Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド 11gリリース1 (11.1.1.7.0) B66694-02 |
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この章では、ADFデスクトップ統合を使用してExcelワークブックを準備してFusion Webアプリケーションと統合する方法、統合Excelワークブックのページ定義ファイルを使用する方法、既存のワークブックをFusion Webアプリケーションと統合する場合にADFデスクトップ統合を手動で有効にする方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
この章(およびこのガイド全体)では、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』の説明に従って、適切に機能するFusion Webアプリケーションが開発されていることを前提としています。
Fusion Webアプリケーションの開発後、この章で説明するタスクを実行して、統合ExcelワークブックとFusion Webアプリケーションを構成します。このガイドのそれ以降の章では、統合ワークブックとOracle ADF機能の構成や実行時に必要となる機能を提供するOracle ADFコンポーネントの追加など、高度な機能を構成する手順を説明します。
注意: 開始する前に、デザイナ・エディションのADFデスクトップ統合をインストールしたことを確認してください。ADFデスクトップ統合のエディションの詳細は、3.4項「ADFデスクトップ統合のインストール」を参照してください。 |
Fusion Webアプリケーションは、統合Excelワークブックをプロジェクトに追加する際にADFデスクトップ統合に対して自動的に有効化されます。統合Excelワークブックを使用して、ADFコンポーネントとADFデータ・バインディングを追加できます。
統合Excelワークブックを追加するには、JDeveloperでFusion Webアプリケーションを開いて、「新規ギャラリ」からのプロジェクトにExcelワークブックを追加します。
JDeveloper内で統合Excelワークブックを追加するには:
JDeveloperでFusion Webアプリケーションを開きます。
アプリケーション・ナビゲータで、新しい統合Excelワークブックを追加するViewControllerのようなユーザー・インタフェース・プロジェクトを選択します。
「ファイル」メニューから「新規」を選択します。
「新規ギャラリ」で、「クライアント層」を展開し、「ADFデスクトップ統合」、「Microsoft Excelワークブック」の順に選択します。
図4-1は、「新規ギャラリ」と「ADFデスクトップ統合」カテゴリおよび「Microsoft Excelワークブック」オプションを示します。
「OK」をクリックします。
必要があれば「ADFデスクトップ統合対応Excelワークブックの作成」ダイアログで、ワークブックのファイル名とその場所を編集します。
デフォルトでは、統合Excelワークブックは、選択されたプロジェクトの<
PROJECT_HOME
>
\src\excel
ディレクトリにadfdi-workbook.xlsx
として保存されます。ワークブックはどこにでも保存できますが、Fusion Webアプリケーションの他のファイルとともに保存する必要があります。
「OK」をクリックします。
JDeveloperは統合ExcelワークブックをFusion Webアプリケーションに追加して、ADFデスクトップ統合テクノロジに対してプロジェクトを自動的に有効化します。図4-2は、アプリケーション・ナビゲータのViewControllerプロジェクト内の統合Excelワークブックを示しています。
統合Excelワークブックを追加したら、それを構成する必要があります。
新しい統合Excelワークブックを構成するには:
統合Excelワークブックを開きます。
Fusion Webアプリケーションの他のファイルとともにワークブックを保存した場合、図4-3に示すように「ページ定義」ダイアログが自動的に表示されます。
「ページ定義」ダイアログでアクティブなワークシートのページ定義ファイルを選択して、「OK」をクリックします。
注意: ページ定義ファイルの完全パスが248文字を超える場合、ページ定義ファイルは「ページ定義」ダイアログに表示されません。 |
ワークブックを別の場所に保存した場合、4.4.3項「新しい統合Excelワークブックの手動による構成方法」の説明に従ってワークブックを構成してください。
「Oracle ADF」タブの「ワークブック」グループで、「ワークブック・プロパティ」をクリックします。
「ワークブック・プロパティの編集」ダイアログで、ワークブックをカスタマイズする際に設計モードとテスト・モードを切り替えられるように、次のプロパティの値を設定または確認します。
ApplicationHomeFolder
このプロパティの値は、JDeveloperアプリケーション・ワークスペース(.jws
)のルート・ディレクトリの絶対パスに相当します。ワークブックがJDeveloperアプリケーションのワークスペース内にある場合、ApplicationHomeFolder
