-value>
</context-param>

置換後のエントリ:

<context-param>
  <param-name>org.apache.myfaces.trinidad.CHANGE_PERSISTENCE</param-name>
  <param-value>oracle.adf.view.rich.change.MDSDocumentChangeManager</param-value>
</context-param>

15.3.3.2アプリケーションのMDSからプロジェクト・ディレクトリへのリソース・カタログの移動

Oracle WebCenter Portal 11gにおいて、WebCenterアプリケーションではリソース・カタログのビジュアル・エディタをサポートします。アップグレードしたアプリケーションでこのビジュアル・エディタを使用する場合、リソース・カタログをアップグレード済アプリケーションのMDSディレクトリからプロジェクト・ディレクトリの1つに手動で移動する必要があります。

アップグレードしたアプリケーションのMDSからプロジェクト・ディレクトリにリソース・カタログを移動する方法は次のとおりです。

  1. ファイル・システムで、アップグレードしたアプリケーションのリソース・カタログ定義に移動します。リソース・カタログのデフォルトの場所はapp-root/mds/oracle/adf/rc/metadataです。

  2. ファイル・システムで、カタログ定義をアプリケーションの必須プロジェクトの下にあるJavaパッケージに移動します。

    カタログの相対パスを変更しないことをお薦めします。たとえば、次のように移動します。

    app_root/mds/oracle/adf/rc/metadata/default-catalog.xml 
    

    移動先

    app_root/project/src/oracle/adf/rc/metadata/default-catalog.xml
    
  3. 場所app-root/.adf/META-INFからadf-config.xmlを開きます。

  4. 太字で強調表示されているエントリを削除します。

    <metadata-namespaces>
              ....
              <namespace path="/oracle/adf/rc/metadata"
                         metadata-store-usage="WebCenterFileMetadataStore"/>
              ....
            </metadata-namespaces>
    

    注意:

    MDSからプロジェクト・ディレクトリにリソース・カタログを移動した場合でも、リソース・カタログはMDSを通じてロードされます。カタログでMDSを検索できるようにするには、選択したJavaパッケージがadf-config.xml内のMDSネームスペースに対応していてはなりません。MDSネームスペース・マッピングは、adf-config.xml<metadata-namespaces>に格納されています。


  5. 異なるMDSネームスペースにカタログが格納されていた場合、WebCenter 10gアプリケーションで、新しい場所がどのMDSネームスペース・マッピングとも対応しないように、古いネームスペースのマッピングの削除またはカタログの新しい場所の調整、あるいはその両方を行います。

  6. デフォルト・カタログの相対位置を変更している場合は、adf-config.xmlの次のエントリを更新(または追加)します。

      <rcv-config xmlns="http://xmlns.oracle.com/adf/rcs/viewer/adf-config">
        <default-catalog catalog-name="path_to_your_catalog_default-catalog.xml"/>
      </rcv-config>
    <adf-rcs-config xmlns="http://xmlns.oracle.com/adf/rcs/adf-config">
    <rcs-config>
    <catalog-config
    default-scope="path_prefix"/>
    </rcs-config>
    </adf-rcs-config>
    

    すべてのカタログIDに接頭辞path_prefixを付けてMDS参照を作成する必要があります。path_prefixの値は"/"の可能性があり、その場合はすべてのカタログ・パスが完全修飾MDS参照(ResourceCatalogSelectorによって返されたものを含む)である必要があります。

  7. CatalogSelectorクラスがある場合、新しいカタログ場所を反映するように実装を更新します。CatalogSelectorクラスがある場合、<rcv-config>要素に次のエントリが含まれます。

      <catalog-selector class-name="name_of_your_CatalogSelectorClass"/>
    
  8. adf-config.xmlを保存します。

15.3.3.3 Oracle Portal接続のアップグレード

Oracle Portalアダプタに基づくコンテンツ・リポジトリについては、データ・ソースをデータベース接続にアップグレードする必要があります。最初にJDeveloper 11gを起動したときに、以前のバージョンのJDeveloperから設定をアップグレードするかどうかを尋ねるメッセージが表示されます。

  • 「はい」を選択すると、データベース接続が自動的にアップグレードされ、JDeveloper 11gのIDE接続から接続を使用できるようになります。

  • 「いいえ」を選択した場合、データベース接続はアップグレードされません。

設定のアップグレードに関するJDeveloperのメッセージに対して「はい」を選択した場合、WebCenterアプリケーションのアップグレード時に、アップグレードされたデータベース接続がアップグレード・ユーティリティによって使用されます。以前のバージョンのJDeveloperから設定をアップグレードしなかった場合、アップグレード・ユーティリティはアプリケーションのdata-sources.xmlファイル内の情報を使用してデータベース接続の作成を試みます。この場合、データベース接続のパスワードは使用できません。そのため、アプリケーションのアップグレード後に、データベース接続の編集ウィザードを使用してデータベース接続のパスワードを指定する必要があります。

