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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server WLECのためのWebLogic Tuxedo Connector移行ガイド
11g リリース1 (10.3.6)
B61643-05
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2 WLECアプリケーションをOracle WebLogic Tuxedo Connector用に変更する方法

以下の項では、Oracle WebLogic Tuxedo Connector用にWLECアプリケーションを変換するために必要な手順について説明します。

Tuxedo環境の変更方法

Tuxedoユーザーは、以下の項で説明されるように環境の変更を行う必要があります。

Tuxedo dmconfigファイルの作成

新しいdmconfigファイルを作成して、TuxedoアプリケーションとWebLogic Serverアプリケーションの間の接続を提供する必要があります。Tuxedoドメインの作成方法については、http://www.oracle.com/technetwork/middleware/tuxedo/overview/index.htmlでCORBAドメインのプランニングと構成に関する説明を参照してください。

Tuxedo UBBCONFIGファイルの変更

アプリケーションはTuxedo/T Domainゲートウェイを使用するので、UBBCONFIGファイルを変更する必要があります。これを行うには、このファイルの*SERVERSセクションにTuxedoドメイン・サーバーを追加します。

例:

DMADM SRVGRP=SYS_GRP SRVID=7
GWADM SRVGRP=SYS_GRP SRVID=8
GWTDOMAIN SRVGRP=SYS_GRP SRVID=9

Oracle WebLogic Tuxedo ConnectorではISLは使用されません。ISLを必要とするその他のアプリケーションがない場合は、UBBCONFIGファイルの*SERVERSセクションからISLを削除できます。または、次の例に示すように、ISLをコメント・アウトすることができます。

#     ISL
#          SRVGRP  = SYS_GRP
#          SRVID   = 5
#           CLOPT   = "-A -- -n //lchp15:2468 -d /dev/tcp"

WebLogic Server環境の変更方法

以下の項では、WebLogic Server環境を変更する方法について説明します。

Oracle WebLogic Tuxedo Connectorの構成方法


注意:

Oracle WebLogic Tuxedo Connectorの構成方法の詳細は、『Oracle WebLogic Server Tuxedo Connector管理ガイド』のアプリケーション用のOracle WebLogic Tuxedo Connectorの構成に関する項を参照してください。


この項では、WebLogic Server管理コンソールを使用して、移行されたWLECアプリケーション用にWTCサービスを作成する基本的な方法について説明します。WTCサービスは、WebLogic ServerがTuxedoアプリケーションへの接続の作成に使用する構成情報を表します。移行されたWLECアプリケーション用のWTCサービスは通常、ローカルTuxedoアクセス・ポイント、リモートTuxedoアクセス・ポイント、およびインポートされたサービスで構成されます。

次の項で説明された手順に従って、アプリケーションを管理するための構成を作成します。

  1. WTCサービスの作成

  2. ローカルTuxedoアクセス・ポイントの作成

  3. リモートTuxedoアクセス・ポイントの作成

  4. インポートされたサービスの作成

WTCサービスの作成

WebLogic Server管理コンソールを使用して、WTCサービスを作成および構成するには:

  1. 管理コンソールのナビゲーション・ツリーで、「相互運用性」を展開して「WTCサーバー」を選択します。

  2. 「WTCサーバー」ページで、「新規作成」をクリックします。

  3. 「新しいWTCサーバーの作成」ページの「名前」フィールドに、WTCサービスの名前を入力します。例: mySimpapp

  4. 「OK」をクリックします。

新しいWTCサービスがWTCサーバーのリストに表示されます。

ローカルTuxedoアクセス・ポイントの作成


注意:

ローカル・アクセス・ポイントのネットワーク・アドレスを構成する場合、使用するポート番号は、他のプロセスに割り当てられたポート番号とは異なる必要があります。たとえば、WebLogic Serverのリスニング・ポートが//mymachine:7001に割り当てられている場合、ネットワーク・アドレスを//mymachine:7001に設定すると無効になります。


ローカルTuxedoアクセス・ポイントを構成するには:

  1. 管理コンソールで、「相互運用性」を展開して「WTCサーバー」を選択します。

  2. 「WTCサーバー」ページで、mySimpappなどのWTCサービス名をクリックして、設定ページにアクセスします。

  3. 「ローカルAP」タブをクリックします。

  4. 「WTCローカル・アクセス・ポイント」ページで、以下のフィールドに次のとおり、値を入力します。

    • 「アクセス・ポイント」に、このローカルTuxedoアクセス・ポイントをWTCサービスの構成内で一意に識別する名前を入力します。これにより、同じアクセス・ポイントIDを持つ複数のローカルTuxedoアクセス・ポイントの構成を作成できます。

    • アクセス・ポイントID」に、リモートTuxedoアクセス・ポイントへのセッション接続を確立するときに使用する接続名を入力します。「アクセス・ポイントID」は、Tuxedo DMCONFIGファイルの*DM_REMOTE_DOMAINSセクションにある、対応するDOMAINIDに一致する必要があります。