ワークブック・プロパティの値は自動的に割り当てられます。
注意: アプリケーション・ディレクトリを移動した後にExcelファイルを開く場合、 |
Project
このプロパティの値は、JDeveloperアプリケーション・ワークスペースのJDeveloperプロジェクト(.jpr
)の名前に相当します。プロジェクトを変更するには、参照(...)アイコンをクリックして、JDeveloperアプリケーション・ワークスペースで定義されたプロジェクトをリストする「プロジェクト」ダイアログからプロジェクトを選択します。
デフォルトでは、Project
はExcelドキュメントを含むプロジェクト名に設定されます。ADFデスクトップ統合は、ApplicationHomeFolder
の値として指定された使用可能なプロジェクト名をapplication_name.jws
からロードします。
WebAppRoot
このプロパティの値を、Fusion Webアプリケーションを統合するWebコンテキスト・ルートの完全修飾URLに設定します。完全修飾されたURLは次の形式になります。
http://<hostname>:<portnumber>/context-root
JDeveloperでは、「プロジェクト・プロパティ」ダイアログの「Java EEアプリケーション」ページでWebコンテキスト・ルート(context-root
)を指定します。図4-4に、JDeveloperのADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションおよび統合Excelワークブックに使用されるコンテキスト・ルートを示します。
図4-5に示すように、完全修飾URLは、ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションを使用してシステムにテスト環境を設定する場合に、次のようになります。
http://localhost:7101/summit
Fusion WebアプリケーションがオンラインでADFデスクトップ統合がサポートされているかを確認する方法の詳細は、C.1項「Fusion WebアプリケーションがADFデスクトップ統合をサポートするかどうかの検証」を参照してください。
ExcelファイルをセキュアなFusion Webアプリケーションと統合する場合、WebAppRoot
の値を入力する際にhttps
プロトコルを使用する必要があります。Fusion Webアプリケーションの保護の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverセキュリティのプログラミング』を参照してください。
WebPagesFolder
このプロパティの値を、Fusion WebアプリケーションのWebページを含むディレクトリに設定します。ディレクトリ・パスは、ApplicationHomeFolder
の値の相対パスになります。たとえば、EditCustomers-DT.xlsx
ワークブックでは、WebPagesFolder
はViewController\public_html
に設定されます。
図4-6は、ADFデスクトップ統合のEditPriceList-DT.xlsx
ワークブックのSummitサンプル・・アプリケーションの「ワークブック・プロパティの編集」ダイアログでのワークブック・プロパティの例を示しています。
「OK」をクリックします。
Excelのワークブックを保存します。
Oracle ADFの機能を使用するには、それぞれのワークシートをページ定義ファイルに関連付けます。ワークシートを統合Excelワークブックに追加する際に、ページ定義ファイルをワークシートに関連付けます。統合Excelワークブックの複数のワークシートをFusion Webアプリケーションに統合できます。統合Excelワークブックの各ワークシートに異なるページ定義ファイルを使用してください。
ページ定義ファイルとExcelワークシートを関連付けるには:
Excelワークブックが設計モードにある間に、Excelリボンの「ホーム」タブをクリックし、「セル」グループで「挿入」→「シートの挿入」を選択します。
「ページ定義の選択」ダイアログ・ボックスで、ページ定義ファイルを選択します。
これにより、ADFデスクトップ統合の作業ウィンドウのバインディング・パレットに、ページ定義ファイルに含まれるバインディングが移入されます。これで、Oracle ADF機能を使用してワークシートを構成できます。
注意: 新しいワークシートを挿入した後に統合Excelワークブックを実行して「プログラミングによる Visual Basic プロジェクトへのアクセスは信頼性に欠けます」というエラー・メッセージが表示される場合、Excelオプションで「VBA プロジェクト オブジェクト モデルへのアクセスを信頼する」チェック・ボックスを有効にします。詳細は、3.3項「ADFデスクトップ統合と協働するExcelの構成」を参照してください。 |
ADFデスクトップ統合が有効になっているFusion WebアプリケーションをJDeveloperからデプロイする際は、ADFデスクトップ統合の共有ライブラリへの参照が適切なディスクリプタ・ファイルに追加されます。ADFデスクトップ統合のモデルAPIライブラリまたはADFデスクトップ統合ランタイム・ライブラリを参照する複数のプロジェクトを含むすべてのFusion Webアプリケーションについて、プラットフォームに依存しないADFデスクトップ統合モデルAPIの共有ライブラリへの参照がデプロイメント中に追加されます。