まれに、Oracle Portalアダプタで使用されているデータベース接続が自動的にアップグレードまたは作成されないことがあります。この場合は、アプリケーションのアップグレード後に、データベース接続の作成ウィザードを使用して新しいデータベース接続を作成する必要があります。このウィザードはコンテンツ・リポジトリ接続の編集ウィザードからアクセスできます。データベース接続の作成方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalのための開発者ガイドのOracle Portalアダプタに基づくコンテンツ・リポジトリ接続の作成方法に関する項を参照してください。

15.3.3.4 ADFセキュリティの構成

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションにADFセキュリティが適用されている場合は、アプリケーションのアップグレード後にセキュリティを再構成する必要があります。

ADFセキュリティが適用されているWebCenterアプリケーションをアップグレードすると、ADFセキュリティ・ポリシーがアップグレードされます。approot/.adf/META-INF/app-jazn-data.xmlに定義されているポリシーは、approot/src/META-INF/jazn-data.xmlにアップグレードされます。ただし、ポリシーに定義されているユーザーおよびエンタープライズ・ロールはアップグレードされません。

図15-8は、アップグレード後のWebCenterアプリケーションのjazn-data.xmlのプロパティを示したものです。

図15-8 アップグレード後のWebCenterアプリケーションのセキュリティの設定

図15-8の説明が続きます
「図15-8 アップグレード後のWebCenterアプリケーションのセキュリティの設定」の説明

アップグレード後のWebCenterアプリケーションのADFセキュリティを再構成する手順は、次のとおりです。

  • まだ存在していない場合、jazn-dataエディタで新しいレルムを作成します。次に、WebCenter 10.1.3.xアプリケーションのセキュリティ・ポリシーに存在していた必要なユーザーおよびエンタープライズ・ロールを再作成します。必要に応じて、新しく作成されたユーザーをエンタープライズ・ロールに割り当てます。レルムの名前はjazn.comにすることをお薦めします。

    ユーザーおよび役割の作成は、JDeveloperの統合WebLogic Server (WLS)でアプリケーションをテストする場合にのみ必要です。通常、必要なユーザーおよびアプリケーション・ポリシーで使用されるエンタープライズ・ロールは、アプリケーションがデプロイされる本番設定に存在しています。


    注意:

    valid-usersロールは、すべての認証済ユーザーを指定し、通常はweblogic.xml内のusersロールにマップされますが、アップグレード後のアプリケーションのweb.xmlには作成されないため、すべての認証済ユーザーにアクセスを制限します。すべての認証済ユーザーがアップグレード後のアプリケーションにアクセスできるようにするには、web.xml内にvalid-usersロールを手動で作成し、weblogic.xml内のusersロールにマップする必要があります。


  • オプションで、アプリケーション・ロールを使用するようにアプリケーション認可データを再構成できます。アプリケーション・ロールは、Oracle WebCenter Portal 11gアプリケーションでサポートされています。エンタープライズ・ロールではなくアプリケーション・ロールを使用するようにADFセキュリティを再構成できます。

ADFセキュリティの構成方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』を参照してください。

ADFセキュリティが適用されているWebCenterアプリケーションのアップグレード時の考慮事項: 10.1.3.xアプリケーションに権限のない権限付与が含まれている場合、権限付与は正しく移行されません。アプリケーションをアップグレードする前に、10.1.3ワークスペース内のapp-jazn-data.xmlファイルを調べて、空の権限セットを持つ権限付与を削除する必要があります。

Oracle WebCenter 10.1.3.xでは、ADFフレームワークは、ページ呼出しのチェック以外に、行セット、属性およびメソッド呼出しのチェックを実行していました。10.1.3 WebCenterアプリケーションが行セットおよび属性に対して読取り権限を付与し、すべてのユーザーのメソッドに対して起動権限を付与すると、アプリケーションは追加設定を行わなくてもOracle WebCenter Portal 11gで予想どおりに機能します。

ただし、10.1.3.x WebCenterアプリケーションが、特定のユーザーにのみ行セット、属性または起動メソッドの表示を許可するように設計されていた場合は、このセキュリティのスタイルをサポートするために、特別なフラグを設定する必要があります。このフラグが設定されていない場合は、ページ・アクセス権を持つすべてのユーザーが属性、行セットおよび起動メソッドを表示できます。これは、Oracle WebCenter Portal 11gでは、権限チェックはページおよびタスク・フローでのみ行われるためです。次の例に示すように、adf-config.xmlファイル内のアプリケーションごとにフラグを設定する必要があります。

