Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理 11g リリース1 (10.3.6) B60997-05 |
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この項では、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理』の内容と構成について説明します。
このドキュメントは、Java Database Connectivity (JDBC) APIを使用するアプリケーションの開発とサポートを行うソフトウェア開発者およびシステム管理者向けに書かれています。また、WebLogic Serverを評価するビジネス・アナリストやシステム設計者にとって有用な情報も掲載しています。このドキュメントのトピックは、ソフトウェア・プロジェクトの評価、設計、開発、本番前、および本番段階に関連しています。
このドキュメントは、特定のJDBCプログラミング・トピックを対象としたものではありません。これらのトピックに関するWebLogic Serverのドキュメントとリソースへのリンクについては、「関連ドキュメント」を参照してください。
このドキュメントは、Java EEおよびJDBCの概念に精通している読者を対象としています。また、WebLogic Serverで提供される付加価値の高い機能を重点的に扱います。
本章第1章「概要とロードマップ」。このガイドの構成を紹介し、本リリースでの新機能を示します。
第2章「WebLogic JDBCリソースの構成」では、WebLogic JDBCリソースの概要を説明します。
第3章「JDBCデータ・ソースの構成」では、WebLogic JDBCデータ・ソースの構成について説明します。
第4章「GridLinkデータ・ソースの使用」では、WebLogic JDBC GridLinkデータ・ソースの構成を説明します。
第5章「JDBCマルチ・データ・ソースの構成」では、WebLogic JDBCマルチ・データ・ソースの構成について説明します。
第6章「Oracleドライバおよびデータベースの詳細構成」では、Oracleのドライバおよびデータベースの使用時にデータ・ソースおよびドライバのパフォーマンスを向上させる詳細構成オプションについて説明します。
第7章「JDBCデータ・ソースのトランザクション・オプション」では、WebLogicデータ・ソースのXA、XA以外およびグローバル・トランザクションのオプションについて説明します。
第8章「JDBCデータ・ソースを保護するためのロールおよびポリシーの使用」では、WebLogic ServerでJDBCデータ・ソースを保護するためにロールおよびポリシーがどのように使用されるかを説明します。
第9章「サーバーおよびクラスタへのデータ・ソースのデプロイ」では、サーバーおよびクラスタへのデータ・ソースのデプロイ方法について説明します。
第10章「データ・ソース接続プールのチューニング」では、WebLogic ServerドメインのJDBCデータ・ソース内の接続プール属性を適切にチューニングして、アプリケーションおよびシステムのパフォーマンスを向上させる方法について説明します。
第11章「WebLogic ServerでのOracle RACの使い方」では、Oracle Real Application Clustersとともに使用するようWebLogic Serverを構成する方法について説明します。
第12章「WebLogic ServerでのJDBCドライバの使い方」ではWebLogic JDBCデータ・ソースの構成で、他のソースからのJDBCドライバを使用する方法について説明します。
第13章「WebLogic JDBCリソースのモニター」では、JDBCリソースをモニターし、データベース接続の使用状況に関するプロファイル情報を収集し、JDBCのデバッグを有効化する方法について説明します。
第14章「WebLogic JDBCリソースの管理」では、データ・ソースを管理する方法について説明します。
付録A「JDBCアプリケーション・モジュールのデプロイメントの構成」では、Oracle Real Application Clustersとともに使用する汎用データ・ソースの構成方法について説明します。
Oracle RACでのマルチ・データ・ソースの使用では、WebLogic ServerでOracle Real Application Clusters (RAC)を使用する際にマルチ・データ・ソースを構成して使用する方法について説明します。
Oracle RACでの接続時フェイルオーバーの使用(非推奨)では、WebLogic Serverで、接続時フェイルオーバーおよびロード・バランシングを使用するように構成されたデータ・ソースを使用するレガシー・アプリケーションに対して接続時フェイルオーバー(非推奨)が行われる仕組みについて説明します。
Oracle RACでの高速接続フェイルオーバーの使用では、WebLogic ServerでOracle Fast Connection Failoverを使用する方法について説明します。
このドキュメントには、JDBCデータ・ソース構成および管理情報が含まれます。
WebLogic Serverアプリケーションを開発、デプロイ、およびモニターするための包括的なガイドラインについては、以下のドキュメントを参照してください。
『Oracle WebLogic Server JDBCのプログラミング』は、WebLogic ServerでのJDBC APIプログラミングについてのガイドです。
『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』は、WebLogic Serverアプリケーションの開発用ガイドです。
『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』は、開発および本番環境でのWebLogic Serverアプリケーションのデプロイメントについての情報のプライマリ・ソースです。
このドキュメントの他にも、様々なJDBCコード・サンプルとチュートリアルが用意されています。これらのサンプルとチュートリアルでは、JDBCの構成とAPIの使い方、および主要なJDBC開発タスクを実行する実際的な手順が示されています。
MedRecはWebLogic Serverに付属したエンドツーエンドのサンプルJava EEアプリケーションであり、一元的で独立した医療記録管理システムをシミュレートします。MedRecアプリケーションには、患者、医師、および管理者に対して、様々なクライアントを使用して患者のデータを管理するフレームワークが用意されています。