ADFデスクトップ統合ランタイム・ライブラリへの参照を含むすべてのWebアプリケーション・モジュール(WAR)プロジェクトの場合は、プラットフォームに依存しないADFデスクトップ統合ランタイム共有ライブラリへの参照がデプロイメント中に追加されます。
Oracle WebLogicサーバーにFusion Webアプリケーションをデプロイする際は、次の処理が実行されます。
デプロイされるアプリケーションEARファイルのMETA-INF/weblogic-application.xml
ファイルに、oracle.adf.desktopintegration.model
へのライブラリ参照が含まれます。
例:
<library-ref> <library-name>oracle.adf.desktopintegration.model</library-name> </library-ref>
共有ライブラリは、oracle.adf.desktopintegration.model.ear
のMW_HOME
/oracle_common/modules/oracle.adf.desktopintegration.model_11.1.1
に配信されます。
デプロイされるWebアプリケーションWARファイルのWEB-INF/weblogic.xml
ファイルに、oracle.adf.desktopintegration
へのライブラリ参照が含まれます。
例:
<library-ref> <library-name>oracle.adf.desktopintegration</library-name> </library-ref>
共有ライブラリは、oracle.adf.desktopintegration.war
のMW_HOME
/oracle_common/modules/oracle.adf.desktopintegration_11.1.1
に配信されます。
IBM WebSphere Application ServerにWebアプリケーションをデプロイする際、次の処理が実行されます。
ADFデスクトップ統合モデルAPIライブラリまたはADFデスクトップ統合ランタイム・ライブラリが必要なアプリケーションでは、デプロイメントの手順により、com/oracle/adfdimodel
拡張への参照がアプリケーションEARファイルのMETA-INF/MANIFEST.MF
ファイルに挿入されます。
例:
Manifest-Version: 1.0 Extension-List: adfm adfdimodel adfm-Extension-Name: com/oracle/adfm adfm-Specification-Version: 1.0 adfdimodel-Extension-Name: com/oracle/adfdimodel adfdimodel-Specification-Version: 1.0 UseWSFEP61ScanPolicy: false
ADFデスクトップ統合ランタイム・ライブラリを参照するプロジェクトを持つWebアプリケーションのdeployment.xml
ファイルには、デプロイメント中に挿入されたライブラリ参照が含まれます。
例:
<libraries xmi:id="LibraryRef_1274886542330_oracle.adf.desktopintegration_1.0_11.1.1.2.0" libraryName="oracle.adf.desktopintegration_1.0_11.1.1.2.0" sharedClassloader="true"/>
注意: システム管理タスクおよびこれらのプラットフォームの共有ライブラリの詳細は、Oracle WebLogicサーバーおよびIBM WebSphere Application Serverのドキュメントを参照してください。 |
ページ定義ファイルは、実行時にOracle ADFコンポーネントにデータを移入するバインディングを定義します。また、このデータに使用する操作やアクションを定義するアクション・バインディングおよびメソッド・アクション・バインディングも参照します。ページ定義ファイルは、Fusion Webアプリケーションと統合するExcelワークシートごとに個別に定義する必要があります。統合Excelワークブックには、ページ定義ファイルを参照しないワークシートを含めることができます。
ADFデスクトップ統合のタスク・ウィンドウには、ADFデスクトップ統合がバインディング・パレットでサポートしているバインディングのみが表示されます。ページ定義ファイルがADFデスクトップ統合がサポートしないバインディング(グラフ・バインディングなど)を参照する場合、それは表示されません。
表4-1は、ADFデスクトップ統合モジュールがサポートするバインディング・タイプの一覧および説明です。
表4-1 ADFデスクトップ統合コンポーネントのバインディングの要件
ADFデスクトップ統合コンポーネント | サポートされているバインディング | 追加の説明 |
---|---|---|
ADF入力テキスト |
属性バインディング |
|
ADF出力テキスト |
属性バインディング |
|
ADFラベル |