    • ネットワーク・アドレス」に、このローカルTuxedoアクセス・ポイントのネットワーク・アドレスとポートを入力します。例: //123.123.123.123:5678

  5. 「OK」をクリックします。

  6. Tuxedo 6.5ドメインに接続する場合:

    1. 「接続」タブをクリックします。

    2. 「相互運用」フィールドを「はい」に設定します。

    3. 「保存」をクリックします。

リモートTuxedoアクセス・ポイントの作成

リモートTuxedoアクセス・ポイントを構成するには:

  1. 管理コンソールで、「相互運用性」を展開して「WTCサーバー」を選択します。

  2. 「WTCサーバー」ページで、mySimpappなどのWTCサービス名をクリックします。

  3. 「リモートAP」タブをクリックします。

  4. 「WTCリモート・アクセス・ポイント」ページで、次のフィールドに次の値を入力します:

    • 「アクセス・ポイント」に、このリモートTuxedoアクセス・ポイントをWTCサービスの構成内で一意に識別する名前を入力します。これにより、同じアクセス・ポイントIDを持つ複数のリモートTuxedoアクセス・ポイントの構成を作成できます。

    • アクセス・ポイントID」に、ローカルTuxedoアクセス・ポイントへの接続を確立するときにリモートTuxedoアクセス・ポイントを識別するために使用する接続名を入力します。リモートTuxedoアクセス・ポイントの「アクセス・ポイントID」は、Tuxedo DMCONFIGファイルの*DM_LOCAL_DOMAINSセクションにある、対応するDOMAINIDに一致する必要があります。

    • 「ローカル・アクセス・ポイント」に、このリモート・ドメインのローカル・アクセス・ポイントの名前を入力します。

    • 「ネットワーク・アドレス」に、このリモート・ドメインのネットワーク・アドレスとポートを入力します。例: //123.123.123.123:1234

  5. 「OK」をクリックします。

インポートされたサービスの作成

インポートされたサービスを構成するには:

  1. 管理コンソールで、「相互運用性」を展開して「WTCサーバー」を選択します。

  2. 「WTCサーバー」ページで、mySimpappなどのWTCサービス名をクリックします。

  3. 「インポート済み」タブをクリックします。

  4. 「WTCインポート・サービス」ページで、次のフィールドに次の値を入力します:

    • 「リソース名」に、このインポートされたサービスの構成を識別するための名前を入力します。この名前により、WTCサービス内で同一のリモート名を持つ、一意の複数のインポート・サービス構成を作成できます。

    • 「ローカル・アクセス・ポイント」を、サービスを使用するローカルTuxedoアクセス・ポイントの名前に設定します。

    • 「リモート・アクセス・ポイント・リスト」に、このインポートされたサービスを提供するリモート・アクセス・ポイントの名前のリストを入力します。

    • リモート名」に、//domain_idを入力します。domain_idは、Tuxedo UBBCONFIGファイルで指定されたDOMAINIDです。このCORBAドメインの一意の識別子の最大長は、//を含めて15文字です。たとえば、//simpappff

  5. 「OK」をクリックします。

ejb-jar.xmlファイルの更新方法

Oracle WebLogic Tuxedo Connectorでは、ドメイン・ゲートウェイを使用してWebLogicアプリケーションとTuxedoアプリケーションが接続されます。IIOP接続プールは使用されないので、記述子をejb-jar.xmlファイルから削除できます。以下は、wlec/ejb/simpappサンプルからのコード・スニペットです。

例2-1 wlec/ejb/simpappサンプルのIIOP接続プール記述子

.
.
.
<env-entry>
         <env-entry-name>IIOPPoolName</env-entry-name>
         <env-entry-type>java.lang.String</env-entry-type>
         <env-entry-value>simplepool</env-entry-value>
       </env-entry>
.
.
.

WLECアプリケーションの変更方法

以下の項では、Oracle WebLogic Tuxedo Connectorを使用してWebLogic ServerオブジェクトとTuxedo CORBAオブジェクトを相互運用するために、WLECアプリケーションを変更する方法について説明します。

Oracle WebLogic Tuxedo Connectorで使用されるCORBAオブジェクトを参照するようにWLEC EJBを変更する方法

以下の手順に従って、EJBを変更し、Oracle WebLogic Tuxedo Connectorを使用してTuxedoにデプロイされているCORBAオブジェクトを呼び出します。

WTC ORBの初期化

WLECはweblogic.jndi.WLInitialContextFactoryを使用して、Tobj_Bootstrapオブジェクトによって使用されるコンテキストを返します。

Properties p = new Properties();
p.put(Context.INITIAL_CONTEXT_FACTORY,
     "weblogic.jndi.WLInitialContextFactory");
InitialContext ic = new InitialContext(p);
rootCtx = (Context)ic.lookup("java:comp/env");

WLECコンテキストの参照を置き換えて、BeanのWTC ORBを初期化します。例:

// Initialize the ORB.
String args[] = null;
Properties Prop;
Prop = new Properties();
Prop.put("org.omg.CORBA.ORBClass",
"weblogic.wtc.corba.ORB");

orb = (ORB)new InitialContext().lookup("java:comp/ORB");

ORBを使用してFactoryFinderオブジェクトの取得

各WLEC接続プールには、Tuxedoドメインへのアクセスに使用されるTobj_Bootstrap FactoryFinderオブジェクトがあります。例:

Tobj_Bootstrap myBootstrap = Tobj_BootstrapFactory.getClientContext("myPool");
org.omg.CORBA.Object myFFObject = 
    myBootstrap.resolve_initial_references("FactoryFinder");

Tobj_Bootstrap FactoryFinderオブジェクトへの参照を削除します。次のメソッドで、ORBを使用してFactoryFinderオブジェクトを取得します。

// String to Object.
org.omg.CORBA.Object fact_finder_oref =               orb.string_to_
object("corbaloc:tgiop:simpapp/FactoryFinder");

// Narrow the factory finder.
FactoryFinder fact_finder_ref =
FactoryFinderHelper.narrow(fact_finder_oref);

// Use the factory finder to find the simple factory.
org.omg.CORBA.Object simple_fact_oref =
fact_finder_ref.find_one_factory_by_id(SimpleFactoryHelper.id());

トランザクションの問題


注意:

JTAトランザクションの実装方法の詳細は、『Oracle WebLogic Server JTAのプログラミング』を参照してください。


この項では、トランザクションを使用するWLECアプリケーションの変更方法について説明します。

  • JTAトランザクションを使用するWLECアプリケーションの場合、変更は必要ありません。

  • CosTransactionsを使用するWLECアプリケーションの場合、JTAに変換する必要があります。WLECクライアントがトランザクション内で実行中であり、新しいCosTransactionを呼び出す必要がある場合、新しいトランザクションは新しいトランザクション・コンテキストで実装されます。JTAで同じ動作を実装するには、次の手順に従います。

    • 元のトランザクションを一時停止します。

    • 新しいトランザクションを開始します。

    • 新しいトランザクションが完了した後で、元のトランザクションを再開します。

WLECからWTCへ移行するセキュリティ事項の管理方法

次の表に、セキュリティ事項のWLECとWTCの間のマッピング・ガイドラインと、そのTuxedoとの関係を示します。

表2-1 WLECからWTCへ移行するセキュリティのマッピング・ガイドライン

WLECのセキュリティ事項 WTC/WLSでのマッピング Tuxedo

ユーザー名

「WTCサーバー」ページにアクセスし、「ローカルAP」タブをクリックします。「アクセス・ポイントID」フィールドのユーザー名を使用します。

DMCONFIGファイルのDM_REMOTE_DOMAINSセクションにあるDOMAINID

ユーザー・パスワード

パスワードのペア(相互認証を形成するには、1つのパスワードではなく、ローカル・アクセス・ポイント用のパスワードと、リモート・アクセス・ポイント用のパスワードを定義する必要があります)。

weblogic.wtc.gwt.genpasswdユーティリティを使用して暗号化されたパスワードのペアを生成できます。それを切り取って、コンソールの「WTCパスワード」ページに貼り付けます。

dmadminを使用して、定義された各TDomainセッションにパスワードのペアを追加します。

ロール

サポートされていません。

WTCでは、なりすましユーザーが信され、Tuxedoで定義されている、なりすまされたユーザーのロールが使用されます。

非適用

アプリケーション・パスワード

「WTCリソース」ページのパスワード。weblogic.wtc.gwt.genpasswdユーティリティを使用して、暗号化されたアプリケーション・パスワードを生成します。

特別な構成は不要。

最小暗号化レベル

  1. 「WTCサーバー」ページにアクセスし、WTCサービス名をクリックします。

  2. 「リモートAP」タブをクリックします。

  3. 「セキュリティ」タブをクリックし、必要な「最小暗号化レベル」を選択します。

DMCONFIGファイルのDM_TDOMAINセクションにあるMINENCRYPTBITS

最大暗号化レベル

  1. 「WTCサーバー」ページにアクセスし、WTCサービス名をクリックします。

  2. 「リモートAP」タブをクリックします。

  3. 「セキュリティ」タブをクリックし、必要な「最大暗号化レベル」を選択します。

DMCONFIGファイルのDM_TDOMAINセクションにあるMAXENCRYPTBITS

証明書認証

サポートされていません。

非適用

セキュリティ・コンテキストの伝播

  1. 「WTCサーバー」ページにアクセスし、WTCサービス名をクリックします。

  2. 「リモートAP」タブをクリックします。

  3. 「セキュリティ」タブをクリックし、「資格証明ポリシー」フィールドで「グローバル」を選択してTuxedoにユーザー資格証明を伝播します。

DMCONFIGファイルのDM_REMOTE_DOMAINSセクションにあるACL="GLOBAL"


以下の考慮事項に留意していただくと、現在お使いのWLECセキュリティをWTCおよびTuxedoセキュリティにマップする方法が理解しやすくなります。