<sec:adf-security-child xmlns="http://xmlns.oracle.com/adf/security/config">
 <JaasSecurityContext
  initialContextFactoryClass="oracle.adf.share.security.JAASInitialContextFactory"
  jaasProviderClass="oracle.adf.share.security.providers.jps.JpsSecurityContext"
  authorizationEnforce="true"/>
 <contextEnv name="oracle.adf.security.metadata" value="false"/>
 <CredentialStoreContext
  credentialStoreClass=
  "oracle.adf.share.security.providers.jps.CSFCredentialStore"
  credentialStoreLocation="../../src/META-INF/jps-config.xml"/>
</sec:adf-security-child> 

adf-config.xmlファイル内に重複するJaasSecurityContext要素およびCredentialStoreContext要素がないことも確認する必要があります。

15.3.3.5 事前構成済ポートレット・プロデューサのプロデューサ登録のアップグレード

アプリケーションのアップグレード中に、すべての事前構成済ポートレット・プロデューサのポート番号(Webクリッピング、OmniPortletなど)が更新されます。Oracle Application Server 10.1.3.x環境にある事前構成済ポートレット・プロデューサの登録で、ポート6688を使用しているプロデューサ登録はすべて、ポート7101に移行されます。Oracle Application Server 10.1.3.x環境でデフォルトのポート番号を使用していなかった場合は、これらのポート番号を手動で適切なポート番号に変更する必要があります。

事前構成済ポートレット・プロデューサ以外のポートレット・プロデューサ登録に対しては、WebCenterアプリケーションのアップグレード時にポート番号の変更は行われません。

15.3.3.6 アプリケーションの再デプロイ

アプリケーションをWebCenter Portal 11gにアップグレードした後は、アプリケーションを再コンパイルする必要があります。アプリケーションの再デプロイを準備するには、WebLogic管理対象サーバー・インスタンスを作成し、必要な一連の共有ライブラリをプロビジョニングします。また、WebLogicドメインの管理サーバー・インスタンス上にアプリケーションのメタデータ・サービス(MDS)リポジトリを作成して登録します。その後、アプリケーションを再デプロイし、正しくデプロイされたことを確認する必要があります。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalのための管理者ガイドのWebCenter Portal: Frameworkアプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。

15.4 ポートレット・プロデューサのアップグレード

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションでポートレットが使用されている場合は、WebCenterコンシューマ・プリケーションのアップグレードに加えて、ポートレット・プロデューサもOracle WebCenter Portal 11gにアップグレードすることが必要な場合があります。

表15-2は、WebCenter 10.1.3.xアプリケーションで使用しているポートレット・プロデューサのアップグレードに関連するタスクを示したものです。

表15-2 ポートレット・プロデューサのアップグレードのタスク・フロー

タスク サブタスク タスクの実行状況

アプリケーションの準備

WebCenterコンシューマ・アプリケーションとポートレット・プロデューサの互換性の判断


全状況

ポートレット・プロデューサ・アプリケーションのアップグレード

JDeveloperで作成されたポートレット・プロデューサのアップグレード


WebCenterアプリケーションにJDeveloper 10.1.3.xで開発されたポートレット・プロデューサによるポートレットが含まれている場合


JDeveloper以外で作成されたポートレット・プロデューサのアップグレード


WebCenterアプリケーションにJDeveloper以外で開発されたポートレット・プロデューサによるポートレットが含まれている場合


事前構成済ポートレット・プロデューサのアップグレード


WebCenterアプリケーションに事前構成済ポートレット・プロデューサによるポートレットが含まれている場合

アップグレード後タスクの実行

カスタマイズ内容の移行


WebCenterアプリケーションに事前構成済ポートレット・プロデューサによるポートレット以外のポートレットが含まれている場合


ポートレット・プロデューサ・アプリケーションの再デプロイ


全状況


15.4.1 WebCenterコンシューマ・アプリケーションとポートレット・プロデューサの互換性の判断

Oracle Application Server 10.1.3.xにデプロイされているWebCenterコンシューマ・アプリケーションまたはポートレット・プロデューサ・アプリケーションのほとんどは、Oracle Fusion Middleware 11gにアップグレードされたアプリケーションと互換性があります。たとえば、Oracle Fusion Middleware 11gのOracle WebLogic ServerにアップグレードおよびデプロイされたWebCenterコンシューマ・アプリケーションが、Oracle Application Server 10.1.3.xで実行されているPDK-Javaプロデューサ・アプリケーションからのポートレットを引き続き使用することも可能です。