属性とリスト・バインディング |
このADFデスクトップ統合コンポーネントは、コントロール・バインディングのラベル・プロパティを使用します。 |
ADF値リスト |
リスト・バインディング |
|
ツリー・ノード・リスト |
ツリー・バインディング属性とリスト・バインディング |
ツリー・バインディング属性はモデル・ドリブンのリストに関連付けられている必要があります。 |
ADFボタン |
各種 |
ADFデスクトップ統合のADFボタン・コンポーネントは、アクション・セットを起動できます。アクション・セットは、アクション・バインディング、メソッド・アクション・バインディング、ADFデスクトップ統合内のコンポーネントにより公開されるアクションを参照できます。アクション・セットの詳細は、8.2項「アクション・セットの使用」を参照してください。 |
ADF読取り専用表 |
ツリー・バインディング |
|
ADF表 |
ツリー・バインディング |
ADFデスクトップ統合内のコンポーネントが使用するバインディングの詳細は、付録A「ADFデスクトップ統合コンポーネントのプロパティとアクション」を参照してください。
ページ定義ファイルの要素と属性の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のpageNamePageDef.xmlに関する項を参照してください。
Fusion WebアプリケーションのADFデータ・バインディングおよびページ定義ファイルの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のFusion WebアプリケーションでのADFモデルの使用に関する項を参照してください。
JDeveloperプロジェクトで公開するOracle ADFバインディングを決定するページ定義ファイルを、作成および構成します。
統合Excelワークブックのページ定義ファイルを作成するには:
JDeveloperで、ADFデスクトップ統合アプリケーションのプロジェクトに新しいJSFページを追加します。
ヒント: JSFページにADF Faces |
注意: JDeveloperは、選択したJSFページ名に基づいてページ定義ファイル名を作成します。ページ定義ファイル名で特定のワークブックやワークシートとの関連を示すには、JSFページを作成する際にこの名前を選択してください。 |
アプリケーション・ナビゲータで、ページを右クリックしてページ定義に移動を選択します。
新規ページ定義作成の確認ダイアログで、「はい」をクリックします。
統合Excelワークブックに必要なバインディングをページ定義ファイルに追加します。
ページ定義ファイルを保存します。
図4-7に、ワークブックEditCustomers-DT.xlsx
のSheet 1
ワークシートが参照するページ定義ファイルExcelCustomers.xml
を示します。
ページ定義ファイルの使用の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のページ定義ファイルの使用に関する項を参照してください。
統合Excelワークブックをテスト・モードで実行したり、公開する予定がある場合は、Fusion Webアプリケーションを作成して実行します。
JDeveloperは、4.3.1項「統合Excelワークブックのページ定義ファイルの作成方法」の手順を使用して最初にページ定義ファイルをJDeveloperプロジェクトに追加する際に、DataBindings.cpx
ファイルを作成します。
DataBindings.cpx
ファイルは、Fusion Webアプリケーションのバインディング・コンテキストを定義し、実行時に作成されるOracle ADFバインディングの元の構成を提供します。このファイルの使用の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のDataBindings.cpxファイルの使用に関する項を参照してください。このファイルの要素と属性の詳細は、同ガイドのDataBindings.cpxに関する項にあります。
JDeveloperデスクトップ統合プロジェクトで、Excelワークシートに関連付けられたページ定義ファイルに変更を加える場合、JDeveloperデスクトップ統合プロジェクトをリビルドして、Excelワークシートにページ定義ファイルをリロードし、ADFデスクトップ統合のタスク・ウィンドウに変更が表示されるか確認します。4.2.2項「新しい統合Excelワークブックの構成方法」の説明に従って、ページ定義ファイルを選択する際にそれをExcelワークシートに関連付けます。
「Oracle ADF」タブには、すべてのページ定義ファイルをExcelワークブックにリロードするボタンがあります。
ページ定義ファイルに変更を加えた後にJDeveloperデスクトップ統合プロジェクトをリビルドせずにアプリケーションを再起動すると、統合Excelワークブックを設計モードからランタイムに切り替えるときに、エラーが発生することがあります。次に例を示します。
ページ定義ファイルの要素を削除した場合
リビルドせずにFusion Webアプリケーションを再起動した場合
統合Excelワークブックにページ定義ファイルをリロードしない場合
前述の場合にワークブックをテスト・モードに切り替えようとすると、次のようなエラー・メッセージが表示されることがあります。
