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Oracle® Fusion Middleware Oracle Data Integratorアップグレード・ガイド
11g リリース1(11.1.1.7.0)
B70182-02
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2 Oracle Data Integrator 11gの10gユーザー向け情報

次の項では、10gリリース3(10.1.3.x)ユーザー向けのOracle Data Integrator環境のいくつかの主要概念について説明します。

2.1 Oracle Data Integratorインストールのコンポーネントの概要

Oracle Data Integrator 10g リリース3(10.1.3)には次のコンポーネントがあります。

Oracle Data Integrator 11gは、これらのすべてのコンポーネントを更新しますが、1つのインストールにはまとめられていません。Oracle Data Integrator 11gでは、Oracle Data ProfilingおよびOracle Data Qualityコンポーネントは同じリソースおよびサービスを提供しますが個別にパッケージ化されており、個別にインストールします。

特に、Oracle Data Integrator 11gでは、次のインストール・オプションが提供されています。

2.2 Oracle Data Integrator 10gユーザー向けの重要な変更

全体的な製品のアーキテクチャは変更されていませんが、10gユーザーは次の変更を把握して、それらの更新を計画する必要があります。

2.2.1 アップグレードの考慮事項

アップグレード・プロセスを開始する前に、次の点について考慮してください。

  • ODI 11gR1のアップグレードは、アップグレード・アシスタントを使用して実行します。リポジトリをOracle Data Integratorユーザー・インタフェースからアップグレードすることはできません。

  • アップグレード・アシスタントは、外部で認証されたリポジトリのアップグレードをサポートしていません。リポジトリが外部で認証されている場合は、アップグレード前に認証を外部から内部へ切り替える必要があります。アップグレード後は、認証を切り替えて外部へ戻すことができます。

    詳細は、 『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の認証モードの切り替えに関する項を参照してください。

  • Oracle Data Integratorリポジトリを含むデータベースは、Oracle Fusion Middleware 11gによってサポートされる必要があります。サポートされているデータベースの最新リストは、次を参照してください。

    http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.html

  • データベースがOracle Fusion Middleware 11gの要件を満たしているかどうかを確認する手順については、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のデータベースのアップグレードと準備に関する項を参照してください。関連情報として、データベース独自のアップグレードに関するドキュメントを参照することをお薦めします。

  • アップグレード・プロセスの間、作業リポジトリは、マスター・リポジトリと同じデータベース・サーバーに配置する必要があります。リポジトリは、アップグレード後に、手動で再度分散配置できます。

    リポジトリのクローニングの詳細は、「既存のマスターおよび作業リポジトリのクローニング」を参照してください。

  • ODI 11.1.1.5.0以降では、10gから単一のODIプロジェクトをエクスポートし、ODI Smart Export and Importの機能を使用してODIリポジトリにインポートできます。

    エクスポート/インポートによるODIプロジェクトのアップグレードの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のエクスポート/インポートに関する項を参照してください。

2.2.2 ランタイム・エージェントの変更

ランタイム・エージェントは、スタンドアロン・エージェントまたはJava EEエージェントとして利用可能です。これらのエージェントは、単一の作業リポジトリに接続され、スケジューラとして機能するようになります。エージェントは、起動時に手順どおりにマスター・リポジトリへ接続します。

これらのエージェントの場合、適切に起動するには、次の操作を行います。

  • スタンドアロン・エージェントの場合、接続構成を(odiparamsファイルを使用して)実行する必要があります。agent.batの実行により、スケジューラ・エージェントが起動します。

  • Java EEエージェントの場合、接続の構成はエージェント・テンプレートで行い、エージェントはアプリケーション・サーバーで定義されたJDBCデータ・ソースを使用してリポジトリに接続します。

エージェントは、独自のプロトコルではなくHTTPを使用するようになりました。さらに、スタンドアロン・エージェントは、ラッパー・ツールを使用してサービスとして起動する必要がなくなりました。エージェントを高可用性対応で構成するには、Oracle Process Manager and Notification Server (OPMN)を使用し、いくつかの組込みスクリプトを使用して構成します。

2.2.3 コマンドライン・ツールおよびスタンドアロン・エージェントに対するロギング・ファイルの変更

スタンドアロン・エージェントおよびコマンドライン・ツールは、静的名を持つログ・ファイルを作成します。この変更は、コマンドライン・ツールで-NAMEパラメータを使用して動的ログ・ファイルを作成している、Oracle Data Integrator 10gのユーザーに影響を与えます。