Oracle Fusion Middleware 11gは、WebCenterコンシューマ・アプリケーションとポートレット・プロデューサ・アプリケーションの下位互換性をサポートしています。互換性のサポート状況に応じて、WebCenterコンシューマ・アプリケーションのみをアップグレードするのか、ポートレット・プロデューサ・アプリケーションのみをアップグレードするのか、それとも両方をアップグレードするのかを決定できます。表15-3は、WebCenterコンシューマ・アプリケーションとポートレット・プロデューサ・アプリケーションの様々なバージョン間の互換性を示したものです。

表15-3を見ると、WebCenter 10.1.3.xコンシューマ・アプリケーションとPDK-JavaまたはWSRP 1.0のWebCenter Portal 11gポートレット・プロデューサ・アプリケーションの組合せは互換性があることがわかります。このように下位互換性がサポートされている場合は、WebCenter 10.1.3.xコンシューマ・アプリケーションをWebCenter Portal 11gにアップグレードしないことも選択できます。この表を見ると、WebCenter Portal 11gコンシューマ・アプリケーションとPDK-JavaまたはWSRP 1.0のWebCenter 10.1.3.xポートレット・プロデューサ・アプリケーションの組合せも互換性があるということがわかります。この場合は、10.1.3.xポートレット・プロデューサ・アプリケーションをアップグレードしないことも選択できます。

ただし、WebCenter 10.1.3.xコンシューマ・アプリケーションはWSRP 2.0のWebCenter Portal 11gポートレット・プロデューサ・アプリケーションとは互換性がありません。同様に、WebCenter Portal 11gコンシューマ・アプリケーションはWSRP 2.0のWebCenter 10.1.3.xポートレット・プロデューサ・アプリケーションとは互換性がありません。このような場合は、アプリケーションの連携動作が可能になるように、すべての10.1.3.x WSRP 2.0アプリケーションをOracle Fusion Middleware 11gにアップグレードする必要があります。

表15-3 WebCenterコンシューマ・アプリケーションとポートレット・プロデューサ・アプリケーションの様々なバージョン間の互換性

WebCenterコンシューマ・アプリケーションのバージョン脚注1   ポートレット・プロデューサ・アプリケーションのバージョン このアプリケーションの組合せがOracle Fusion Middleware 11gでサポートされるかどうか

10.1.3.x

PDK-Java 11g

はい

10.1.3.x

Oracle WebLogic Server 11gにデプロイされたWSRP 1.0

はい

10.1.3.x

Oracle WebLogic Server 11gにデプロイされたWSRP 2.0

いいえ

11g

PDK-Java 10.1.3.x

はい

11g

Oracle Application Server 10.1.3.xにデプロイされたWSRP 1.0

はい

11g

Oracle Application Server 10.1.3.xにデプロイされたWSRP 2.0

いいえ


脚注1 この列の11gとは、Oracle WebCenter 11.1.1.7.0にアップグレードされた、またはもともとOracle WebCenter Portal 11.1.1.6.0で作成されたWebCenterコンシューマ・アプリケーションを表します。

15.4.2 ポートレット・プロデューサ・アプリケーションのアップグレード

ポートレット・プロデューサ・アプリケーションをアップグレードするには、WebCenter 10.1.3.xアプリケーションで使用しているポートレット・プロデューサのタイプに応じて、様々なタスクの実行が必要な場合があります。この項ではそのようなタスクについて説明します。次のサブセクションがあります。

15.4.2.1 JSR168ポートレット・プロデューサからJSR286へのアップグレードについて

Oracle WebCenter 10gはJavaポートレット仕様、JSR 168に基づくJavaポートレットをサポートし、Oracle WebCenter Portal 11gはJavaポートレット仕様バージョン2またはJSR 286に基づくJavaポートレットをサポートします。JSR 286はJSR 168の拡張機能で、JSR 168と下位互換性があります。

Oracle WebCenter 10gでは、Oracle JSF Portlet BridgeはJSR 301がベースでこの規格に準拠していますが、Oracle WebCenter Portal 11gでは、Oracle JSF Portlet BridgeはJSR 329に準拠しています。

JDeveloper 11gでは、JSR 168ポートレットを含む既存のポートレット・プロデューサ・アプリケーションを最初に開くと、ポートレットは自動的にJSR 286準拠にアップグレードされます。このアプリケーションがポートレット・ブリッジ・アプリケーションの場合、それに加えてJSR 329準拠にアップグレードされます。

