Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者ガイド 11g リリース1 (11.1.1.7.0) B72084-02 |
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Webクリッピングは、WebCenter Portal: Frameworkアプリケーションに任意のWebアプリケーションを統合できるようにする公開ポートレットです。Webクリッピングは、Webアプリケーションの既存のユーザー・インタフェースを利用して迅速に統合できるように設計されています。Webクリッピングでは、Webコンテンツを単一の一元化したWebページのポートレットに収集できます。Webクリッピングを使用すると、大規模な組織に散在するWebサイトのコンテンツを統合できます。
この章には、WebクリッピングをOracle JDeveloper環境で使用するために知っておく必要がある情報が含まれています。実行時のWebクリッピングの使用方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイド』のWebクリッピング・ポートレットの使用に関する項の章を参照してください。
この章には次の項が含まれます:
様々なタイプのポートレット、プロデューサ、および他のポートレット・テクノロジの詳細は、第57章「ポートレットの概要」を参照してください。
注意: Webクリッピング・ポートレットは、リリース11g (11.1.1.7.0)では非推奨になっています。Oracle WebCenter Portalのページレット・プロデューサを使用してクリップ・ページレットを使用することを検討してください。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のOracle WebCenter Portalのページレット・プロデューサの管理に関する項を参照してください。 |
Webクリッピングを使用すると、Webページ全体または一部をクリップし、ポートレットとして再利用できます。基本およびHTMLフォームベースのサイトはクリップ可能です。Webクリッピングは、既存のWebページのコンテンツをコピーし、Frameworkアプリケーションでポートレットとして公開する場合に使用します。
様々なスタイルのログイン・メカニズムを介したナビゲーション
Webクリッピングでは、フォーム・ベースとJavaScriptベースの送信、Cookieベースのセッション管理を使用したHTTPのBasic認証とDigest認証など、様々なログイン・メカニズムをサポートしています。
クリッピングのファジー・マッチング
ファジー・マッチング機能により、Webクリッピングがソース・ページ内で順序変更されたり、その文字フォント、サイズまたはスタイルが変更された場合でも、Webクリッピング・エンジンがWebクリッピングを正確に識別し、ポートレット・コンテンツとして配信できるようになります。
パーソナライズ
パーソナライズ機能を使用すると、エンド・ユーザーがポートレットのパーソナライズ時に変更できる入力パラメータを公開できます。パラメータは、ページ・パラメータとしてマップできるパブリック・パラメータとして公開できます。この機能により、エンド・ユーザーはパーソナライズされたクリッピングを取得できます。
シングル・サインオンを使用した認証済Webコンテンツの統合
外部アプリケーションやOracle Single Sign-Onを利用して、認証済外部Webサイトのコンテンツをクリップできます。
インライン・レンダリング
インライン・レンダリングを使用すると、ポートレットのコンテキスト内にリンクを表示するようにWebクリッピング・ポートレットを設定できます。ユーザーがWebクリッピング・ポートレット内でリンクをクリックすると、同じポートレット内に結果が表示されます。この機能は、内部および外部のWebサイトで使用できます。
プロキシ認証
Webクリッピングは、グローバルなプロキシ認証やユーザーごとの認証などのプロキシ認証をサポートします。プロキシ・サーバーから認証を求められる場合は、この機能を使用できます。タイプ(BasicまたはDigest)やprovider.xml
ファイル内のレルムなど、プロキシ・サーバー認証の詳細を指定できます。また、ユーザー資格情報の入力スキームを指定することもできます。
すべてのユーザーは、指定されたユーザー名とパスワードを使用して自動的にログインします。
すべてのユーザーは、自ら設定したユーザー名とパスワードを使用してログインする必要があります。
すべてのパブリック・ユーザー(Frameworkアプリケーションで未認証)は、指定されたユーザー名とパスワードを使用して自動的にログインしますが、有効なユーザー(Frameworkアプリケーションで認証済)は、自ら設定したユーザー名とパスワードを使用してログインします。
詳細は、第64.5.2項「HTTPまたはHTTPSのプロキシ構成」を参照してください。
HTTPSのサポート
Webクリッピングを使用すると、適切なサーバー証明書を取得している場合に、HTTPSベースの外部Webサイトからコンテンツをクリップできます。サーバー証明書の詳細は、第64.5.3.1項「信頼できるサイトの証明書の追加」を参照してください。
オープン・トランスポートAPI
デフォルトでは、Webクリッピング・プロバイダは、Basic、Digest、フォーム送信ログインなどのHTTPチャレンジベースの認証方式のみをサポートしています。Kerberosプロキシ認証などのカスタムの認証方式をサポートするには、Webクリッピング・トランスポートAPIを使用できます。詳細は、第64.4.1項「Webクリッピング・トランスポートAPIの使用方法」を参照してください。