[ADFDI-05530] unable to initialize worksheet: MyWorksheet [ADFDI-05517] unable to find control MyBindingThatWasRemoved
Excelワークブックにページ定義ファイルをリロードするには:
更新したページ定義ファイルをJDeveloperを保存したことを確認してください。
Excelワークブックで、 「Oracle ADF」タブのコンポーネント・グループのバインディングのリフレッシュ・ボタンをクリックします。
「バインディングのリフレッシュ」ボタンの詳細は、5.1項「開発ツールの概要」を参照してください。
ページ定義ファイルをリロードした後、ワークシートのADFデスクトップ統合の作業ウィンドウに、Fusion Webアプリケーションの関連ページのものと同じバインディングが表示されます。たとえば、図4-8はExcelCustomersPageDef.xml
ページ定義ファイルのバインディングと、EditCustomers-DT.xlsx
ワークブックのワークシートにある同じバインディングを示します。
ADFデスクトップ統合プロジェクトのページ定義ファイルについて、次の点に注意してください。
複数のExcelワークシートの統合: Excelワークブックの複数のワークシートをFusion Webアプリケーションと統合できます。4.2.3項「統合Excelワークブックにワークシートを追加する方法」の説明に従って、ページ定義ファイルをそれぞれのワークシートに関連付けます。
ページ定義ファイルのEL式: 次の構文を使用して、ページ定義ファイルでEL式を記述してください。
Dynamic (${})
EL式の記述に構文Deferred (#{})
を使用しないでください。この構文を使用したEL式は、使用できないADF Facesコンテキストにアクセスしようとするため、エラーを生成します。
注意: 入力テキスト・コンポーネントなど、統合ExcelワークブックのADFデスクトップ統合コンポーネントに記述するEL式では、 |
統合Excelワークブックを追加せずにFusion WebアプリケーションでADFデスクトップ統合を有効化するには、ADFデスクトップ統合テクノロジを手動で追加する必要があります。
JDeveloperの「プロジェクト・プロパティ」ダイアログを使用して、プロジェクトにADFデスクトップ統合テクノロジを追加します。
プロジェクトにADFデスクトップ統合を手動で追加するには:
JDeveloperでプロジェクトを開きます。
アプリケーション・ナビゲータで、ADFデスクトップ統合を追加するプロジェクトを右クリックして、「プロジェクト・プロパティ」を選択します。
Webアプリケーションに対応するプロジェクトを選択します。アプリケーションでFusion Web Application (ADF)アプリケーション・テンプレートを使用する場合、ViewControllerなどのユーザー・インタフェース・プロジェクトを選択します。
「プロジェクト・プロパティ」ダイアログで「テクノロジ・スコープ」を選択して、使用可能な選択したテクノロジのリストを表示します。
「ADFデスクトップ統合」テクノロジ・スコープを選択して、図4-9に示すように「選択されたもの」リストに追加します。
「OK」をクリックして「プロジェクト・プロパティ」ダイアログを閉じます。
ADFデスクトップ統合を追加する際の処理の詳細は、4.4.4項「ADFデスクトップ統合をJDeveloperプロジェクトに追加する際の処理」を参照してください。
注意: EARファイルやJARファイルを介してADFライブラリ・ファイルを追加し、統合Excelワークブックを分散する予定があれば、「ADFライブラリWebアプリケーション・サポート」をプロジェクトに追加してください。詳細は4.4.5項「ADFライブラリWebアプリケーション・サポートの追加」を参照してください。 |
既存のワークブックをADFデスクトップ統合が有効化されたFusion Webアプリケーションに統合するには、そのワークブックでADFデスクトップ統合を手動で有効にする必要があります。Fusion Webとの統合のために変換できるExcelワークブックのファイル形式の詳細は、3.2項「必要なOracle ADFモジュールおよびサード・パーティ製ソフトウェア」を参照してください。
既存のExcelワークブックでADFデスクトップ統合を有効にするには:
Excelでワークブックを開きます。
「Oracle ADF」タブの「ワークブック」グループで、「ワークブック・プロパティ」をクリックします。
ワークブックの有効化ダイアログで、図4-10に示すように「はい」をクリックします。
ADFデスクトップ統合がワークブックを準備して、ADFデスクトップ統合のデザイナの作業ウィンドウを表示し、「フォルダの参照」ダイアログが開きます。詳細は、4.4.3項「新しい統合Excelワークブックの手動による構成方法」を参照してください。
ワークブックを保存します。
Fusion Webアプリケーションと統合するExcelワークブックはどこにでも保存できますが、Fusion Webアプリケーションの他のファイルとともに保存するメリットがいくつかあります。たとえば、次のようなものです。
ワークブックのソースの管理
Webページからのワークブックのダウンロードの円滑化