ほとんどの場合、アップグレードされたポートレットはアップグレード前とまったく同様に動作を続けます。しかし、JSR 286にアップグレードされたときのJSR 168ポートレットの機能が異なり、JSR286の下で実行するためにこれらのポートレットでJSR 168互換モードを起動することが必要な場合がいくつかあります。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Portlet Oracle WebLogic Portal開発ガイドのJSR-286/JSR-168ポートレット互換性に関する項を参照してください。

Oracle WebCenter 10gにおいて、ポートレット・プロデューサ・アプリケーションにはportlet.xmlおよびoracle-portlet.xmlというファイルが含まれています。ポートレット・プロデューサ・アプリケーションをアップグレードすると、oracle.portlet.xmlファイルは削除され、その内容はportlet.xmlに移されます。oracle.portlet.xmlに格納されていたナビゲーション・パラメータはパブリック・レンダー・パラメータに変換されてportlet.xmlに追加されます。JSR 168パラメータがアップグレード後のJSR 286準拠ポートレット・プロデューサ・アプリケーションでどのように処理されるかの詳細は、第16.4項「JSR 168ポートレット・プロデューサのJSR 286への移行: ポートレット要素の処理」を参照してください。

15.4.2.2 JDeveloperで作成されたポートレット・プロデューサのアップグレード

WebCenter 10.1.3.xアプリケーションにポートレットが含まれており、そのアプリケーションがJDeveloperを使用して作成された場合は、ポートレット・プロデューサ・アプリケーションをOracle WebCenter Portal 11gで作成してポートレット・プロデューサをアップグレードする必要があります。また、新しく作成されたポートレット・プロデューサ・アプリケーションにWebCenter 10.1.3.xアプリケーションの「ポートレット」プロジェクトを手動で追加する必要もあります。


注意:

WebCenter 10gアプリケーションにポートレット・プロデューサが含まれていない場合、「ポートレット」プロジェクトは空ということになります。


JDeveloper 10.1.3.xで作成したポートレット・プロデューサ・アプリケーションをアップグレードする手順は、次のとおりです。


注意:

この手順を完了するには、WebCenter 10.1.3.xアプリケーションのPortletsディレクトリのコピーが必要です。


  1. WebCenter Portal - ポートレット・プロデューサ・アプリケーション・テンプレートを使用して、JDeveloper 11gでポートレット・プロデューサ・アプリケーションを作成します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalのための開発者ガイドのポートレット・プロデューサ・アプリケーションの作成に関する項を参照してください。

  2. 新しく作成したポートレット・プロデューサ・アプリケーションで、「ポートレット」プロジェクトを選択します。

  3. 「ファイル」メニューから「プロジェクトの削除」を選択します。

  4. 「プロジェクトの削除の確認」ダイアログで、図15-9に示すように、「プロジェクトを削除してそのコンテンツをすべて削除します(ソース・ディレクトリを含む)」ラジオ・ボタンを選択し、「はい」を選択します。

    図15-9 「ポートレット」プロジェクトの削除

    図15-9の説明が続きます
    「図15-9 「ポートレット」プロジェクトの削除」の説明

  5. 削除操作を確認するメッセージに対し、「はい」をクリックします。

  6. アプリケーションを保存します。

  7. ファイル・システムで、Portletsディレクトリを、WebCenter 10.1.3.xアプリケーションのバックアップ・コピーから、新しく作成したポートレット・プロデューサ・アプリケーションのルート・ディレクトリにコピーします。

  8. JDeveloper 11gで、ポートレット・プロデューサ・アプリケーションのportlets.jprを開きます。

    「ポートレット」プロジェクトをアップグレードするかどうか入力を要求されます。

  9. 図15-10に示すように、「はい」をクリックして、10.1.3.xの「ポートレット」プロジェクトを11gのポートレット・プロデューサ・アプリケーションにアップグレードします。

    図15-10 「ポートレット」プロジェクトのアップグレード

    図15-10の説明が続きます
    「図15-10 「ポートレット」プロジェクトのアップグレード」の説明

    「ポートレット」プロジェクトのアップグレードが終了すると、portlets.jprが正常にアップグレードされたことを示すメッセージが「移行ステータス」ダイアログに表示されます。

  10. 「OK」をクリックします。

15.4.2.3 JDeveloper以外で作成されたポートレット・プロデューサのアップグレード

WARファイルまたはEARファイル内のWARファイルとしてパッケージ化されたJSR 168 Javaポートレット・プロデューサ・アプリケーションまたはPDK-Javaポートレット・アプリケーションがある場合は、アプリケーションをOracle WebLogic Serverアプリケーション・ディスクリプタなどのOracle WebCenter Portal 11gに固有の要素で更新する必要があります。