広範囲なWebコンテンツの再利用
Webクリッピングには、HTTPのGETおよびPOSTのフォーム送信方式を使用して取得された、JavaScriptで記述されたページ、アプレットおよびプラグイン対応コンテンツの基本サポートが用意されています。
Webクリッピングではまた、次のようなHTML 4.01で記述されたページのコンテンツのクリッピングもサポートしています。
<applet>、<body>、<div>、<embed>、<img>、<object>、<ol>、<span>、<table>、
および<ul>
タグ付きコンテンツのクリッピング
<head>
スタイルとフォント、およびCSSの保持
UTF-8準拠のキャラクタ・セットのサポート
ハイパーリンク(HTTP GET)、フォーム送信(HTTP POST)、フレームおよびURLリダイレクションを使用したナビゲーション
グローバリゼーション・サポート
Webクリッピングは、URLおよびURLパラメータでのグローバリゼーション・サポートを提供します。クリップされたコンテンツのキャラクタ・セットをWebクリッピングが決定する方法の詳細は、第64.6項「Webクリッピングに関する現在の制限」を参照してください。
Webクリッピングの定義の永続的な格納
Webクリッピングの定義は、リポジトリに永続的に格納されます。デフォルトでは、JDeveloperで、Webクリッピング・プロデューサがファイルベースのOracle Metadata Service (MDS)をリポジトリとして使用するように構成されています。必要に応じて、Webクリッピング・リポジトリにデータベース・スキーマを使用できます。Webクリッピング・リポジトリの構成の詳細は、第64.5.1項「Webクリッピング・リポジトリの構成」を参照してください。
保護情報の暗号化
パスワードなどの保護情報は、Oracleの暗号化テクノロジを使用し、Data Encryption Standard (DES)に基づいて暗号化されたフォームで格納されます。
Webクリッピング・ポートレットは、JDeveloperを使用して作成されたJSPドキュメントに追加できます。Webクリッピング・ポートレット・プロデューサは、次のサーバーに組み込まれています。
統合WebLogic Server (WLS)、つまり、JDeveloperとともにインストールされるデフォルトのサーバー
Oracle Fusion Middlewareの完全インストールのデフォルト・ドメインにあるWLS_Portlets
管理対象サーバー
Webクリッピング・ポートレットをアプリケーションに追加するには:
JDeveloperで、統合WLSを起動します。詳細は、第3.4項「統合WebLogic Serverの使用」を参照してください。
JDeveloperで、Webクリッピング・プロデューサを登録します。詳細は、第62.3項「WebCenter Portal: FrameworkアプリケーションへのOracle PDK-Javaポートレット・プロデューサの登録」を参照してください。
この手順では、たとえば次のようなエンドポイントURLを指定する必要があります。
http://localhost:7101/portalTools/webClipping/providers/webClipping
WLS_Portlets
管理対象サーバーまたは統合WLSからWebクリッピング・ポートレット・プロデューサを登録することを選択できます。
プロデューサを登録すると、ポートレットが「アプリケーション・リソース」パネルや「リソース・パレット」で使用可能になります。
「アプリケーション・リソース」パネルまたは「リソース・パレット」から、Webクリッピング・ポートレットを.jspx
ページにドラッグします。詳細は、第62.6項「ページへのポートレットの追加」を参照してください。
PanelCustomizable
コンポーネントまたはShowDetailFrame
コンポーネントを使用している場合は、af:form
のかわりにそのコンポーネントの上にポートレットをドラッグします。「構造」ペインで、Webクリッピング・ポートレットは、PanelCustomizable
コンポーネントまたはShowDetailFrame
コンポーネントの下に表示されます。ページ・エディタで、ポートレットは、PanelCustomizable
コンポーネントまたはShowDetailFrame
コンポーネントの中に表示されます。
注意: JDeveloperでWebクリッピングのインスタンスをページに追加する際、ポートレットの「プロパティ・インスペクタ」を開き、
|
.jspx
ページを右クリックし、「実行」を選択します。
Webクリッピング・ポートレットがデフォルトのブラウザに表示されます。
Webクリッピング・ポートレットをカスタマイズしてそのコンテンツを定義します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイド』の章Webクリッピング・ポートレットの使用に関する項を参照してください。
注意: SSL対応Webサイトをクリップするには、証明書ストアにそれらのサイトの証明書を追加する必要があります。Equifax、VeriSignまたはCybertrustの証明書を使用するSSL対応Webサイトの証明書は追加する必要がありません。これらの証明書は、デフォルトの証明書ストアに含まれています。 証明書の追加の詳細は、第64.5.3.1項「信頼できるサイトの証明書の追加」を参照してください。 |
Oracle Single Sign-Onを利用して、認証に必要な外部WebサイトのコンテンツをWebクリッピング・ポートレットに統合できます。