最初にワークブックを開いたときに表示されるファイル・システム・フォルダ・ピッカーは、ワークブックを保存する場所をデフォルトとします。
たとえば、ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションは統合するExcelワークブックを次のサブディレクトリに保存します。
Summit_HOME
\ViewController\src\oracle\summitdi\excel
ここで、Summit_HOME
はADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのソース・ファイルを保存するルート・ディレクトリです。
ワークブックでADFデスクトップ統合を手動で有効にした後、それを構成する必要があります。
新しい統合Excelワークブックを手動で構成するには:
統合Excelワークブックを開きます。
図4-11に示すように、「フォルダの参照」ダイアログが自動的に表示されます。
「フォルダの参照」ダイアログを使用して、JDeveloperアプリケーションのホーム・ディレクトリを選択します。一般的なJDeveloperのプロジェクトでは、JDeveloperアプリケーションのホーム・ディレクトリにapplication_name.jws
ファイルが保存されます。選択した値がApplicationHomeFolder
ワークブックのプロパティに割り当てられます。
注意: ワークブックがJDeveloperアプリケーションのワークスペース内にある場合、「フォルダの参照」ダイアログは表示されません。この場合、 |
「Oracle ADF」タブの「ワークブック」グループで、「ワークブック・プロパティ」をクリックします。
「ワークブック・プロパティの編集」ダイアログで、4.2.2項「新しい統合Excelワークブックの構成方法」の手順3で説明したプロパティを構成します。
「OK」をクリックします。
「Oracle ADF」タブの「ワークブック」グループで、「ワークシート・プロパティ」をクリックします。
「ワークシート・プロパティの編集」ダイアログで、「ページ定義」入力フィールドの横にある参照(...)アイコンをクリックし、図4-12に示す「ページ定義」ダイアログからページ定義ファイルを選択します。
「OK」をクリックします。
作業ウィンドウに、ADFデスクトップ統合とともにExcelのワークシートが表示されます。手順6で選択したページ定義ファイルのバインディングが、「バインディング」タブに表示されます。
Excelのワークブックを保存します。
デフォルトでは、新しいExcelワークブックとADFデスクトップ統合を準備するときは、ワークブックが保護されていないFusion Webアプリケーションと統合されることを想定します。ワークブックを保護されたFusion Webアプリケーションと統合するには、第11章「統合Excelワークブックの保護」を参照してください。
ADFデスクトップ統合の機能をプロジェクトに追加する際、次のイベントが発生します。
プロジェクトでは、ADFデスクトップ統合のランタイム・ライブラリが追加されます。このライブラリは、そのクラスパスで次の.jar
ファイルを参照します。
adf-desktop-integration.jar
adf-desktop-integration-model-api.jar
resourcebundle.jar
プロジェクトのデプロイメント・ディスクリプタ(web.xml
)は、次のエントリを含むように変更されます。
ADFバインディング・フィルタ(adfBindings
)
adfdiRemote
という名前のサーブレット
注意:
|
adfdiExcelDownload
という名前のフィルタ
ExcelファイルのMIMEマッピング(.xlsx
と.xlsm
)
前述のリストは完全なものではありません。ADFデスクトップ統合をプロジェクトに追加すると、web.xml
に他の変更が加えられます。web.xml
の一部のエントリは、このファイルにまだ表示されない場合にのみ追加される点に注意してください。
統合ワークブックをADFライブラリ・ファイルに追加して分散するには、ADFライブラリWebアプリケーションのサポートをFusion Webアプリケーションに追加します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』の再利用可能なADFコンポーネントのADFライブラリへのパッケージ化に関する項を参照してください。
web.xml
ファイルでフィルタおよびフィルタ・マッピング情報を更新する際には、Fusion Webアプリケーションから統合Excelワークブックをダウンロードできるように、adfdiExcelDownload
フィルタ・エントリの下にADFライブラリWebアプリケーション・サポート(<filter-name>ADFLibraryFilter</filter-name>
)が表示されるようにしてください。
図4-13に示すように、include-extension-list
初期化パラメータを更新して、Excelファイル拡張子(.xlsx
および.xlsm
など)を追加する必要もあります。
web.xml
の詳細は、付録D「Webアプリケーション・デプロイメント・ディスクリプタのADFデスクトップ統合設定」を参照してください。