次の各項では、PDK-JavaまたはJSR 168アプリケーション(EARまたはWARアーカイブ・ファイルの形式のアプリケーション)をOracle WebCenter Portal 11gにアップグレードする方法について説明します。

15.4.2.3.1 EARファイルからのJDeveloperアプリケーションの作成

EARファイル内のWARファイルとしてパッケージ化されたJSR 168ポートレット・アプリケーションまたはPDK-Javaポートレット・アプリケーションがある場合、そのEARをOracle WebCenter Portal 11gにアップグレードするには、まずアーカイブ・ファイルに基づいてJDeveloper 10.1.3.xアプリケーションを作成する必要があります。その後、アプリケーションをJDeveloper 11gで開くと、アプリケーションをアップグレードできます。

JDeveloper 10gでEARファイルからアプリケーションを作成し、そのアプリケーションをOracle WebCenter Portal 11gにアップグレードする手順は、次のとおりです。

  1. JDeveloper 10.1.3.xを開きます。


    注意:

    アップグレードするEARファイルの準備にはJDeveloper 10.1.3.xを使用する必要があります。


  2. 「ファイル」メニューから「新規」を選択します。

  3. 「新規ギャラリ」ダイアログで「一般」を展開し、「アプリケーション」、続いて「EARファイルからのアプリケーション」を選択し、「OK」をクリックします。

  4. 「EARファイルからのアプリケーション」を選択し、「OK」をクリックします。

  5. EARファイルからのアプリケーション作成ウィザードの「ようこそ」ページで、「次へ」をクリックします。

  6. 「場所」ページで、「EARファイル」フィールドにEARファイルへのパスを入力します。

  7. 「ファイルをアプリケーションへコピー」チェック・ボックスを選択します。

  8. 「終了」を選択し、アプリケーションをJDeveloperで作成します。

  9. アプリケーションを保存します。

  10. アプリケーションのバックアップ・コピーを保存します。

  11. JDeveloper 11gを開きます。

  12. EARファイルから作成したWebCenter 10.1.3.xアプリケーションを開きます。

  13. JDeveloper 11gにアプリケーションをアップグレードする手順に従います。

  14. アプリケーションを保存します。

    これで、アプリケーションの再デプロイが可能になります。

15.4.2.3.2 WARファイルからのJDeveloperアプリケーションの作成

WARファイルとしてパッケージ化されたJSR 168またはPDK-JavaアプリケーションからJDeveloperファイルを作成する手順は、次のとおりです。

  1. JDeveloper 10.1.3.xを開きます。


    注意:

    アップグレードするWARファイルの準備にはJDeveloper 10.1.3.xを使用する必要があります。


  2. 「ファイル」メニューから「新規」を選択します。

  3. 「新規ギャラリ」ダイアログで「一般」を展開し、「アプリケーション」、続いて「アプリケーション」を選択し、「OK」をクリックします。

  4. アプリケーションの作成ウィザードで、「OK」をクリックします。

  5. プロジェクトの作成ウィザードで、「取消」をクリックし、新しいプロジェクトがアプリケーションに作成されないようにします。

  6. アプリケーション・ナビゲータで、新しく作成したアプリケーションを選択します。

  7. 「ファイル」メニューから「新規」を選択します。

  8. 「新規ギャラリ」で「一般」を展開し、「プロジェクト」、続いて「WARファイルからのプロジェクト」を選択し、「OK」をクリックします。

  9. WARファイルからのプロジェクト作成ウィザードの「ようこそ」ページで、「次へ」をクリックします。

  10. 「WARの場所」ページで、WARファイルへのパスを「WARファイル」フィールドで指定します。

  11. 「終了」をクリックし、プロジェクトを作成します。

  12. アプリケーションを保存します。

  13. アプリケーションをバックアップします。

  14. JDeveloper 11gを開きます。

  15. WARファイルから作成したWebCenter 10.1.3.xアプリケーションを開きます。

  16. JDeveloper 11gでアプリケーションをアップグレードする手順に従います。

  17. アプリケーションを保存します。

    これで、アプリケーションの再デプロイが可能になります。

15.4.2.4 事前構成済ポートレット・プロデューサのアップグレード

Oracle WebCenter Portal 11gには、様々な事前構成済ポートレット・プロデューサが用意されています。たとえば、OmniPortlet、Webクリッピング、WSRPパラメータ・フォーム・ポートレット、サンプルWSRPポートレット・プロデューサ、サンプルPDK-Javaポートレット・プロデューサなどです。