注意: 1つのプロデューサに関連付けることができる外部アプリケーションは1つのみです。外部アプリケーションごとに新規のプロデューサを登録する必要があります。Frameworkアプリケーション・ユーザーは、資格情報ではなく、該当のシステムのユーザー名とパスワードを使用して認証されているコンテンツにアクセスします。 |
認証が必要な外部アプリケーションを統合するには:
JDeveloperでFrameworkアプリケーションを開きます。
認証情報を指定して、外部アプリケーションを登録します。詳細は、第68.13.3.2.1項「外部アプリケーションのOracle JDeveloperでの登録」を参照してください。
Webクリッピング・プロデューサを登録します。詳細は、第62.3項「WebCenter Portal: FrameworkアプリケーションへのOracle PDK-Javaポートレット・プロデューサの登録」を参照してください。
Oracle PDK-Javaポートレット・プロデューサの登録ウィザードを使用してプロデューサを登録する際に、「接続詳細の指定」ページで、「プロデューサと外部アプリケーションとの関連付け」チェック・ボックスを選択し、値のリストから登録した外部アプリケーションを選択します。「プロデューサ・セッションの有効化」チェック・ボックスが自動的に選択されます。
図64-1は、Webクリッピング・プロデューサと関連付けられているMyOracleSupportという名前の外部アプリケーションを示しています。
登録したプロデューサからのWebクリッピング・ポートレットを.jspxページ
に追加します。
.jspx
ページを右クリックし、「実行」を選択します。
外部アプリケーションの共有資格情報または公開資格情報を指定しなかった場合は、ポートレットに「ログイン情報の更新」リンクが含まれます。このリンクをクリックします。
資格情報を入力し、「OK」をクリックして外部Webサイトにログインします。
図64-2に、MyOracleSupportという名前の外部アプリケーションのログイン画面を示します。
Webクリッピング・ポートレットのヘッダーで「アクション」アイコンをクリックし、「カスタマイズ」を選択します。
「Webクリッピングの検索」ページが表示され、外部アプリケーションのデフォルトのURLが「URLの場所」フィールド(図64-3)に表示されます。
これで、Webクリッピング・ポートレットに表示するWebページの任意のセクションを選択できるようになりました。Webクリッピング・ポートレットのカスタマイズ方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイド』の章Webクリッピング・ポートレットの使用に関する項を参照してください。
外部アプリケーションの必要なページをクリップすると、認証が必要なページからのWebクリッピングでも、ポートレットで使用できるようになります。
Webクリッピングは、特定の拡張機能をサポートしています。Webクリッピング・トランスポートAPIを使用してカスタム認証方式を構成し、リソース・プロキシを使用するようにイメージ・リンクをリライトできます。
この項には次のサブセクションが含まれます:
カスタム認証方式をサポートするには、Webクリッピング・トランスポートAPIを使用できます。Webクリッピング・トランスポート・レイヤーを拡張してカスタム認証方式をサポートするには、いくつかの実装およびデプロイの手順を実行する必要があります。
この項には次のサブセクションが含まれます:
Kerberosなどのカスタム認証方式をサポートする場合は、まず、固有のトランスポート・クラスを実装する必要があります。
カスタム・トランスポート・クラスを実装するには:
oracle.portal.wcs.transport.http.HttpTransportLiaison
インタフェースの2つのユース・ケースをオーバーライドします。
Webクリッピングでは、このインタフェースを使用してHTTPトランスポート・レイヤーが抽象化されます。デフォルトでは、次の実装によって、このインタフェースの2つのユース・ケースがマニフェストされます。
HttpClientStudioTransportLiaison
は、Webクリッピング・スタジオ・モードでHTTPトランスポートを処理します
HttpClientProviderTransportLiaison
は、Webクリッピング・プロデューサ表示モードでHTTPトランスポートを処理します
その他の認証方式をサポートするには、スタジオとプロバイダの両方のHttpClientTransportLiaison
実装についてaddRequestHeaders
メソッドをオーバーライドし、独自の認証固有ヘッダーを追加する必要があります。詳細は、Oracle WebLogic Server Webクリッピング・トランスポートAPIリファレンスを参照してください。
新しいサブクラスをコンパイルし、JARファイルにパッケージ化します。
たとえば、新しいサブクラスをコンパイルするには次のコマンドを使用します。
javac -classpath
path_to_wcejar
-d classes/
ここで、path_to_wcejar
は、wce.jar
ファイルへのパスを指します。
JARファイルを作成するには、たとえば、次のコマンドをclasses
ディレクトリから実行します。
jar cvf ../
mytransport.jar
ここで、mytransport.jar
は、ユーザーが作成するJARファイルを指します。
新しいトランスポート・クラスを実装したら、カスタム認証方式をサポートするためにJARファイルをデプロイする必要があります。
JARファイルをデプロイするには:
JARファイルを、実行時にWebクリッピング・プロデューサに使用されるクラス・パスまたは共有ライブラリに置きます。
HttpClientProviderTransportLiaison
およびHttpClientStudioTransportLiaison
に定義されているコンテキスト・パラメータに次の変更を行うことにより、Webクリッピング・プロデューサのweb.xml
ファイルにトランスポート・クラスを登録します。
oracle.webclipping.provider.TransportLiaisonClass
のパラメータ値を、HttpClientProviderTransportLiaison
クラスから拡張した新しいクラスの名前に変更します。
oracle.webclipping.studio.TransportLiaisonClass
のパラメータ値を、HttpClientStudioTransportLiaison
クラスから拡張された新しいクラスの名前に変更します。
プロデューサ・サーバーを再起動して変更を有効にします。
Webクリッピングを使用すると、イメージ・リンクをリライトしてリソース・プロキシを使用できます。この機能を有効にするには、次のエントリをWebクリッピング・プロデューサのweb.xml
ファイルに追加する必要があります。
<env-entry> <env-entry-name>oracle/webclipping/rewriteImageLink</env-entry-name> <env-entry-type>java.lang.Boolean</env-entry-type> <env-entry-value>false</env-entry-value> </env-entry>
Webクリッピングを使用する前に、次のものを含むいくつかの管理タスクを実行する必要があります。
Webクリッピングには、Oracle Metadata Services (MDS)ストアまたはOracleデータベースに永続的に格納する必要がある定義があります。
注意: Microsoft SQL ServerまたはIBM DB2データベースをWebクリッピング・リポジトリとして使用することはできません。 |
Webクリッピング・リポジトリ構成は、次の場所にあるWebクリッピング・プロデューサのテスト・ページにアクセスすることで表示できます。
http://host:port
/portalTools/webClipping/providers/webClipping
ここで、host
は、ご使用のWebクリッピング・プロデューサがデプロイされているサーバーであり、port
は、そのサーバーがHTTPリクエストをリスニングするポートです。
注意: 統合WLSと |
プロバイダ・テスト・ページは、Webクリッピング・プロデューサが有効なリポジトリで構成されているかどうかを自動的に検出します。構成されていない場合、Webクリッピング・リポジトリの「ステータス」列には「未構成」と表示されます。図64-4は、Webクリッピングのプロバイダ・テスト・ページを示しています。
プロバイダ・テスト・ページを使用して、Webクリッピング構成情報を変更することはできません。Webクリッピング・リポジトリは、provider.xml
ファイルで適切な値を設定することで構成できます。このファイルでは、repositoryInfo
タグを使用して、Webクリッピング・リポジトリ設定を指定します。
この項には次のサブセクションが含まれます:
デフォルトでは、Oracle JDeveloperで統合WLS(デフォルト・サーバー)でホストされているWebクリッピング・プロデューサは、Webクリッピング・リポジトリとしてファイルベースのMDSを使用するように構成されています。
注意: 完全なOracle Fusion Middlewareインストールでは、Webクリッピング・ポートレット・プロデューサは、デフォルト・ドメインの |
例64-1は、provider.xml
内のデフォルト・リポジトリとしてのMDSを示しています。
例64-1 provider.xml内のデフォルトWebクリッピング・リポジトリとしてのMDS
<repositoryInfo class="oracle.portal.wcs.provider.info.MdsInformation">
<mdsConfigLocation>mds-config.xml</mdsConfigLocation>
</repositoryInfo>
MDSリポジトリの場合、repositoryInfo
タグはMdsInformation
クラスに設定されます。mdsConfigLocation
エントリは、mds-config.xml
ファイルのパスを指定します。このファイルには、メタデータ・ストア構成情報(実際のメタデータ・ストアのパスを含む)が納められています。Oracle JDeveloperでは、mds-config.xml
ファイルは、次のパスにあります。
JDEV_SYSTEM_DIRECTORY/DefaultDomain/servers/DefaultServer/tmp/_WL_user/portalTools_11.1.1.2.0/RANDOMLY_GENERATED_DIRECTORY/war/WEB-INF
注意: Windowsプラットフォームでは、JDeveloperのシステム・ディレクトリのパスに空白があると、Frameworkアプリケーション内のページはレンダリングされません。したがって、 |
mds-config.xml
ファイルでは、プロパティ・タグ内でリポジトリの場所を指定します。
<property name="metadata-path" value="portletdata/tools/webClipping"/>
value
