Oracle Traffic Director 11.1.1.7.0の新機能は次のとおりです。
WebSocketプロトコル
このバージョンのOracle Traffic DirectorではWebSocketプロトコルがサポートされます。この機能により、WebSocketサポートを含むアプリケーション間のロード・バランシングが可能になりました。
コンテンツベースのルーティング
Oracle Traffic Directorの以前のバージョンでは、管理者がルーティング・ルールを構成し、受信HTTP/SトラフィックをHTTP/SヘッダーまたはリクエストURI/問合せ情報に基づいてルーティングできました。現在のOracle Traffic Directorでは、本文に含まれているコンテンツに基づきリクエストをルーティングするルールを構成できます。
LDAP/T3ロード・バランシングのサポート
Oracle Traffic Directorでレイヤー7における基本的なLDAP/T3ロード・バランシングがサポートされるようになりました。トラフィック・トンネリングを行うため、リクエストは一般的なTCP接続として処理されます。
Web Logic Serverキープ・アライブ同期
パフォーマンス向上のため、Oracle Traffic Directorとオリジン・サーバー間でHTTPキープ・アライブ接続が維持されます。ただし、Oracle Traffic Directorが接続を使用してリクエストをオリジン・サーバーに送信しようとしたときに、オリジン・サーバーがその接続を閉じた場合、503サーバー・エラーが発生する可能性があります。これを回避するには、接続はオリジン・サーバーから閉じるのではなく、常にOracle Traffic Directorから閉じるようにします。Web Logic Server固有のHTTP/Sヘッダーを利用する現在のOracle Traffic Directorは、WebLogic Serverのキープ・アライブ・タイムアウト値を取得して、それを基に自身のタイムアウト値を調整します。この機能はキープ・アライブ・タイムアウト同期と呼ばれています。
非rootの高可用性
Oracle Traffic Directorで非root
高可用性がサポートされるようになりました。詳細は、第14章「高可用性のためのOracle Traffic Directorの構成」を参照してください。
最小レスポンス時間アルゴリズム
最小レスポンス時間と呼ばれる新しいロード・バランシング方法がOracle Traffic Directorで採用されました。これによりOracle Traffic Directorは、他よりもレスポンスの速いオリジン・サーバーにより多くの負荷を割り当てることができます。
条件ビルダー
条件ビルダーの対話型GUIを使用して、条件を簡単に作成できます。条件ビルダーは、ルート、キャッシュ・ルール、圧縮ルールおよびリクエスト制限を構成するときに使用できます。
Webアプリケーション・ファイアウォール
Oracle Traffic DirectorでWebアプリケーション・ファイアウォールがサポートされるようになりました。Webアプリケーション・ファイアウォールを作成し、HTTPリクエストにルールのセットを適用することで、攻撃を検知して阻止できます。詳細は、11.7項「Webアプリケーション・ファイアウォールの管理」を参照してください。
攻撃阻止のためのWebアプリケーション・ファイアウォール・ルールの使用方法の詳細は、付録B「Webアプリケーション・ファイアウォールの例とユースケース」を参照してください。
Solaris 11.1におけるOracle Traffic Director
Oracle Traffic Directorは、ExalogicおよびOracle SuperCluster上のSolaris 11.1にインストールできるようになりました。