Oracle WebCenterではポートレットのカスタマイズが可能です。ユーザー・データおよびポートレットやプロデューサの設定などのプリファレンスをカスタマイズすることができます。カスタマイズ内容はデータベースまたはファイル・システム内に保存できます。事前構成済ポートレット・プロデューサに関連するカスタマイズ内容は、アプリケーション・プロジェクト内ではなく、これらのプロデューサのカスタマイズ内容の保存先に保存されます。Oracle WebCenter 10gでは、デフォルトで、事前構成されたポートレット・プロデューサのカスタマイズ内容は次の場所に保存されます。

  • 開発環境では、次のようになります。

    10.1.3.x_jdev_install_dir/portal/portletdata
    

    10.1.3.x_jdev_install_dirは、JDeveloper 10.1.3.xのインストール・ディレクトリを表します。

  • 本番環境では、次のようになります。

    10.1.3 Oracle_Home/portal/portletdata
    

    ここで、10.1.3 Oracle_Homeは、Oracle Application Server 10.1.3のインストール・ディレクトリです。

このため、構成済ポートレット・プロデューサによるポートレットが含まれているWebCenterアプリケーションのアップグレード時は、ポートレットのカスタマイズ内容も移行する必要があります。

15.4.2.4.1 デフォルトの開発場所からのカスタマイズ内容の移行

JDeveloper 11gのインストール後の最初の起動時に、以前のリリースの設定を移行するかどうかを尋ねるメッセージが表示されます。「はい」を選択すると、事前構成済ポートレット・プロデューサのポートレットのカスタマイズ内容は、他のJDeveloperシステム・プロパティとともに、以前のJDeveloperインストールからJDeveloper 11gに自動的に移行されます。ただし、ポートレットのカスタマイズ内容は、デフォルトの場所である10.1.3.x_jdev_install_dir/portal/portletdataからのみ移行されます。

ポートレットのカスタマイズ内容を移行しないと選択し、「いいえ」を選択した場合は、カスタマイズ内容を後で手動で移行する必要があります。手動の手順では、10.1.3.x_jdev_install_dir/portal/portletdataディレクトリを11g_jdev_install_dir/jdeveloper/portal/portletdataディレクトリにコピーします。

15.4.2.4.2 デフォルトの本番場所からのカスタマイズ内容の移行

デフォルトの本番場所(10.1.3 Oracle_Home/portal/portletdata)からカスタマイズ内容を移行するには、次のどちらかのタスクを実行する必要があります。

  • 新しい場所へのカスタマイズの移行: カスタマイズ内容の保存先のディレクトリを必要なパスにコピーし、カスタマイズ内容の保存先の新しい場所を指すようにアップグレード済ポートレット・プロデューサを構成します。Fusion Middleware 11gリリース1の本番インストールのポートレット・プリファレンス・ストアのデフォルトの場所は、$MW_HOME/oracle_common/portal/portletdataです。カスタマイズ内容がデータベースに保存される場合は、そのデータベースにアクセスするようにアップグレード済ポートレット・プロデューサを構成します。

  • 既存の場所からカスタマイズ内容を使用します。以前の場所からカスタマイズ内容の保存先にアクセスするようにアップグレード済ポートレット・プロデューサを構成します。

15.4.2.4.3 デフォルト以外の場所からのカスタマイズ内容の移行

デフォルトの場所のかわりに、別の場所にポートレットのカスタマイズ内容を保存することもできます。

デフォルト以外の場所からカスタマイズ内容を移行するには、次のいずれかのタスクを実行する必要があります。

  • 新しい場所へのカスタマイズの移行: カスタマイズ内容の保存先のディレクトリを必要なパスにコピーし、カスタマイズ内容の保存先の新しい場所を指すようにアップグレード済ポートレット・プロデューサを構成します。カスタマイズ内容がデータベースに保存される場合は、そのデータベースにアクセスするようにアップグレード済ポートレット・プロデューサを構成します。

  • 既存の場所からカスタマイズ内容を使用します。以前の場所からカスタマイズ内容の保存先にアクセスするようにアップグレード済ポートレット・プロデューサを構成します。

カスタマイズ内容をデフォルト以外の場所に保存する方法の詳細は、第16.3項「事前構成されたポートレット・プロデューサ: カスタマイズ内容の保存先」を参照してください。

15.4.3 ポートレット・プロデューサのアップグレード後タスクの実行

ポートレット・プロデューサのアップグレード後は、事前構成済ではないポートレット・プロデューサのカスタマイズ内容を移行し、ポートレット・プロデューサ・アプリケーションを再デプロイする必要があります。