に指定される場所は、JDEV_HOME
/portal
を基準としています。指定される相対パスは、JDEV_HOME
/portal
を基準としているものと解釈されます。別の場所(たとえば、Oracle JDeveloperホーム外の場所)を使用するには、絶対パス(c:\mds
など)を指定します。
注意: 複数中間層デプロイの場合、メタデータ・パスを共有ファイル・システムに変更します。 |
MDSはOracle JDeveloperでのデフォルト・リポジトリですが、かわりに、Webクリッピング・リポジトリ用にデータベース・スキーマを使用することを選択できます。
注意: Webクリッピング・リポジトリとしてデータベースを使用する場合、カスタマイズは、Webクリッピング・プロデューサまたは消費するアプリケーションを再デプロイする場合でもすべて保持されます。 |
Webクリッピングには次のデータベース・スキーマのいずれかを使用できます。
Oracle WebLogic Server向けのRCUによって作成されたデフォルトPORTLET
データベース・スキーマ
Oracle 9i
以上用のユーザー定義データベース・スキーマ
注意: Microsoft SQL ServerまたはIBM DB2データベースをWebクリッピング・リポジトリとして使用することはできません。 |
この項には次のサブセクションが含まれます:
Webクリッピング・リポジトリ用に、Oracle WebLogic Serverの一部としてインストールされているOracleデータベースを、jdbc/portletPrefs
という名前のJNDIデータ・ソースを介して使用できます。このデータベースにアクセスするには、PORTLET
という名前のスキーマを使用します。
注意:
|
Webクリッピング・リポジトリとしてOracle 9i
以上のデータベースの任意のユーザー定義スキーマを使用できます。Webクリッピングの定義およびクリッピング用のデータベース・スキーマを作成するには、例64-2のJavaコマンドを実行します。
例64-2 Webクリッピング・ポートレットの定義およびクリッピング用のスキーマを作成するためのJavaコマンド
java -classpath WC_ORACLE_HOME/lib/xmlparserv2.jar: WC_ORACLE_HOME/jdbc/lib/ojdbc14.jar:WC_ORACLE_HOME/portal/jlib/wce.jar oracle.portal.wcs.Installer -installSchema -username dbuser -password dbpassword -dburl jdbc:oracle:thin:@//host:port/dbid
ここで:
WC_ORACLE_HOME
は、ご使用のWebCenter Portal Oracleホーム・ディレクトリのパスです。
dbuser
は、スキーマのデータベース・ユーザーです。
WSRPおよびPDK-Javaのプリファレンス・ストア・データベース・スキーマの作成で使用するものと同じデータベース・ユーザーを使用することを検討してください。同じユーザーを使用しない場合は、新規のユーザーを作成し、接続権限とリソース権限を付与する必要があります。
dbpassword
は、指定したユーザーのパスワードです。
dburl
は、データベースのURLです。
これは、次の構文を使用してWebクリッピング・ポートレットの定義およびクリッピング用に作成するスキーマを含むデータベースです。
jdbc:oracle:thin:@//dbhost:dbport/service_name
例:
jdbc:oracle:thin:@//shobeen:1521/sales_us
注意: 例64-2のクラスパスでは、UNIXとWindowsで異なるセパレータを使用しています。UNIXシステムでは、 |
統合WLSにデプロイされたWebクリッピング・プロデューサのリポジトリ構成を変更するには:
テキスト・エディタでprovider.xml
ファイルを開きます。
ご使用のWebクリッピング・リポジトリの設定を指定します。
RCUによって作成されるJNDIデータ・ソースによって参照されるPORTLET
スキーマを使用します。例64-3に示すエントリを指定します。
例64-3 Webクリッピング・リポジトリとしてのOracleデータベース
<repositoryInfo class="oracle.portal.wcs.provider.info.JdbcDbInformation"> <connectionName>jdbc/portletPrefs</connectionName> <useRAA>false</useRAA> <useASO>false</useASO> </repositoryInfo>
タグ・パラメータの詳細は、第64.5.1.4項「repositoryInfoタグの属性および子タグ」を参照してください。
Oracle database 9i
以上用に作成されたデータベース・スキーマを使用します。そこで、接続情報を手動で指定できます。
WebクリッピングとしてOracle 9i
以上を指定するには、例64-4に示すエントリでデータベース接続パラメータを指定します。
例64-4 Webクリッピング・リポジトリとしてのOracle Database 9i以上の設定
<repositoryInfo class="oracle.portal.wcs.provider.info.DatabaseInformation"> <useRAA>false</useRAA> <databaseHost>dbhost.mycompany.com</databaseHost> <databasePort>1521</databasePort> <databaseSid>iasdb</databaseSid> <databaseUsername>scott</databaseUsername> <databasePassword>!tiger</databasePassword> <useASO>false</useASO> </repositoryInfo>
