この章では、このマニュアルで説明するOracle Web Cacheの新たな管理機能と変更された管理機能を紹介し、詳細情報の参照先を示します。
11g リリース(11.1.1)には多数の新機能が搭載されています。
リクエスト・フィルタリング: Oracle Web Cacheでリクエスト・フィルタを構成し、受信リクエストに対し、リクエストの特定の属性に基づいてアクションを実行することができます。受信リクエストは、Oracle Web Cacheで処理される前に、指定のサイトに対して構成されているリクエスト・フィルタを通過する必要があります。リクエスト・フィルタを構成することで、悪意のあるコードによるソフトウェアの脆弱性への攻撃を回避できます。詳細は、第4章「リクエスト・フィルタリングの構成」を参照してください。
キャッシュ・ルール用のMIMEタイプの一致条件: URL式に基づいた受信リクエストとキャッシュ・ルールの一致条件の指定に加え、オブジェクトのContent-Type
レスポンス・ヘッダーの値に基づく一致評価を行えます。この機能は、キャッシュ・ルールの定義を簡素化し、キャッシュ・ルールの総数を減らして、Oracle Web Cacheのパフォーマンスを向上させます。詳細は、第6.4項および第6.8.1項を参照してください。
レスポンス・ヘッダーを使用した無効化: オリジン・サーバーで、HTTPレスポンス・ヘッダーを介してキャッシュされたコンテンツを無効化することができます。詳細は、7.4項を参照してください。
リクエストベースのロギング: Oracle Web Cacheは、すべてのリクエストを内部に格納し、それをリクエスト後にまとめてイベント・ログに書き込みます。このようにして、Oracle Web Cacheはすべてのリクエストをグループ化します。詳細は、第9.1項を参照してください。
イベント・ログのOracle Diagnostic Logging(ODL)形式: Oracle Web Cacheは、すべての診断メッセージとログ・ファイルの共通形式であるODL形式をサポートします。詳細は、9.1項を参照してください。
監査ロギング: Oracle Web Cacheでは、Oracle Fusion Middlewareコンポーネント全体の監査を管理する統一したシステムを提供するために、共通監査フレームワークをサポートしています。Oracle Web Cacheの各プロセスで生成される監査ログ・ファイルには、セキュリティ・パフォーマンスおよび構成上の問題を特定して診断する際に役立つ重要な情報が記録されます。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』を参照してください。
セキュアなキャッシング: Oracle Web Cacheは、Oracle Single Sign-On認証によって保護され、ほかに認可要件がないコンテンツのキャッシュをサポートするように構成できます。詳細は、5.8項を参照してください。