次に例を示します。

  • startscen.shまたはstartscen.batツールは、常にscartscen.logファイルを作成します。

  • スタンドアロン・エージェント・ログ・メッセージは、常にodiagent.logに書き込まれます。

2.2.4 その他の変更

Oracle Data Integrator 10gユーザーは、Oracle Data Integrator 11gでの次の変更も把握しておく必要があります。

  • ODIバージョン11.1.1.5.0では、ODIバインド変数の名前を大文字にする必要があります。小文字の変数や大文字小文字混在の変数を使用している場合、この対処方法として二重引用符を使用できます(SELECT 'odi 11' AS "txt" FROM dual)。ただし、この変更によってコードの再開発が必要になる場合があることに注意してください。

  • getObjectNameメソッドは、オブジェクト名を、テクノロジで許容されるオブジェクトの最大長で自動的に切り捨てるようになりました。ODI 11g以前はオブジェクト名が切り捨てられることはありませんでした。オブジェクト名を切り捨てず、10gの動作を再現するには、サーバーにOBJECT_NAME_LENGTH_CHECK_OLDプロパティを追加し、その値をtrueに設定します。このプロパティは、データ・サーバーのプロパティ・タブで追加できます。

    注意: オブジェクト名が11gへのアップグレード後に途中で切れる場合は、コードの変更を検討してください。さらに、前述の方法は一時的な対処としてのみ使用してください。

  • ODIログイン・ファイルのsnps_login_security.xmlsnps_login_work.xmlは、snps_login_work.xmlという名前の1つのファイルに統合されました。snps_login_work.xmlファイルは、Windowsオペレーティング・システムの場合%APPDATA%/odi/oraclediディレクトリに配置され、UNIXオペレーティング・システムの場合USER_HOME/.odi/oraclediに配置されます。

  • ODIバージョン11.1.1.5.0には、HSQLデータベース・バージョン2.0がバンドルされています。前のODIのバージョンでは、HSQLデータベース・バージョン1.7.3が付属されていました。HSQLデータベースは、メモリー・エンジン、デモンストレーション環境およびXMLとLDAPドライバのメモリー・ストレージに使用されます。ODIからは、独自のHSQL 1.7.3データベースに接続して使用することができます。その場合、一度HSQLデータベースをバージョン2.0にアップグレードすると、ODIからバージョン1.7.3のHSQLデータベースに接続できなくなります。ODI 11.1.1.5.0にアップグレードする前に、HSQLデータベース・バージョン1.7.3をバージョン2.0にアップグレードする必要があります。

    データベースのアップグレード方法の詳細は、http://www.hsqldb.org/doc/2.0/guide/deployment-chapt.html#deployment_upgrade-sectのHSQLデータベースのドキュメントを参照してください。

    また、http://www.hsqldb.org/web/changelog.htmlでHSQLデータベースの変更ログを参照してください。

  • ナレッジ・モジュールおよびテクノロジは、/xml-referenceという名前のディレクトリにあります。

  • デモンストレーション環境は、ODI Companion CDのODIインストーラから独立して提供されています。

  • Host and Modulesは、セキュリティから削除されています。この機能全体が廃止されています。

  • スクリプトJythonagentscheduleragentwebdesignertopologysecurityおよびoperatorが廃止されました。

  • Oracle、DB2およびMicrosoft SQL Serverのリポジトリ作成は、Repository作成ユーティリティ(RCU)を使用して実行できます。このツールでは、複数のOracle製品のスキーマを作成および管理できます。

  • リポジトリの作成とインポートはODI Studioから可能です。mimportおよびmupgradeスクリプトは廃止されました。

  • ODIには、新たにMSSQLやDB2などのテクノロジへ接続するためのDataDirect JDBCドライバが付属されています。なお、他のODIドライバも、データベースへの接続に引き続き使用できます。スタンドアロン・エージェント用の追加ドライバは、/driversディレクトリにありますが、ODI StudioのドライバはDOMAIN_HOMEにあります。

    詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integratorインストール・ガイド』の「追加ドライバおよびオープン・ツールの追加」を参照してください。


注意:

Oracle Data Integrator 11gR1の新機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の「Oracle Data Integratorの新機能」を参照してください。


2.3 SunopsisからOracle Data Integrator 10gへのアップグレード

現在Sunopsis 3.0.00.00以降の環境を使用している場合、Oracle Data Integrator 11gにアップグレードするときには、最初に環境をOracle Data Integrator 10gにアップグレードしてから、このガイドの指示に従って10gから11gにアップグレードしてください。

SunopsisからOracle Data Integrator 10gにアップグレードするには、10gリリース1(10.13.)用の『Oracle Data Integratorインストレーション・ガイド』のSunopsisからOracle Data Integratorへのアップグレードに関する項に記載されている指示に従ってください。このガイドは次のURLで参照できます。

http://docs.oracle.com/cd/E15985_01/doc.10136/install/ODIIG.pdf