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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Scripting Tool
11g リリース1 (10.3.6)
B61621-04
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3 WLSTオフラインを使用したWebLogicドメインの作成

WLSTでは、実行中のWebLogic Serverに接続しないで(つまり、WLSTオフラインを使用して)、構成ウィザードと同じ機能をサポートしながら、新しいWebLogicドメインを作成し、既存のWebLogicドメインを更新できます。

以下の節では、WLSTオフラインを使用してWebLogicドメインを作成および構成する方法について説明します。

WebLogicドメインの作成に使用できるサンプル・スクリプトについては、「WLSTオフライン・サンプル・スクリプト」を参照してください。

構成ウィザードの詳細は、「構成ウィザードによるドメインの作成」を参照してください。

ドメイン・テンプレートの作成および使用(オフライン)

ドメイン・テンプレートは、ドメインの構成ドキュメント、アプリケーション、セキュリティ・データ、起動スクリプト、およびWebLogicドメインの作成に必要なその他の情報が含まれたJARファイルです。ドメイン・テンプレートを作成および使用するには、表3-1に示す手順を実行します。


注意:

WLSTによるドメインの作成や更新に時間がかかるような場合、CONFIG_JVM_ARGS環境変数を次の値に設定することにより、時間を短縮できます:

-Djava.security.egd=file:/dev/./urandom


表3-1 ドメイン・テンプレートを作成する手順(オフライン)

次を行うには... このコマンドを使用します... 詳細については、以下を参照

既存のWebLogicドメインまたはテンプレートを開く

readDomain(domainDirName)

readTemplate(templateFileName)

WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのreadDomainおよびreadTemplate

WebLogicドメインを修正する(オプション)

参照コマンドおよび編集コマンド

構成階層情報の参照(オフライン)

「WebLogicドメインの編集(オフライン)」

未設定の場合に、デフォルト・ユーザーのパスワードを設定する

ドメイン・テンプレートに書き込むには、先にデフォルトのユーザー名およびパスワードを設定する必要があります。

cd('/Security/domainname/User/username')

cmo.setPassword('password')

WLSTオフライン・サンプル・スクリプト

ドメイン・テンプレートにドメイン構成情報を書き込む

writeTemplate(templateName)

WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのwriteTemplate

テンプレートを使用してドメインを作成する

createDomain(domainTemplate,

domainDir, user, password)

注意: 構成ウィザードでもドメイン・テンプレートを使用できます。「構成ウィザードによるドメインの作成」を参照してください。

WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのcreateDomain


構成階層情報の参照(オフライン)

WLSTオフラインでは、テンプレート・ビルダーを使用して作成したドメイン・テンプレートJAR内、またはWebLogicドメインのconfigディレクトリ内に永続化されている構成データへの読み書きアクセスが可能です。このデータは、XMLドキュメントの集合であり、管理オブジェクトの階層構造を表します。WebLogicドメインの構成ドキュメントを定義するスキーマは、次の場所に格納されています。

WLSTでは、この階層はファイルシステムとして表されます。ファイルシステムのルートが、WebLogicドメインを表す管理オブジェクトです。ドメイン・ディレクトリの下には管理対象オブジェクト・タイプのディレクトリ群があります。このオブジェクト・タイプの各インスタンスがタイプ・ディレクトリの下位ディレクトリであり、各管理属性および操作がディレクトリ内のファイルです。インスタンス・ディレクトリの名前は、管理オブジェクトのName属性の値と一致します。管理オブジェクトにName属性がない場合、NO_NAME_numberの形式でディレクトリ名が生成されます。ここで、numberは0(ゼロ)から始まり、追加のインスタンスごとに1ずつ増分します。

階層をナビゲートするには、UNIXまたはWindowsのコマンド・シェルでファイル・システムをナビゲートするのと同様に、cdlspwdなどのWLSTコマンドを使用します(表3-2を参照)。


注意:

WebLogic Serverのデフォルト値のほとんどは、パフォーマンスを最適化するため、ドメインの構成ファイルには保持されていません。この最適化が原因で、WLSTオフラインでは管理オブジェクト全体を表示できない場合があります(WebLogic Serverでは対応するXML要素をドメインの構成ファイルに書き込んでいないため)。たとえば、WebLogicドメインがアクティブであるときにドメインのロギングのデフォルト重大度レベルを変更しなかった場合、WLSTオフラインではドメインのLog管理オブジェクトは表示されません。