タグ・パラメータの詳細は、第64.5.1.4項「repositoryInfoタグの属性および子タグ」を参照してください。
セキュアなデータベース接続が必要な場合は、useASO
エントリをtrue
に設定することで、詳細セキュリティ・オプション(ASO)を有効にします。ASOの構成の詳細は、第64.5.3項「Webクリッピング・プロデューサのセキュリティ」を参照してください。
注意:
|
provider.xml
ファイルを保存します。
統合WLSを再起動します。
表64-1では、repositoryInfo
タグの属性および子タグとその説明を示しています。
注意:
|
表64-1 repositoryInfoタグの属性および子タグ
属性/パラメータ | MDS/データベース | 説明 |
---|---|---|
両方 |
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MDS |
|
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データベース |
RCUを使用してWebクリッピング・リポジトリがインストールされたデータ・ソースのJNDI名を指定します。デフォルトでは、接続名は Oracle WebLogic Server 11g中間層がOracle Application Server 10gリポジトリとペアになっている相互運用シナリオでは、接続はOracle Application Server 10gリポジトリの |
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データベース |
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データベース |
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|
データベース |
Oracleデータベースのホスト名を指定します。バージョン9i以上のみを使用します。例: mycompany.dbhost.com |
|
データベース |
Oracleデータベース・リスナーのポート番号を指定します。これは通常 |
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データベース |
Webクリッピング・リポジトリをホスティングするデータベースのOracle SIDを指定します。 |
|
データベース |
データベースへのログインに使用するユーザー名を入力します。 |
|
データベース |
指定したデータベース・ユーザー名のプレーン・テキストのパスワードを入力します。パスワードの前に感嘆符(!)を付け、Webクリッピング・プロデューサが起動と同時にパスワードを暗号化できるようにします。 例: !AX3tR |
デフォルトでは、Webクリッピングは、ファイルベースのMDSを使用し、Webクリッピング定義および関連するメタデータを格納します。ただし、データベースを使用するようにWebクリッピングを構成できます。Frameworkアプリケーション用にこのリポジトリを移行するには、エクスポートおよびインポート・モードでデプロイ前ツールを使用して、MDSからデータベースへ、あるいはその逆に移行します。この手順は、アプリケーションごとに次のように実行する必要があります。
Webクリッピング・プロデューサを使用するすべてのFrameworkアプリケーションに対して、デプロイ前ツールをexport
モードで実行します。
別のリポジトリを使用するように、プロデューサを更新します。詳細は、第64.5.1.3項「provider.xmlでのWebクリッピング・リポジトリの構成」を参照してください。
Webクリッピング・プロデューサを使用するすべてのFrameworkアプリケーションに対して、デプロイ前ツールをimport
モードで実行します。
HTTPまたはHTTPSのプロキシ設定は、Webクリッピング・スタジオがファイアウォールの外にあるWebサイトに接続できるように設定する必要があります。provider.xml
ファイルを手動で編集することにより、設定を指定できます。
Frameworkアプリケーション管理者は、HTTPまたはHTTPS構成に従って、手動でプロキシ設定を設定できます。provider.xml
ファイルの該当するエントリを編集します。
例64-5では、provider.xml
の該当する部分を示しています。
例64-5 プロキシ設定
- <!-- proxy information: Fill the following up if you have a proxy server between the provider and external sites. <proxyInfo class="oracle.portal.provider.v2.ProxyInformation"> <httpProxyHost>proxy.mycompany.com</httpProxyHost> <httpProxyPort>80</httpProxyPort> <dontProxyFor>*.mycompany.com</dontProxyFor> <proxyUseAuth>true</proxyUseAuth> <proxyType>Basic</proxyType> <proxyRealm>realm1</proxyRealm> <proxyUseGlobal>false</proxyUseGlobal> <proxyUser>scott</proxyUser> <proxyPassword>!tiger</proxyPassword> </proxyInfo> -->