MedRecはWebLogic ServerとJava EEの機能を例示し、Oracle推奨のベスト・プラクティスを重要点として示します。MedRecはWebLogic Server配布キットに含まれており、Windowsマシンの「スタート」メニューからアクセスできます。Linuxなどのプラットフォームでは、WL_HOME
\samples\domains\medrec
ディレクトリからMedRecを起動します。WL_HOME
は、WebLogic Platformの最上位のインストール・ディレクトリです。
このリリースには、次の新機能および変更された機能が含まれます。
WebLogic Serverのこのリリースに追加された新機能の一覧については、『Oracle WebLogic Serverの新機能』を参照してください。
WebLogic Server 10.3.1以上のリリースでは、capacityIncrement
属性は構成できなくなり、値1に設定されます。
MinCapacity
属性は、初期化後に接続プールに含めることができる物理接続の最小数を設定します。
InitialCapacity
値は、これまではプールの初期容量と最小容量の両方を処理していましたが、2つの属性に分割されました。
MinCapacity
は、設定されていない場合、デフォルトでInitialCapacity
になります。InitialCapacity
のデフォルトはこれまでどおり1です。
MinCapacity
は、計算を縮小する場合にのみ使用されます。サーバーの起動時に最小接続数が作成されないという点で、これはレイジーです。この機能にはInitialCapacity
が使用されます。
上方互換性のため、MinCapacity
が設定されていなければInitialCapacity
が使用されます。
データ・ソースが中断後に再開された場合、MinCapacity
かInitialCapacity
のいずれか大きいほうが使用されます。
たとえば、InitialCapacity
を0に設定してデータベースを起動した後、最低50個の接続がプールに常に保持されるようにInitialCapacity
を50に設定するとします。前述のルールを使用すると、MinCapacity
は最初0と処理された後、50と処理されるため、最低50個の接続がプールに常にあります。
「接続プールの縮小」を参照してください。
データ・ソースごとに、接続でデータ・ソースの通信相手のバックエンド・データベースにアクセスできなくなったことを示す致命的エラー・コードを定義できます。「致命的エラー・コードの定義」を参照してください。
10.3.6より前のWebLogic Serverでは、データ・ソース・プロファイル・レコードはWLDFイベントとして記録されていました。使いやすさとパフォーマンスを向上させるため、WebLogic Serverではイベントの格納にデータ・ソース・プロファイル・ログが使用されるようになりました。「WebLogic JDBCリソースのモニター」を参照してください。
アプリケーション・スコープのデータ・ソースを含むEAR/WARファイルにデータベース・ドライバを追加できます。これにより、アプリケーションに必要なデータ・ソースとドライバの両方を含む自己包含型EARファイルをデプロイできます。「EAR/WARファイルへのドライバの追加」を参照してください。
WebLogic Server 10.3.6.0以上では、Oracle BIサーバーをサポートしています。新規の汎用データ・ソースを作成する際は、Oracle BIサーバーと相互運用できるように、データベース・タイプとしてOracle BIサーバー
を選択します。「JDBCデータ・ソースの作成」を参照してください。
このリリースでは、「グローバル・トランザクション後の接続を保持」
という新しい属性が提供されます。この属性を使用すると、グローバル・トランザクションのコミットまたはロールバック時、論理接続に関連付けられている物理データベース接続をWebLogic Serverで保持できます。Oracle WebLogic Server MBeanリファレンスのKeepConnAfterGlobalTxに関する項を参照してください。
WebLogic ServerのGridLinkデータ・ソースでは、セッション・アフィニティ・ポリシーを使用して、サーブレット・セッションのデータベース操作に対してRACクラスタ内の同じRACインスタンスを指定することにより、パフォーマンスを高めています。「GridLinkアフィニティ」を参照してください。
DataSourceオブジェクトとのRMIドライバ・クライアント通信をサーバー・レベルで保護するには、「RMI JDBCセキュリティ」
パラメータを設定します。『Oracle WebLogic Server JDBCのプログラミング』のWebLogic RMIドライバのセキュリティの考慮事項に関する項を参照してください。
クライアントがプロキシ・ユーザーとしてのアプリケーション・サーバーを介してOracleデータベースに接続できるように、WebLogicデータ・ソースを構成できます。「Oracleデータベースのプロキシ認証」を参照してください。
Oracleデータベースへの接続時に接続によってデータベース資格証明が設定されるように、WebLogicデータ・ソースを構成できます。「接続のデータベース資格証明の設定」を参照してください。
データ・ソースで使用可能な接続が、指定された数に達した場合に解放される予約済接続の数を指定できます。収集は、指定された数の接続が常に使用可能であるようにすることに役立ち、接続の初期化を最小限にすることでパフォーマンスを向上させます。「接続収集の構成」を参照してください。
ラベリングにより、アプリケーションは任意の名前と値の組合せを、特定の初期状態にある接続にアタッチできます。これを使用すると、接続の再初期化の時間とコストを最小限に抑えて、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。「接続のラベリング」を参照してください。
このリリースでは、次の新しいデバッグ・スコープが提供されています。
weblogic.jdbc.rac.DebugJDBCONS - 低レベルのONSデバッグ
weblogic.jdbc.rac.DebugJDBCRAC - RACデバッグ
weblogic.jdbc.rac.DebugJDBCUCP - 低レベルのUCPデバッグ
weblogic.jdbc.rac.DebugJDBCREPLAY - REPLAYデバッグ
weblogic.jdbc.transaction.DebugJTAJDBC - トランザクション・デバッグ
「JDBCのデバッグ・スコープ」を参照してください。
WebLogic Serverリリース10.3.6.0以上では、UCPおよびONSのパッケージ名が再パッケージされなくなりました。これらのコンポーネントは、この影響を受けます。「UCP/ONSのデバッグの設定」を参照してください。