この章では、Oracle Traffic Directorの管理サーバーおよび管理ノードの作成について説明します。
この章の構成は、次のとおりです。
Oracle Traffic Directorをインストールした後、次の手順を実行してOracle Traffic Director管理サーバーを作成します。
注意: 管理サーバーの詳細は、Oracle Traffic Director管理者ガイドの管理サーバーの管理に関する項を参照してください。 |
configure-server
コマンドを使用して、管理サーバーを作成します。Oracle Traffic Directorは、root
ユーザーまたは非root
ユーザーのどちらでも構成できます。
管理サーバーをroot
として構成した場合、Oracle Traffic Directorでは、フェイルオーバー・グループの一部であるインスタンスを起動するとkeepalived
デーモンが自動的に起動され、インスタンスを停止するとデーモンが停止されます。一方、管理サーバーを非root
として構成した場合、およびインスタンスが置かれているノードで管理ノード・プロセスが非root
として実行中である場合、keepalived
デーモンは起動も停止も自動的には行われません。この場合、これらのノードでstart-failover
コマンドをroot
ユーザーとして実行する必要があります。これはフェイルオーバーを手動で起動する操作です。このコマンドを実行しない場合、フェイルオーバーは起動せず、高可用性は得られません。フェイルオーバー・グループの作成および管理の詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』の高可用性を得るためのOracle Traffic Directorの構成に関する項を参照してください。
Oracle Traffic Directorをroot
ユーザーとして構成するには、次のコマンドを実行します。
$ORACLE_HOME/bin/tadm configure-server [--user=admin-user] [--password-file=admin-passwd-file] [--host=admin-host] [--port=admin-port] [--rcfile=rcfile] [--echo] [--no-prompt] [--verbose] ([--admin-node] [--node-host=node-host] [--node-port=node-port]) [--server-user=root] [--java-home=java-home] [--bind-ip=ip] --instance-home=instance-home
注意:
|
例:
$ORACLE_HOME/bin/tadm configure-server --user=otd_admin --server-user=root --instance-home=production/otd/
注意:
|
Oracle Traffic Directorを非root
ユーザーとして構成するには、configure-server
コマンドを--server-user
オプションなしで実行します。Oracle Traffic Directorは、非root
ユーザーとして構成されていても高可用性をサポートしています。詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』の高可用性を得るためのOracle Traffic Directorの構成に関する項を参照してください。
パスワードが含まれるファイルの指定に--password-file
オプションを使用しない場合、次のプロンプトが表示されます。
Please enter admin-user-password>
注意: 次のコマンドを実行することで、管理サーバー・インスタンスを削除できます。 $ORACLE_HOME/bin/tadm unconfigure-server --instance-home=path
|
管理者パスワードを入力します。後でこのパスワードを使用してOracle Traffic Director管理コンソールにログインします。
管理者パスワードの再入力を求めるプロンプトが次のように表示されます。
Please enter admin-user-password again>
管理者パスワードを再度入力して確認します。
Oracle Traffic Directorの管理サーバー・インスタンスが作成され、手順1で指定したinstance-home
ディレクトリ内にあるadmin-server
というディレクトリのローカル・ホスト上にデプロイされます。
管理ノードを作成するには、管理サーバーが実行中であることを確認してから、管理ノードとして指定するホストのシェル・プロンプトでconfigure-server
コマンドを実行します。root
ユーザーまたは非root
ユーザーのどちらでも管理ノードを作成できます。
たとえば、secondary
と呼ばれるマウント・ポイントを、ホストadmin_server
上の管理サーバーに登録されているOracle Traffic Director管理ノードとして指定するには、次の操作を実行します。
注意: 管理ノードを |
secondary
システムからconfigure-server
コマンドを実行します。
例:
$ORACLE_HOME/bin/tadm configure-server --user=admin --host=admin_server
--port=8889 --admin-node --node-host=secondary --node-port=8900
--instance-home=/home/otd/instances
ORACLE_HOME
は、管理ノードとして指定するノード上のOracle Traffic Directorインストールを含むディレクトリまたはマウント・ポイントへのパスです。
--instance-home
オプションでは、ノード上に作成するインスタンス・ディレクトリの格納先となるディレクトリを指定します。
--admin-node
オプションでは、指定したホストを管理ノードとして構成することを指定します。
--port
オプションでは、管理サーバーが実行中であるポートを指定します。--port
オプションを指定しなかった場合、デフォルトで8989に設定されます。
--node-port
オプションでは、管理ノードが実行されるポートを指定します。--node-port
オプションを指定しなかった場合、デフォルトで8989に設定されます。
次のメッセージが表示されます。
This command will create an administration node and register it with the remote administration server: https://secondary:8900. Enter admin-user-password>
管理サーバー・ユーザーのパスワードを入力します。
configure-server
コマンドにより、指定した管理サーバー・ホスト、ポート、ユーザーおよびパスワードを使用してリモート管理サーバーとの接続が試行されます。
注意: 管理サーバーにアクセスできない場合は、次のエラー・メッセージが表示されます。 OTD-70104 Unable to communicate with the administration server: Unable to connect to admin-server. Please check if the server is up and running and that the host and port provided are correct. 管理サーバーを起動し、 |
管理ノードを作成しているホストが初めて管理サーバーに接続しようとしている場合は、管理サーバーのサーバー証明書が表示されます。
「y
」を入力して証明書を信頼します。
次のメッセージが表示されます。
OTD-70215 The administration node has been configured successfully.The node can be started by executing: /home/otd/instances/admin-server/bin/startserv
configure-server
の詳細は、Oracle Traffic Directorコマンドライン・リファレンスを参照するか、--help
オプションを付けてコマンドを実行してください。
管理ノードを起動した後、管理ノード上でOracle Traffic Director構成のインスタンスを作成できます。各管理ノード上では構成のインスタンスを1つのみ作成できることに注意してください。