<proxyUseAuth>
、<proxyType>
、<proxyRealm>
、<proxyUseGlobal>
、<proxyUser>
および<proxyPassword>
のタグに値を指定するかどうかはオプションです。
表64-2では、provider.xml
ファイルで指定するプロキシ設定について説明しています。
表64-2 Provider.xmlのタグ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
Webクリッピング・プロバイダからそのデータ・ソースにURL接続するためにプロキシ・サーバーが必要な場合に、そのプロキシ・サーバーのホスト名を入力します。 |
|
HTTPプロキシ・ホストのポート番号を入力します。 |
|
プロキシ・サーバーを介さずに直接接続できるドメインまたはホスト名を入力します。ドメイン名は、次の例のように、企業、組織、政府機関などの名前を含むURLの一部です。
ホストは、完全修飾ホスト名でもIPアドレスでもかまいません。 |
|
指定可能な値: プロキシ・サーバーに認証が必要な場合は、trueを入力します。認証パラメータは、 |
proxyType |
指定可能な値: プロキシ・サーバーのタイプを選択します。 BasicまたはDigest認証の詳細は、 |
|
この表で後から説明するログイン情報に従い、ユーザーがアクセスするプロキシ・サーバーのレルムの名前を入力します。レルムの名前がわからない場合は、プロキシ・サーバーの管理者に問い合せてください。 |
|
指定可能な値: true | trueの場合、 |
|
プロキシ・サーバーにログインするユーザー名を入力します。 |
|
指定したユーザー名のパスワードを入力します。プレーン・パスワード・テキストの前に!を付ける必要があります。プロデューサが起動すると、これは |
ここまでの項では、Webクリッピング・プロデューサを使用できるようにするために実行する必要のある管理タスクについて説明しました。この後の項では、Webクリッピング・プロデューサがSecure Sockets Layer (SSL)対応Webサイトにアクセスし、自身とデータベース間のチャネルを暗号化できるようにするために、実装する必要のあるセキュリティ構成オプションのいくつかについて説明します。
ユーザーがセキュアなサイトへ移動すると、そのWebサイトは、セキュリティに関する情報をユーザーから要求されたときに自身の身元を示す証明書をユーザーに返すことが普通です。ユーザーが証明書を受け取ると、その証明書はブラウザの信頼できる証明書のリスト内に置かれるので、ブラウザとそのサーバーとの間でセキュアなチャネルを開くことができます。Webブラウザと同様に、Webクリッピング・プロデューサは外部Webサイトに対してHTTPクライアントとして機能します。信頼できるサイトを記録するために、Webクリッピング・プロデューサは、cacerts
ファイルを使用します。これは、信頼できる証明書を格納するためのJavaキーストアです。
デフォルトでは、cacerts
ファイルには、Equifax、VeriSign、Cybertrustの証明書など様々な証明書が格納されます。ただし、これには、Web上に存在する使用可能なサーバー証明書の一部は含まれていません。このため、ユーザーがHTTPSを使用してセキュアなサーバーに移動しているときに、Webクリッピング・スタジオ内で、SSLのハンドシェイク失敗例外が発生することがあります。この問題を解決するために、そのサイトの証明書をcacerts
ファイルに追加する必要があります。
証明書をcacerts
ファイルに追加するには:
HTTPS Webサイトの証明書をダウンロードし、その証明書をPEM形式で保存します。
ヒント: Mozilla Firefox 3.0以上では、証明書ファイルをPEM形式で保存できます。 |
次のようにして、cacerts
ファイルを見つけます。
次のURL書式を使用してOracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。
http://
host:port
/console
WLS_Portlets管理対象サーバーの「キーストア」タブを開きます。
「Java標準信頼キーストア」フィールドに指定されているcacerts
ファイルの場所を書き留めます。
コマンド・プロンプトで、cacerts
ファイルの場所に移動し、次のコマンドを実行して証明書を追加します。
keytool -importcert -alias
certi_alias
-file
certifi_name
-keystore cacerts -storepass
password
ここで、certi_alias
は証明書に使用される別名を表し、certifi_name
は証明書ファイル名を表し、password
はcacerts
ファイルのパスワードを表します。デフォルト・パスワードはchangeit
です。
例:
keytool -importcert -alias stamf05 -file stamf05.crt -keystore cacerts -storepass changeit
ヒント: 別名を使用することで、信頼できる証明書を |