WLSTオフラインで表示されない管理オブジェクトの属性のデフォルト値を変更する場合、最初にcreateコマンドを使用して管理オブジェクトを作成する必要があります。次に、cdを使用して管理オブジェクトに移動し、属性値を変更します。WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのcreateに関する項を参照してください。


表3-2 WebLogicドメイン構成情報の表示(オフライン)

次を行うには... このコマンドを使用します... 詳細は、WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスの次の項を参照

管理オブジェクトの階層をナビゲートする

cd(path)

「cd」

現在の管理オブジェクトの子の属性または管理オブジェクトをリストする

ls(['a' | 'c'])

「ls」

プロンプトで管理オブジェクトのナビゲーション・パス情報表示を切り替える

prompt(['off'|'on'])

「prompt」

構成階層内の現在の場所を表示する

pwd()

「pwd」

WLSTで使用されるすべての変数を表示する

dumpVariables()

「dumpVariables」

WLSTアクションの実行中に発生した最近の例外のスタック・トレースを表示する

dumpStack()

「dumpStack」


WebLogicドメインの編集(オフライン)

WLSTオフラインを使用してWebLogicドメインを編集するには、次の表で定義されているタスクのいずれかを実行します。


注意:

WLSTによるドメインの作成や更新に時間がかかるような場合、CONFIG_JVM_ARGS環境変数を次の値に設定することにより、時間を短縮できます:

-Djava.security.egd=file:/dev/./urandom


表3-3 WebLogicドメインの編集

次を行うには... このコマンドを使用します... 詳細は、WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスの次の項を参照

アプリケーションをWebLogicドメインに追加する

addTemplate(templateFileName)

「addTemplate」

リソースを1つまたは複数の宛先に割り当てる(クラスタへのサーバーの割り当てなど)

assign(sourceType, sourceName, destinationType, destinationName)

「assign」

リソースの割当てを解除する

unassign(sourceType, sourceName, destinationType, destinationName)

「unassign」

管理オブジェクトを作成および削除する

create(name, childMBeanType)
delete(name, childMBeanType)

「create」

「delete」

属性値を取得および設定する

get(attrName)
set(attrName, value)

「get」

「set」

構成オプションを設定する

setOption(optionName, value)

「setOption」

SQLファイルをデータベースにロードする

loadDB(dbVersion, connectionPoolName)

「loadDB」


代替手段: configToScriptコマンドの使用

WLSTには、既存のWebLogicドメインを読み込み、WebLogicドメインの再作成が可能なWLSTスクリプトを出力するconfigToScriptというコマンドがあります。WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのconfigToScriptに関する項を参照してください。

ドメイン・テンプレートの作成や使用とは異なり、configToScriptコマンドは、一緒に使用する必要のある複数のファイルを作成します(ドメイン・テンプレートは単一のJARファイル)。また、configToScriptコマンドが作成するスクリプトには、次の特徴があります。

クラスタ、JDBC、およびJMSリソースに関する考慮事項

WLSTオフラインで、アプリケーション・スコープのJDBCやJMSリソース、またはその両方が含まれるアプリケーションを備えたテンプレートを使用してクラスタWebLogicドメインを作成または拡張した場合、ドメインの作成または拡張後に、アプリケーションとそのアプリケーション・スコープのリソースが確実にターゲット指定され、クラスタ環境に適切にデプロイされるために、追加の手順の実行が必要な場合があります。アプリケーション・スコープのモジュールのターゲット指定とデプロイメントの詳細は、『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』の「weblogic.deployerによるアプリケーションおよびモジュールのデプロイ」を参照してください。

JDBCリソースを使用してデータベースに接続する場合、データベース・ベンダーの要件に従って環境を変更します。通常、そのためには、ドライバ・クラスをCLASSPATH変数に追加し、ベンダー固有のディレクトリをPATH変数に追加します。SDKをPATH変数に追加し、WebLogic ServerクラスをCLASSPATH変数に追加するだけでなく、サンプルDerbyデータベースで必要な環境を設定するには、次のスクリプトを呼び出します。

WL_HOME\samples\domains\wl_server\setExamplesEnv.cmd (Windowsの場合)

WL_HOME/samples/domains/wl_server/setExamplesEnv.sh (UNIXの場合)