15.4.3.1 カスタマイズ内容の移行

Oracle PDK-JavaおよびWSRPポートレット・プロデューサのアップグレード後に、カスタマイズ内容が共有されていない場合、またはアップグレード済ポートレット・プロデューサからカスタマイズ内容にアクセスできない場合は、そのカスタマイズ内容を移行する必要があります。このカスタマイズ内容は、事前構成済ポートレット・プロデューサ以外のポートレット・プロデューサのものです。

このようなカスタマイズ内容を移行するには、プリファレンス・ストア移行ユーティリティを使用できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者ガイド』のWSRPプロデューサ永続ストアの移行に関する項およびPDK-Javaプロデューサ永続ストアの移行に関する項を参照してください。

15.4.3.2 ポートレット・プロデューサ・アプリケーションの再デプロイ

アップグレード済ポートレット・プロデューサ・アプリケーションは、Oracle WebLogic Serverの管理対象サーバーでOracle WebCenterポートレット・プロデューサをサポートする構成のサーバーであれば、どのサーバーにもデプロイできます。デプロイメントには、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control、Oracle WebLogic Server管理コンソールまたはOracle WebLogic Scripting Tool(WLST)を使用できます。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalのための管理者ガイドのポートレット・プロデューサ・アプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。

WebLogicサーバーへのアクセスに必要な資格証明がある場合は、JDeveloperを使用して、ポートレット・プロデューサ・アプリケーションを開発環境から直接Oracle WebLogic Serverインスタンスにデプロイすることも可能です。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalのための管理者ガイドのOracle WebLogic管理対象サーバー・インスタンスへのポートレット・プロデューサ・アプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。

15.5 データの移行

WebCenter 10gアプリケーションにバックエンド・コンポーネントに依存するWebCenterサービスが含まれている場合、バックエンド・コンポーネントのアップグレードを準備してからデータを移行することが必要となる場合があります。この項では、WebCenter 10gデータを必要なサーバーに移行する方法を説明します。次のサブセクションがあります。

15.5.1 Oracle WebCenter Wiki and Blog Serverからのデータの移行


注意:

WebCenter 10g環境にOracle WebCenter Wiki and Blog Serverがインストールされていない場合は、この項は省略してください。


WebCenter 10gアプリケーションでは、Wikiおよびブログ機能がWikiサービスおよびBlogサービスによって実現されます。そのため、Oracle WebCenter 10gはWikiおよびブログ機能を実現するのにOracle WebCenter Wiki and Blog Serverに依存しています。Oracle WebCenter Portal 11gでは、Wikiおよびブログ機能はDocumentsサービスによって実現されており、この機能実現のためにコンテンツ・リポジトリとしてContent Server 11gを必要とします。

WikiサービスおよびBlogサービスを含むWebCenter 10.1.3.xアプリケーションをアップグレードする際は、Oracle WebCenter Wiki and Blog ServerからOracle WebCenter Content Server 11gへとデータを移行する必要もあります。中間層のアップグレード後であればいつでも、Wikiおよびブログのデータを移行できます。

Oracle WebCenter Wiki and Blog ServerからOracle WebCenter Content Server 11gへとWikiおよびブログのデータを移行する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』のOracle Wikiページおよびブログの移行に関する項を参照してください。

15.5.2 Oracle Content DBからのデータの移行

WebCenter 10gアプリケーションがOracle Content DBに依存している場合、Oracle Content Serverバージョン10.1.3.5.1または11gをコンテンツ・リポジトリとして使用する必要があります。中間層のアップグレード後であればいつでもContent DBデータを移行できます。

WebDavクライアントを使用してOracle Content DBデータをOracle Content Server 10.1.3.5.1に移行する手順は、次のとおりです。

  1. 関連するすべてのコンテンツにアクセスできるユーザー・アカウントを使用して、WebDAVの次の場所を開きます。

    • Oracle Content DBの場合: http://server:host/content/dav

    • Oracle Content Serverの場合: http://server:host/content-server-root/idcplg/webdav

  2. コンテンツをOracle Content DBの場所からOracle Content Serverの場所にコピーします。

WebDavを使用してコンテンツを移行する場合は、次の点に注意してください。

  • ごみ箱フォルダがコピーされます。

  • バージョニング済のドキュメントでは、最新バージョンのみがコピーされます。

  • メタデータおよびアクセス制御設定は、コピーされたコンテンツでは保持されません。


注意:

Oracle Content DBからOracle WebCenter Content Server 11gへと直接データを移行することはできません。Oracle WebCenter Content Server 11gをコンテンツ・リポジトリとして使用する場合、まずContent DBデータをOracle Content Server 10.1.3.5.1に移行し、次にOracle WebCenter Content Server 11gにアップグレードする必要があります。Oracle Content Server 10gから11gへのアップグレードの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentアップグレード・ガイドを参照してください。