Webクリッピング・プロデューサでは、Oracle Advanced Security Option (ASO)を使用して、自身とWebクリッピング・リポジトリをホスティングするデータベースとの間のチャネルを保護し、暗号化できます。この機能は、任意のOracleデータベースをWebクリッピング・リポジトリとして選択した場合にのみ使用可能です。Oracle JDeveloperでは、Oracle Metadata ServicesがデフォルトのWebクリッピング・リポジトリであるため、この機能はデフォルトでは無効です。
ASOを有効にするには:
テキスト・エディタでprovider.xml
を開きます。
ファイルのリポジトリ設定セクション(例64-3に示す)で、useASO
エントリをtrue
に設定します。
provider.xml
ファイルを保存します。
さらに、sqlnet.ora
ファイル内に次のASO構成パラメータを設定して、Webクリッピング・プロデューサと、Webクリッピング・リポジトリのホストとして動作するデータベース間で確立されるデータベース接続でASOが使用されるようにします。
SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES
-- このパラメータは、ASOによるデータベース接続作成で、サポートされている認証方法を選択するために使用されます。このパラメータの設定の詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。
SQLNET.CRYPTO_SEED
-- このパラメータは、ASOによるデータベース接続作成に使用される、暗号化シード値(FIPS 140-1設定)を示しています。
パラメータの設定およびパラメータの様々な可能な組合せに使用する値の詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。
注意: 最初の構成、つまりデータベース・パラメータがすでに設定されている状態の後にこれらのパラメータを設定する場合は、データベース接続が開いているとみなされます。ASOを有効にすると、データベースへのすべての接続が影響を受けるため、ASOを使用する場合は、Webクリッピング・プロデューサが含まれている統合WLSを再起動して、現在のすべての接続をリセットすることをお薦めします。ASOを無効にする場合も、これを行う必要があります。 |
Webクリッピングを使用する場合は、次の制限に注意する必要があります。
クリップするサイトで、Cookieを操作するために多数のJavaScriptが使用されている場合、または、書き出されるHTML文書を変更するためにJavaScriptメソッドのdocument.write
が使用されている場合は、そのサイトからコンテンツをクリップできない場合があります。
パートナ・アプリケーションと(mod_osso
を使用して)統合する場合、認証された方法ではそのパートナ・アプリケーションを介して直接クリップできません。ただし、パートナ・アプリケーションは、外部アプリケーション・フレームワークを介して使用できます。
Webクリッピング・ポートレットを使用して、Oracle PortalページやADFページをクリップすることはできません。対応策としては、接続先ポータルで同じプロデューサを再登録し、そのポータルを手動で編集します。
Webクリッピング・ポートレットを使用して、複数のフレーム(フレームセット)を含むWebページをクリップすることはできません。
WebクリッピングとCSSの使用に関して次の点に注意してください。
CSSを使用するポートレットがWebページに複数ある場合、CSSが、スタイルの名前としてHTMLタグ名(<A>
など)ではなく個別のスタイル名(OraRef
など)を使用してHTMLタグ内にスタイルを指定すれば、ポートレットが競合することはありません。
あるポートレットがCSSを使用し、そのCSSが、スタイルの名前としてタグ名(<A>
など)を使用してHTMLタグの動作を上書きし、同じページの2番目のポートレットがCSSを使用しない場合、2番目のポートレットは、最初のポートレットのCSSのスタイル指示によって影響されます。
同じページにある2つのポートレットが別々のCSSを使用し、各CSSがスタイル名としてHTMLタグ名(<A>
など)を使用して相手のHTMLタグの動作を上書きする場合、表示されるスタイルはブラウザによって異なってきます。
Webクリッピングは、次の方法でグローバリゼーション・サポート設定をチェックします。
Webクリッピングは、charset
属性がないかHTTPヘッダーのContent-Type
をチェックします。キャラクタ・セット属性がある場合は、これがHTMLページの文字コードであるとみなします。
charset
属性がない場合は、Webクリッピングは、ページのHTML META
タグをチェックして文字コードを突き止めます。
HTML META
タグがない場合、Webクリッピングは以前にブラウズされたページのcharset
を使用します。これがブラウズした最初のページである場合は、デフォルトの文字コードISO-8859-1をとります。
Content-Type
またはMETA
タグのcharset
の値がサポートされていない(たとえば、charset
がNONE
として指定されている)場合、Webクリッピングは、以前にブラウズされたページのcharset
ではなくデフォルトのキャラクタ・セットISO-8859-1を使用します。
Webクリッピング・ポートレットを使用するには、Windows 2000ではNetscape 7.0以上、Microsoft Internet Explorer 5.5以上、Windows XPではMicrosoft Internet Explorer 6.0以上を使用する必要があります。使用するブラウザのバージョンがこれより古い場合は、JavaScriptエラーが発生する可能性があります。